LWのサイゼリヤ

ミラノ風ドリア300円

99/99/99 LWのサイゼリヤにようこそ

オタクのブログです。

/* メモ
トップ記事更新:26/9/26
2020年4月以降の記事は全部載せたがそれ以前の記事は絞っている
人気記事に★マークつけた

*/

■『不・死亡遊戯の成れの果て』掲載中

デスゲームの参加者が全員不死者だった回。

www.alphapolis.co.jp

 

■アニメ・映画感想
映画名探偵プリキュア!不思議な庭と2人の秘密の感想
魔法少女まどか☆マギカ ワルプルギスの廻天
超かぐや姫!
わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)
ボーはおそれている
16bitセンセーション
君たちはどう生きるか
★ぼっち・ざ・ろっく
★リコリス・リコイル
ウマ娘 プリティーダービー Season2
★劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト
★シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇
Re:ゼロから始める異世界生活(第2期前半)
遊戯王ZEXAL
仮面ライダー555
傷物語
ウォッチメン
プリンセスコネクト!Re:Dive
遊戯王5D's
PSYCHO-PASS
アキハバラ電脳組
ソードアートオンライン
バットマンvsスーパーマン
マギアレコード
痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。
アズールレーン
劇場版ハイスクールフリート
異種族レビュアーズ
★パラサイト 半地下の家族
ドラえもん のび太と鉄人兵団
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)
Re:ゼロから始める異世界生活(第1期)
オーバーロード
グランベルム前・後
ジョーカー
トイ・ストーリー4
遊戯王ARC-V
通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?
魔法少女なのはストライカーズ
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲
★遊戯王GX
八月のシンデレラナイン
バーチャルさんはみている
輪るピングドラム

■漫画・ラノベ・ゲーム感想
カオスゼロナイトメア
ステラソラ
魔法少女ノ魔女裁判
★秘密法人デスメイカー
ウソツキ!ゴクオーくん
★呪術廻戦
バリ山行・サンショウウオの四十九日
暗号学園のいろは
バトゥーキ・嘘喰い
★ダンジョン飯
鉄鍋のジャン
死亡遊戯で飯を食う。
★東京卍リベンジャーズ
進撃の巨人
二月の勝者
がっこうぐらし
サムライ8
進撃の巨人
ワールドトリガー前・後
ワンピース

■お題箱
181/182/183/184/185/186/縮小/187/188/189/190/
171/172/173/174/175/176/177/178/179/180/
161/162/163/164/165/166/167/168/169/170/
151/152/153/154/155/156/157/158/159/160/
141/142/143/144/145/146/147/148/149/150/
131/132/133/134/135/136/137/138/139/140/
121/122/123/124/125/126/127/128/129/130/
111/112/113/114/115/116/117/118/119/120/
101/102/103/104/105/106/107/108/109/110/
91/92/93/94/95/96/97/98/99/100/
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71/72/73/74/75/76/77/78/79/80/
61/62/63/64/65/66/67/68/69/70/

■消費コンテンツ
2026年 1/2/3/4~5/6/7/8/9/10/11/12/
2025年 1/2~3/4~6/7/8/9/10~12/
2024年 2~3/4/5~6/7/8~9/10~11/12/
2023年 1/2/3/4~6/7~9/10~翌1/
2022年 1~2/3~4/5/6~8/9~11/12/
2021年 1/2/3/4/5/6/7/8~9/10~12/売却コンテンツ1・2/
2020年 4/5/6/7/8/9/10/11/12/2020春アニメ1・2/2020秋アニメ/

■創作
『不・死亡遊戯の成れの果て(のれのて)』解説
『魔法少女七周忌♡うるかリユニオン(うるユニ)』あとがき
『席には限りがございます!(にはりが)』解説・大反省会1・大反省会2
『ゲーミング自殺、16連射アルマゲドン(ゲーマゲ)』解説
『皇白花には蛆が憑いている(すめうじ)』解説
『Vだけど、Vじゃない!(VV)』

■サイゼミ
1/2/3/4/5前・後/6/7/8/9/10/11/12/13/14/15/16/17/18/

■人生の現在地
1.仕事/2.結婚/3.ソシャゲ/4.一人暮らし/5.創作/6.老害/7.健康////

■理系トピックス
★キヴォトスではガチャを期待値で語るのは恥ずかしいことなんだよ
データサイエンティストこそ質的研究を学ぶべきだ
情報処理安全確保支援士(旧セキスペ)合格体験記
岡留剛『深層学習 生成AIの基礎』感想 ニューラルネットも平成から令和へ!
スピリチュアルに負けないために学び直す量子力学
★タネンバウムの『コンピュータネットワーク』を読んでワンランク上の現代人になった
ソシャゲのデータサイエンスというのはガチャの排出率を考えることではなくて……
ひろゆきと親しむ身近な因果推論
データサイエンティスト業務用リハビリ書籍感想
★データサイエンス系資格だいたい全部取った
データサイエンスエキスパート攻略
『入門 統計的因果推論(Judea Pearl)』メモ
統計検定1級とかいうゲームに勝利した
複雑ネットワーク科学入門書籍の感想
竹村彰通『新装改訂版 現代数理統計学』の感想
ポインタと確定記述、変数名と固有名のアナロジーについて
機械学習入門書籍レビュー

■その他
広島~四国を巡った3泊4日 友・うどん・カツオ
名前だけ知ってるカードゲーム体験会2(ゴシドラ夏合宿レポ)
曖昧な食欲で福岡~鹿児島を巡った3泊4日
【help me】異性の友人を募集します→異性の友人を募集して1ヶ月で15人会った
俺が考えた最強の本の読み方 最強読書趣味攻略
センター世代も共通テストを解け2026
2025年良かった歌い手・Vsinger・Vtuberソング:6文脈+11選+α
★社会人プレデター帯では退職間際に人を褒めまくるムーブが強い
名前だけ知ってるカードゲーム体験会(ゴシドラ夏合宿レポ)
★野矢茂樹『新版 論理トレーニング』 Twitterの見るに堪えない議論を越えろ
小林哲夫『筑駒の研究』を筑駒OBが読む
観光地を完全無視して秋田~青森~函館を巡る5泊6日
★美大芸大の卒展巡りにハマったから良かった作品を紹介するぜ
2024年らへんに買ったりして良かった寄りのもの約10選
冬合宿でプレイしたカード・ボードゲーム初見レビュー
ここ最近のデスゲーム系ラノベを10冊読んだ
★東大卒無職のTwitter就活記
カードゲーム『CROSS GEAR』紹介/解説1・2・3・4
★マジでカードゲーム強い人たちにマジで強くなる方法聞いてきた
2023年買って良かったもの
★「生成AIの『学習』は学術用語だ」ということをそろそろちゃんと説明した方がいい
2023俺が選ぶ歌い手ベスト10
★就活に苦しむインテリの学生に社会の真実を教える
★『粛聖!!ロリ神レクイエム☆』はロリコンソングではありません
中学生ぶりにラノベ熱が再燃したので女性主人公ラノベレビュー1・2
「入間人間の手口がだいぶわかってきた」って何やねん
1秒もプレイしてないNIKKEキャラデザ真剣評価
重い腰を上げて10年前に積んだ女性主人公ラノベ83冊を崩した1・2・3・4
AI挿絵付きWeb小説を投稿し始めて2ヶ月経った話
★君はAI創作の最前線にして最底辺「AI拓也」を知っているか
プランナー目線の生成AI妥協論
何故AIにはイラストを発注できないのか?
★小二で全国模試一位を取った男の半生・延長戦
人生で初めて歌ってみたに激ハマりしてる話
2021年買ってよかったもの
白上フブキは存在し、かつ、狐であるのか:Vtuberの存在論と意味論・延長戦
ゲートルーラーは「本物」かもしれない
表紙が三枚あるノートを特注した話
ロラン・バルト『物語の構造分析』メモ 構造分析vsテクスト分析
プライムデーセールでKindle端末を買うべきか?
『Vだけど、Vじゃない!』:Vtuberはどこにいるのか?
ダブルマスターズドラフト攻略
倫理は永井均しか勝たない
ポストモダニズムから資本主義リアリズムまでの間に何があった!?
『リアリティーショーを批判しているオタクもVTuber見てんじゃん』を受けて
ハッシュタグの氾濫、メタ政治性を巡る闘争
100日後に死ぬワニはなぜ失敗したのか
オタクの中韓コンテンツ張り
『ダンベル何キロ持てる?』を見たオタクが3ヶ月筋トレした結果……
日本興行収入上位映画100本を見た感想
実用系アニメのポテンシャルを評価せよ
ガチャを叩く時代は終わった

26/10/18 名前だけ知ってるカードゲーム体験会3

合宿外でも溜まってきたので投稿。

評価
①面白さ:遊びたくなる面白さがあるか
 ★★★:今後も機会があれば遊びたい
 ★★☆:一日遊ぶ分には満足できる
 ★☆☆:もうあんまやりたくない

②新鮮さ:カードゲームの新しい知見が得られたか
 ★★★:根本的な新しさがあった
 ★★☆:多少の新しさがあった
 ★☆☆:新しさはほとんどなかった

③体験価値:遊んでみる価値があるか
 ★★★:遊ぶべきだと勧められる
 ★★☆:遊んでもよいと言える
 ★☆☆:遊ぶ価値はあまりない

 

ZUTOMAYO CARD

【面白さ:★★☆】【新鮮さ:★★☆】【体験価値:★★☆】

独特なプレイマット

カードゲームが増えてきた昨今でも異色な、音楽グループ「ずっと真夜中でいいのに。(ずとまよ)」のカード。
実は2022年頃から存在しているが、カードショップではなく主にライブ会場やポップアップストアで扱われているらしいので普段目にする機会がない。

ファンアイテムの色が強いためか、カードゲーム界の常識を軽々と越えていくかなり異常な見た目をしている。

まずカード上部に最も大きく記載されている文字列がなぜかカード名ではなくカードゲーム名。
そのせいで全てのカードが「ZUTOMAYO」にしか見えない(カード名は下の方に小さく書いてある)。更に左上に書かれている数字も別にコストではなく(コストは右下あたりに小さく書いてある星マーク)、下に二つ並んでいる数字も別にATK/DEFではない(これは昼と夜のパワー)。

そしてデザインと同様に型破りなセオリーとして、戦闘では勝つよりも負けた方が強いことがある。
というのも毎ターンの行動回数が直前の戦闘における勝敗で決まっており、負けた方は勝った方の2倍動けるからだ(勝つと1回、負けると2回)。よって戦闘に負け続けていればマナのセットや手札の循環を2倍速で行える。

この「戦闘には勝つべきではない」という異様なセオリーが理解されてから様々な評価が逆転していったのはかなり良い体験だった。
・最初は0マナでもパワーがあって戦えるキャラクターが強いと思われていたが、そもそも戦闘に勝つべきではないため、初手から勝ててしまうのは重いデメリットになる。
・最初はカードゲームの常でダメージ軽減はパンプアップより弱いと思われていたが(MtGプレイヤー向け:治癒の軟膏は巨大化よりも弱い)、ちゃんと戦闘に負けられた上でダメージだけ緩和する軽減カードの方が強い。
・最初は火力が高めで戦闘に強い赤単が強いと思われていたが、チマチマ戦闘に勝ってもゲームには勝たないことが発覚して一気に最弱デッキに転落。

もちろんゲームに勝つためにはどこかで戦闘に勝つ必要はあるが、それは最後の1~2回だけでいい。つまり細かく負け続けて倍速でセットアップしたあと、ゲームエンド級の必殺技を叩き込んで勝つのが理想的な流れ。
この流れを踏まえてどのデッキにも高マナの必殺技が設定されており、初期ライフ100に対して200越えの打点を叩き込んで一気に削り切るのはザラ。

典型的なフィニッシャー(最低140打点+軽減不可)

しかし裏の択として、戦闘に負けてセットアップを進めようとしている相手を思いっきり殴って咎めることもできる。実は0マナからでも打点は高く初期ライフの半分くらいは飛ばせるので、相手の準備中にアグロで完走できる可能性は低くない。
だがアグロプランは戦闘に勝ってしまうので当然セットアップを捨てることになり、相手がフィニッシャーに辿り着く前に程々の打点で抑え込まれるリスクがある。
構図としては「敗北連打ランプ←超アグロ←適当ミッド←敗北連打ランプ」みたいなジャンケンになっており、同じデッキでもプレイに腕が出るのがよく出来ていた。やや大味に見えてきちんとした戦略と読み合いがある。

変な見た目のファンアイテムにしては妙にクオリティが高く、ずとまよファンでなくても触っておく価値のあるカードゲーム。

 

AWS BuilderCards

【面白さ:★☆☆】【新鮮さ:★☆☆】【体験価値:★★☆】

AmazonのクラウドサービスであるところのAWSのカードゲーム。公式説明文は以下の通り。

このデッキ構築カードゲームで、理想のクラウドアーキテクチャを構築しましょう。

「AWS BuilderCards 日本語版 第2版」は、AWSサービスについて学びながら、実際のアーキテクチャを構築するためのカードゲームです。
AWSに関連した自身の業務やシステムと結びつけてプレイするのが最適です。

【ゲームの世界観】
ビルダーのみなさん、ようこそ。今日はあなたがITアーキテクトとして採用された初日です。
あなたの仕事は、チームを立ち上げ、モダンで革新的なクラウドネイティブアプリケーションをたくさん作ること。
しかし、まだオンプレミスのインフラが残っています。既存のリソースを賢く使い、新しいサービスを採用し、AWSアーキテクチャを構築して、たくさんのWell-Architectedポイントを取得してください。

【遊び方の魅力】
プレイヤーは基本的なリソースからスタートし、少しずつ手札(ポートフォリオ)を増やし、サービスを戦略的に組み合わせ、
クラウドのベストプラクティスに従うことで「Well-Architectedポイント」を獲得します。
AWSサービス同士の連携(コンビネーション)を活かすと追加ボーナスが得られる--AWSのアーキテクチャ図を描くように、デッキをプレイしましょう。

要するに典型的なドミニオン系のゲームだが、ドミニオンのデッキ強化要素とアーキテクチャのクラウド対応が綺麗に噛み合ったフレイバーはかなりよくできている。

各プレイヤーのデッキは自社サービスのアーキテクチャを表しているが、初期デッキは全てオンプレミスの雑魚環境から始まる。
ここから毎ターン購入を行うことでAWSのサービスがデッキ=アーキテクチャに入って徐々に強化されていき、最終的にはAWSを縦横無尽に駆使した最強のサービスを作り上げ、勝利点(=AWSのアーキテクチャ評価を示すフレームワークWell-Architected)を多く集めたプレイヤーが勝利となる。

カード効果もAWSのサービス内容をベースとしている(データ人材向けの例:AthenaはS3とコンボすることで1ドローできる)。
ただAWSのカードは30種類以上もあるため、購入時に何と何がコンボするのかを把握するためにはある程度サービスのイメージが掴めていた方が有利(市場に出ているカードが自分のデッキにあるカードとシナジーするのかを把握しておくのも容易ではない)。例えばEC2やlambdaなどの基本的なコンピュータ資源サービスは重要度が高くコンボ起点になることが多い。

コソ練

ドミニオン亜種としてそこそこ楽しめる一方、明確に微妙な点が二つある。

一つ目は、フレイバーを重視したせいでデッキを回す気持ちよさが犠牲になっていること。
初期デッキを埋め尽くすオンプレミスカードは基本的に何も効果を持たず、ドミニオンで言うと屋敷10枚からデッキがスタートする。加えて弱いカードの廃棄手段にも乏しいのでデッキの強化が遅く、ドミニオン系ゲームの癖に回すのがあんまり気持ちよくないという致命的な欠陥を抱えている。
ただ実務においてリプレイスは拙速に進めるものではなく、ハイブリッドを経て少しずつクラウドサービスに対応していくのが王道という説明で正当化できないこともない。

二つ目は、そもそもカードのデザインがシンプルにそんな良くないこと。
全体的に考慮不足のカードや仕様が多いように感じる。例えば初期デッキが弱すぎるためにほとんどのカードが無料で買えてしまい、そもそも金量を出す意味が薄め。また、あまり使えないカードやデッキを選ぶカードがかなり多いので、需要の低いカードが市場を埋めてゲームが停滞することが多い。

補足688:「全員が同意すれば市場を流せる」という救済措置が一応存在するものの、流した直後に手番が来るプレイヤーが極端に有利になるので合意を取れることは基本的にない。

ドミニオン系ゲームの中でも下位に入る出来栄えだが、フレイバーはかなり面白く、ルール上の欠陥もプレイヤー同士で協議していくつか変更すれば思ったよりは遊べる範疇ではあった。

 

MAGIA NOVA

【面白さ:★★★】【新鮮さ:★★☆】【体験価値:★★☆】

過去に大きく取り上げたCROSS GEARの後継作。

saize-lw.hatenablog.com

基本ルールはCROSS GEARと大きく変わらず、細かいポイントがチューンされたマイナーチェンジ版のような位置づけ。美少女キャラが6人から15人に増えた。

全体的にCROSS GEARの速さとシビアさが緩和されてやや遅く運要素が入ったように思われる。特に大きな変更点は以下の通り。

・(前作では数値だった)ライフがシールド式になった
前作では1点単位のシビアなライフ計算を行っていたが、今作はシールド管理になったためにコンポーネントが減り捲れ次第で逆転できるようになった。
ただ盤面にいるキャラクター(と枚数の少ない魔道具)しかトリガーせず、それ以外はそのまま捨てられるというややシビアな仕様であり、盤面をクリアすることで比較的安全にシールドを叩けるようになっている。

・(前作ではGEARLINKだった)追加コストの支払いが墓地カードの除外になった
前作ではマナを裏返していた追加コストが墓地除外になり、事前のセットアップが必要になった。
上限のみ決まっていていつでも動けた前作とは異なり、今回はある程度墓地にカードが溜まらないと起動できないため、速度が落ちると共に負けている側が先に起動できる均衡寄りのシステムになっている。

・(前作では10だった)マナ上限が6になった
元々マナさえあればドローも速攻アタックも何でもできるルールなので、マナが伸びる終盤には物量で無理やりリーサルが取れたのだが、今作はマナが最大6までしか伸びないので終盤で死ににくい。前作では「ここで倒せなければ返しで負け」という場面が頻発していたが、今作は意外と生きる。

キャラ間のシナジーもやや弱まっており、単独で運用できるキャラクターが増えている。
この偽教授が非常に強く、本体とスペルの両面で簡単に4点火力を飛ばせるためドライブしているキャラクターも即落とせる異常なスペックを持っている。

通称・偽ニヤニヤ教授

個人的にはCROSS GEARの方が好みかもしれない。
というのも、個人的にシールドトリガーシステムが非常に苦手だからだ。クリティカルなシーンで勝敗が運に左右されるのが性に合っておらず、「シールドトリガーで負けたときおもんないのはわかるけど、勝ってもおもんなさそうにしてるから相当アンチだね」と言われた。

補足689:一緒に遊んだ競技ワンピースプレイヤーは「トリガーが運とはいっても裏目の確率は簡単に計算できるし確率で考えればいいから~」などと小賢しいことを言っていたが、俺はカジュアル層なので20%の裏目踏んで勝ちが負けになるのは普通に理不尽だろと感じる。「負けたけど踏み方は良かったので人事は尽くした」「20%だと覚悟して踏んだ裏目で負ける分には仕方ない」みたいな納得は特にない!

ただCROSS GEARの面白い部分は続投しており、CROSS GEAR同様に依然としてオススメできるし、CROSS GEARをプレイした人も2として遊ぶ価値は高い。両方遊んで向いている方を探してみよう。

 

GODZILLA CARD GAME

【面白さ:★★☆】【新鮮さ:★★★】【体験価値:★★★】

ゴジラの最新カードゲーム。
ゴジラ映画を表現した内容はカードゲームというよりはボードゲームに近く、対戦盤面もあまり見たことがない異様な見た目になっている。

奇怪

前提、クリーチャー的なものはお互いの場に1体ずつ存在するゴジラしかいない。
基本的には毎ターン1から8へと数字の順にゴジラがノシノシ歩いていって、8から先に進んだ時点で侵攻完了となり勝利となる。
相手はゴジラを撃退して押し戻すことができるが、ゴジラは撃退されるたびにパワーアップし、もう復活しなくなるまで相手のゴジラを倒すか、最後まで侵攻すれば勝ちというのが基本的な流れ。
手札は毎ターン所定枚数まで補充されるのでアドバンテージを気にする必要があまりなく、とりあえず最強の布陣を作って迎え撃てばいいのは現代的な仕様だ。

フレーバーは非常に面白く、ゴジラ映画という難しいモチーフをよくカードゲームに落とし込んでいる。

例えば、自分が配置したユニットを自軍のゴジラが勝手に歩いて踏み潰してしまうのは巨大怪獣のイメージ通り。
上手くやって被害ゼロという配置は概ね不可能で、自軍のゴジラに粉砕される前提で被害の少ない配置を考えることになる。相手のゴジラを迎撃するのみならず自軍のゴジラとも上手く付き合わなければならない。

相手のゴジラを撃退する際も「なるべく引きつけてから撃退する」という行動が推奨されるようになっているのが映画っぽくて上手い。
相手のゴジラが侵攻していればいるほど自分が使えるカードが強くなることに加え、ゴジラを進ませてから撃退した方が押し戻せる距離が大きい。映画の再現としてもゲームのリスクリターンとしてもギリギリのところで撃退する方が適切だ。

よく出来てはいるが、かなり大きな欠点として数値計算が非常に面倒臭いことがある。
「総力を上げてゴジラを迎撃する」というシステムのため、数値計算がカード1枚同士で完結することは基本ない。例えば盤面に散らばった全てのカードが持つ「撃退力」を合算して「総撃退力」を算出する必要があるのだが、これが異様な計算量を要求してくる。
細かい条件によって数値が上下する2桁単位の計算が必要で、プレイングとしては当然それを逆算して「今は8000+13000+3000で24000点だけど26000点を作るためには2000点が必要で~」みたいなことをずっと考え続けなければならない。

第一弾スターターの時点で既に脳内メモリへの負荷がかなり高く、正直アナログゲームに許される計算の複雑さを超えている気がする。逆に今の数値を勝手に計算して表示してくれるデジタルゲームなら相当楽になる気もしており、今後のデジタルゲーム化に期待したい。

26/10/1 2026年8~9月消費コンテンツ

メディア別リスト

漫画(44冊)

夜桜さんちの大作戦(全29巻)
魔法少女×敗北裁判(1~3巻)
平良深姉妹はどっちもヤんでる(全5巻)
死亡遊戯で飯を食う。(1~5巻)
阿佐ヶ谷サキュバス同人物語(1~2巻)

書籍(6冊)

ロジカルプレゼンテーション
問題解決
ゼロから作るDeep Learning ❻ ―LLM編
さよならの言い方なんて知らない。

映画(5本)

カリガリ博士
劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語
劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉
映画名探偵プリキュア!不思議な庭と2人の秘密
プロジェクト・ヘイル・メアリー

アニメ(24話)

ヤニねこ(全12話)
鉄鍋のジャン!(全12話)

 

良かった順リスト

人生に残るコンテンツ

(特になし)

消費して良かったコンテンツ

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語
魔法少女×敗北裁判
阿佐ヶ谷サキュバス同人物語
ゼロから作るDeep Learning ❻ ―LLM編
問題解決
ヤニねこ
劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉
死亡遊戯で飯を食う。

消費して損はなかったコンテンツ

鉄鍋のジャン!
映画名探偵プリキュア!不思議な庭と2人の秘密
平良深姉妹はどっちもヤんでる
ロジカルプレゼンテーション

たまに思い出すかもしれないくらいのコンテンツ

カリガリ博士
プロジェクト・ヘイル・メアリー

以降の人生でもう一度関わるかどうか怪しいコンテンツ

夜桜さんちの大作戦
さよならの言い方なんて知らない。

 

ピックアップ

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉

面白かった。感想記事は以下。

saize-lw.hatenablog.com

俺はまどかとほむらの話にはあんまり関心がなくて、今後も魔法少女たちが勝手な思想でバトルロイヤルする感じでOK。

 

映画名探偵プリキュア!不思議な庭と2人の秘密

面白かった。感想記事は以下。

saize-lw.hatenablog.com

オタクに優しいたんプリには同年代の男性キャラクターが全く出てこないので、他シリーズからはけっこう出てきてびっくりした!

 

魔法少女×敗北裁判

これめちゃめちゃ面白かったしすごい漫画です!
敗北ヒロインものというジャンルを力強く前進させる、極めてエポックメイキングな作品。敗北ヒロインにまだこんな伸びしろがあるとは思っていなかった。

そもそも「敗北裁判」とは何かと言うと、あらすじによれば以下の通り。

異界からの侵略者に立ち向かう人類の希望、魔法少女。
しかし正義感あふれる少女たちも負ければ一転、「敗北裁判」送りに。
その法廷では『敗北』への糾弾と嘲笑、尊厳破壊の恥辱刑が待つのだ…。
新人魔法弁護士・岬護ユゥリは、魔法少女『敗北』の謎を解き明かし
哀れな少女たちを救うため奔走する!

要するにセカンドレイプであり、一度敗北して肉体的に凌辱されたヒロインに法廷で精神的な苦痛も与えると二度美味しいという悪趣味ではある。

しかしそれはそれとして、裁判の内容が非常に面白い。
魔法弁護士である主人公のユゥリは「敗北ヒロインを弁護する」というジャンルのお約束を逆手に取った絶対的に不利な勝利条件を持ち、実際には敗北に責任が伴わないことを立証して無罪を勝ち取らなければならない。

その過程において、様々な魔法少女たちが固有魔法を行使しながら魔法のルールや状況を読み解いていく論戦が繰り広げられる。その質がかなり高くギャグも面白い。
例えば第2話ではスパイダーマンパロディの魔法少女が裁かれるのだが、言われてみれば当然だが今まで誰も指摘してこなかったスパイダーマンの奇妙なポイントを突いてどんでん返しの判決に繋げており、ここでパロディとロジックとエロとギャグが全部融合していることに感動して一気に引き込まれた(真相は君の目で確かめろ!)。

敗北ヒロインものなんて負けたヒロインが凌辱されるだけのフォーマットが決まりきったジャンルという認識の人は少なくないと思うが、そこに「本当に敗北は妥当だったのか?」という視点を持ち込むことにより、別軸のロジカルな面白さとセカンドレイプという再凌辱を添加することに成功している。どんな頭してたらこの立て付けを思いつくんだ。

しかし注意点として、凌辱ジャンルが嫌いな人はふつうに読まない方がいい!
この手のエロ漫画パロディ的なコンテンツって、「本来はここでヤバくなるけどこの作品ではギリギリセーフ」という防衛ライン自体をギャグにしていたり、元の尖りをパロディ文脈で緩和することで対象層を広げたりすることが多いのだが、この作品は依然として敗北ヒロインものとしての矜持を保っているからだ。
一応「新人弁護士が敗北ヒロインを救う」というお話なので無罪(イノセント)の判決を勝ち取りはするのだが、被告人はもう既に負けて凌辱されてるし裁判で予告される恥辱刑は執行されないまでもイラストでは描かれるし裁判中にセカンドレイプはもうされてるしそもそも裁判に勝ったところでキツい戦いからは解放されないので、ヒロインは別にあんま救済されていないのがコミックヴァルキリーらしさではある。

補足686:ちなみに魔法少女×裁判ものということでまのさばとかなり被っているが、まのさばのメインファン層には絶対に受け入れられないと思う。でも面白そうだからいつかコラボしてほしい。魂の入った本物の露悪をビジネス露悪に見せてやれ!

ニコニコ漫画などで試し読みもできるのでリンクを貼っておく。繰り返しになるが、凌辱が嫌いではない人だけ読んでほしい。

manga.nicovideo.jp

 

ヤニねこ

かなり面白かった!
回の当たり外れはやや激しかったが、全体的には事前の期待を大きく越えて成功したアニメ化だったと思う。
漫画の見た目ではどう考えても一発芸不謹慎アニメにしかならなさそうなところ、それ以外の広がりを十分に確保できたのが勝因だったように思われる。

それはビジュアル的にはディテールにこだわったやたらと良い作画に象徴される。「意味もなく無駄に作画が良い」というギャグは稀によくあるが、そうではなくて普通に満遍なく良いことが決定的に重要なのだ。
獣人どもが変な一発芸をこなすだけにしては明らかに過剰なディテールが世界に描き込まれていることにより、別にここは一発芸用の世界ではなくて、もっと大きく多様な世界の中でたまたま頭のおかしい連中がフォーカスされているだけという世界の余白を感じさせることに成功している。

頭のおかしいキャラクターたちもよく見れば別に言うほど一発芸しかないわけでもなく、立体的な人格の余白はきちんと描写されている。
例えばヤニねこはヤニに関しては強烈な執着を見せるが、関心の全てがヤニに吸われているために却ってヤニ以外に対しては無頓着でさっぱりしており、後輩属性のキャラクターたちからは妙に慕われやすかったりする。ヤクねこも軽いノリであるが故に薬に流された重い過去を持っていたり、カンサイも本質的には面白くない人間であるが故にノリの合わない大学の飲み会ではつまらなさそうにしていたり、多くのキャラクターが持ちネタの裏面をしっかりと持っている。

色々な側面を持つ色々な人たちがたまたまアパートに集まっていて、たまに面白いことが起きるという大らかな生活はかなり楽しそうに見えるし、美少女のパッケージで包む合理性もきちんとある(そこが世界の面白い部分だから)。
OPでの節操のないパロディ連打とか、OPとEDのボーカル入れ替えが異様な爽やかさをもたらすのも、そういう大らかかつ局所的な面白さというありさまが実はアニメのテーマとしっかり噛み合っているからだと思う。

アニメ化決定時あたりには最近多い露悪コンテンツの一つと見做す向きもあったが、いまやこの作品はNieA_7かギャラクシーエンジェルあたりの系譜とみなしていいように思われる。名作。

 

夜桜さんちの大作戦

完結したので読んだが、これが29巻も続いてアニメ化までしたのはやや信じがたい。

コロコロ版SPY×FAMILYのような内容はともかくとして、面白さ以前に延々と同じ話をやっていて極端に情報密度が低い!
キャラごとに設定されたノルマを何度でも擦り続ける上、家族を必ず横並びでフェアに扱うため、バトルもコメディも毎回毎回同じ話を5周分読まされる羽目になる(7人家族のうち、独自の立ち位置を持つ狂一郎と六美を除外した5人)。

とはいえ、キャラを平等に擦りまくる立て付けはキャラを好きにさせれば勝ちなので、一定のファン層に一定の人気が出ること自体はわからないでもない。
その点、人気投票ではキャラが丸くて薄い主人公とヒロインは票を伸ばせず、きっちり男女っぽい動きをしている四怨と嫌五がツートップなのは正しくて良かった。キャラ漫画がキャラ漫画として消費されている証左である。

補足687:四怨が「現実の事件をゲームに変換してクリアすることで解決する」というギミックは3年も前なら完全に意味不明だったが、今は時代が追いついてAIを使っているとすれば一応納得できるようになった(具体的な問題の表現をAIに任せ、人間は解く方に集中するというのは蓋し適切な分業ですらある)。なお類似事例として、任意の作品に登場する独自デジタルシステムの変に凝ったUIデザインは設定上で誰がデザインしたのかという問題があったが、AIがそれらしいデザインを勝手に選択したという解釈が通るようになったりしている。

キャラで言うと女の子は可愛いがちで特に修羅と殺香は表面的な意味で好きだったが、結局夜桜家がメインなのでサブキャラの活躍は総じて微妙なところだ。
修羅は造形がオタクすぎるから諦めも付くにせよ、殺香は使いどころありそうだから一応メイドにしといたのに最後まであんま使い道なかったのがありありと見えて悲しかった。

家族の絆というテーマを貫くこと自体は別にいいのだが、いつも夜桜家が毎回あまり苦労せず勝利してしまうので価値観に対する葛藤が特に生じずに終わってしまうのは勿体なかった。
特に敵組織をいちいち構成員同士の距離が近い疑似家族として描くあたりにはかなり可能性を感じるものがあった。家族同士の抗争になるなら家族観の衝突みたいなものを期待して読み進めるのだが、結局夜桜家の全員がノルマを消化する個人戦になってマンパワーで勝つのでなんか特に話が発展しない。

そういう意味では、中ボスの百だけはかなり良かった。表面的ではない意味で一番好きなキャラが百なのは間違いない。
あの一家の父親という立ち位置を最大限に活かした、「家族のことを思いすぎた末路」という悪性はテーマの裏返しとして綺麗に噛み合っていた。が、それもそれほど掘り下げられないうちに自己洗脳みたいな話になってしまい、最終的に巻き取った旦は全然魅力なかったな……あと5年後のスパイファミリー編はマジで何?

 

プロジェクト・ヘイル・メアリー

プロジェクト・ヘイル・メアリー

アマプラに来ていたので見た。
てっきり2001年宇宙の旅みたいな玄人向け抽象SFかと思っていたのだが、全然クソかわいい岩みたいなエーリアンとめちゃめちゃ仲良くなってて笑ってしまった。これディズニー映画やないかい!
一応途中でちょっと事故って主人公がピンチっぽくなったり岩みたいなやつが昏睡っぽくなったりもするが、それも敵のいない単なる事故に過ぎず、当初のミッションはあっけなく成功していく。

実際のところ、この映画の真髄は宇宙人との交流というよりは、よく考えると特異な主人公の造形と立ち位置にあるような気がする。
主人公はもともと陰キャであることは序盤から語られているが、細切れに入る回想シーンによって、なんと意志に反して薬で眠らされて望まぬ参加をしていたことが明らかになっていく(他に適役がいないというやむを得ない事情があるとはいえ)。

つまり「片道切符で地球を救う」といういかにもアメリカ映画らしい極めて自己犠牲的な状況に対し、実は本人的にはぜんぜん真逆のモチベーションだったことが後から明らかになっていく。
かといって地球に復讐するほどネガティブなわけでもなく、別に何としても地球を救いたいほどポジティブなわけでもなく、どうせもう地球には帰れないのであればやらないよりはやった方がいいから一応働きはするあたりが根っからの陰キャである。

しかし自己犠牲を選ばないとはいっても、我を貫いて地球を捨てる必要はない。それはそれとして一応地球は救うので、地球に残された人達の視点では主人公は地球を救って宇宙に消えた自己犠牲の英雄でしかないのだが、実際のところは変な星で変な岩のやつに授業をして楽しく暮らしているというギャップに真の面白さがある。
自己犠牲のジレンマは別に二者択一というわけでもなくて、地球を救って彼のプロジェクト・ヘイリ・メアリーが終わったら別の人生をスタートしてもいい。そういう肩の力を抜いた人生のあり方はアルマゲドン的な英雄譚へのアンチとしてしっかり機能している。

あとヘイルメアリー号の擬人化とかいう謎のブームが萌えなので楽しませて頂いている。やっぱりカジュアルな映画はこういう恩恵があるからいいな。

 

鉄鍋のジャン!

激萌えキリコ

漫画は全部読んでかなり好きだったのでアニメも見た(漫画の記事→■)。
全体的にかなり忠実に漫画をアニメ化しているので追加でどうという話はないが、もともと勢いが凄い漫画だし各キャラが動画で動いているのは期待を裏切らない。

ツダケンのボイスナレーションで、作品自体の歴史的な立ち位置や貢献を解説するメタメッセージがよく流れるのがかなり面白かった。それはけっこうラディカルなことをやっていて、作品のメイキングを作品自体に組み込んだヤン・シュヴァンクマイエルの『蟲』あたりと似たようなことをしている。
古いコンテンツがリバイバルする昨今において、当時の時代状況とか作品の影響を作品自体と一緒に語るドキュメンタリー的な手口はそれなりに有効そうな気もしてくる。とはいえ鉄鍋のジャンは料理という漫画外の広範なカルチャーに対して現実の影響を及ぼした強みがあり、自らを相互参照の中に置けるという特異な立ち位置故に使える技なのかもしれない。

 

平良深姉妹はどっちもヤんでる

地味に1巻から追っていた百合漫画が完結。
ヤンデレ妹とメンヘラ姉をきっちり書き分けているので、その違いを提示する用途でたまに引用していた(精神的に脆く自己愛の強いメンヘラと、精神的に強く他者愛の強いヤンデレ)。

最終巻はまあ順当な終わり方でどうということもないのだが、全体的なジレンマの基本設定が非常に上手かったと思う。
常に精神不安定で承認を求めるメンヘラ姉に、姉に無限の愛を注げるヤンデレ妹をぶつければ割れ鍋に綴じ蓋で万事上手くいくのかと思いきや、そうはいかないのが人生のままならなさ。尋常ではないヤンデレの妹は完全に現実を無視した理想しか語らないので、その明らかな破綻故に却って辛い現実が際立ってメンヘラ姉は徐々に追い詰められていく。
そういう「やりすぎると反転する」という陰陽魚の論理をヤンデレ&メンヘラというフォーマットできっちり描き切ったのがすごかった。名作。

 

死亡遊戯で飯を食う。

原作のラノベは既読で、漫画版が有り得ないレベルの大当たり漫画家を引いていて異様に絵が良いので購入。珍しく画集的な鑑賞用途で購入した。
元々コスプレしてデスゲームする謎の作品なのでイラストで見られる漫画ではかなり映えている。主人公の幽鬼は漫画版ではアニメ版よりかなり表情豊かで(アニメ一話しか見てないけど)、この見た目でけっこう内面的にはやかましかったりする部分がしっかり描かれているのも嬉しい。こいつけっこうエロガキだったりするからな。

 

阿佐ヶ谷サキュバス同人物語

ウェブ掲載で読んで面白かったので購入。
キャラクターが割と理知的でオーバーな反応を返さないコメディ、リアクションが表情や感嘆というよりはロジックに由来しているギャグからしか出ない面白さはある。
あと普通に百合ハーレムなのが……いいね! 百合ハーレムみたいに露骨な百合状況で百合に振り回されないけど百合をやるのも絶妙な塩梅で上手い。全体的にバランス感覚がいい。

 

ゼロから作るDeep Learning ❻ ―LLM編

あの魚本にLLM編が登場!

なんとGPT-2くらいならこれを読めば手元でゼロから作れる。今までアテンション機構などの要素技術は知っていても実装できる水準での全体像はあまり持てていなかったのだが、これのおかげでかなり高い解像度を獲得した。

LLMの要素をトークナイザー・モデル・学習の3トピックに厳密に切り分けて説明してくれているのがとてもわかりやすい。これは他の一般的な機械学習の枠組みと全く同じなので、アナロジカルな理解が効くのが嬉しいところ。

具体的には、そもそも自然に存在するものをどうやって機械が扱える表現に落とし込むのかがトークナイザーの話、その表現を受け取って希望の入出力を表現できる数式を作るのがモデルの話、そして数式内のパラメタをどんな損失関数で調整するのかを定めるのが学習の話になる。
学習そのものは完全に自動化できるので(それが機械学習という名前の所以でもある)、「どのような表現・構造・目的を与えればうまく学習が進むのか」という一段メタな設計を行うのはLLMに限らない機械学習全般と同じ手続きだ。

一応それぞれ俺がコアっぽいと思ったところをまとめておくと、トークナイザーについては、結局のところ出現頻度からトークンを構成する前に文章を区切っておくことがかなり重要らしい。
特殊トークンにしても事前トークンにしても、ひとまとまりとして扱うべきものはきちんとくっつけ、逆にここは跨がないだろうという境界では適切に区切ることでトークンの品質を上げられる。

モデルについてはアテンション機構をソフトな辞書と説明していたのがわかりやすかった。
内積で求めた関連度に応じてValueを取り出す表現を中心にトランスフォーマーが構築されているが、それ自体はLLMに限らず一般にファジーなベクトル構造を持つような関係全般について適用できる(映画の例がわかりやすくて良かった)。

学習については、SFTや強化学習で異なる損失関数を設計して段階的に同じモデルのパラメタを訓練していく描像が面白い。
損失関数を変えた多段の学習フェーズという手口自体は転移学習や強化学習でよくあるものだが、LLMではパラメタセットが極めて大規模かつ自然言語の扱い方は多様なため、最初からTODOが閉じておらず様々なやり方で臨機応変に育てていくのが育成ゲームっぽい。

事前に要求されるレベルはやや高いが、データサイエンスがある程度わかる人ならかなりオススメできる(回帰でも何でもいいので機械学習モデルを何か一つ数式レベルで全て説明できるくらいの水準があれば問題なさそう)。説明が丁寧な割には得るものが多く、LLMの中身を知っておくために適役の一冊。

 

問題解決

シルバーウィークに部署内で一人だけ勝手に9連休を生成した負い目があり、一応四国を旅行しながらグループマネージャーから勧められた本を読んでいた。前に読んで良かった『ロジカル・プレゼンテーション』の続編。

実際かなりいい本だった。
思い付きの打ち手を片っ端から投げたところで大抵はろくなことにはならなくて、もっと上段から問題を分解していかないと解決には繋がらない。自分が詳しかったり気になったりした部分に懸命に取り組んだはいいが、全体から見るとそもそもどうでもいい部分だったので特に何にもならなかったみたいなことはゲームとか人生にもよくある。

 

さよならの言い方なんて知らない。

タイトルと表紙は青春小説の見た目すぎるが、中身はバチバチのバトルロイヤル。別世界の街を舞台に延々と能力とかポイントの話をしている。

元々バトロワものは大好きなのでTwitterでちょっと話題になっていたのを見て手を伸ばしたが、正直あまり刺さらなかった。
バトロワのお約束的な部分をかなり外しているところに独自性と長所があって、ジャンルの裾野は広がるが王道好きな人からは逆に敬遠される立ち位置の作品に感じる(ここに映画で言うとホニャララみたいな気の利いた例を挿入)。

そもそもバトロワにしては立て付けがかなり緩くて、勝利する目的が判然としないし死亡時のペナルティも不明。主人公も死にたくないだけで目指すところは特にない。
戦況によってはある陣営だけが一方的に能力を使って他陣営を蹂躙できるというエグめの設定がある割にはせいぜい殺されるくらいであまり酷いことにならないのが肩透かしだった。もっと拷問とか凌辱とかやろうぜ!(男の子)
バトロワから露悪や切実さを弾いた代わりにキャラ同士の出会いや関係に重きが置かれており、その辺りは概ね見た目通りではある。

 

カリガリ博士

いつか見ようと思っていたやつがアマプラで配信されていたので見た。「カリガリ博士」っていうボカロ曲みたいなタイトルが一番良い。

今から100年前に作られた最初期のサスペンス映画で、アナクロに評価すれば精神病と妄想でひっくり返す手口はあまりお行儀の良いものではないが、きちんとどんでん返ってはいるので当時の作品にしてはけっこう楽しめる。パイオニアとして偉大なことにも頷けるし、一度見ておく価値は高い。

サイレントかつモノクロなので動画にはラノベの挿絵くらいのウェイトしかなく、メインストーリーは時折画面上に現れる文字列で追うのが現代からすると斬新ではある。画質も悪くてあんまりよく見えないからこその不気味さは明確にあり、ブラウン管テレビでしか出ない味のような感じ。

26/9/25 映画名探偵プリキュア!不思議な庭と2人の秘密の感想 これ言うほど探偵か?

映画名探偵プリキュア

旅行中に時間が余ったのでイオンシネマ高知で見た(旅行記→■)。

もともとプリキュアを見るのはたんプリが初めてで、完全にアル目視聴(キュアアルカナシャドウ目的の視聴)なのでメイン二人の名前も未だによくわかっていないが、TVアニメ版が面白かったので劇場版も見た。

独身成人男性がプリキュアを見に行く際には劇場環境が問題になるが、幸いにも祝日の夕方に入った割には誰もいなくて貸切状態になっていた(このあと家族連れが3組入ってきた)。

しかし応援パートなどもある中で四方八方を親子連れに囲まれていた場合はいたたまれなかった可能性が高く、次回以降も見るなら確かに時間や座席は調整した方がいいかもしれない。

 

探偵だからギミック処理しかしてこなかったような

なんとなく劇場版コナンのイメージで真相が二転三転する大きな謎とかを扱うのかと思っていたが、実際にはむしろ逆で一切謎解きをしない話だった。映画を見に来るお子様たちにとってはそちらの方が楽しめるという判断なのか。

代わりに与えられたテーマは「妖精使いの少女・かりんを守る」というもので、普段の依頼とはだいぶ毛色が違う。
ゲストキャラクターのかりんはめちゃめちゃ可愛い割には卑屈で自己肯定感が低く、たんプリ(と先輩プリキュア)一同で彼女の心を救済することが目標になる。ダメダメを生み出していたのはかりんだった、という驚きの真相には推理要素がないこともないが、それは他シリーズで行われても違和感がない程度のふつうのプロットの一部でしかない。

この顔で抑うつ傾向

しかしたんプリの面々は先輩プリキュアたちに比べてかなり後手に回っている。というのも、たんプリは今まで心の内面的な話をほとんど語ってきていないからだ。

思えば、たんプリ本編は探偵ものとしてはかなり変則的な立て付けをしている。
事件は常に窃盗、犯人は常に怪盗団ファントムで固定されており、彼らが仕組んだギミックを見抜いて「ファントムはどうやって✕✕を盗んだか」や「この場にいる誰がファントムなのか」を指摘することが推理のゴールになる。
これによって、犯罪を扱う割には加害者と被害者の両方をオミットすることに成功している。犯人であるファントムたちには「恐怖の大王を復活させる(ために必要なマコトジュエルを集める)」という個別の事件とは無関係な動機しかないし、被害者側も大切なものを盗まれたから取り返す(or盗まれないように防衛する)という要求はあまりにも自明なので毎話細かく描かれることがない。

もう少し大人向けならファントムは市井の人々が持つ心の闇に付け込んで唆すような立て付けでもよさそうなものだが、そういう人間ドラマを潔く切り捨てているのはやはり対象層と尺の現実問題なのだろう。
幼稚園などに向かうお子様たちが朝から楽しく見るアニメで犯罪心理が描かれてもあまり楽しくないし、販促変身バンク・ハンニンダーとの戦闘・販促必殺技などの義務シーンが数多ある中でゲストキャラの背景事情を毎回描く余裕はない。

また、アル目の視聴者たちが毎週楽しんで見ていられるのもギミック主体の作劇のおかげかもしれない(少なくとも俺はそう)。女児アニメレベルの内面描写を毎週見せられてもそんなには楽しくはないが、単純なトリックでも謎解き要素があれば一応の関心を繋ぎやすい。

 

探偵にはカウンセリング能力も必要かもしれません

そんなわけで、探偵の割にはあんまり人の弱さとかには向き合ってこなかったたんプリ勢に対し、劇場版特有の例外イベントとしてかりんのカウンセリングが割り当てられる。
その結果、初手の説得を完全に失敗するのは自然な流れだ。自己肯定感の低い面倒な性格のかりんからすると、ギミック処理に成功し続けているだけの名探偵は等身大の悩みを理解してもらえるような相手ではない。逆に言えば、毎回ギミック処理に成功してきただけの名探偵には他人の心の弱さに向き合うほどの対人経験値がない。

補足683:初対面であるはずのかりんがたんプリ勢の活躍ぶりを全て把握しているような口ぶりで糾弾するのは設定的にはやや謎だが、名探偵は憧れの対象ではあっても共感はできないという女児の心情を代弁しているのかもしれない。ちなみにかりんが妙に可愛いのと等身大っぽい悩みを持っているのは素直に見れば女児の自己投影用のような気もするが、激イケメン2人に守護られるという夢すぎる状況もそこに含まれているのだろうか?

先輩プリキュアたちは(見てないから知らないけど多分)心の弱さに対して何らかの一家言があって正面から対処しているのに対し、たんプリ勢はぶっ飛ばされて諦めかけているのは対照的だ。

補足684:TVシリーズ放送中に劇場版をやる場合、まだ話が途中の現行シリーズキャラたちは未熟さが残っている一方、既に完結している過去シリーズのキャラクターは完成しているので自然に先輩として振る舞えるという立て付けは賢いな。

しかし唯一の例外として、キュアアルカナただ一人だけは本編でも勝手に病んだり闇堕ちしたりしていたおかげでアランくんをまともに説得できている(厳密に言えば一般人に対する対人経験値はそう変わらないのだが、身内絡みの葛藤はきっちり乗り越えてきているのでアランくんへの特攻がある)。
更にはここしかないタイミングで切り札のシャドウを切っており相変わらず立ち位置が良すぎる。アル目視聴者としては嬉しいが劇場版でもこんなに優遇されていていいのか!?

大友に優しすぎる

最終的には、主人公が「あたしもさっき怒られたしダメかもしれん笑」という薄っぺらい共感をかりんに示すことで事件は何となく解決する(かりんはそれでいいのか?)。
このシーンによって、まず一面的には完璧に見えるたんプリキャラたちにも未熟さと親しみやすさがあるのだと示される一方、むしろ取って付けたような共感であるが故に名探偵としては適正なスキルを身に付けて成長したと解釈することもできる。というのも、傾聴の上で無理にでも共感することで依頼人の心を開くことは探偵の業務内容に含まれているはずだからだ。

 

ていうか探偵って何?

もともとフィクションにおける探偵という職業自体、現実と極めて大きく乖離した実態のよくわからないものではある。
探偵業法(→■)によれば探偵業務とは「他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務」とされているが、そんなことをしている探偵キャラはあんまりいない。

ではフィクションにおける探偵の本懐はやはり謎解きにあるのかと思いきや、名探偵プリキュアにおいてはシリーズとしての都合などでその辺もよくわからないことになっている。
シュシュタンがエクレールの戦闘能力のみを指して「最強の探偵」と述べた迷台詞に象徴的されるように、たんプリ作中では特に何の犯人でもないハンニンダーやウソノワールをしばくことが探偵技能の中に含まれている。概ね「依頼人や世界の課題を包括的に解決する存在」として探偵が規定されているのだとすれば、別に謎解きをすることだけが探偵というわけでもない、ということは本編から既に示されていると言えなくもない。

最強の探偵(探偵経験なし)

曖昧な職能の中にあるファジーな領域として、探偵業務に依頼人のカウンセリングが入ってくること自体はそこまで違和感のある話でもないだろう。
一つの極には物理ギミックを解決する外面的な推理があり、もう一つの極には依頼人の内面を処理する内面的な救済がある。本編では前者を扱う一方、劇場版では後者を補完して探偵としての正当な成長を見せたという見方は可能だ。
むしろ本編の方が怪盗団ファントムという共犯者によって構成される例外的な状況を扱っていたことを思えば、今回の劇場版と合わせて初めて探偵としての裾野を広げたとも言えよう。

補足685:探偵ものの懐の広さについて考えたとき、『名探偵は推理で殺す』という2年前くらいに出た面白くないライトノベルのことを思い出す(あれから続巻が出ないので打ち切られたのだろう)。「極悪人を集めたバトルロイヤルに探偵が参戦する」というあらすじなのだが、無法地帯のバトルロイヤルなので最初から全員が殺し合っていて事件や謎は全く生じ得ないという斬新な立て付けだった。代わりに探偵役の主人公が行うのは極悪人たちが持つ信条の矛盾を見抜いて精神的に攻撃することであり、確かに推理じゃなくて説教にフォーカスした探偵がいてもいいよなと妙に感心したことを覚えている。

26/9/24 広島~四国を巡った3泊4日 友・うどん・カツオ

シルバーウィークで四国らへんに行ってきた。
AI時代には己の経験の価値が高いのでブログに残しておく。という旅行記事の前置きは当初かなり適当に書いていたはずが、最近はずいぶん迫真になってしまった。

1日目:東京~広島

昔から魚が好きで、いつか本場でカツオのたたきを食べたいと思っていたので高知に向かって旅立つ。
と見せかけて、ついでに徳島にいる友人に会おうと思ったら今は広島にいたので、一旦の目的地を急遽そちらに変更(都民なので高知も広島もだいたい同じ場所だと思っている)。日曜起きたらもう台風が来そうだったため、急いで新幹線に飛び乗って広島へ。

パターン化された地方都市の駅

しかし無計画に飛び出してきたのでまだ宿泊先も決まっていない。
広島に着いてからネットで探し始めたが、マジでどこも空いておらず焦る。広島市内はもちろん広島県全域まで広げても本当にどこも空いておらず、カプセルホテルに電話してもぜんぶ満室で早くも詰む。
今までゴールデンウィークとかにライブ感だけで北海道や東北や九州を旅して困らなかったので甘く見ていた。山陰~四国地方 or/and 2026年シルバーウィークに宿泊需要が爆増して供給が追いついていないのかもしれない。

調べている間に八丁堀にサウナや漫画喫茶が集中していることを発見し、どっかで朝まで滞在できることに賭けて一旦友人と飲みに行くことにした。そういう本来は宿泊用途ではないがたまたま泊まれてしまう立て付けの施設は宿泊を予約できないため、友人とは早めに合流して早めに解散することに。

あなごの刺身と牡蠣のアヒージョ

いい感じの居酒屋で広島っぽいものを食いながら古い友人とコロナ禍以来の近況を交換する。
友人はいつの間にか結婚して子供も二人いるらしいが、東京に残ってる共通の知り合いたちは俺含めてほとんど全員結婚も子育てもせず年2で男合宿をして今月も韓国にカードゲームしに行ってるし当時と何も変わっていない! やっぱ東京は駄目か?

最悪マジで泊まる場所なかったら奥さんと子供2人がいる家に泊めてくれるというありがたい申し出を受けつつ、そうは言っても悪いので一旦八丁堀で宿を探す。

歓楽街に浮かぶ月

とりあえずグランドサウナ広島に行ってみたらさっきカプセルのキャンセルが入ったらしく、奇跡的な滑り込みに成功。
www.grand-sauna.com併設されている浴場とサウナはかなりクオリティが高くていい感じだった! 特に市街地にしては珍しく大きく開放された屋上露天風呂が良かった。オススメです。

今までカプセルホテルは見た目が奴隷船すぎて敬遠していたが、漫画喫茶や深夜バスよりはよほど良かった。
やや硬いとはいえきちんと寝床が提供されているし、やや狭いとはいえ横になるだけなら十分だし、やや危ないとはいえ全裸になってもバレない程度のプライバシーは確保されている。そもそもビジネスホテルの部屋でベッド以外の空間を重用することはあまりないし、もう少し積極的に使ってもいいのかもしれない。

閉所恐怖症が死にそうなベッドの上で翌日以降の作戦を練る。
広島に寄った後はすぐ高知に向かうつもりだったが、一旦岡山までバックしないと瀬戸内海を渡れないので意外と遠いことがわかり、香川での中継を決める。
翌日に泊まれる香川の宿を調べると案の定全滅していたが、カプセルホテル複数に電話して高松をギリギリ確保できた。これによって元々の目的地は香川市だったのが高松市に微修正される。

交通費:25000円
食費:10000円
宿泊費:5000円


2日目:広島~香川

朝からそこら中で目覚ましが鳴って叩き起こされるカプセルホテルの洗礼を浴び、電車で瀬戸内海を渡って高松へ。

高松に降りた瞬間、ツイッターでよく見るホビ垢のお姉さんたちが大量に集っていてビビる。
間違えて池袋に来てしまったのかと思ったが、なにわ男子というアイドルグループがツアーをやっているらしい。広島はともかく、香川圏の宿に関しては彼女たちと競合していたのかもしれない。

よくわからんがホロライブみたいなやつか(オタクジジイ並感)

昼は香川を堪能すべくうどん屋を2軒ハシゴした。どちらもけっこう並んでいたが、うどんは回転が早いのですぐ入れる。

香川さぬき系うどんズ

どっちも美味しかった。2杯食べることを見越して小にしていることには加齢の影響を感じる。
現地の小麦を使った麺が特別にうまいのかと思っていたが、麺のみというよりは出汁や肉まで含めた総合点が高いという感じ。スタイルの違いなのかクオリティの違いなのかは微妙によくわからないものの、東京ではあまり食べられなさそうな味で得した気がする。

安全圏でうどんを啜りながら台風で阿鼻叫喚の関東を眺める。

東京はえらいことになっとるげな

しかし千葉の治水インフラは近年なぜこんなことになっているのだろう、豪雨がヤバすぎるのか、もう都市機能が限界なのか……などと考えつつ、腹ごなしにポケモンセンターカガワまで歩いていく。

かわいい

ポケモンセンターのあちこちにデカいヤドンがいて圧巻(後で向かう高知のヌオーはヤドンの100分の1くらいの規模感しかなく、御当地ポケモンの中でもヤドンが特別に優遇されていそう)。人気の高いコダックとセット売りになっているのも強い。

うどんとヤドン以外に香川でやりたいことは特になかったので、余った時間で機種変するために現地のauショップ高松丸亀町店に向かう。
昔から使っているiPhoneSE2がさすがにもう死に体なので買い替えたいのだが、本体の割引とかプランの見直しとか携帯事業に特有の論点によって旅先で店員と俺のガチバトルが始まる。二人とも自分のペンと紙を構えて1時間ほど戦った末、40000円くらい割り引いたiPhone airの512GBで決着。
割引の適用にはカード契約プランやau独自補償を付ける必要があったが、よくよく話を聞くとカード契約は必須ではないので勝手にpovoに乗り換えれば丸ごと蹴れたり、独自補償にも違約金がないので即解約して正規のapple careに乗り換えたりできることが判明。対戦ありがとうございました。

長い戦いを終えて近所のドンキホーテで新しいスマホにフィルムとケースを装備した頃にはうどん屋の営業が終わっていた。やむなく宿泊先の目の前にある台湾料理屋で炒飯を頂く。

盛りが粗いがそこそこ美味い

2泊目もカプセルホテルで就寝。
first-inn.flips.jpここ昭和の雰囲気がありすぎてよかった。いまどき館内喫煙自由で全体的に薄暗く、アカギの世界に来たようなどんよりした瘴気が漂っている。
利用者向けのやたら広い麻雀部屋があり、複数のおじさんグループが楽しそうに麻雀していて良かった。
その横にある漫画部屋でバトル・ロワイアルを全巻読む。クラス全員での殺し合いという立て付けを最初に考えたやつって本当に偉かったなと思いつつ、経験を活かして耳栓を装着して就寝。

交通費:7500円
食費:3000円
宿泊費:6000円


3日目:香川〜高知

無料の朝食を食って出発。新幹線に比べて半額くらいで済む高速バスで移動。

アイマスクとイヤホンを付けて寝ている間に高知に着き、一旦ひろめ市場という有名な場所に向かう。観光客で有り得ないくらい混んでおり、フードコート的な場所の席を確保するのに30分くらいかかった。

うーん

市場内で最も有名らしい店のカツオたたき定食を食べるが、これはかなり期待外れだった。目の前で藁焼きしているはずなのに、ふるさと納税で送られてくる冷凍品との味の違いが俺にはよくわからなかった。
これはさすがに何かの間違いか?と思って市場を出て向かいにある店でもカツオのたたきを食べてみる。

見た目が明らかに立派

こちらの方が見栄えもよく肉厚で圧倒的に美味い。が、東京でもいけてる店ならギリ出るラインのような気がする。旅行先のランチとしては満足できるが、これを目当てにした旅行にしては満足できないくらいだ。

満腹になってしまうとカツオのたたき以外に高知でやりたいことは特になかったので、余った時間で映画を見るためにイオンシネマ高知に向かう。
名探偵プリキュアを見ようとしたら誰もいなくて貸し切り状態で得。四国のお子様はあんまりプリキュアに興味がないのだろうか?

このあと親子3組が入ってきた

映画の感想はまた後で書くが(書いた→■)、途中でプリキュア応援タイムがあって本当にあるんだと思った。
前に座っていた親子がライトは点けたが応援しておらず、こんだけガラガラだと一人で頑張れーって言うのも恥ずかしいよなと同情する。お父さんも「応援しなくていいの?」って娘の顔を覗き込むんじゃないよ。でも一番キツいのは一人で見に来て親子の様子を気にしている俺だな。

3日目にして初めてカプセルではないビジネスホテル個室の確保に成功。
ホテルの近辺にもカツオのたたきを売りにしている居酒屋が多くあったのでリベンジするか迷ったが、昼食2回行動でもう腹パンだったので何も食わずに就寝。加齢の影響か?

交通費:7500円
食費:3000円
宿泊費:6000円


4日目:高知~東京

本来は高知に2泊する予定だったが、プリキュアを見たらいよいよやりたいことがなくなったので早めに切り上げることにする。

しかしまだカツオのたたきで感動していなかったので、帰る前に最後の希望を賭けて11時開店の老舗に向かう。

立派な一皿

これもかなり美味かったが昨日と同じくらい。美味いが東京でも上ブレすれば出る。

最後の希望と言いつつ、老舗に来るまでに目に入った家系の看板が気になったので最後はそちらにハシゴする。

高知家系ラーメンズ

高知らしい花カツオトッピングを注文するとなんか伝統と革新が折衷されていい感じだ。
家系はジャンル意識が強固すぎて多少の流派はあれど大幅にアレンジを加える店がほとんどなく、こういう地域の色が出た家系はかなり応援していきたい。

帰りは台風も過ぎ去ったはずなのでフェリーで帰る予定だったのだが、実は高知からは出ていないことが判明して行きと同じく大人しく新幹線に乗ることに。
ただ休日最終日のUターンラッシュで指定席がなかなか取れず、13時に高知を出て自宅に着くのは21時過ぎになった。そもそも高知がけっこう遠いので新幹線に6時間くらい乗っていた。

交通費:22000円
食費:3000円


まとめ

交通費:62000円
食費:19000円
宿泊費:17000円

合計98000円くらい。カプセルホテルに泊まった割にはけっこう高く付いている。
最近ようやく気付いたが、俺が好む小刻みに移動する旅行はいちいち交通費が嵩んで高くなるようだ、高知に行って帰るだけなら2/3くらいで済むはずだし。次回は移動範囲を同一県内に絞るとかの制約を加えてもいいのかもしれない。どうせレンタカーとか借りないし行動範囲狭いからな。

うどんは美味かった一方、メイン目的だったカツオのたたきについては美味いものの東京でもガチれば食えそうで高いハードルをギリ越えない結果となった。
これは俺のリサーチ不足もあったかもしれない。高知市近辺ではなくもっと海沿いに行くとか、ランチじゃなくて夜営業の居酒屋に行くとかした方がよかったかもしれなかった(Xで評判がいいのはたいてい居酒屋)。

ただ機種変とたんプリは非常に良かったので概ね満足している。実は地元でもできることを旅行先でしていいし、旅行先でしかできないことを旅行先でしなくていい。

おまけ 街中の萌えシリーズ

26/9/6 『魔法少女まどか☆マギカ ワルプルギスの廻天』の感想 円環の理とは一体何だったのか2026

魔法少女まどか☆マギカ ワルプルギスの廻天


映画館で見てきた!
TVアニメ版を当時リアタイして、叛逆も劇場で見て、廻天を13年待っていた……

補足682:と言いつつ、叛逆の内容を全部忘れていたのでアマプラで復習してから見に行った。面白いコンテンツの記憶を消してもう一回見るやつに成功。

以下、全てネタバレ感想です。

グランドシネマサンシャイン池袋
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26/8/22 2026年7月消費コンテンツ

チャリ圏内のTSUTAYAに漫画を借りに行く行動がアンロックされて漫画をけっこう読んだ。

メディア別リスト

漫画(51冊)

呪術廻戦≡(全3巻)
シャーマンキングゼロ(全2巻)
シャーマンキングフラワーズ(全6巻)
からくりサーカス(文庫版・全22巻)
怪獣8号(全18巻)

書籍(1冊)

生成AIデザインパターン

アニメ(12話)

一畳間まんきつ暮らし!(全12話)

良かった順リスト

人生に残るコンテンツ

(特になし)

消費して良かったコンテンツ

呪術廻戦≡
からくりサーカス
生成AIデザインパターン

消費して損はなかったコンテンツ

シャーマンキングフラワーズ
一畳間まんきつ暮らし!

たまに思い出すかもしれないくらいのコンテンツ

シャーマンキングゼロ

以降の人生でもう一度関わるかどうか怪しいコンテンツ

怪獣8号

ピックアップ

呪術廻戦≡

本編がかなり面白かったので読み、概ね期待通り面白かった。
単なる続編ではなく設定を色々翻案しているのが特徴的。一気に宇宙まで舞台が広がったことで呪霊や呪術にまた別の意味づけが与えられており、単なるキャラや技のマイナーチェンジではなく世界そのものを新鮮な気持ちで見られるのは嬉しい。

それに対応して、作中のテーマもほとんど真逆になっている。
感想記事に書いた通り(→■)、本編ではどこまでも主観的な物の見え方としての領域展開や呪術が描かれており、特に敵である呪いとは最後まで決して分かり合えなかった。
一方、モジュロでは一転して宇宙人との共生を根本的なテーマとしている。これは邪推だが、共生を描く対象が(架空の)外国だとちょっと風刺っぽいリアリティが出すぎるので宇宙人というフィクションで対応した事情もありそうな気はする。

伴って、本編では米軍周りでチラッと出てきてよくわからないまま終わった呪霊絡みの国際政治要素が改めて導入されている。
安保条約と言うと、現実では日本をアメリカの庇護下という不利な立場に置いた印象が強いが、モジュロ作中では(面倒事を押し付けられたという背景はありつつも)日本だけが呪霊に関して国際的に優越するという、逆に強者側の立場に導くファクターとして描かれている。
当初は未知の強者っぽく描かれていたシムリア星人も、実は哀れな難民であって日本を豊かな強者と見ていることが発覚していく。バトル漫画としての実際の(?)パワーバランスはともかくとして、少なくとも強者側として折衝を進めていく上では焦点は暴力というよりは思想にならざるを得ず、これによって微妙な調整が色々描かれることになる。

ただ、そういう政治的な背景事情は設定としてはかなり魅力的な一方、ストーリー上でそこまで面白く機能していたとはあまり思えないところもある。
呪霊設定を利用して宗教的な信条という対立軸を導入するギミックは非常に上手いと思ったが、しかし呪霊を用いたが故に対立の解消もファンタジー設定レベルの話に留まってしまった。
現実において宗教的な信条が争点になった際に厄介なのは、解消や譲歩の糸口が乏しいことにある。宗教的なルールは宗教コミュニティ内に閉じた論理であり現実の事象への対応を持たないため、外部から変更や検討を行う余地があまり存在しないのだ(ルールが現実と対応する自然科学なら外部からでも物理実験とかを行うことでルールを変更できるが、宗教的な信条に対してそのような操作は原則無効であるということ)。
その点、この作品内では「魂の色」のような高度に宗教的な要素もノンフィクションとして干渉可能であるために突破口がある。干渉可能なのであればそれはやはり宗教というよりは科学に近いような気はする(となると共生というよりは啓蒙では?)。

また、結局この作品でズバ抜けて一番面白いのが(共生を探って頑張るパートではなく)どう考えてもダブラvs摩虎羅であることには少年漫画の限界も感じないこともない。
皆好きなところだと思うが、地球人では発話不可能なダスクンテ族にのみ伝わる████、そして地球外の術式に適応する摩虎羅のブチ上がりはすごすぎた。やっぱり少年漫画って共生してるより衝突してる方が面白くない?
ダブラが初めて己の知らない側面と向き合うことで領域展開に至る流れもやはり本編の自閉的な論理を踏まえたものではある。が、それによって他者を理解して族長になる展開に繋がっていると解釈すればややモジュロ的と言えないこともない。

あと最終巻のあとがきで芥見が作画担当を分けた理由に「自分が描くとキャラの顔が似ちゃうのが嫌」という純粋に図画上の理由をあげていたことにはビックリした。漫画家がそれ気にすることある?

シャーマンキングフラワーズ

シャーマンキング無印は世代だし好きだったので続編を読んだが、かなり面白くなかった!

よくわからない主人公によくわからない敵が襲ってくるよくわからないパートが無限に繰り返され、結局何が起きているのかもよくわからないまま全てが宙吊りでダラダラ続いていく。その割にはバトルパートも初見の技がぶつかり合うだけの必殺技披露会で論点がわからず特に面白くない。
呪術廻戦≡の直後に読んだのがやや体験を悪くしている気もする。うっすら宗教モチーフの少年バトル漫画が被っていてこちらの方が分が悪い。

とはいえまだシャーマンファイト本戦に向けたチーム結成パートだから面白くないだけかもしれず、ここから面白くなりそうな雰囲気はけっこうある。
特に中盤から出てきた資本主義の神ヤービスはあまりにも面白そうすぎる。露骨にプロビデンスの目(フリーメイソン)をモチーフとしている彼は資金を元手にほとんど何でもできる無法な能力を備えており、この作品に通底する宗教的な世界観へのカウンターとしての貨幣信仰はあまりにも強度が高い。前作でもガンダーラやアイアンメイデンジャンヌが出てきて宗教色と思想が強くなってきたあたりが一番面白かったので、気が向いたらスーパースターも読みたい。

あと絵は相変わらず唯一無二で素晴らしいもの。たまお25歳のビジュアルがエグすぎるし、リゼルグやウルティモから続く耽美な美少年のラインも元気。

ちなみにシャーマンキングゼロはまあよくある感じの前日譚で可も不可もなかった。チョコラブが弄られるところだけはけっこう面白かった。

からくりサーカス

昔途中まで読んで止まっていたのを改めて最初から全部読んだ。
今回読んでいて判明したことには、昔読んだときは黒賀村編がおもんなさすぎてそこで脱落していたらしい。今回もそこだけかなり厳しかったので当時としてもやむを得ない判断だった。

黒賀村編以外は全てかなり面白かった。
3代以上に及ぶ世代交代を渡る長大なストーリーはさすがに圧巻。俺は漫画を読むとき誰が誰かすぐわからなくなってしまうので相関図をメモしながら読むのだが、後からどんどん衝撃の関係が追加されて異常な入り組み方の図が完成した。


ネタバレ画像を表示

異常相関図


こういう長大なストーリーを編むこと自体というよりは、長大なストーリーが回想中心で展開する割にはどうでもよくならないことの方がすごいような気がする。
読者からすると、漫画の筋を追うのは別に歴史を把握するためではなく眼前のイベントを楽しむためであるから、もう終わっている過去の話は基本的にはどうでもいい話だ。そこで興味を繋ぎ止めるには現在のお話に関心を接続し続けなければならず、例えば現在重要なキャラや現在生じている大きな謎のポイントを過去パートで描いたりする必要がある。
例えばアンジェリーナとフランシーヌ人形のエピソードは初期からずっと登場しているギィが冷酷なしろがねから優しいマザコンに心変わりする重要なポイントでもあり、そこで現在との接点が生きていた。
そういう構成の巧みさは人間のポジティブな変化を描くのがうまいことに支えられてもいる。ロバートマッキーも言っていたように、嘘に従って生きていた人が本当のことを理解して犠牲を払いながらもそれに邁進する様子は魅力的なものだ。この変化を過去のエピソードに入れてしまえば、現在との接点を作ったうえでむしろキャラを強化するギミックになる。

テーマに対する設定のディテールもよく出来ており、特にからくりと錬金術は全く無関係に見えて実は同質かつ対極でもあるという洞察には舌を巻いた。
からくりは命を持たないが故に命を求めて生命を模倣し続ける空虚な存在である一方、錬金術は逆に永遠の命を目指してしろがねたちを長命にしたり記憶を通じて生命を受け継いだりする。しかし生命を持たないものと半永久的に持ち続けるものはいずれも変化しない静的な状態に陥るという点ではむしろ同質の性質を持つとも言えるし、更に押し進めれば、満たされないが故に飽くなき探求によって変わり続ける自動人形と、少なくとも生命としては満たされて長い寿命の中で摩耗していくしろがねという逆方向の対立を導くこともできる。
そういう陰陽魚の論理による多義的な解釈が可能なことによって、最古の四人のように自動人形こそがむしろ変化を続けて真の感情に到達したり、しろがねの方こそ感情を欠落させて冷酷な振る舞いに走ったりと目まぐるしい変化や皮肉を描くことが可能になっている。

補足678:比較的どうでもいいツッコミなので補足に回すが、白金が勝に対して試みた「転送」の設定だけはイマイチだったと思っている(白金からフェイスレスに転移したときみたいに素直に生命の水設定を使うべきじゃなかった?)。常識的に考えて、勝の脳内を書き換えて実現する白金の人格とは「白金本人とは異なる白金のコピー」でしかないはずで、それを白金が良しとする理由がわからない。白金は思想ではなく自我に準ずるタイプの悪役なので、どれだけ自分に似ていようが自分でなければダメだろう。

怪獣8号

めちゃめちゃ面白くなく、面白くなかったというツイートが妙に伸びた。 Xではどんなツイートも一定以上伸びたらボコボコにされる運命にあるが、これはほぼ叩かれず同意だけが集まり続けて異様だった。

たまたま疑問形のツイートが伸びたことでそれぞれが持つ答えがリプライや引用で大量に集まってきたのだが、今でもクリアな答えをあまり出せていない。

前提、「どうすれば面白くなったか」と「どうして面白くないのか」は微妙に違う問いなので切り分けた方がいいと思う。
例えば「怪獣解体作業を続けていた方が良かった」とか「敵が怪獣9号から切り替わるべきだった」というリプライは非常に多く、確かにそれはそうなのだが、それは「どうすれば面白くなったか」であって「どうして面白くないのか」ではない。あらゆるつまらない漫画は来週から冨樫義博が代筆することにして念能力を導入すればかなり面白くなると思うが、それは元々面白くなかった理由とはあまり関係がない。

そう思って怪獣8号はなぜつまらないのかを虚心に眺めたとき、ここまで面白くないことはなさそう(なのに実際に読むとなぜかこんなに面白くない)ということに本物の関心がある。
エピソード単位で要約して口に出してみるとどの話もけっこう面白そうに聞こえるのだ。例えば伊春とレノがお互いに影響を及ぼし合ってレノに続いて伊春が覚醒する流れとか、保科が敵側であるはずの怪獣と凸凹なタッグを組む流れとか、ちゃんと整理して聞けば「え、面白そうじゃない?」と感じる。少なくとも何も起きないタイプの面白くなさではない。
また、積極的かつ明確に悪いところもそんなにないと思う。つまり意味不明だったり不愉快だったりであからさまにヘイトを集めるキャラや要素もあまり思いつかない。例えば怪獣9号は決して面白い敵ではないが、それでも怪獣9号が出てくるだけで不愉快だから読みたくないという人もあまりいないと思う。

何も起きていないわけではないし、積極的に悪いところがあるわけでもないのに全然面白くないとなると、やっぱりリプライでも大量に寄せられた「薄い」という消極的な理由しか思いつかない。
キャラも展開も想定の範囲内でしか動かず、良い意味でも悪い意味でも読者の期待を裏切ることが特にない。それが全てに響いており、例えば戦闘パートにおける強さが適合率という定量値に依存しているせいで、戦闘の顛末がその数値を動かすキャラの精神的な成長のみに帰着されてしまうため、アクションをしているようで特にしておらず、薄いキャラ造形に全てが帰されてしまう立て付けが辛かった。

質的な何かをミスっているのではなく、量的に練りが足りないだけでここまで面白くなくなる漫画をあんまり思いつかないのでそれを見られたのは良かったと思う。特に最終巻で作者が「キャラが勝手に動いたので楽だった」みたいなことを言っていて、それが面白くなくなる方向に作用するパターンもあるんだというのは知見だった。

補足679:知り合いの有識者曰く、コロナ禍ではふだんあまりエンタメに触れないユーザー層が自宅待機を余儀なくされて漫画を読んだりしていたため、あまり品質の高くない漫画が評価されやすいボーナスタイムがあり、その中の一作でもあるらしい。

一畳間まんきつ暮らし!

一畳間まんきつ暮らし! [Blu-ray]

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  • クロックワークス(The Klock Worx)
Amazon
純正きららアニメを見るのは10年ぶりくらいかと思ったが、冷静に確認したらぼっちざろっくもまちカドまぞくも見ていたので全然そんなではなかった。
ただこれだけプリミティブな日常系アニメを見たのが久しぶりなのは間違いない。イベントっぽいものが発生したりしなかったりしつつ各キャラが薄いノルマをこなしているだけで終わっていく感じが懐かしすぎる。

別に面白くはないが好きな萌えキャラが一人いるからギリギリ耐えられるのも懐かしい感じだ。たまに悪い顔をするという一点だけで白いガキがかなり好きだった。安直なキャラ造形が刺さるときもある。

安直なキャラ造形と安直な性癖

補足680:インターネットのオタクと会ったときに「まんきつ暮らしってエロゲンガー(死語)のひさまくまこがエロいイラストを描くというただ一点だけが強みだったのにアニメではそこがオミットされて無になったんですよね」的なことを言っていてそうなんだと思った。確かにXではひさまくまこが描いたエロい逆バニーの特典が流れてきたし、アイキャッチとかでやってほしかった。ちなみに厳密にはきららではないが、ひなこのーとは日常系の見た目で明らかにエロいアイキャッチをやっていてけっこう凄かった(今では三月先生の奇行と本物のエロイラストばかり取り沙汰されるが、アニメの時点でその気配はややあった)。

ただ加齢の影響でずっと同じことをやっていることの価値を重く感じるようになってきてもいる。
今は漫画喫茶の一畳間(言うほど一畳だったか?)でワチャワチャしている美少女たちもあと5年も経てば社会に出る年齢になってきて、いつまでもワチャワチャしているわけにもいかなくなってくる(ワチャワチャしていてもいいのだが、それはそれで学生時代とは違う文脈になる)。その一瞬の煌めきというか、一般に消えゆく定めにあるポジティブなものって尊いよねみたいなことが齢30を越えてようやくわかるようになってきた。
ならばこの日常系アニメが異常に停滞していることも同じくらい尊いのかもしれない。つまりいまどき大抵のジャンルは発展していて10年も経てば古く感じるものだが、このアニメは10年前くらいに放送していても気付かないくらいの内容で真新しさが全くないことも一つの救いなのかもしれない。

補足681:言うて漫画喫茶ってサブスクに押されて減少傾向だしぼちぼち古くない?と思ったら連載開始が2018年でけっこう古かった。

生成AIデザインパターン

タイトルには生成AIとあるが、ほぼLLMの本。そろそろ仕事で使う機会が増えてきたので読んだ。
LLMの内部挙動というよりはモジュールとしてのLLMについて論じている、つまりアプリケーションなどに組み込む前提でコード内に記述するLLMのデザインパターンについて色々解説している。トランスフォーマーのような詳しい仕組みを知っている必要はないが、システムとしての出力が確率ベクトルであることくらいは理解しているのが望ましい。

コード内で実行されるメソッドとしてのLLMとは、イメージとしては入力promptを渡すと出力responseを返す関数llm()のようなものだ。

response = llm(prompt)

このうちpromptを工夫するならRAG及びそれに伴うインデキシングや長期記憶の話になるし、llm()本体を工夫するなら追加学習(特にアダプタチューニング)の話になるし、responseを工夫するならロジットマスキングやグラマーの話になる。更にはllm()の実装自体をキャッシュで補完してもいいし、responseを更にpromptとしてCoTやToTを構成してもいい。他にもllm()を稼働させる際のコストのようなトピックもある。
何にせよ、結局道具としてのLLMってこういう入出力を持つモジュールで色々チューニングできるよねという統一的な描像が得られたのは良かった。

また、LLMのデザインパターンは「LLMが人間だとしたらどういう扱いをすべきか」という擬人化のようなアイデアが多いのが面白い。関連情報を適切に精査して渡すとか、後から自分で確かめさせるとか、何度も考えさせるように指示するというのは、人間に対する指導とほとんど同じだ。

26/8/14 名前だけ知ってるカードゲーム体験会2(ゴシドラ夏合宿レポ)

夏合宿

お盆休みでオタク夏合宿に行ってきた。

前回(→■)名前だけ知ってるカードゲームを持ち込んで体験する会をやったらかなり面白かったし学びも多かったので引き続き開催。
今回プレイできたのはOSICA、アクエリアンエイジ、パルワールドオフィシャルカードゲーム、五等分の花嫁カードゲーム、ユニオンアリーナ、マイリトルポニーカードゲームの6つ。

評価
①面白さ:遊びたくなる面白さがあるか
★★★:今後も機会があれば遊びたい
★★☆:一日遊ぶ分には満足できる
★☆☆:もうあんまやりたくない

②新鮮さ:カードゲームの新しい知見が得られたか
★★★:根本的な新しさがあった
★★☆:多少の新しさがあった
★☆☆:新しさはほとんどなかった

③体験価値:遊んでみる価値があるか
★★★:遊ぶべきだと勧められる
★★☆:遊んでもよいと言える
★☆☆:遊ぶ価値はあまりない


カードゲーム編

『OSICA』:ダークホースの神ゲー

【面白さ:★★★】【新鮮さ:★★★】【体験価値:★★★】
www.osicatcg.com今回最大のダークホース。
明らかに頭一つ抜けており、膨大な選択肢から来る面白さ、奇怪なリソースを管理する新鮮さ、異常挙動の体験価値を全て兼ね揃えている。この記事を読んでいるやつ、今すぐOSICAをやれ!

正直なところプレイ前は全く期待していなかった。
やってるやつどころか話題にしてるやつすら一切見たことがないし、IP寄せ集め系ゲームの割には引きの強い作品がイマイチ見当たらないし、推し活のOSICAというコンセプトもいかにもカジュアル層向けっぽくて面白くなさそうだからだ。
少なくとも印象だけで言えば、話題性もコンテンツ性もゲーム性も全部貧弱そうで全く触る気が起きなかった。

ユニオンアリーナに参加できない2軍IPリストみたいな面子

実際、前回の合宿では購入候補に上がりながらも優先度が低くてスルーされたが、今回はたまたま完全に値崩れした星屑テレパスのスターターデッキが239円で売っているのを発見。セブンのパン一個分くらいの値段なら流石に遊んでみるか……ということで、同様に値崩れていたSPY×FAMILYスターターと一緒にテンション低く購入された。

前提として、OSICAは推し活をテーマにしたカードゲームらしい。
好きなキャラを推しカード(MtGで言う統率者)に指定できたり、戦闘で攻撃する代わりに「アピール」で相手のハート(ライフ)を奪うとかいうフレーバー要素があったりするのだが、そんなことはどうでもいい。

このカードゲームの異常性は「エール」というシステムに集約される。
「エールフェイズ」では概ね1ターンに5枚くらいデッキの上からカードを捲り、それぞれについて手札に加えるかコストにするかアシストに置くかという3択を選ぶことになる。この判断は全く自明ではないため、毎ターン3^5=243択くらいがカジュアルに発生してくる。ふざけるなよ(一応アシストに置く選択肢を選ぶことは少ないが、それでも2^5=32択はある)。

この見た目で玄人向けハードコアルール

そもそもエール判断のために考慮すべきリソースが多すぎる。
盤面で戦うキャラのコストは毎ターン上昇していく「①リミット」で上限が定義されるが、各キャラが発動する効果はエールからのみ供給される「②コスト」で賄う必要があり、更にライフを効率よく奪うためには「③限界突破」のために手札を揃えていく必要もある。
よって「エール」の243択判断は常に「①リミット」「②コスト」「③限界突破」の3点に目を配りながら行わなければならないが、エールはターンの真ん中らへん(メインとバトルの間)というかなり微妙なタイミングで発生するため、次ターン以降にこれら3つがどうなっているかまで想定しながら選択することが必須になる。
このエールによってリソースが溢れるほど供給されるため最初からゲームがクライマックスで、平均決着ターンはだいたい3ターンくらいしかない。

要するにプレイングが極めて難解。一見簡単だが実は奥深いワンピースカードゲームあたりと違って、一見難解だしどう見ても難解である。
手なりでは全くプレイできず、腕も有り得ないくらい出る。俺はカードゲームが上手いもっちーに7連敗した(スターターデッキの格差という説もある)。それだけ遊んでもまだ推しキャラには何を選ぶべきかのコンセンサスすら取れていない。

一番有り得ないのはプロダクトのターゲットとカードゲームのルールが一切噛み合っていないことだ。
推し活気分でカードを集める層が遊べるゲームじゃなさすぎる。本来Flesh and BloodとかGrand Archiveをやっているような歴戦カードゲーマーおじさんに向けたシステムがなぜか推し活カジュアル層に提供されている意味不明な状況がある。

実際、プレイヤー状況を軽く調べたらすごいことになっているらしい。

OSICAをゲームとしてプレイしているユーザーは非常に少なく、ルールは知らないし遊ばないコレクター層が買い支えているとか。それはそう。
しかし幸いにもこのブログを読んでいるカードオタクたちは値崩れしたOSICAのスターターを買ってプレイしてみてほしい。今見たら推しの子がけっこう安かった。

補足674:星屑テレパスのスターターは239円から1000円まで持ち直していた。面白いのがバレたか?

『アクエリアンエイジ』:ジジイすぎではある

【面白さ:★★☆】【新鮮さ:★★★】【体験価値:★★★】
www.aquarian-age.org1999年に始まって10年前くらいに終了した古参カードゲーム。
昔はイエサブとかホビステの隅っこに売っていた記憶がある。メルカリでスターターが意外と安く売っていたので歴史の勉強としてプレイ。

オタクしか触っていなかった時代のカードゲームなので、まずルールが膨大すぎる!!
公式ルールブックは驚異の83ページに及び(pdf→■)、全ページに小さい字と図がみっちりと書き込まれている。

TTRPGじゃねえんだぞ

近年では細かい総合ルールを簡易マニュアルとは別に用意するカードゲームも多いが、アクエリアンエイジはルールブックをだいたい全部頭に入れていないとまともにプレイできない。対戦中にも何度も何度も確認する羽目になった(入門ガイド漫画も一応あるが、それを読んだとて遊べるようには全くならない)。
カードの見た目はかなりシンプルなのだが、ルールの方が複雑なことで参入障壁が極限まで上がっている。ルールが簡単でカードテキスト(の上限)が複雑な分にはシンプルなカードだけを集めてプレイすることもできるが、逆パターンの場合はどうにもならない。ただ戦闘するだけでも同時に発生しうる通常攻撃と精神攻撃の全く異なる挙動を把握していないとお話にならないぞ。

とはいえ、一度理解してしまえばプレイ自体はそれほど難しくない。
いわゆるマナとエネルギー(ポケカ)の中間のような基本資源として「パワー」があり、それは「チャージ」によって供給される。パワーを用いてキャラを「ブレイク」で強化したり「ファスト」で応酬したり「パーマネント」で強化したりする感じ。

絵が古すぎる

しかし昔のカードゲームにありがちなブロック側有利のゲーム性なので盤面が一瞬で硬直していく(殴るより構えていた方が損しにくいため)。
攻撃がほとんど通らなくなってから相手のデッキ枚数をおもむろに数え始め、ライブラリアウトによる勝利を狙う。ライブラリアウトを見越してデッキから供給されるリソースをあえて抑えておくプレイングが要求されるのはいくらなんでも昔すぎる。

事故りやすい割には救済が存在しないあたりにも時代を感じる。
マナ的なものを生む「チャージ」を序盤にどれだけセッティングできるかがゲームの趨勢を決定的に左右するのだが、無料で場に出せる精神力0のチャージを初手に引けば引くだけ出せてしまう。その上マリガンが存在しないのでスタートダッシュの差を埋める機会がなく、圧倒的な盤面展開で圧殺していく不愉快なゲームがけっこうな頻度で生じてくる。
現代のカジュアル層はこういうストレスに耐えられないが、昔はオタクしかやってなかったからストレス耐性が高かった(もしくは皆こんなもんだと思っていた)。

とはいえ分厚いルールブックに支えられたゲーム体験はそれなりに独特で、今後は二度と生まれないだろうルールのオンパレードを体験しておく歴史的な価値はかなり高い。
ゲームシステムにも「ファンタジーをちゃんとやっていた頃」みたいな手触りがある。アンドロイドとサイボーグとマシンとか、ワーウルフとワータイガーを厳に区別した上で男女差まで考慮した結果、種族アイコンが50種類近くに及んでいたりする。

当時のこだわり

俺は言うほどアクエリアンエイジ時代の美少女コンテンツに触れていないはずだが、イラストを見ていると当時はこんなんあったよねという回顧が無限に浮かんでは消えていく。ぽよよんろっく画の獣人がフィニッシャーなのを見てあまりにも懐かしくなってプレイ中にナースウィッチ小麦ちゃん(Rじゃない方)のOPを再生してしまった。加齢の影響で「あの頃は良かった」という感情が押し寄せてくる!

補足675:ナースウィッチ小麦ちゃんOVA版(無印とマジカルて)の話するときに「最近のやつじゃない方」とか言ってたけど、最近の方であるところのRですらもう10年前らしくて震える。2年前とかじゃなかった?

『パルワールドオフィシャルカードゲーム』:これ建築物いる?

【面白さ:★☆☆】【新鮮さ:★☆☆】【体験価値:★☆☆】
https://palworld-official-cardgame.com/
最近ゲームの方で正式版がリリースされて波に乗っているパルワのカードゲーム版。
俺は原作をプレイしていないがツッパニャンが可愛いことだけは知っている。ツッパンチ!

かわいいニャンねえ

防御側有利で勝手に膠着するアクエリアンエイジとは違い、攻撃側有利で殴りやすい現代的なデザイン。
そもそも召喚酔いがなくタップキルも可能なため、殴って殴り返されるのが基本的な応酬になる。他のパルを守るために軽いパルをチャンプに回したり、即殴り返されそうな場合は殴らなかったりするコンバット判断もある。

とはいえ全体的に既視感が強く「このカードゲームじゃなくてもよくない?」という気持ちは拭えない。
例えばダメージ処理ではデッキの上からダメージ点数に等しい枚数のカードを捲っていってラッキーマークが付いているカードが捲れたらダメージが0になる。ヴァイスのクライマックスシステムすぎではある。

カードゲーム体験会あるある:総合ルールを検索しながらプレイ

一応、建築物という要素はやや独特な差別化点かもしれない。
建築物はいわゆる置物系のカードで、建築物を選択してからパルをタップすることで建築物の効果を起動できる(「パルをアサインする」と呼ぶ)。これは原作でパルを建築物での作業に従事させるシステムを再現しており、フレイバー要素としてはよくできている。
ただ、建築物の効果を使うためにパルをタップする行為があまりにも弱すぎる。貴重なアタック権利を失うことに加えて、アサインでタップしたパルは返しで一方的に殴られて倒されてしまう。
マナとテンポとカードを最大効率で失いながら得られる効果もそこまで大したことがない。最初は建築物が出たら逐一破壊していたのだが(建築物にも体力があって戦闘で壊せる)、起動したとてあまりにも弱すぎるので途中からスルーされるようになった。
遊戯王の儀式とか融合みたいな、フレイバー優先で非常に弱いシステムを作ってしまった印象を受ける。今後の調整で改善されるだろうか?

第一弾なので仕方ないところはあるにせよ、スターターの範囲ではこういうカードゲームよくあるよねという域を出ていない。元々別ゲームジャンルなのでカードゲーマーよりも間口を広く見ているのかもしれない。

『五等分の花嫁カードゲーム』:原作ファンは楽しめそう

【面白さ:★☆☆】【新鮮さ:★★☆】【体験価値:★★☆】
https://5hanayome-cardgame.com/
単独でタイトルを張れる人気IPカードゲーム。原作は2巻くらいまで読んだ記憶がある。

強いて言えば四葉派

原作者が監修しているらしいだけあって、ハーレムラブコメをゲームシステムできちんと再現しているのは好印象。ヒロインたちが花嫁力を上げることによって主人公を奪い合い、先に3回花嫁になったプレイヤーが勝利となる。

補足676:原作を2巻までしか読んでいない範囲では「言うほど奪い合ってたか?(むしろ主人公側から昔会った女の子を探す謎解き要素がメインじゃなかった?)」という気もするが、話が進むと奪い合いになっていくのだろう。

ただ、ゲームとしてはやや単調すぎたかもしれない。
確かにキャラに付けるエピソードや、狙う主人公の位置や、妨害の切り方に戦略性があるっちゃあるのだが、全体的に誰がやってもあまり判断が変わらなさそうなシーンばかり。やれるならやるという行動が多くてあえて溜める意味に乏しい。
まあ漫画原作ファンがカジュアルに楽しむことを目指すならこれでいいのかもしれない。原作ファンではない我々は2回も遊べば十分な感じだったが、ゲームシステムによってバトルでもない漫画内容を再現する試みは面白かったので体験価値はやや高く付けている。

『ユニオンアリーナ』:令和のライブオン

【面白さ:★☆☆】【新鮮さ:★★☆】【体験価値:★★☆】
www.unionarena-tcg.comOSICAと違ってやたら強力なIPを取り込み続けている勝ち馬カードゲーム。

ソシャゲも参戦しているのは嬉しい(アークナイツ)

戦場が2つのラインに分かれているのが特徴的(一番手前のアーミヤ3枚はただの行動権利表示なので戦場ではない。上の二段が戦場)。
ざっくり言えばキャラクターを手前に置けばマナが出て、奥に置けば戦闘できる。キャラをマナから戦闘に移すのは毎ターン自由に行えるため、2つのラインを柔軟に使い分けるのが肝になっている(MtG風に言えば、全クリーチャーがマナクリみたいな感じ)。キャラをマナに残すか戦闘に回すかの選択肢が常にあり、複雑すぎない範囲で独特な戦闘システムを作っているのはけっこう面白い。

補足677:この2ライン制はライブオンという20年前くらいのカードゲームとほぼ同じなのだが、ライブオンを知っている人はこの世に存在しないので「ライブオンと同じだよ」と言っても説明にならない。

ただ、スターターデッキ同士での試合体験はやや悪かった。Amazonで安かった鋼の錬金術師スターターとアークナイツスターターで戦ったのだが、シンプルなカード同士の試合ではそこまで腕が出ない印象。
というのもユニアリも近年ありがちな攻めを奨励するゲームデザインであり、攻撃側は戦闘に敗北しても盤面から離れない、かつ攻撃してタップしてもエンドフェイズにはアンタップされるので完全な殴り得になっている。よって並べて殴って質と量で勝っていた方がそのまま勝つ単純なゲームになることが多い。
構築に入っていそうな強いカードを見ると何度もブロックできたり防御を貫通したりと捲りっぽい要素がいくつかあるので、その辺を足していくともっと面白くなるのだろう。

『マイリトルポニーカードゲーム』:メリケンケモナーは喜ぶかもしれない

【面白さ:★☆☆】【新鮮さ:★☆☆】【体験価値:★★☆】
jp.kayouofficial.comアメリカにおけるブルーアーカイブらしいマイリトルポニーにも最近カードゲームが出た。

シールド系のゲーム

マイリトルポニーはキャラ同士で戦う世界観ではないため、フレイバーが色々工夫されている。
そもそも勝利条件が相手を倒すことではなく自分がストーリーの最終章に辿り着くことだし、キャラ同士がぶつかることを戦闘ではなく頑なに「交流」と言い張ったり、パワーを示すのが「アイデア」だったり、交流して退場するのは「良いアイデアに説得されて休憩する」ということになっていたりする。
ただその辺はかなり小手先というか、言い換えただけであまり本質的ではないタイプのフレーバー要素だ。要するにふつうにキャラを出して戦わせてシールドをブレイクして、のべ8回ほど本体に攻撃を通せば勝ちというありがちなゲームシステムではある。

そしてルールに既視感がある割にはそこまで面白くもなかった。
あまりよく練られていないカードゲームにありがちだが、攻撃力差をどうにかする要素に乏しいので相手盤面にファッティが出たときやれることがなさすぎる。
タップの概念がないのでファッティがアタックもブロックもこなせてしまうし、ファッティの前に余った小型を出しても勝手に交流して自滅するのでチャンプブロックに回すことすらできない。マウントゲーを捲る手段がなく、単純なカードの強弱で決まりがち。

一応、土地を裏向きにすることで特定のキャラを一時的に強化できるシステムだけはけっこうよかった。ゲーム中に土地一枚あたり一度しか使えないのでいつ使うかが重要になる。
また、この手の相手ターンにも使える強化にしては珍しいことに優先権が往復せず、先手→後手の順で片道すれば終わりなので相手がどこまでパンプするか見てからパンプ量を決められる後手側がかなり有利。その辺りにはマウントゲーをどうにかする意志を感じないこともないのだが、出したキャラが勝手に交流してしまってブロックを待てないことが噛み合わない。
もっとも、土地を強化に回せるゲームデザインもワンピースカードとCROSSGEARの方が完成度が高いのでめっちゃ新鮮というほどでもない。

ゲーム内容がイマイチな分、カードの品質が異常に良いという強みがある。

高品質

驚くべきことにスターターに入っている全てのカードが光っており、特にメインを張るリーダーは全面アートでリッチなレリーフ風の加工が施されているほか、土地は白をベースにした拡張高いデザイン。
その分つまらないスターターでも1320円とやや高めだが、もともと熱狂的なファンが多いIPなのでコレクション需要は外さないようにしているのだろう。

観光編(オマケ)

城ヶ崎海岸付近の宿に泊まって山とか海とか博物館にも行った。

『大室山』:最適化が胡散臭すぎる山

【面白さ:★★☆】【新鮮さ:★★☆】【体験価値:★★★】
わりと平地にある胡散臭い形の山(丘?)。

なんらかの形状に最適化された山

本でしか山を知らない人がマイクラで再現してみた山みたいな感じ。野焼きによって常に最適化された状態に保たれているらしく、写真手前に付いているリフトで登ったあとは火口周りを一周してまたリフトで降りるという最適化された体験が楽しめる。

空島みたいな富士山

山斜面を最適化しすぎて登山道が存在せず、リフトだけが唯一のアクセス手段になっているせいでリフトがめちゃめちゃ混んでいて1時間半くらい並んだ。
登山というよりは変則ピクニックだが、最適化されて木が抹消されている分だけ見通しはよく虫も全然いないので快適ではあった。

『いるか浜』:いるかはいなすぎる海

【面白さ:★★☆】【新鮮さ:★★☆】【体験価値:★★☆】
城ヶ崎海岸は岸というよりは崖なので泳げないが、近くにいるか浜とかいう海水浴場があったので水着でちょっと泳いだ。海で泳いだのは20年ぶりくらい。

手頃な写真がないので公式から

見た目よりはだいぶ狭くて、端から端まで行ってもあまり長くないし海側もすぐそこにラインが引かれている。と言いつつ、足が付かない深さで波に揉まれるのはプールではなかなかできない体験でけっこう面白かった。
とはいえ海に最大バリューが出るのはやっぱり初見時なので、初見のガキを連れていくのが一番コスパが良くて皆そうするのだろう。ちなみにいるかはいなかった。

『怪しい少年少女博物館』:最後の思い出

【面白さ:★★★】【新鮮さ:★★★】【体験価値:★★★】
来月閉館するらしいので行ってきた。
news.yahoo.co.jp昭和の変な蒐集物が無数に並んでいて、マネキンとかフィギュアとか謎のアイテムが無限にある。館内撮影自由だが行った方がいいのであんまり載せない。
いわゆる謎本を発行している会社の社長が作ったらしく、怪しい本を寄せ集めたコーナーに普通のセキュリティ技術書(ハッキングなんちゃらみたいなやつ)が怪しい本扱いでいくつも並んでいたのがやや面白かった。

こういう感じ

自分は別に昭和世代ではないが、古いものを見るとあの頃は良かったような気持ちになるジジイ感覚だけが加齢の影響で順調に育っており、妙にノスタルジックな気分になれてしまう。
近代以降は大量流通の時代なので、個人的な思い出の基盤にはその時代に存在していたプロダクトがあることが多く、そのプロダクト自体は複数存在するが故に蒐集や展示も可能なので、効率的に懐かしさを喚起する施設が存在できるという構造がある(プロダクトに基づかない思い出、例えばおねしょの記憶などを懐かしく思い出させるのはもっと難しい)。

こういうプロダクトベースの回顧が本当に直撃するようになったとき、例えば今から30年後くらいに妖怪ウォッチとか名探偵プリキュアのアイテムを集めた博物館がオープンしたらふつうに通ってしまいそうだ。それはもう仕方ない、人間ってそういうものだから……

ジッピーによるカード化(街モン→■)