お題箱回112
563.lwさん好みの爆乳ルネサンスと貧乳ロマン派が出力できたら見てみたいです。
半年前くらいの「ハイカルチャーの画風で俗なもの描いたら面白くね?」みたいなムーブメントですね。
僕自身は爆乳ルネサンスにも貧乳ロマン派にも萌えないので自分では出力しないですが、生成AIの使い方としては非常に面白いし有益だと思いました。
ムーブメントとして成立すること自体が、つまり「こういう一枚絵を描いた」という単発の発表で終わらずにジャンル成立までいっているのが興味深いところです。AIイラストは作画コストが安い上に手描きなら必要な修行もスキップできるため、一点ものの作品というよりは同一のコンセプトを共有した作品群みたいな提示が可能で、閲覧者も容易に参加できる点も含めてネットミーム的な伝播とも相性がよいことを認識しました。
ただ、これとかケーキ化とかゲーミング華道部が盛り上がったのはいずれも半年以上前で、それ以降はこの手の大きなムーブメントはあまり起きていません。LoRAやControlNetを使えば新しい概念の掛け合わせ自体はどんどん容易になっているはずですが、生成AIの普及につれて既存の価値観に従った模倣的なイラストの精度を上げる方向が主流になっているように思います。それは目的がマネタイズに向かっているからかもしれないし、新規性には優れないレイトマジョリティ層が参入してきたからかもしれません。
とはいえ、最近でも新しいジャンルを作り出す方向性で生成AIを利用している巨乳ルネサンス的な例として、「ビンゴドレス」というものを見かけて感心しました。
この画像は、俺が画像生成AIで作った
— pipix@シュガーナイト (@pipix1121) 2023年5月11日
「ビンゴドレス」だ。
これは AI の text2img だけでは一生出ない。
なぜなら世界にこんなドレス作ってるのは俺しかいないと思われるためだ。英語と日本語で検索したけど、こんなドレスは1つも見つけられなかった。… pic.twitter.com/MGWotZ0lBg
制作者本人が自称するように確かに今まで見たこともない意匠ですが、一度出てくれば膝を打つような説得力があります。ビンゴで服が捲れて部位が露出していくというシチュエーションはエロいし、ビンゴ要素を組み込める物語的な深みもありますよね。比較的高度なモデル運用が必要であることも含めて、新しいジャンルを立てる生産的な方向性のモデルケースの一つだと思います。
564.「無職にも才能は必要」「無職は意外とキツい」みたいなツイートが定期的にバズりますが、LWさんはどう感じてますか?
もう半年くらい無職をやっていますが、かなり正しいと思います。
「主観的な幸福度をどう確保するか」という人生の普遍的な問題は、働いていようが働いていまいが常に付きまといます。仕事の中で幸福を感じるためには仕事を楽しく感じる才能や適切な職種に就く努力が必要なのと同じように、無職でも怠惰を楽しむ才能や余った時間を幸福に変換する努力が必要になります。無職は経験者が少なくエアプ語りが許されるため想像で適当なことを言っている人も多いですが、「仕事を辞めれば全てが幸福になる」と考えている就労者は「結婚すれば全てが幸福になる」と考えている独身者のようなものです。
また有職より無職の方が幸福度を確保する難易度が高い理由は二つあって、一つは無職というのは「働いていない」という否定形の状態であってそれ自体では能動的な動作を一切持たないことです。数ヶ月間何もせず寝ているだけでずっと幸福を感じられるのは極めて稀な才能で、少なくとも僕にその才能はないために人生を進めていると感じられるアクティビティに自ら断続的に取り組む必要があります。
もう一つは、無職だと自分の幸福度を上げるために使える手札が少ないことです。無職ではできないことって普通にいくらでもあって、活動をスケールしたり数十人で協働したり不特定多数にアクセスしたりといった働いていれば比較的容易にリーチできる幸福を扱えない貧弱な基盤で戦わなければなりません。
いい機会なので誤解の無いように明記しておきますが、僕は別に寝そべり族的な反労働主義者やFIRE志望者ではありません。今たまたま無職ですがこのまま一生無職でいる気はさらさらなく、年内くらいには再就職する予定です。週5で働く必要があるかどうかやどのくらい長く働き続けるかには議論の余地があるにせよ、概ね仕事はした方がいい傾向にあります。
565.無職になったらやりたいことリスト
マジで司法試験(と司法試験予備試験)受けて欲しい。司法試験って10科目しかなくて1科目平均700pぐらいの本の内容覚えとけば受かるからLWさんなら楽勝だと思う。
それはけっこうしんどい気がします。時間さえかければ合格する自信はありますが、それは「地道に積み上げられる」というだけで瞬間記憶系の特殊技能は持っていないので、普通に数年越しの時間投下が必要になると思います。
無職になったらやりたいと思っていた、士業系というか社会科科目系の資格は結局9月にFP2級を取って終わりそうな気がします。独占業務もないかなり雑魚めの資格ですが、個人レベルで人生に必要なことがかなりたくさん学べる非常に良い資格です。FP3級を受けた帰りに「これは続編もプレイしたい」と思って2級の参考書を買いました。
本当は司法書士・司法試験よりは難易度が低い行政書士あたりも取りたかったんですが、他の優先度が高いタスクに支払う時間も考えると多分もう無職期間中の勉強時間が足りないです。
566.ゲームプランナーとして働いていた頃、職場の人たちとどの程度交流がありましたか?
ウマの合う人とかいましたか?
交流はほぼ無かったです。ウマが合う以前に業務外の繋がりがありません。辛うじてミーティングとかで運営タイトルに関係するゲームの話をしなくもない程度です。
これは明確にコロナ禍が原因です。会社のコロナ禍に対するスタンスがかなりホワイトだったため、入社後一週間くらいでフルリモートになり、併用勤務になってからも飲み会や歓迎会等は皆無で、退職するまで業務外で社員同士が交流するタイミングが特にありませんでした。一応ベンチャーでそこまで規模大きくないし年齢も近い人が多くてコロナ前はけっこう花見とかイベントもやってたらしいので、本当にタイミングがめちゃめちゃ悪かったです。
僕は業務を円滑に行う上でも業務外でのQoLを確保する上でも職場での飲み会や雑談は割と大事だと思っている方なので、この状況は非常にキツかったです。どうしてもやりたすぎたので、自分が退職する日に自分で自分の送別会を企画して今まで一度も喋ったことないけど話してみたかった人に社内チャット飛ばしまくって最初で最後の飲み会をやりました。それはやっぱり普通に楽しかったですし、そういう機会が他にもあれば退職していなかったような気もしなくもないです。
567.ホロックスミーティング、結局単純に漫画としてそんなに面白くないから閲覧数右肩下がりなのではないでしょうか
テンポ悪いのでショート集にするかいっそバトル漫画にしても良かったかなと思います
この件ですね。
ホロックスみーてぃんぐ閲覧者少なすぎ問題、Vtuberファンが興味あるのは中の人と紐付いたVtuber本人だけでVtuberキャラとしての物語には特に関心がないという辛い現実に行き当たるしかない
— LW (@lw_ru) 2022年12月20日
ちなみにホロックスみーてぃんぐはこちらです。
確かに一話はめちゃめちゃ面白かったのに対し、メンバーが増えるにつれて面白くなくなっていく傾向にはあります。その理由も明確で、毎話全員均等に出すノルマがあるせいで「何かイベント発生→各人が一発ネタを披露→イベント収拾」みたいな流れにせざるを得ず、結果として全体のストーリーが出来合いの貧相なものになっていると感じます。
とはいえ、それはキャラコンテンツとしては頑張っていることの裏返しでもあります。初見で読んでもつまらないかもしれないですが、毎話細かく挿入される各キャラの配信ネタは豊富ですし、配信見てない人を切り捨てて配信見てるホロライブファン向けに寄せていくという判断は一つ筋が通っていると思います。だからホロックスみーてぃんぐがジャンププラスで最下位クラスに不人気なのは、ファン向けであるにも関わらずファンにリーチしていないことが問題ではないかというツイートをしました。
ただ具体的に数値を検討してみると、実はholoXファンが読んでいる数字としてはそこまで期待と乖離していない気もしました。ホロックスみーてぃんぐは新しめの回でだいたい閲覧数10万ちょっと&コメント数が100いかないくらいですが、これはYoutubeでのダークネスさんのライブ配信録画動画とちょうど同じくらいの閲覧数とコメント数です。数値的には、ダークネスさんのライブ動画を後から見てコメント数する層と同じくらいの人数がホロックスみーてぃんぐを読んでいると考えると、少なすぎるというほどではありません(重複しているファンの総数がメンバー五人分で何倍になるのか不明ですし、非常に雑な概算ですが)。
いくらホロライブと言えど、漫画まで追いに来るほどの熱量を持つファンのパイが漫画誌読者のパイに比べると相対的にかなり少ないため、結果的に最下位で超人気ないかのように見えているというのが真相ではないかと今は思っています。
568.スケルトンダブルどうなりましたか
好評連載中です(ちなみに閲覧数はホロックスみーてぃんぐの5倍くらいです)。ヒロインの鎧畑さんがマイペースで可愛い上に強くて好きです。
正直言うとユニークブラッドとかいう固有能力が出てきたあたりで設定がよくわからなくなって、何が起きてるのかよくわからないまま毎週楽しみにしています。そろそろ単行本を買ってちゃんと理解して読んだ方がいいかもしれません。
569.最近私の中で、うざいオタクの一つとして「だわなくん」概念がアツいので意見を伺いたいです。
オタクの様々な主張に対して「〜〜だわな。〜〜わな。」と訳知り顔で小泉構文的補足を加えつつ同意を示すタイプのオタクを想定しています。
まあわかります。一般的に言って上から来る人は常に腹立たしいことに加え、わざわざ「オタクの様々な主張に対して」と対象をオタクに限定しているのもわかります。なんか「オタクに対して上からなんか言ってるオタク」みたいな冷笑オタクの亜種(コンテンツとは向き合えなくなった劣化種?)は類型としてTwitterにかなり数がいて、まあきついな~と思って見ています。
ただこれもいわゆる老害化の一パターンではあって、僕も他人事ではないとは思います。老害になりうる年齢になって初めてわかることとして、年を取ってくると「まあそうだわな」とか「まだそこ?」としか言いようがない状況は明確にあって、あとはもう言うか言わないかの話でしかありません。つまり大元の考え方そのものが捻じ曲がっているというよりは、経験に照らせば全く妥当である感想をそのまま発言してしまうか社会性フィルターをかけるかが実際の争点になっていることが多いです。会社では穏やかなのにネット上では老害でキツイとか、Twitterでは良識があるのにdiscordでは老害発言ばっかでキツイとかいう現象が起こるのは、老害とは人格の問題ではなく場の問題だからということがわかってきました。
僕も普通に同意や評価をしたいとき「ええやん」とか「そうだわな」とか言ってると上から目線でウザいかなと思って最近はもっとはっきり肯定を明示するために「いいね」絵文字を多用しているのですが、おじさん構文ってこうやって生まれるんだなと思いました。
570.電動カミソリからの乗り換えでクラシックシェービングが良かった
毎回刃を取り換えても安いし、泡も缶入りフォーム使えば手間いらず
クラシックシェービングというものの存在を今初めて知りました。調べてみるとけっこう時間かけて剃っている人が多いですが、趣味だからわざわざ時間をかけたくてそうしているのか、本当に時間をかけなければならないのかがよくわからないところです。
今は無職で髭を剃る頻度が低いので、のちのち上がってきたら検討するかもしれません。
571.リセット癖のツイート自分がまさにそうなので深く頷きました
親しい人間関係を築けないのはそうなんですが、親しくなる過程で発生する接触頻度が上がる時期に相手の存在が鬱陶しくなってしまい離れてしまう事が多いですね
それに加え自分から連絡をとりに行く習慣がないので大きなイベント毎の後に疎遠になりがちという性質もあると思います
それなのに定期的に親しい友人が欲しくなってしまうのがメンタルに響きますね
このツイートについてですね。
人間関係リセット症候群とは言うものの人間関係をリセットするような人にはリセットするほど人間関係を築けないという矛盾、「親しい友達は常にいないけど知り合いの微妙な増減をリセットと呼んでいる」くらいが真相か
— LW (@lw_ru) 2022年12月27日
若干違和感があるのが、人間関係の距離感が極端というかゼロイチになっている印象を受けました。「親しくなる過程で発生する接触頻度が上がる時期」で鬱陶しく感じたときに不可逆的にパージして離れてしまわなくてもしばらく距離を置けばいいですし、自分から連絡を取りに行くのも習慣的にやらなくても気が向いたらたまにやるくらいにして中間的なところに頻度を調整すればいいような気もします。
僕は親しくても接触頻度は上げすぎたくない方なので、かなり親しい友達にも「あんまり会う頻度高いと会うバリュー下がるからMAXでも月一(年一)くらいでいいね」とか言って下げる方向の管理もしています。
572.「イラストレーターという職をめちゃめちゃリスペクト」してるのは、強い人には単純に強くあって欲しいというエリーティズム? 執着してる美少女を産み出せるから?
これは明確に後者で、この世で本質的に価値のある数少ないオブジェクトの一つであるところの美少女イラストを生成できるからです。
生成AI絡みの議論でイラストレーターを擁護するポジションを取っているのもそのためですが、正直に言えば少なくとも無法ベースではもうイラストレーターだけではなく生成AIも美少女を生み出せる存在になってしまっていて、気持ちとしてはイラストレーターを引き続き擁護したいけど擁護に使えるロジックがもうないという深刻な葛藤があります。
僕がイラストレーターを擁護するために過去に書いた記事ももう全部時代遅れになっていて、半年前には「何故AIには表紙イラストを発注できないのか」とか言ってた癖に先月開始したラノベは表紙をAIに発注しています。この前サイゼミでは軽くその話をしたのですが、イラストレーターにダメージが入る発信をすることは本意ではないのでその記事はあまり書きたくないと思っています。