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24/2/5 お題箱回138:教科書の勉強、うるユニetc

お題箱回138

807.何かのコンテンツを消費する際にメモを取られていますが映像作品のようにメモってる間に進んでいくようなものを鑑賞しているときってどうしてるんですか?アマプラとかなら一時停止できるけど所見の映画を映画館に見に行くみたいなときにどういう対応をしているのか気になりました

一時停止することもなくはないですが、基本的には止めずに見て終わったところでメモします。映画館でも同じです。連続で流れる割には普通に見ていて忘れる程度の内容はそんなに重要ではなさそうなのでそこまで気にしなくて良い気はします。

 

808.前回のお題箱回答に出てた概念「勉強の才能がある/ない」というのが気になってます(自分は勉強できないたちなのもあり)
LWさん的に「こいつ勉強の才能ないな」と感じるポイントってどこなんでしょう

物事を体系的に理解する姿勢を持っている人は勉強の才能があると感じます。逆は都度都度必要な知識だけ仕入れる人です。ただ雑に「才能」とは書きましたが、先天的というよりは後天的に身に着ける態度なので普通に「能力」と書いた方が妥当な気はします。

僕はこの画像は概ね真実だと思います。

ネットでよく見るやつ

一見すると個別的な知識を理解するにあたっても、もっと広いレンジの合目的性(その知識が存在していると何故どのように有益なのか?)とか構造の中で各知識がどういう位置を占めているのか(何から演繹されて何を帰結するのか?)を理解することは決定的に重要です。辞書を引いただけみたいな一対一対応の知識では応用が効きません。

例えば抽象的な議論でよくわからん概念Aがいきなり出てきたとき、対になる概念Bが何なのかを注意してチェックすることによって、全体をAとBに分けたそもそもの目的が見えてきてAの主旨が取れてくることはその典型です。このとき概念Aの定義だけを杓子定規に覚えても単に暗唱できるだけであまり役にたちません。

 

809.20代後半フリーターです。一般教養が無いのでこれから身に着けたいと考えています。

学生時代はほとんど勉強もせず、かといって何か別のものに打ち込んでいたというわけでもなく、家でも親に甘やかされていたので基本頭を使わずに生きてきました。
ネットで行われている政治的な議論が全く理解できません。
戦争の歴史も知りません。
なぜ韓国を嫌う人がいるのかもわかりません。
税金の仕組みも知りません。
選挙の仕組みも分かりません。

分からないことを目にし、その都度ネットで検索をかけてもいいのですが、断片的な知識が積み重なるだけで身になってないなと思いました。
そこで、一から一通り学び直したいと考えています。
高校生向けの社会の教科書を読むことをとりあえず候補に入れていますが、
LWさん的にこうしたほうがいいよというのがあれば教えてほしいです。

いいですね!! 目的と行動方針はとても良いと思います。

ただ僕も中高でそんなにきちんと社会を学んだわけではありませんが、この文章を読む限りは高校生向けの教科書から入るのは難しすぎる気がします。今知りたいと思っていることは小学六年生くらいの範囲から始まってくる内容なので、学習指導要領などを参考にしながら小学生向けの教科書からステップアップしていく方が安全です。いちいち買うのが面倒なら図書館で閲覧か貸出をしてください。

また、教科書の範囲外と思われる点について補足しておきます。

「なぜ韓国を嫌う人がいるのか」は恐らく「歴史的な軋轢を踏まえた中韓での反日教育とそれに対する日本のネット文化における反動」みたいな話で、たぶん朝鮮半島と日本の関わりを一通り学んだあとに何かの本を追加で読むことになる気はします。「ネットで行われている政治的な議論」も基本的な日本政治史を学んだあとはリアルタイムな現在の情勢をまた別個で抑えることになりそうです。

「税金の仕組み」については、大枠の制度としての税金の目的や役割については教科書で学べる一方、確定申告の仕組みとかワンボイス制度に伴う消費税制の詳細みたいな個別具体的な知識は教育制度の対象外です。そういう現代日本で生きていくために必要な知識はFPのような実用資格を取得した方が確実でしょう。一方、「選挙の仕組み」の方は義務教育でもわりと詳細にフォローしているため「票数がどうなれば誰がどう勝つのか」くらいのことは教科書を読むだけでわかるはずです。

 

810.瞑想ってされたことありますか?精神の安定に結構良いらしいです

しようとしたことはありますがよくわからなかったです。スパ銭でのサウナとか昼寝もなんか同じようなカテゴリだと思っていますが詳細不明です。

 

811.倍速視聴したことありますか?
また倍速視聴への考えを聞かせてほしいです。

商業コンテンツではしませんが、Youtubeとかでは割とよくしています。

なんかもう加齢の影響で何でもいいんじゃない?みたいな感じになってきていて、別に何でもいいと思います。コンテンツを消費する目的は人それぞれだし、ストーリーの把握メインで高速インプットしていくのもそれはそれで得るものがあるのではないでしょうか。メリットとデメリットです。

 

812.自身の作品がSNSで広く読まれるように行っている戦略的な試みはありますか?また、SNSでクリエイターや絵師が知名度を健全に広める方法などについて思う事があればお尋ねしたいです。

今はあまりないですね。一応ブログとかTwitterのトップに作品を固定しているくらいです。

ゲーマゲの頃は絵師さんにリツイートしてもらったりプロモ広告を打ってみたり色々試していたのですが、そもそも自分自身そこまで強い拡散モチベーションがないと気付いたこと、文章創作である時点でどうせ大バズはしないこと、ありがたいことにもう固定読者が一定付き始めたことなどからあまりやらなくなりました。

文字創作はやっぱりSNSでは弱くて、それ単体でバズることは基本ないと思います(横浜駅SFみたいな例外もないわけではなさそう?)。文章本体というよりは面白いツイートとかブログを書いてそっちがウケたオマケとして創作の方もリーチが広がるとかの方が現実的と思われ、僕のラノベもブログから入って読み始める人がかなり多いです。

一方、イラストはSNSにて最強なので絵師は愚直に作品を上げ続けるだけで戦えると思っています。やはり最も拡散されやすいのは流行っているコンテンツの二次創作なので、知名度が欲しければブルアカか原神のイラストを描いて作品名やキャラ名のタグを忘れずに付けてアップし続けるマシーンになるのがよい気がします。

 

813.小説家で食っていく選択肢はないですか?

食えるものなら食っていきたい気持ちもなくはないですが、自費出版しても仕方ないので商業出版でペイするかどうか(その前にペイすると判断する編集者がいるかどうか)というシンプルに能力的な問題だと思います。

とはいえ食い扶持になろうがなるまいが今後も創作活動自体はやっていくので、いずれ金になったらいいしならなかったらそれはそれというだけで、気の持ちようでやることが変わるわけでもないためあまり深く考えていません。あと、仮に金になるとしても社会と接点がない人が書く小説ってたぶん先細りしていくので専業でやる気もあまりしないです。

 

814.うるユニ最後まで読みました、連載お疲れさまでした。
芽愛のバックグラウンドが判明してそれを踏まえて麗華とそれぞれ7年前のできごとに根差した信念で対立するみたいな展開が一番熱くてそこから先はなんかぬるっとまとまった(一緒にいられてよかったね~)みたいな読後感だったんですが、前作のにはりが執筆の際には面白いラノベを作ることを明確に目的として手法を分析した結果ロジカルにマジで面白いラノベが出力されていて、今回は百合を標榜していて面白さを標榜していないということは今作のテイストに関しても明確な目的(ある意味においては面白くないけどいい感じの百合をやりたい、など)があったのかな、と勝手ながら思っています。
前提として自分が感じた読後感が想定されているものと一致しているのか、一致している場合はどのようなコンセプトで今作が執筆されているのか、そのコンセプトを表現するためにどのようなメソッドが用いられているか、について良ければお聞きしたいです。(聞かなくてもどうせ大反省会記事で読めそうですが……)

ありがとうございます。

www.alphapolis.co.jp

そうですね、全体的に仰る通りです。

にはりがで普通に面白いラノベを書いたのでうるユニは趣味に倒していて、うるユニについて「普通に面白い」とは一度も言っていないのはまあいわゆる普通に面白いわけではないという自覚があったからです。かといって全然つまらない話を書いてもしょうがないのでエンタメの体裁は備えるくらいがとりあえずの目標ラインではあって、秩序組vs騒乱組の対立構造とかはまさにそんな温度感で導入された立て付けです。

そういう立て付けはちょっと前の記事(これ→)で取り上げた『物語のひねり方 読者を飽きさせないプロット創作入門』から流用していて、「地の文や発言に現れる根本的な感受性はキャラによって違う → 同じ出来事でもキャラによって認識は違う → キャラの間で顕在化する認識の齟齬が劇的な対立を生む」みたいなうるユニで使った手法はそこに全部書いてあります。

だからわざわざ大反省会記事を書くほどでもない気もするしどうしようかなと今迷っている状態ではあります。メソッドはその本に全部書いてあるし、アンケートもそんなに集まってないし、そもそもうるユニ自体が七年前に一度書いたマジタタというラノベのリメイクのため設定レベルの基本構想も今考えたものではありません。

一応作業ベースで言うと、今回はリメイク元になるおもんない自作ラノベが既にあったので、それがおもんない理由を洗い出してコンセプトだけは温存しながら面白くない部分(主に過剰な設定)を削除して面白い部分(主に対立構造)を付加していくものでした。魔法少女を五人から三人に減らしたり、魔法少女ごとに持っている固有魔法の設定を消したり、主人公とヒロインが殴り合う経緯を足したり、アルニアの設定を生やしたりした意図と経緯について書くことはできます。が、そもそも大元になっているのが皆が知っている話ではなく俺しか知らない話なので一般性が一切なく、単にマジタタ読了者向けの裏話みたいになりそうな感じもあり……

 

 

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