お題箱回92
これですね。
コツはドグマブレードというデッキを信用しないことです。
僕も現代プレイヤーの感想を見て初めて知ったのですが、恐らく現代プレイヤーはドグマブレードの回転力をかなり過大評価する傾向があります。
ドグマブレードにはサーチやドローが大量搭載されており、綺麗に回ったときはするするとデッキを引き切って明確な終着点に向かっていくため、一見すると現代遊戯王を先取りしたオーパーツに見えるのかもしれません。つまり現代遊戯王において一枚初動から確立されたルートによって(妨害さえなければ)強力な先行展開が確定するのと同様、ドグマブレードも初動からゴールまで一直線に進めるデッキだと誤解されていることが少なくありません。
しかしそのイメージは買い被りです。ドグマブレードは古の美しい先行OTKとして神格化されがちですが、どこまで行っても欠陥綱渡りデッキです。
カスみたいな性能の手札入れ替えしかない時代に奇跡的に成立した引き切りコンボであり、常に一貫性を持って動けるように作られている現代のカードデザインとは大前提が違います。そもそも基本の動きがドローであり、確定サーチで保証された動きはほとんどありません。一手選択肢を間違えた瞬間に完全ストップして打ち手が無くなるため、動けているだけで御の字、欲張らずにとにかく動き続けることにだけ意識を割くべきです。
例えば「魔力倹約術+次元融合+混黒+ヴァリー」は揃えば勝ちが確定する無限ドローコンボですが、これを積極的に狙うのは危険です。特に動けるカードが少ない序盤で手札抹殺と魔力倹約術を持っていた場合、大抵は手札抹殺で魔力倹約術を捨ててドローに変換するのが正解です(いつか無限ドローが成立することを夢見て魔力倹約術を温存するべきではありません)。ベースが貧弱すぎてすぐにストップしてしまうドグマブレードにおいて、1ドローの価値は極めて重いからです。
よって回すときにそこまで終着点を意識する必要はありません。「ドグマガイを出すための生け贄を揃えて~」「墓地に魔法を何枚溜めて~」とフィニッシュを考えながら回すよりは、「ここでデステニードローの弾を引けばまだ舞える……」「ここでフェニブレ落とせばまだ舞える……」と最大効率で手札を回転させることだけ考えた方がいいです。途中で止まってしまったら完遂も何もないので、とりあえずデッキをだいたい全部引けるまで止まらないように動けることができるようになって初めてフィニッシュ時の調整を覚える感じでいいと思います。
ドグマブレードを無駄に神格化せず正しい温度感でよく論じている記事を二つ紹介しておきます。
①ンマルギルドーニさんのガイド
僕は心構えしか書きませんでしたが、具体的な回し方についてはこちらをご覧ください。よくまとまっています。
注意点として、ドグマブレードシミュレーターは1ターン一人回しでビートダウンプランが存在しないため、対人時とは定石が大きく異なる点がいくつかあります。
その中でも最大のものはシミュレーターでは原則エアーマンを通常召喚できないことです。対人時にはとりあえず1800でビートできるエアーマンを召喚して次のターンに本格的に動くのでも構わないのですが、シミュレーターではエアーマンを出すとアムホを打てなくなるのが痛すぎるので他に使えるカードがないときの最後の手段となります。
②遊史さんの歴史解説
当時でも妨害一枚置かれるだけでキツかったしメインから手札誘発が入る環境だったので正直全然強くなかったという真相に加え、このデッキが生み出されたこと自体に対する考察が良いですね。
360.ダ・ダ・恐山、すきえんてぃあ、Lwの3人で「いけすかない人間」のリストを作っていつも見ています
この3人は見たい時にリストを開いて見る分には面白いのですが、フォローして常にTLに流れてくるようになると精神的なコストが高い気がします
ありがとうございます。
ダ・ダ・恐山は僕もたまに見ていますが、同じカテゴリですかね? 僕はまとまった文章はブログに書くので、Twitterは適当に萌えキャラをリツイートしていいね!とか言ってるだけでめっちゃ低コストな自己認識でした。
361.LWさんの文章ってめちゃくちゃ読みやすいんですが、なにか意識されていることってあるんですか?
それとも、単に読書量と書き手のレベルが、MARCHレベルの俺とは違うだけ!?
ありがとうございます。僕は「論理の筋が通っていること」が最大のコツだと思って常に意識しています。
読みにくい文章でも日本語文法が破綻していることは実はそんなになくて、大抵は論理の筋がわかりづらいのが原因です(正確に言うと「係り受け」を筆頭に文法が破綻している文章も多いですが、読みにくさへの影響は実はそこまで大きくない)。
書きたい内容が思いついた順序で書かれているため、「なぜ今この話をしているのかがわからない」という文が頻出し、読んでいる人が複数の情報を上手く結合できずに文脈を作れず、結局文の塊が何が言いたいのか全然わからないというのがパターンであるように思います。
「論理の筋」を可視化するのは接続詞ですから、一度全部の文章に接続詞を付けるのが一番簡単にできるトレーニングだと思います(他にも国語教科書を購入して「余計な文章を取り除く」「文章を適切な順序に並び替える」等の問題を解くのも良い訓練になると思います)。接続詞の意義に関しては以下の記事に全面的に同意します。
補足406:まつがんさんってMtG界ではレジェンド的なライタープレイヤーだと僕は認識しているのですが、MtGプレイヤーがはてなブログ使わなさすぎて読者19人なのはヤバいと思います。20倍はいていいです。
一度全部の文章に接続詞を付けてみて、適切な接続詞が思い付かない文章は削除するか相当に丁寧な説明を加え、最後に無くても伝わる接続詞だけを省略すれば、論理の筋が整った文章が勝手に完成すると思います。使用可能な接続詞は国語教科書を読んでもいいですし、今適当にググって出てきたこのサイトでも十分そうです(→■)。ただし、全然関係ないことを書けてしまう「ところで」「さて」「ちなみに」あたりはあまり多用しない方がいいです。
ちなみに僕が一番好きな接続詞は「というのも」です。というのも、理由を述べる際には「理由、だから、結論」という順序が基本ですが、「というのも」を使えば「結論、というのも、理由」という順序に逆転できるため、結論から言いたいとき使いやすいからです。
補足407:どうやっても適当な接続詞が付けられない(=文脈に貢献していない)文は本当は削除した方が良いのですが、補足に押し込むという裏技があります。「これ言いたいけど絶対関係ないな~いやでも絶対言いたいな~」というオタクにありがちな事態を処理でき、僕が異常な数の補足を用いるのはそれが理由です。
かなり面白くてよく出来ていると思いました。続編もあってこちらも面白かったですが、このチャンネルはこの二本だけがやたら再生されていて他はそんなに伸びてないんですね。
日本がオリンピックを開催できる程度には先進国でありながらもその趨勢を自分で決められるほどの発言力はないために国際社会に翻弄されている様子が、中途半端に力だけ得ても精神が成熟していないために周囲と状況に振り回され続けるシンジくんと重なるという読みは、いかにもゼロ年代批評の亡霊にありそうな論ではあります。もう誰か言ってそう。
363.@satetsu4401
なんか昔からあるので何となく存在は認識していますが、どういう立ち位置なのか未だにわからない謎のアカウントです。
やべえミソジニーとかやべえ反アジアとかなら「ああそういう人なんだ」みたいな印象が一応は形成されるのですが、適当に思い付いたエビデンスのない逆張りをひたすら最大主語で発信しているだけで何の思想もなく、もしかしたらかなり優秀なbotとかなのかもしれません。
364.性欲と萌えを切り分けて暮らす感覚があまり理解できていません。何か思うところあればお聞きしたいです。(人それぞれ、で終わる話かもしれませんが……)
百合好きな方の語りを聞いていると、百合を接種することで生じる感情の動きは性欲と似ていて、片方だけを切り離すことはできないような気がします。しかし、実際の人たちは性欲を嫌悪しているように見えるのです。
僕も萌えと性欲が結合することは概ね自明であると考える方ですが、これは萌えというワードの定義問題であるような気がします。実際、性欲を忌避するタイプの百合好きの人は「尊い」みたいなワードを使いがちで、「萌え」という表現はあまり使わないように思います(「関係性萌え」のようなもはやキャラを指していない拡大使用は除く)。
大雑把に言って、オタク文化の普及によってかつて「萌えキャラ」と見做されていたようなキャラデザがもう「普通のキャラ」になり、それを生産するのも欲情したオタクばかりではなくなりました。それ故に僕のような旧世代のオタクが「萌え」と言って指すものはかなり広範な美少女キャラ全般である一方、現代的な感性で言う「萌え」はキャラクターの中でも特にエロゲーキャラのような一定のセクシャルな属性を持つものに限られる気がします(デカい目とかデカい胸とかデカい顔とか)。
なんかだいたいこんな図のような感じで「萌え」が指しているものがズレていて、そのギャップの中に「広義の萌えキャラだが狭義の萌えキャラではないキャラ」がかなりの数存在しており、それをオールドタイプは性欲ベースで見ますが、現代的な感性からすると萌えキャラではないし況や性の産物ではない、みたいな感じのような印象があります。
「じゃあその広義と狭義の区別とやらはどうやって付いているのだよ」というのが話の核心になると、身も蓋もないですが、主に時代的な生育環境としか言いようがない気はします。物心付いた頃に教科書とかのオフィシャルな場で用いられていたキャラの描き方に応じて萌え水準も決まってくるのでは。
365.LWさんってバイトとかされてましたか?
しておりませんでした。特にバイトをする必要がなかったのでしなかったというだけで何か強い思想があるわけではありません。
366.関連ツイートに出てたような冷笑っぽい人達への感情ってどんな感じですか
なんかのツイートをしたときの反応だと思いますが、当時のツイートが探しても出てきませんでした。出てきても「冷笑っぽい人達」への攻撃になってしまうので出てこなくてもいいですが、たぶんその話題の時のツイートは発掘しました。
言及我慢みたいなやつ、自戒する気持ちはわからんでもないが、それで連帯した瞬間に内容には一切責任を負わない癖に形式的には否定する最悪な冷笑システムを生むので界隈みたいになってるのはかなり冷ややかな目で見ている
— LW (@lw_ru) 2021年8月24日
まあSNS上で言ういわゆる冷笑主義ってもともとかなりネガティブなニュアンスで用いられていますし、僕がそれに比べて擁護寄りにも糾弾寄りにも特段に強いスタンスを持っていることはないと思います。
367.ラヴニカ次元に飛ばされたとしたら、どこのギルドに所属したい?
なんか今までで一番お題箱っぽい投稿来ましたね。ありがとうございます。
ディミーアが一番、次点でイゼットかゴルガリあたりです。青か黒が絡んで裏で何かをシコシコやっている陰の者のギルドが希望で、赤絡みの陽キャギルドや白絡みの秩序ギルドは厳しいです。
368.責任を負わない発言を人一倍嫌う印象があります。何故でしょうか
男子校育ちだからです。こればかりは育成環境としか言いようがなく、これからもあまり変わらないと思います。
正確に言うと、言説レベルではなくパフォーマンスレベルで無責任であることを嫌っています(言動に含まれるメタメッセージが無責任であることも後者に分類されます)。泣きながら「責任を取らせて頂きます」と言って何もしないよりは胸を張って「俺は絶対に責任を取らない!」と叫ぶ方がまだましです。不誠実に誠実であるよりは誠実に不誠実であってください。