LWのサイゼリヤ

ミラノ風ドリア300円

23/10/1 2023年4~6月消費コンテンツ

4~6月は

  • 5月のFP3級の試験直前の勉強
  • 7月にアルファポリスに投稿する長編ラノベ(にはりが)の本文を書いたり素材を準備したり
  • 7月のデータサイエンスエキスパートの勉強

などの固定タスクが多かった。

 

メディア別リスト

漫画(51冊)

東京卍リベンジャーズ(全31巻)
宝石の国(1~7巻)
サマータイムレンダ(全13巻)

書籍(10冊)

本質的なもの
レイアウト基本の「き」 増補改訂版
一生懸命デザインしたのにプロっぽくなりません
史上最強のFP3級問題集 22-23年版
蟹工船
入門統計的因果推論
統計的因果推論の理論と実装
Advanced Python 時系列解析
時系列分野と状態空間モデルの基礎
データ分析のための線形代数

アニメ・ドラマ(22話)

スパイ教室一期(全12話)
仮面ライダーBLACK SUN(全10話)

 

良かった順リスト

人生に残るコンテンツ

(特になし)

消費して良かったコンテンツ

スパイ教室一期
サマータイムレンダ
本質的なもの
蟹工船
仮面ライダーBLACK SUN
データ分析のための線形代数
レイアウト基本の「き」 増補改訂版
入門統計的因果推論

消費して損はなかったコンテンツ

史上最強のFP3級問題集 22-23年版
統計的因果推論の理論と実装
Advanced Python 時系列解析
時系列分野と状態空間モデルの基礎

たまに思い出すかもしれないくらいのコンテンツ

宝石の国
一生懸命デザインしたのにプロっぽくなりません。
東京卍リベンジャーズ

以降の人生でもう一度関わるかどうか怪しいコンテンツ

(特になし)

 

ピックアップ

データサイエンス系書籍

データサイエンスエキスパート用で、全部その記事に書いたのでそちら参照。

saize-lw.hatenablog.com

「入門統計的因果推論」「統計的因果推論の理論と実装」「Advanced Python 時系列解析」「時系列分野と状態空間モデルの基礎」「データ分析のための線形代数」あたりは本の大部分を読んだので一応消費コンテンツに入れた。他の本は全て読み切ってはおらず、必要な部分だけ拾ったものも多いので書いていない。

 

東京卍リベンジャーズ

saize-lw.hatenablog.com

流行っているだけあってとてもよく出来ていたので記事を書いたが、面白かったか面白くなかったかで言えば面白くはなかった。

典型的な「面白くはないが高評価なコンテンツ」で、「読んどけ!」とオススメする記事ですら「面白い」というワードは頑なに使っていない。でも一巻だけでもいいので読んだ方がいい。

 

宝石の国

ちょっと前にアニメが流行っていたので漫画を読んだ。

ざっくり男性向けコンテンツだと思っていたのだが、完全に少女漫画のタッチで驚いた。線の細い繊細なイラスト、かなり多めの心理描写。少女漫画風にアクションをやっていることによって複雑な人間関係を基盤とする細かいギャグや会話が面白い反面、キャラが多い割には判別しにくいしアクションも何が起きているのかわかりづらいところもある。

内容的には、目を通した7巻までの時点では『進撃の巨人』にも似た典型的な「vs化け物もの」という印象。先生が化け物のことを何か深く知っていそうだったり、化け物にも敵意とは限らないバリエーションがありそうなあたりも含めて近年のテンプレート感はある。7巻末で主人公が月に行くらしいので、このあたりから本格的に物語の真相に向けて話が動き出すのだろう。

タイトルにもある通り、「宝石」であるキャラの肉体の扱い方が非常に特徴的。砕けても再生できる不死設定くらいならありふれているが、もっと細かく物理レベルでの変質が起きたり、その結果としてキャラの容姿や思考も変わっていくあたりがきっちり「無機物と有機物の狭間にある存在」として面白く描かれている。戦う中でのキャラの変化や成長をわかりやすくビジュアライズでき、とりわけ主人公の変貌ぶりが著しい(まだ準備段階っぽさはあるので、真価が発揮されるのはたぶんこれからだろう)。

さっき「ちょっと絵が見辛いところもある」と書いたが、逆にアニメだとめちゃめちゃ映えそうだなと思いながら読んでいた。キャラごとに全身の色がそれぞれ異なるビジュアル、宗教的な意匠を含んだ荘厳なデザインの敵と戦うアクション、ダメージによって身体が割れるという設定、どれを取ってもアニメで動かしたらめっちゃ綺麗そうだ。漫画版は全体的にややシニカルな雰囲気を感じたが、アニメ版はPVだけ見た限りではもっと友情!絆!成長!という王道な感じでやっているようでもある(多分正しい選択)。

アニメを見るかどうかは未定だが、今のところは見ない寄りではある。

 

サマータイムレンダ

中盤までかなり面白かった!

表紙の感じとかループものという前評判からしてヌルヌルしたSF風サスペンスかと思って読み始めたのだが、普通にバチバチの変則能力バトルアクションだったのは嬉しい誤算だ。スタンドバトルのように能力を規定する体系が一つスッキリと決まっているわけではなく、それぞれが微妙に異なる経緯で異なる能力を身に付けているのが良い。習得のバックグラウンドが少しずつ異なった、未来視だの洗脳だの二重人格だの影鎧だのとバリエーションに富む能力で戦うバトルはどれも面白い。描写的にもシンプルに漫画が上手く、能力の発動シーンでは見開きや時間経過のコマ割りを効果的に活用している。トキコがベイビーを二人従えてておしゃぶりで呼び出す能力が一番好き。

もちろんループで謎解きを行うサスペンスのラインもしっかりあり、そちらも面白いのだが、情報量が尋常ではない。単なるトライアンドエラーではなく以前のループ全てをいちいち参照しながら進むため、「一周目の何時何分に起きたアレ」とか「二周目に起きたが三周目に起きてないアレ」とかを把握していないと話に付いていけなくなる。俺は途中で訳わかんなくなって一巻から読み直した(漫画は滅多に読み返さない方だが、その労力を払うべきだと思うほど面白かった)。

ただ、終盤はかなり失速していた。その理由はけっこうはっきりしていて、敵が最強ムーブをしていたのが中盤までだったからだ。美少女のラスボス(萌え)が回想に介入してきたりループをリスキルしてきたりという「掟破り」系の攻撃をバシバシ決めてきているときの絶望感が一番盛り上がったが、その辺を出し終わってしまうともう残りは消化試合感があり、最終決戦は何してんのか全然わからなかった!

 

本質的なもの

Twitterでオススメされたデザイン本。なんだこのタイトル!?

平面、線、言葉、リズム、タイポグラフィに関して本質的なことが基本ロジックのレベルで語られている。「こうするといいですよ」といちいち優しく教えてくれるのではなく、こんな見方がある、こういう論点がある、と淡々と書き連ねるので老教授の一方的な講義を聞いているような気分になる。

個々の手法というよりは、「まず全体像を把握する」という考え方自体が一番学びになった。極限まで簡略化された、平面に引いた一本の線でも平面が活性化されるに伴って色々考えることがあって、そういう本質的なレベルで一旦立ち止まらなければならないらしい。

ただちに役立つ実用書ではなく、たぶんボディーブローのように効いてくるタイプの本。正直まだ役立っている感じはあまりしないが、いずれどこかでこれを読んだ記憶が活きるときが来る予感がある。

 

レイアウト基本の「き」 増補改訂版

フォロワーのデザイナー経験者にオススメされたデザイン本。

『ノンデザイナーズ・デザインブック』の次の段階くらいで読む本で、名前が似ている『伝わるデザインの基本 増補改訂版』と同じような立ち位置、かつ内容的にはかなり重複している。俺は『伝わるデザインの基本 増補改訂版』の方を先に読んでしまっていたのでこちらは重要事項の確認に留まったが、同じくらい良本なのでどちらを読んでもよい。

 

一生懸命デザインしたのにプロっぽくなりません。

図書館で見かけてタイトルがちょっと気に入ったので借りてみた。いわゆるアンチパターン系の本は一冊くらい読んでおくとよい傾向にある。

『ノンデザイナーズ・デザインブック』に書いてある四原則くらいは当たり前に使っているが、それでもイマイチパッとしない新人デザイナーのための本。内容ベースというよりは実行動ベースで書かれているあたりも正しくデザイナー向けの実用書だ。仕事の進め方とかキャリア形成についてもかなり書いてある。

俺はデザイナーではないので発注レベルでの注意点が役に立つかは微妙なところではあるが、デザインをする以上は企画段階から疑似的に自分で自分に発注すると考えてもよいのではあって、設計・設定・設問のどこが間違っているのか分解しましょうという話などは納得できた。

 

史上最強のFP3級問題集 22-23年版

FP3級用。教本と同じシリーズのものを使った。

一発で答えられなかった問題には付箋紙を貼り、答えられるようになったら剥がす。付箋紙が無くなるまで周回を繰り返す受験生らしい典型的な使い方で特に問題なく使えた。別にこれでなくてもよいが、これでもよい。

 

蟹工船

www.aozora.gr.jp

ブロッコリーマンの読書会で読んだ古典、著作権が切れているので青空文庫で読める。なかなか面白かった。

昔流行ったアカのアジ本で、マルクス共産主義革命の担い手となるプロレタリアートを勇気づける一冊だが、この物語では肝心のプロレタリアート側がオラついた力強い男たちではなく吹けば飛ぶような主体性のない雑魚として描かれているのが面白い。ブルジョワに虐められている割にはロシア人経由でアカ思想に触れたときにはちょっと引いていたり、人が死んでからようやく「ヤバくね?」と気付き始めたり、「こいつやっちまうか?」とか口では言ってる割には全然やらない腰の引け方が情けない。そういうリアルな市井の人々が最終的には団結して抵抗を試みるからこそ、「おお、アジ本」という味わいが出てくる。

とはいえ大革命には大失敗するのだが、「そして、彼等は、立ち上った。――もう一度!」という「俺たちの戦いはこれからだ」ENDになっているのがまた良い。実際のところ、この物語において漁夫が蟹工船内で監督をぶっ殺したところで別に未来はない。すぐに本土から治安維持部隊がシュバってきて制圧されるだけである。だからこの話はどこまでも寓話でしかないのだが、進研ゼミの漫画みたいに「次は君の番だ!」感を出すことでアジテーションの本分を果たしている。どうとでも書ける附記にだけ「なんかいけそうです」みたいなことだけ書いてるのもセコい。

ヴィランである浅川が地味に附記で破滅しているところにかなり味がある。浅川は搾取を実行するブルジョワ側の手先であるかのように描かれていたが、たまたまちょっと立ち位置がよかっただけで所詮はプロレタリアートに過ぎず、しかも権益目当てというよりは素朴に国のために頑張る国粋主義者であったのだが、首を切られたことで全てが終わってしまった。浅川も革命に参加した方がいい、敵が味方になる展開は熱い。

 

スパイ教室

なかなか面白かった!

番宣ではプリプリみたいなシリアスなスパイアニメっぽい雰囲気を出していたが、蓋を開けてみればちょっと真面目なミルキィホームズだった。美少女がたくさん出てきてワチャワチャやるけど日常系ではなくて一応ちゃんとしたストーリーがあるアニメが好きなので、かなり久しぶりにバシッとハマるものが出てきて嬉しい。

「いつか咲き誇りたい」とかいうアイドルみたいなモチベーションでスパイやってる主人公がかなり良いし、決め台詞が痛すぎる、能力が謎、作戦が適当すぎるなどのトンチキ美少女アニメとしてかなりの輝きを見せる。落ちこぼれと言いつつ一般人を瞬殺できる程度には強いのもキャラ萌え的に良い。時代が時代なら先生を主人公にしたギャルゲー仕立てのキャラゲーが出ていそうだが、そういうのが作られなくなって久しい。

第三話までは真面目な顔で劣化プリプリみたいなことをやってるからかなりつまらなく、第四話以降でコメディとしての本領を発揮し始める妙な構成をしている。トンチキ美少女アニメが好きな人は三話までで見切るし、シリアスなスパイアニメを期待してきた人も三話までで見切る両切りになっていそうで心配になってしまうが、二期もなんだかんだ好評っぽいので俺みたいに粘れた人が多かったらしい。

 

仮面ライダーBLACKSUN

俺はかなり好きだけど、全然面白くはなくて人には勧められないタイプの作品。

強火のファイズみたいな、怪人が差別されている話を延々とやっている。10話もある割には(テレビでやっている仮面ライダーシリーズは50話が標準なのでそれに比べれば短いとも言えるが)実質的な内容が少なく、過去は学生運動だったり現在はデモ活動だったり色々ありつつ、強烈な差別意識の中で抑圧される被差別者の戦いがずっと描かれるのみだ。

そして何も解決しない!! 大枠のソリューションが何もない。怪人は内ゲバで内部崩壊し、怪人王やヘイターを殺したり色々あったが、差別は強力に温存されている。差別と戦っていたヒロインは結局は子供兵士を育成する反政府組織を継ぎ、平和のためのテロリズムを繰り返すしかない。何も変わらない政府と受け継がれる戦争。役者が変わっただけで続いていく不毛な戦い、何もクリアされない、この話って何だったん?

このどうしようもなさが本当に徹底していて、怪人側の最右翼(左翼だが笑)であるはずの信彦が「昔の革命ごっこが楽しかっただけで、別に大義はそんなになかった」みたいなことを吐露して死んでいくのが偉すぎた。それ言ったらもうあらゆる社会活動が終わりだろ! 何もなさすぎてドラマというよりはエピソード集という趣きすらあるが、学生運動の虚しさみたいなものは十分に味わえる。

ただこの最終的に何にもならん、今までもこれからも戦うしかない感じは仮面ライダーコンテンツらしくはある。龍騎でも結局戦いを止めたかった主人公は最終話に辿り着けずに死んだし、パラダイスロストでも戦いは終わらなかった(真に怪人と和解したら商業的にマズいのか?)。