LWのサイゼリヤ

ミラノ風ドリア300円

24/6/23 お題箱回163:DOD etc

お題箱回163

1059.「DODがなかったらオタクやってなかった気もするしかなり原点」
このツイートの詳しい話が聞きたいです。

DRAG-ON DRAGOON(DOD)は中学生の頃にプレイして衝撃を受けたゲームです。
僕が何歳になってもオタクを続けているのは「コンテンツカルチャーには人生を投じるだけの価値がある」という前提を信じているからですが、今思えばその確信を最初に得たのはDODだったと思います。DODがなかったらオタクやってなかったというのはそういう意味です。

DODは表面的にはスクウェアエニックスらしい剣と魔法のファンタジーですが、徹底して世界に救いがないことがマルチバッドエンドと言われる所以です。
そもそも人類が世界の神に嫌われているので世界の側に人類に利する動機が一切ありません。世界の謎を明かすたびに人類は滅びに近づいていき、何をしても世界も戦争も仲間も悪い方向にしか転がらず、世界の希望と思われていたアイテムの数々が結局のところ人類を滅ぼすものだったり、親しかった知り合いたちが最悪の敵として立ち塞がったりという絶望的な展開が執拗に描かれます。
「人類を滅ぼす悪の神」みたいなモチーフはラスボスの定番ですが、DODの「神」は裏設定程度のものでしかないというのが非常に秀逸です。姿かたちは関連コンテンツや続編を通しても一度も描かれていないし、教会や信仰を通じて存在を仄めかされるのみでゲーム本編で人格を持つキャラとしては一切登場しません。

補足541:「人格のない悪意」「原因のない最悪」みたいなモチーフが未だに好きなのはたぶんDODの影響です。人格のある悪なんてたとえそれがどんなに強大でも殺したり説得したりすれば何とかなるという希望が残ってしまうわけで、本当の最悪とは解決の糸口を掴める可能性すら絶無である理不尽です。例えば僕が大好きな映画である『ファニーゲーム』が素晴らしいのは悪役二人の目的や背景が一切描かれないところで、彼らはどこまでも災害のように超自然的な存在であって「悪人キャラ」ではありません。

神には最後まで打ち勝つどころか接触することすらできず、主人公たちに可能なのは最悪の世界でひたすら翻弄されることのみです。最初だけは多少ファンタジーらしく「帝国軍との戦い」みたいなことをやっていたのが途中から完全に「滅び」の話になって、正体不明で上位存在の敵が無限に湧き続けるばかり。止まらない破滅の中で仲間たちは次々に死んでいくし、どのエンディングでも主人公たちの死亡は最初から確定していて、選べるのは死に方くらいしかありません。

でも逆に言うと「死に方くらいは選べる」というのが当時感銘を受けたポイントです。
DODのキャラは主人公を含めて味方陣営全員が狂人で、彼らには彼らなりの嗜好とか信条があってそれを最期まで曲げません。バトルマニアの主人公は戦いっぽい見た目の自殺に笑顔で突っ込んでいくし、カニバリストやペドフィリアの仲間たちも自分の意志を貫いて死んでいきます。
どうせ終わる世界と尽きる命で何をしたところで誰にも咎められることはなく、世界の方が終わっているからこそ却って「自分の死に方は自分で選ぶ」という美学が至上の価値を持つようになります。僕が「死に方を選ぶ権利は最期の聖域である(だから他人の自殺を止めるべきではない)」という思想を持っているのもDODから影響を受けているかもしれません。

補足542:ただこれに限ったことでもないですが、「思想が先にあって後からそれを体現している作品に出合った」のか「ある作品を好きになったのが先でそこで描かれている思想を後から内面化した」のかは鶏卵問題ではあります。

具体的にどういう物語に共鳴するのかは個々人の趣味であるにせよ、僕にとってはこういう救いのない物語とそういう状況で輝く死の美学を描けるとDODで知ったことが、コンテンツカルチャーに現実の人生を遥かに超える無限の可能性を信じる原体験だったという話でした。

1060.丸くなることを加齢の問題とすり替えていませんか?それとも、LWさんの尖り具合がその程度だったということでしょうか

僕にとってはその二つは概ねイコールです。丸くなる原因は加齢による経験蓄積だからだと思っているからです(もっと正確に「経験の問題」と言ってもいいですが)。
僕の尖り具合がその程度というのは仰る通りです。年を重ねてもずっと尖っている人とかも一定数いるので、そういう人に比べると人生における総尖り量的なものが少ないのは間違いないと思います。別に尖ることに価値があるわけでもないので何でも良いです。

1061.各国のAI開発競争って言いますけどこれに注がれる補助金ってWTOの協定に引っかかったりしないんでしょうかね。

すいません、何の話か全然わからないです。引っかかるかもしれないしひっかからないかもしれません。

1062.DS系の資格を取られているようですが、取得する資格の選定基準は何ですか

選定基準は特になくて全部です。能力的にも時間的にもそんなに手間ではなかったのでわざわざあえて絞る理由がありませんでした。取ったDS系資格は以下にまとめています。
saize-lw.hatenablog.comただ正確に言えば、E資格だけは10万円くらいの講座受講が取得に必須だったのでスルーしました。ある程度は資格が利権ビジネスなのは別に構わないのですが、10万円の価値があるとは流石に思えませんでした。

1063.以前ブログで話していた「犬魔戦伝」という作品について教えて欲しいです。調べても何も出てきませんでした

すいません、それは存在しない作品です!
数年前に何かの話の具体例として適当な作品名を挙げようと思ったとき、考えるのが面倒だったため「架空の作品でも別にバレないんじゃないか?」と思ってその場で考えた例をでっち上げたものです。数年越しでそのツケを支払わされていますが、一応僕の記憶が正しければ架空の作品で例を挙げたのはその一回きりだったはずです。

1064.お題箱124回のノートの記事読みました。感想用と勉強用で二種類のノートがあるようですが、勉強用で作成したノートはどのように保管していますか?
感想用と違って詰めずに書いているうえ片面のみ記入だと量も多そうですが、巨大なバインダーに片端からまとめていく・用途や内容でバインダーで分けるなどしているのでしょうか

適当なバインダーに適当にまとめています。量や内容に応じて適当に分けます。
勉強するたびに必ず個別にノートを作っているわけではなく、むしろかなり気合いを入れて勉強をするときだけなのでけっこうレアケースです。直近でノートを作ったのはFPの勉強くらいで、統計検定の勉強やその辺の数学書や技術書を読む程度ならペラ紙に書き散らしたり感想用のノートと共用で済ませたりします。

1065.ドラクエやったことありますか?

ありません。派生コンテンツ含めて全然通ってきていません。ドラクエもFFもキングダムハーツも周りで流行ってた記憶特になくて、その辺の有名RPGと縁の遠い人生を送ってきた気がします。

1066.Googleなどの有名企業の写真アプリのAIが再びゴリラにラベル付けをする日は来ると思いますか

ゴリラに黒人のラベル付けをした話ですよね? どこかでは来ると思いますが、これは技術的な話というよりは文化的な話なので時代の趨勢次第としか言えません。
gigazine.netまずこれは技術的には全然大した話ではなく、単に写真の画質が悪かったり学習データでゴリラ似の黒人がたくさんいればAIも見間違えるというだけです(黒人っぽいゴリラを見間違える人間の勘違いとそう変わりません)。
だからシンプルにAIの性能が上がれば起こりにくくなりますが、人間がそうであるように100%見間違えないという断言まではできなくて、ゴリラをゴリラと判別できるリターンと万が一間違えた場合に人権組織からどつかれるリスクを天秤にかけてどう見積もるかというだけの話です。

1067.先日のスタレnote読んで、LWさんにコンテンツ消費の損切り論を聞きたくなりました。昨今はゲーム以外のジャンルも展開が継続する運営型コンテンツと化していて、「一つ一つ丁寧にクリアするより損切りしつつ波長合うもの探す」のを常に求められてる気がします。

僕も概ねそういう感じだと思います。
一応序盤はしゃがんでるけど尻上がりで面白くなっていく作品を見逃してしまう危険はあって、そこの期待度管理をどうやるのかという問題は生じます。解決策の一つとしては信頼できるオタクの友達に「これって何時間までプレイして切るのがいい?」みたいなことを聞く方法があり、その辺りで令和らしく人間ネットワークの重要性が上がってもいます。
昔は損切りに対してはネガティブな印象を受けていたのですが、すぐに次の作品に移るのであれば「早々に離脱される作品」と同じだけ「素早く接触される作品」があるので市場全体で見れば数量的にはトントンで、ユーザーの流動性が高まるのも一つの健全性だと思います。

1068.スタレ、LWさんの記事読んで私も始めました。ヘルタ好き。

僕もヘルタ好きです。性格が良い常識人が多かった原神に比べるとスタレは捻くれたキャラが多くていい感じです。特にアスター・銀狼・青雀あたりの強かなティーンキャラが好きです。


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