LWのサイゼリヤ

ミラノ風ドリア300円

23/9/30 お題箱回121:コミケ参加、言語化能力訓練、和式トイレetc

お題箱121

647.TCG勢の間ではInscryption流行ってるんです?

身の周りでの雑な体感ですが、流行っているというほどブームな感じはあんまりしないですね。普段からぼちぼちデジタルゲームをやっている層が手を伸ばすこともあるタイトルくらいの感じではないでしょうか。slay the spireの方が流行っていた気がします。

内容的には、ゲームボード外での謎解きからルールに干渉するメタカードゲームみたいなことをやっていたり、ソリッドビジョンとかゲームボーイ風とか親しみのあるモチーフが色々あったので、TCGプレイヤーなら一層楽しめるとは思います。

 

648.シン・仮面ライダーについてお願いします

書きました!

saize-lw.hatenablog.com

数人で見に行って、帰りは「おもんなさすぎ~」「庵野はもう終わりやね」みたいな話をしながら帰ったのですが、今思うとけっこう良かった気がして相当に評価を上方修正しています。

たぶん映画館に行く道中では「あの庵野が作る斬新な仮面ライダー」を求めていたのでベタな懐古趣味の映画が出てきて落差でがっくり来たのですが、そのときの期待には合わなかっただけで冷静に考えたら「一つの作品としてはけっこう良かったんじゃね」みたいな感じです。

 

649.コミケに参加されたことはありますか?
コミケに対して思われることなどあればお聞きしてみたいです。(素晴らしいイベント、まぁ良いよねくらい、あんまり興味なし等)

あります。サークル側で売り子をしたことも、一般側で買い物に行ったこともあります。

ただもともと同人創作文化への関心はそんなに高くなく、どちらかと言えば企業メインではありました。一番のお目当ては企業ブースで限定販売してるやつ、ついでに事前に調べておいたサークルも少し回る感じでした。

だから企業が事後通販をけっこうやるようになってからあまり行かなくなって、もうここ十年くらいは行ってないかもしれません。同人にしてもメロブとかとらで買えばいいので、現地に足を運ぶモチベーションはあまりありません。そんなわけで個人的にはコミケ文化にはけっこう距離がありますが、コミットするオタクが楽しそうにしているのは良いことだと思います。

今でもコミケに行かなくて済むなら行かないに越したことはないと思っていますが、それは環境が地獄すぎるからです。暑さ、湿度、臭い、人口密度など、あらゆる不快指数が日本で普通に暮らしていて体感できる最悪を倍近く上回るのがコミケであると記憶しているのですが、今は少しマシになっているのでしょうか。

 

650.LWさんみたいに自分の考えを分析したり言語化する能力を身につけるためにやるべきことがあったら教えて下さい

ちょっと前までなら「普通に思ったことを書けばよくて特別なことはありません」みたいなスタンスだったのですが、そうは言っても色々やっている気が最近してきました。コンテンツの感想という形で書くことが一番多いので、それベースで書きます。

 

①こまめにメモを取る

ノートでもデジタルでもいいので、考えはすぐ全部書いた方がいいです。忘却は最大の敵です。

体系化された知識ですら一晩眠るだけで数割は飛ぶくらいですから、言語化していない印象なんて全部一瞬で蒸発します。特に「よくわからないがここで気持ち悪く感じた」みたいな「違和感」が最重要で、すぐ頭から消し飛ぶ割には後から掘り下げるときのメインウェポンになるので逃さずにキャッチして記録した方がいいです。

いつものメモ

特に映画等に比べてストーリーが長いアニメや漫画はメモを取りながら消費していることが多いです。これは別に「しっかりメモしながらアニメを見る意識の高い視聴者になろう」みたいなことではなくて、「気になったことは覚えておいた方がよりコンテンツを楽しめる」というだけです。

漫画のコマの隅に描いてあるちょっとした伏線とか、サブキャラ同士の人間関係なんてメモしなければすぐに忘れてしまいますが、メモして覚えておけば後々「あの伏線が地味に効いてて良かった」とか「あのキャラの関係が活きて良かった」みたいに色々な楽しみに繋がってきます(活きなかったとしても、それはそれで「伏線が消化不良だった」とか「あのキャラは何だったん?」とか何らかの感想を生んでくれます)。

この段階のメモはブログやツイートにせず、公開しない場所に書いた方がいいです。人目に触れると「弟キャラが地味にエッチで好きだった」みたいなあまり人に見られたくない感情を書かなくなったり、人に見せるならもう少しちゃんとさせたいという下心が働いて思ったことを全部細かく書かずにちょっと整理したりしてしまうからです。

最近の消費コンテンツ記事で、一年近く前に見たアニメの感想とかを長文で書けるのは全てメモのおかげです。当時の感想が全部記録してあるので、それを見れば視聴直後に書いたであろう感想を一年後でも再現できます。

 

②とりあえず書き始めてから考える

断片的な考えのメモが堆積されたら、まず書き始めてから何を書くか考えるのがよいです。

頭の中だけで考えられる量なんてタカが知れているので、txtファイルやブログ投稿画面に書き出してから考え始めた方が圧倒的に効率が良いです。情報系っぽい言い方をすると、脳内レジスタに展開できる情報量はかなり少ないので、まず外部メモリに展開してから作業を始めようということです。もちろん最初からはっきり書きたいことが決まっているレアケースでは全部詰めてから書き始めてもいいのですが、何も決まっていないケースの方が多いし、そういうときは頭を捻る前にとりあえず書き始めるべきです。

個人的な体感で言えば、書き始める前に考えてることなんて0~30%くらいしかなくて、70~100%くらいは書きながら考えています。長大なライティングでは「目次や構成をしっかり固めてから書き始めるべきだ」と指導されますが、1万字に満たない小さな文章なら「何も決めてない状態で書き始め、書き終わってから構成を整えて目次を付ける」という順序の方が圧倒的に楽です。

実際、僕が毎月の消費コンテンツの感想を書くときはノートのメモをざっと丸写しでタイピングするところから始めます。そうやって生成された乱文の塊に対して、意味の近い文章をくっつけたり、論理関係を整理したりするうちに何が書けるのかが徐々にわかってきます。

この段階で当初の箇条書きみたいなメモが論に整理されていく、つまり一定の論理展開に組織されていきます。コンテンツの感想で言えば、「この話は好きだった、他のコンテンツと比べるとこういうところが際立っていたから」「メインの話はカスだけどサブの話はこういう理由で割と気に入った」みたいな、論理的な順接や逆接などを正しく用いた文章に統合される感じです。

 

③嘘を吐かない

これは最近知ったのですが、感想で嘘を吐く人は思った以上に多いらしいです。すっきりした嘘の感想を出力したい誘惑に負けないでください。

例えば「絆がテーマのストーリーを見たら『絆に感動した』って書かないといけない」と思っていて「絆に感動した」と書いてしまう人が相当数いますが、感動してないのに「感動した」と書くのは嘘です。かといって感動しなかったとしても単に「感動しなかった」と書くだけでは不足で、それにも色々なパターンがあります。

  • 絆は丁寧に描かれていたが、何度も見たことがある陳腐な表現を超える工夫がなかったので感動しなかった
  • 絆は丁寧に描かれていたが、よく考えるとそれは偽善的な経緯に基づいていたので感動しなかった
  • 絆は丁寧に描かれていたが、そもそも自分は絆に感動を覚える性質ではないので感動しなかった
  • 絆は丁寧に描かれておらず、プロット上の歪みを無理矢理解決するための唐突なイベントだったので感動しなかった

よく検討して何故感動しなかったのかの理由を見つけ、その根拠を更に掘り下げてください。作中の描写とか、シリーズの文脈とか、プロットの力学とか、何か本質的な岩盤に必ず行きあたるはずです(この段階で最初に記録していた「違和感」が活躍することが多いです)。大抵はいくつかの理由が複合しているので、それは何割ずつなのか、他の感想の理由と整合するのはどれかなども考える余地があります。

ただ注意として、そうやって全部正直な感想を投稿していると嫌なやつになるケースがあります。上で挙げたものの中だと「陳腐だから」はだいぶ危険で、それは目の肥えた老害の個人的かつ非生産的な感想で他の人に気付きを与えないネガティブなものであるため読んだ人を不快にさせる可能性が高いです。

昔の僕は「嫌われてもいいから全て思ったまま正直に書くべきだ」と思っていたのですが、最近は大人になったので「人を不快にさせるだけで気付きを与えない自分語りは生産的ではない」派に鞍替えしました。正直な文章は嫌われそうだなと思ったら、その部分は削って胸に留め、他の嘘ではない理由を掘り下げる手があります。もしくは、嘘にならない範囲で「期待された通りの話をしっかり書いていた」とかポジティブな感想に転化するのでもいいです。

嘘は吐くべきではありませんが、真実を言わない分には問題ありません。この違いは大きいです。

 

651.和式トイレの水流すバー、「誰かが踏んで流したかも…」と思うと手で押したくないし「誰かが踏んで流したかも…」と考えた末に踏んだ人がいると手で押したくないし………を延々と考慮すると全員足で踏んで流すことになるから悲しい
和式トイレって絶滅危惧種ですかね?

前に使った人たちが全員手で流していたとしても、排便直後の洗ってない手で押しているのでどうせ別に綺麗ではない説があります。足でも良いですし、トイレットペーパーを挟んで直接触れないように手で流すのが一番丁寧ではあります。

東京暮らしですが、駅とか図書館ではまだかなり遭遇します。僕は和式トイレだと肛門に負担がかかる上にウォシュレットが無いがちなので嫌だなと思っていますが、便意が迫っているとき和洋を選べる状況であることは基本ないので嫌だな~と思いながら使っています。

 

652.「LW」ってなんて読めばいいですか。私はえるだぶりゅーと読んでいます。
LWさん自身、周りの人達はどう読んでいるかも併せてお願いします。

LWの読みは「るう」で、周りの人も全員そう読んでいます。アルファベットの方が先にあって、読みを後から無理にあてたのでわかりづらくてすみません。

 

653.632番目の質問に対して「お兄ちゃんにはなりたい感じは特にない」とお答えだったのですが、それでは弟的立場になるのであれば恋愛が成立しますか?(「お兄ちゃんには」の「には」が引っかかったので)。LWさんは婚活や恋愛について客観的に語っている印象なので、主観的な恋愛観を聞きたいです

いや! そもそも結婚って制度的・心理的・金銭的な意味で人生に安全余裕(バッファー)を設ける総合保険が第一の役割だと思っていて、どちらかが不幸に見舞われたときにもう片方がカバーできる関係である必要があります。それは両方向から行う必要があるので、上下を前提としたきょうだい関係はあまりイメージに合いません。

たぶんこういうことを聞きたいわけじゃなくてもっと素朴に「兄的な立場で引っ張りたい方? 弟的な立場で甘えたい方?」みたいなことを聞かれている気もしますが、それは想像力の限界を超えており、バッファローに転生したときオスとメスどっちになりたいかを聞かれているが如き質問であるため不明です。

 

654.選挙行ってますか?

投票所がどうせチャリですぐなので基本行っていますが、別に行かなくてもいいと思っている方です。

現実的に一票が結果を左右することってまあ起こらないので、選挙の本質は実際に行くかどうかというよりは行ったフリをするかどうかです(行ったフリをせずに実際には行った人よりも、行ったフリをして実際には行かない人の方が選挙への貢献度が高い)。だからブログとかツイートみたいな発信するところには「行きました!」って書いて、実際には行かないのが無難ではあります。