2021年6月消費コンテンツ
流石に劇場版レビュースタァライトが良かったです。
メディア別リスト
映画(5本)
幻夢戦記レダ
書を捨てよ町へ出よう
少女☆歌劇レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド
劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト
殺しの烙印
アニメ(13話)
ウマ娘 プリティーダービー(全13話)
書籍(3冊)
データサイエンス講義
法の世界へ
入門統計解析
良かった順リスト
人生に残るコンテンツ
劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト
消費して良かったコンテンツ
入門統計解析
書を捨てよ町へ出よう
法の世界へ
消費して損はなかったコンテンツ
たまに思い出すかもしれないくらいのコンテンツ
少女☆歌劇レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド
データサイエンス講義
以降の人生でもう一度関わるかどうか怪しいコンテンツ
殺しの烙印
ピックアップ
劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト
大場ななさん、好きです……
書を捨てよ町へ出よう
開幕と終幕で主人公が諦念を滔々と語るパートが筋少の語りパートみたいで本当にジーンと来たが、実は面白いのはそこだけという説もある。結局どこへも抜け出せず何者にもなれない時代というテーマが『田園に死す』とそう変わっていないので、早くも若干のマンネリ感は出てきた。時空を超えて主人公の葛藤に強くフィーチャーした『田園』に比べると、そこそこ多くの人々が参加する『書を捨てよ』の方が、話の筋は若干わかりづらい代わりにエンタメ寄りと言えなくもないかもしれない。
ウマ娘 プリティーダービー
めちゃ流行っているので見たが面白くはなかった。
素直で猪突猛進な主人公、憧れの目標兼ライバル、飄々としているが熱いものを持っているコーチ。見る前に何となくこんな話かなとうっすら予想していた内容と完全に一致しており、「これが流行るのか」という素朴な驚きと「これは流行るよな」という素朴な納得が同居した奇妙な味わいがある。
とりわけ殺伐としたフィジカルの闘争を緩和して教育的な要素を盛り込むため、擬人化のどさくさに紛れて導入された「ウィニングライブ」という概念は強烈だ。何としてでもアイドルの文脈を割り込ませ、単なる勝利のみならず「皆に夢を与える」という手垢だらけの正しい目標をも盛り込みたかった欲張りな執念が伺える。
いずれにせよ、既に『 劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』が登場してしまった今、まさにそれが棄却したような美少女教育アニメと言わざるを得ない。
とはいえ、昨今の標準的アイドル作品が友情努力勝利を組み込んでスポ根化していることは周知の通りだが、逆にスポ根ものに競技という枠を超えた見世物要素を組み込む作品は思い付くようで思い付かないような気もする。確かに勝利したチームないし個人が事実上のアイドルとして見世物になる作品はいくつもあるが、それを明確にシステム化していることはそれなりに新しいのかもしれず、 ここに「スポ根」と「アイドル」の間にある微妙な力学を感じないこともないものの、俺の関心が高くないのであまり掘り下げるモチベーションがない。
幻夢戦記レダ
太古の女性主人公異世界転移もの。当時のアニメらしく元の世界に戻ることが自明の目的になっており、最近のアニメみたいに無双したりハーレムを作って定住したりはしない。
全体のお話としても「異世界に逃げずに頑張って現実をやっていきましょう」みたいな寓話感が強く、主人公の女の子にとって異世界の冒険は現実世界で恋愛に向き合うための踏み台に過ぎない。また、異世界にいる悪者は現実世界への侵略を目論んでいるのだが、彼ですら「別世界に行こうとせずに自分の世界で頑張った方がいい」という方向に落ち着いていく。
総じて異世界への進出を「逃げ」と見做す禁欲的な姿勢が一貫しており、昨今の異世界転生ないし転移が金暴力セックスを手にして完全な勝ち組になれる風潮とは反転した倫理が伺える。この作品一つだけを元手にどうこう言うのは厳しいにせよ、異世界転生ものに雑に言及したいときに若干の引用価値がありそうだ。
データサイエンス講義
同じオライリーの戦略的データサイエンス入門(→■)は名著だったが、これはかなり読まなくて良い寄り。
アメリカのどっかの名門大学のオムニバス講義をそのまま本にした内容で、オムニバス講義の良いところも悪いところもそのまま出ている。良いところとしては、とりあえずデータサイエンス関連で働いている人をたくさん呼んで色々な話をするのでトピックは豊富で印象に寄った卑近な話が多い。悪いところとしては、あまり体系的に書かれておらず理論的な解説も適当なので印象に残る点を頑張って探さなければ得られるものが少ない。また、その手の業界人の話は劣化するのも早いため、出版から既に七年もの年月が経過していることも見過ごせない欠点である。
個人的に他であまり見たことが無くそこそこ面白かった話として、統計的な可視化を意思決定の材料ではなく視覚的なアートとして用いるというものがある。あらゆるものを定量化して数値の運動であるところの資本主義に薪をくべているような印象もあるデータサイエンスだが、成果をアーティスティックに提示して質的な面白さも作り出せるというような話はそれなりに興味深かった。
また、統計学とデータサイエンスの違いに関する話も面白いと思ったが、これについては『統計学を哲学する』(→■)が完全上位互換なのでそちらを読んだ方がいい。
法の世界へ
遥か昔に何かで入手した第三版が手元にあったので捨てるために読もうとしたのだが、法改訂に合わせてかなりのスピードで新版が出ているらしく、わざわざ最新の第八版を図書館から借りて読んだ。
法学部以外の学生が教養科目として法律を学ぶ際のテキストとして使用を想定しているらしく、契約だの雇用だの投資だのこれから社会に出ていく大学生に必要そうな知識がかなり詰め込まれている。「大学一年生向け法律ハンドブック」という趣もあるが、それでも法律学のテキストを自称するだけあってTips集に陥らないように学問的な体系化が試みられているのは好印象。
まあかなり良い本だが、いわゆる常識の類を付ける本であって、目が開かれるような内容はあまりない。俺が世間知らずだからありがたかったというだけで、就業規則とか不法行為について何となくでも説明できる標準的な社会人は別に今更読む必要も無いだろう。
入門統計解析
これもたしか大学一年時に買わされたやつでそろそろ捨てるかと思って読み直した。
特筆すべき特徴もないスタンダードな統計学の入門書で、高校レベルの数学力は前提ではあるが、統計学を学びたい人が初手で触っていい難易度。ちなみにこの前紹介(?)した竹村彰通の『現代数理統計学』(→■)あたりはもっと難解なので、それを読む前には最低限この本の内容くらいは全部普通にわかるくらいにしておいた方が良い。
ただ強いて言えば、このレベルの誰でも読める統計学入門テキストとしては、俺は東京大学出版会の『統計学入門』(→■)の方がオススメではある。『入門統計解析』は区間推定周りの説明が怪しかったり定理の証明に天下りや省略が多くて若干納得感に欠けるところがあり、『統計学入門』の方がその辺のフォローが手厚くて多分理解しやすい。
生産コンテンツ
ゲーミング自殺、16連射ハルマゲドン
趣味で書いている小説の6月進捗報告です(前回分→■)。6月は第九章「白い蛆ら」を進行しました。
ついでに毎月キャラ紹介とかコンテンツを置いときます(ここに書く設定等は進捗に応じて変更される可能性があります)。
字数
190042字→203661字
各章進捗
第一章 完全自殺マニュアル【99%】
第二章 拡散性トロンマーシー【99%】
第三章 サイバイガール【99%】
第四章 上を向いて叫ぼう【99%】
第五章 聖なる知己殺し【99%】
第六章 ほとんど宗教的なIF【99%】
第七章 ハッピーピープル【99%】
第八章 いまいち燃えない私【90%】
第九章 白い蛆ら【50%】
第十章 MOMOチャレンジ一年生【1%】
第十一章 鏖殺教室【1%】
第十二章 別に発狂してない宇宙【1%】
第十三章 (未定)【0%】
キャラ紹介④ 神威ちゃん
ヒロインの一人で、巫女のアバターを使うプロゲーマーです。
肩から先がパージされた動きやすい巫女服を着用し、清廉で凛とした雰囲気を纏った長いツインテールの美少女です。落ち着いた丁寧な敬語を使いますが、常に自分の意見をはっきり述べる、融通が利かない堅物です。
タッグチーム式のバトルロイヤルVRゲームに単身で参加するという有り得ないハンデを背負いつつ、国内ユースでは十指に入る強豪として知られています。
神威のプレイスタイルは「病的な可能性フェチ」という評価に集約されます。
神威は「実際に現実化している事態」よりも「可能性として有り得る事態」を突き詰めて考えます。その思考はゲームにおいては優れた予測能力として発現し、実況解説に予知とまで言わしめる超人的な先読みを可能にします。また、どんなに劣勢でも勝ちの可能性を探して粘り続けるため、最後には針に糸を通すような逆転を実現する彼女の戦い方に魅了されるファンも少なくありません。
しかしその一方、怪物揃いのトップ帯においては神威の可能性フェチは勝率を下げる悪癖でもあります。というのも、彼女はほとんど負けが決まっている戦場でもコンマ数パーセント未満の細い細い勝ち筋を探し続けてしまうため、撤退という判断ができないからです。複数チームが入り乱れる長期戦のバトルロイヤルにおいて、「一旦撤退して仕切り直す」という大局的判断を行えないことは極めて重いハンデと言って差し支えありません。
主人公の彼方は神威のことをそこそこ気に入っていますが(強いので)、神威は彼方のことが大嫌いです。それは神威と彼方のゲームの勝敗に対するスタンスが真っ向から対立しているからです。
彼方はゲームの勝敗を絶対的必然として捉えており、たとえ何度繰り返しても勝者は必ず勝つし、敗者は必ず負けると確信しています。敗者が勝っていたかもしれない可能性などあらゆる意味で有り得ません。それは彼方の「勝者が敗者を蹂躙することは当然の権利である」という最悪な思想を構成する前提の一つでもあります。
その一方、神威にとってゲームの勝敗とは無数にある可能性の中でたまたま実現した一つに過ぎません。むしろ「実現しなかったが確かに存在した可能性」の方が彼女の関心事であり、敗者を可能的な勝者と見做して敬意を払います。とはいえ、それは時には極めて押しつけがましい慰めでもあります。実際、神威は自分が倒した相手に数万字に及ぶ長大な検討レポートを送り付ける奇行で知られており、それを綿密な死体蹴りと解釈してショックを受けるプロゲーマーも少なくありません。