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23/9/24 データサイエンス系資格だいたい全部取った

欲しかったデータサイエンス系の資格を全部取ったのでまとめます。

エンジニアではなくデータサイエンティスト寄りのため、AWS絡みやオラクルマスター等の実装系は弾いています(最終成果物がコードではなくレポートや資料であるジョブのイメージ)。

 

取った資格一覧

参考にステータス表示を付けていますが、無職の適当な主観なのであまり鵜呑みにしない方がいいです。当然ながら、基本的に難しい資格の方がパワーが高いし楽しい傾向があります。

①パワー:こいつやるやんって思う度
★★★:なかなかやるやん
★★☆:まあまあやるやん
★☆☆:やらなくはないやん

②難易度:ゼロから勉強するときのコスト
★★★:年単位
★★☆:月単位
★☆☆:週単位

③楽しさ:コンテンツとして楽しめる度
★★★:アベンジャーズエンドゲームくらい
★★☆:ガーディアンズオブギャラクシーくらい
★☆☆:キャプテンマーベルくらい

なお、試験形式には以下の三種類があります。

PBT:Paper Based Testing
大学などの試験会場に出向いて紙で試験を受ける伝統的な形式。合否が出るまでに数週間かかる。実施側も大変な手間がかかるため近年では減少傾向にあるが、記述式はPBTでしか実施できないこともあって、バリューの高い試験は未だPBTが多い。運営コストが高いので開催頻度が低く、一度落としたらクールタイムが長い。資格老害は古き良きPBT以外は邪道として認めない傾向にある。

CBT:Computer Based Testing
各地にある民間のパソコン教室やテストセンターに出向いてPC上で試験を受ける形式。自動採点でその場で合否が出る。実施も受験も容易なのでPBTをCBTで置き換える流れが進んでいるが、択一問題や数値回答問題しか作れないのが欠点。一括での実施ではなく受験者ごとに都度都度申し込んで受けるため、受験料さえ払えば再チャレンジが容易で、金に物を言わせたリセマラ戦法が可能。資格老害からはゆとり形式として忌み嫌われている。

IBT:Internet Based Testing
自宅にある私物PCからインターネットを経由して試験を受ける形式。自動採点でその場で合否が出る。理論上はカンニングも容易だが決してやってはいけない。最も簡単な実施形式なので軽い資格で採用されている。CBTと同様にリセマラ戦法も可能だが、IBTで実施されるような難易度の資格試験に何度も落ちるようならもっと別のところを考え直した方がいい。資格老害からは眼中になく資格とみなされない。

 

統計検定1級

【パワー★★★】【難易度★★★★】【楽しさ★★★】【PBT】
公式:統計検定1級|統計検定:Japan Statistical Society Certificate

saize-lw.hatenablog.com

日本統計学会が主催する由緒正しい統計検定の最強資格です。下位シリーズに4級・3級・2級・準1級があり、準1級くらいからパワーが増してきます。

1級の試験はほぼ院試です。実際に統計分析をやるというより、その基盤になっている数学的な理論の証明などが問われます。資格試験にしては珍しくルーズリーフの紙面みたいな更地に一から回答を作成する完全記述式で、午前と午後で分野が異なる試験を二つパスしないといけません(それぞれ合格率20%くらい)。しかもPBT方式のため一年に一度しか開催されず、毎年チャレンジしている人も少なくありません。

ちゃんとした数学書を読みこなせる理系学部後期レベルの数学力が必要です。理系で真面目にやっていた人ならそこまでハードではありませんが、そうでない場合は下位資格から数年かけて少しずつ取得するしかないと思います。

 

データベーススペシャリスト

【パワー★★★】【難易度★★★】【楽しさ★★★】【PBT】
公式:データベーススペシャリスト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

データベースの国家資格です。高度情報技術者という分野ごとに細分化した高位資格の一つで、IPAの資格を取っていくロードマップで最終目的地の一つです。

試験は午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱの四つ実施され、午前Ⅰと午後Ⅱがそれぞれ違う意味で厄介です。午前Ⅰは情報分野の知識を広く浅く問う試験であり、データベースだけではなく情報全般についても知っている必要があります(応用情報技術者を取得済なら免除されるのでそれが一番楽です)。午後Ⅱは数ページに及ぶ長大な業務説明を読んで自らデータベースを作図で設計する必要があり、事前に特化した勉強が必須です。

応用情報技術者相当の情報全般の知見に加えて、データベース理論はけっこう独立性が高い分野なので別個に勉強する必要がある点でハードルが高めです。少しでも実務でデータベースに触っていると楽ですが(別にバックエンドエンジニアでなくてもSQLを書いたりするだけの立場でも良)、理論自体はお行儀が良いので実務経験がなくても頑張れば取れます。

 

データサイエンスエキスパート

【パワー★★☆】【難易度★★★】【楽しさ★★★】【CBT】
公式:統計検定 データサイエンスエキスパート|統計検定:Japan Statistical Society Certificate

saize-lw.hatenablog.com

統計検定の亜種で、理論一辺倒ではなくもう少し実践的に広い領域の知識を問うバージョンです。数ヶ月前に出来たばかりなのでまだ知名度も低く攻略情報も少ないですが、内容も運営元もちゃんとしているので今後地位が上がっていくと思います。上の記事にも書きましたが、やたら攻略が楽しかった一押しの資格です。

試験はCBTですが、他の資格にない異常な範囲の広さと深さを併せ持っておりかなり手強いです。統計検定一級で優秀賞を取った僕でもけっこうギリギリでしたし、統計検定準一級の優秀賞を取っていて実務もバリバリやってる相当優秀な友達が落ちていたので、実は難易度は最高クラスという説もあります。

とにかく出題範囲が広く、概ね検定論の域を出ない統計検定とは比べ物にならないほどの知識が要求されるため、それをどうやってカバーするのかが課題です。僕は図書館を走り回って30冊くらい読んで何とかしましたが、広範な実務を長年やっている人ならどれも見たことあるくらいの感じかもしれません。

 

応用情報技術者

【パワー★★☆】【難易度★★☆】【楽しさ★★☆】【PBT】
公式:応用情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

一般的な情報知識に関する国家資格です。データサイエンスの資格というわけでもないですが、いまどきコンピュータサイエンスの知識もなしにデータサイエンスは出来ないので避けては通れない資格でしょう。また、データベーススペシャリストを取る場合はそちらの午前Ⅰ試験が実質応用情報技術者試験なのでどうせクリアする必要があります。

試験はかなり広く浅く情報系の知識が問われ、情報理論からハードウェアからソフトウェアからプロジェクトマネジメントから賃借対照表までざっくり抑えておく必要があります。範囲が広すぎて個々に勉強するのは現実的ではないため、素直に分厚い資格教本に目を通すことになります。

やたら範囲が広いものの深さは教養レベルではあるため、いま情報系の仕事をしていたり情報系の学生ならそこまで手こずらないと思います。逆に言えば「二進数って何?」「プロトコルって何?」くらいの水準の人は今まで見たことも聞いたこともない概念を無限に叩き込む必要があるため、道のりは相当長いです。

 

G検定

【パワー★☆☆】【難易度★★☆】【楽しさ★☆☆】【IBT】
公式:G検定とは - 一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】

ディープラーニングに特化した資格ですが、GはGeneralのGで、エンジニア向けにバリバリ実装するのではなくジェネラルにざっくり色々知ってることを証明する資格です。ちなみに実装方面は「E資格」というものが対応しているのですが、そちらは10万円くらいの指定講座受講が必須なのが謎にハードルが高いです。

ジャーナリストや非技術職も視野に入れているため、「人工知能の歴史」や「初期AIの特徴」のような歴史的経緯についても問われるのが特徴的で面白いところです。AIの各種タスクやモデルやその原理についても歴史上で重要なものが割と細かく問われ、技術方面にも一定レベルの教養は要求します。

補足480:僕が取ったのは二年前くらいですが、最上川のように早い時代の流れにちゃんと対応しているのかどうかは不明です。正直もう「ディープラーニング」っていうワード自体がだいぶ死語ですし、生成AIが流行ったあたりから「歴史上で重要なモデル」は根本から切り替わったと思うのですが、その辺はフォローされているのでしょうか?

一般人向けの普及目的の資格ではあるので、ちょっと頑張れば誰でも取れます。また、合格後のサポートにも力を入れているらしく、G検定合格者の会とかslackみたいなやつに招待してもらえる特典があります。僕は入っていませんが、人脈とか欲しい人はそれ目当てでも受けてもいいことがあるかもしれません(ないかもしれません)。

 

データサイエンティスト検定リテラシーレベル

【パワー★☆☆】【難易度★☆☆】【楽しさ★★☆】【CBT】
公式:DS検定® ★ データサイエンティスト検定™ リテラシーレベル|一般社団法人データサイエンティスト協会

名前に「リテラシーレベル」とか付いてるから雑魚っぽく見えますが、地味な良資格です。ちなみにリテラシーレベル以外のレベル帯もこれから作るらしいですが、一向に動きがないし企画倒れしているのかもしれません。

データサイエンティストの名を冠するだけあって、単なるデータサイエンスの理論だけではなく仕事の進め方やマインドや資料の作り方についても試験範囲に含まれていることが最大の特徴です。目から鱗みたいな知見は特にないですが、どっかで通っておいて損はしない感じのことがけっこうたくさん並んでいるので取ってもいいと思います。

範囲は若干広めですが、リテラシーレベルではあるのでそれほど難しくありません。特に事前知識がなくても公式テキストを一冊読めば問題なく取得できるはずです。

 

Python3エンジニア認定データ分析

【パワー★☆☆】【難易度★☆☆】【楽しさ★☆☆】【CBT】
公式:データ分析試験 | Python試験・資格、データ分析試験・資格を運営する一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会のページです。

データサイエンティスト向けのPythonの資格試験です。「エンジニア認定」という名前は流石に盛りすぎであり、「Pythonが使えなくもない認定」と思った方が誤解がなくて良いと思います。別にこれを取ったからといってやる気アピール以上にはならないでしょう。

誰でも知ってるライブラリやいつでも使う関数の基本仕様など、「これが出来なかったら逆に何ができんねん」という最低限のPython知識が学べます。Pythonでのデータ分析をちゃんとやるならコンペの一つにでも出た方が遥かにマシではありますが、データサイエンスの理論と実装を橋渡しするという意味では貴重な資格と言えないこともなく、何かを始める前に取っておいても損はしません。

書いた通り「エンジニア認定」は盛りなので、エンジニアでなくても気軽に取れます。あと受験意志を表明するとテキストを無料でもらえるキャンペーンをたまにやっていたので利用すると良いかもしれません(今もやっているかは不明です)。

 

データサイエンス数学ストラテジスト上級

【パワー☆☆☆】【難易度☆☆☆】【楽しさ☆☆☆】【IBT】
公式:データサイエンス数学ストラテジスト | 公益財団法人 日本数学検定協会

数学検定協会がデータサイエンスブームにいっちょかみしようとして適当に作った資格です。どこがデータサイエンスなのかよくわからん数学の問題が並び、取ったところで知名度もないし何にも使えません。ただ唯一の強みとしてIBTにつきわざわざ出かけなくても自宅のPCから受験できるため、会社の金で取れるなら暇なとき原神を起動する代わりに遊びで取ってみてもいいです。

一応、問われる数学の知識自体はそれなりに広く、データサイエンスに限らない中学~学部前期くらいの範囲がうっすら問われるため、共通テストみたいな感触ではあります。理系で真面目にやっていた人なら簡単ですが、そうでない場合は地味に取得難易度が高めのような気もします。