レビュー続き、前回まではコチラ
読んだ女性主人公ラノベリスト(再掲)
- 評価
俺が好きだったか否かの主観評価。5だからといって作品として優れているとは限らないし、他人にオススメできるわけではない。5:心に残る
4:読んで良かった
3:読んでも良かった
2:読まなくても良かった
1:こんなん売らないでほしい - 百合:百合要素があれば+、無ければ-。
- ヘテロ:ヘテロ要素があれば+、無ければ-。
No. | 書名 | 著者 | 出版社 | 発行月 | 評価 | 百合 | ヘテロ |
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1 | 氷の国のアマリリス | 松山剛 | KADOKAWA | 2013/04 | 2 | - | + |
2 | あまがみエメンタール | 瑞智士記 | 一迅社 | 2009/03 | 4 | + | - |
3 | あかね色シンフォニア | 瑞智士記 | 一迅社 | 2009/11 | 2 | + | - |
4 | みすてぃっく・あい | 一柳凪 | 小学館 | 2007/09 | 4 | + | - |
5 | 私たち殺し屋です、本当です、嘘じゃありません、信じてください。 | 兎月竜之介 | 集英社 | 2016/08 | 2 | + | - |
6 | 黒百合の園 : わたしたちの秘密 | 秋目人 | KADOKAWA | 2013/12 | 2 | - | - |
7 | 四人制姉妹百合物帳 | 石川博品 | 星海社 | 2014/12 | 4 | + | - |
8 | おとめ桜の伝説 : 小峰シロの物ノ怪事件簿 | くしまちみなと | 一二三書房 | 2012/12 | 2 | - | - |
9 | 結成!聖(セント)☆アリア電脳活劇部 | 御門智 | 一迅社 | 2011/11 | 4 | + | - |
10 | サムライエイジ | みかづき紅月 | 徳間書店 | 2008/06 | 5 | + | + |
11 | サムライエイジ : 乙女たちの初陣っ! | みかづき紅月 | 徳間書店 | 2008/10 | 5 | + | + |
12 | サムライエイジ : 恋せよ戦乙女たちっ! | みかづき紅月 | 徳間書店 | 2009/06 | 5 | + | + |
13 | 特別時限少女マミミ | 斧名田マニマニ | 集英社 | 2014/04 | 4 | + | - |
14 | 声優ユニットはじめました。 | 藤原たすく | 小学館 | 2014/01 | 1 | + | - |
15 | マイノリティ・コア 絶対無敵の女剣士と甘えたがりの機織り娘 | みなみケント 泉彩 | ポニーキャニオン | 2014/07 | 1 | + | - |
16 | 乙女革命アヤメの! | 志茂文彦 | メディアファクトリー | 2008/11 | 2 | + | - |
17 | マジカル†デスゲーム1 少女は魔法で嘘をつく | うれま庄司 | KADOKAWA | 2014/03 | 3 | + | - |
18 | マジカル†デスゲーム2 反証のアーギュメント | うれま庄司 | KADOKAWA | 2014/05 | 2 | + | - |
19 | 誰よりも優しいあなたのために | あきさかあさひ | 一迅社 | 2012/02 | 2 | + | - |
20 | .(period) | 瑠璃歩月 | 一迅社 | 2008/08 | 3 | + | - |
21 | 東京地下廻路(アンダーサーキット) | 小林雄次 | オーバーラップ | 2014/09 | 2 | + | + |
22 | 乙女は花に恋をする : 私立カトレア学園 | 沢城利穂 | 一迅社 | 2009/05 | 2 | + | - |
23 | スーパーヒロイン学園 | 仰木日向 | ポニーキャニオン | 2014/12 | 3 | + | - |
24 | いらん子クエスト 少女たちの異世界デスゲーム | 兎月竜之介 | 集英社 | 2015/07 | 3 | - | - |
25 | ウィッチマズルカ (1).魔法、使えますか? | 水口敬文 | 角川書店 | 2006/07 | 3 | + | - |
26 | ウィッチマズルカ (2). つながる思い | 水口敬文 | 角川書店 | 2006/11 | 3 | + | - |
27 | えびてん : 綺譚奇譚 | SCA自 | 角川書店 | 2012/10 | 3 | + | - |
28 | 桜色の春をこえて | 直井章 | アスキー・メディアワークス | 2011/11 | 3 | + | - |
29 | 彼女は眼鏡holic | 上栖綴人 | ホビージャパン | 2008/07 | 3 | + | - |
30 | 不完全ナックル | 十階堂一系 | KADOKAWA | 2012/08 | 3 | - | - |
31 | 不完全ナックル2 | 十階堂一系 | KADOKAWA | 2012/11 | 3 | - | - |
32 | 虹色エイリアン | 入間人間 | KADOKAWA | 2014/11 | 4 | - | - |
33 | 世界の終わり、素晴らしき日々より | 一二三スイ | KADOKAWA | 2012/09 | 5 | + | - |
34 | 世界の終わり、素晴らしき日々より2 | 一二三スイ | KADOKAWA | 2013/01 | 2 | + | + |
35 | 世界の終わり、素晴らしき日々より3 | 一二三スイ | KADOKAWA | 2013/06 | 3 | + | + |
36 | 超次元ゲイム ネプテューヌ おぶ・ざ・ないとめあ? | 八木れんたろー | KADOKAWA | 2013/08 | 1 | - | - |
37 | ヒマツリ : ガール・ミーツ・火猿 | 春日部タケル | 角川書店 | 2010/12 | 2 | - | + |
38 | ヒマツリ アイスドール・ウォーズ | 春日部タケル | 角川書店 | 2011/04 | 2 | - | + |
39 | サイハテの聖衣 | 三雲岳斗 | KADOKAWA | 2011/12 | 3 | - | - |
40 | サイハテの聖衣2 | 三雲岳斗 | KADOKAWA | 2012/12 | 3 | - | - |
41 | 魔よりも黒くワガママに魔法少女は夢をみる | 根木健太 | エンターブレイン | 2011/03 | 2 | + | - |
42 | 魔よりも黒くワガママに魔法少女は夢をみる2 | 根木健太 | KADOKAWA | 2011/09 | 2 | + | - |
43 | ワイルドブーケ : 花の咲かないこの世界で | 駒尾真子 | 一迅社 | 2008/08 | 3 | + | - |
44 | ワイルドブーケ : 想いを綴る花の名は | 駒尾真子 | 一迅社 | 2009/01 | 3 | + | - |
45 | 超次元ゲイムネプテューヌ : TGS炎の二日間 | 八木れんたろー | メディアファクトリー | 2013/05 | 1 | - | - |
46 | 塔の町、あたしたちの街 | 扇智史 | エンターブレイン | 2007/04 | 5 | + | - |
47 | 塔の町、あたしたちの街2 | 扇智史 | エンターブレイン | 2008/05 | 5 | + | - |
48 | あるゾンビ少女の災難 I | 池端亮 | 角川書店 | 2012/07 | 4 | + | - |
49 | あるゾンビ少女の災難 II | 池端亮 | 角川書店 | 2012/07 | 4 | + | - |
50 | 雨の日のアイリス | 松山剛 | KADOKAWA | 2011/05 | 4 | - | - |
51 | ぴぴっと!! | 和智正喜 | メディアファクトリー | 2007/06 | 3 | + | - |
52 | しずるさんと偏屈な死者たち | 上遠野浩平 | 星海社 | 2013/07 | 3 | + | - |
53 | しずるさんと底無し密室たち | 上遠野浩平 | 星海社 | 2013/09 | 3 | + | - |
54 | ブギーポップは笑わない | 上遠野浩平 | KADOKAWA | 1998/02 | 4 | - | - |
55 | 原点回帰ウォーカーズ | 森田季節 | メディアファクトリー | 2009/01 | 3 | - | - |
56 | 原点回帰ウォーカーズ2 | 森田季節 | メディアファクトリー | 2009/05 | 4 | + | - |
57 | ノートより安い恋 = The love that is cheaper than a notebook | 森田季節 | 一迅社 | 2012/04 | 3 | + | - |
58 | あまいゆびさき | 宮木 あや子 | 一迅社 | 2013/04 | 3 | + | - |
59 | 空に欠けた旋律(メロディ) 1 | 葉月双 | ソフトバンククリエイティブ | 2012/08 | 4 | + | - |
60 | 空に欠けた旋律(メロディ) 2 | 葉月双 | ソフトバンククリエイティブ | 2012/12 | 4 | + | - |
61 | 空に欠けた旋律(メロディ) 3 | 葉月双 | ソフトバンク クリエイティブ | 2013/08 | 4 | + | - |
62 | ストロベリー・パニック!〈1〉 | 公野櫻子 | メディアワークス : 角川書店 | 2006/03 | 3 | + | - |
63 | ストロベリー・パニック!〈2〉 | 公野櫻子 | メディアワークス : 角川書店 | 2006/08 | 3 | + | - |
64 | ストロベリー・パニック!〈3〉 | 公野櫻子 | メディアワークス : 角川書店 | 2006/12 | 3 | + | - |
65 | 鹿乃江さんの左手 | 青谷真未 | ポプラ社 | 2015/01 | 3 | + | - |
66 | OBSTACLEシリーズ 激突のヘクセンナハトI | 川上稔 | KADOKAWA | 2015/08 | 2 | - | - |
67 | よくわかる現代魔法 | 桜坂洋 | 集英社 | 2003/12 | 3 | - | + |
68 | よくわかる現代魔法 : ガーベージコレクター | 桜坂洋 | 集英社 | 2004/05 | 3 | - | + |
69 | よくわかる現代魔法 : ゴーストスクリプト・フォー・ウィザーズ | 桜坂洋 | 集英社 | 2004/09 | 3 | - | + |
70 | よくわかる現代魔法 : Jini使い | 桜坂洋 | 集英社 | 2005/01 | 3 | - | + |
71 | よくわかる現代魔法 : たったひとつじゃない冴えたやりかた | 桜坂洋 | 集英社 | 2005/05 | 3 | - | + |
72 | よくわかる現代魔法 : Firefox! | 桜坂洋 | 集英社 | 2009/03 | 3 | - | + |
73 | 魔法少女育成計画 | 遠藤浅蜊 | 宝島社 | 2012/06 | 5 | - | - |
74 | 魔法少女育成計画restart | 遠藤浅蜊 | 宝島社 | 2012/11 | 5 | - | - |
75 | 魔法少女育成計画restart | 遠藤浅蜊 | 宝島社 | 2012/12 | 5 | - | - |
76 | 魔法少女育成計画episodes | 遠藤浅蜊 | 宝島社 | 2013/04 | 4 | - | - |
77 | 魔法少女育成計画limited | 遠藤浅蜊 | 宝島社 | 2013/11 | 4 | - | - |
78 | 魔法少女育成計画limited | 遠藤浅蜊 | 宝島社 | 2013/12 | 4 | - | - |
79 | 魔法少女育成計画JOKERS | 遠藤浅蜊 | 宝島社 | 2014/08 | 2 | - | - |
80 | 魔法少女育成計画ACES | 遠藤浅蜊 | 宝島社 | 2015/09 | 2 | - | - |
81 | 魔法少女育成計画episodesΦ | 遠藤浅蜊 | 宝島社 | 2016/04 | 3 | - | - |
82 | 魔法少女育成計画16人の日常 | 遠藤浅蜊 | 宝島社 | 2016/10 | 4 | - | - |
83 | 魔法少女育成計画QUEENS | 遠藤浅蜊 | 宝島社 | 2016/12 | 2 | - | - |
84 | 先輩と私 | 森奈津子 | 徳間書店 | 2011/05 | 4 | + | - |
女性主人公ラノベレビュー【3/4】
マイナー古ラノベはどうせ誰も読んでおらずただ感想を書いても共有できない可能性が高いため、皆が手に取りやすいようにあらすじを引用している。
ネタバレ配慮は特にしていないので気になるものは先に読んでほしい。俺も読んだんだからさ……
入間人間いつもこんなん書いてる
ハロー。ハロー。まもなくチキューに到着します。衝撃に備えてください。 そいつはひやむぎ泥棒か宇宙人、どっちなのだろう。 名前も分からない、言葉も分からない。分かるのはその少女の髪が虹色に輝くことだけ。私がその髪に触れると、その指も虹色を帯びた。 そして起こるは、狭苦しいアパートの一室で繰り広げられる、虹色のエイリアンとの壮大なファーストコンタクトであった。ご近所さんにこの子を紹介し、カニャエと名前をつけ、不思議なロブスターと邂逅し、ひやむぎ買いに二人でスーパーまで競争! 地球のどこかで発生したささやかな異星間交遊。それは、窓から、外から、腹の中から始まっていた。 宇宙からやってきた虹は今日も暖かい。 異星人(あなた)も地球人(わたし)も宇宙人(変なやつ)。 こんなのがいれば、夜空も明るいわけだ。
【評価: 4】【百合: -】【ヘテロ: -】
入間人間お得意の無害な宇宙人と緩い日常SFをやるやつ。こいついつもこんなん書いてんな……と思ったらあとがきでも「いつものです」みたいなこと書いてて笑った。
いつも通り劇的な事件やギミックは発生せず論理的な腹落ちも存在しないが、それでも文章がめちゃめちゃに上手く読後感が抜群に良い。たぶん全体プロットや構成というよりは細部の描写力が優れており、funnyとかinterestingという意味で激しく面白いわけではないのに、読んで良かったかもしれないと強制的に思わせる力がある。
これがコンスタントに出力できるから頑張って流行に乗ったりせず同じような話を書いていても食いっぱぐれることがないのだろう。長らくラノベ界の第一線を走っているプロの小説。
終末世界×おねロリ×二人旅
「コウちゃんは、大丈夫だよね? いなくならない、よね」 敵対する近隣国 『高国(こうこく)』 との開戦直後、突如として人類のほとんどが消えた“終わってしまった世界”。その片隅で出会った2人の少女はボロボロのトラックに乗って旅に出た。 人見知りのチィと皮肉屋のコウがある日たどり着いた街。そこには消失の混乱で散り散りになった 『高国』 の軍人が潜んでいて……。2人の少女が行き着く先、それは──。
【評価: 5】【百合: +】【ヘテロ: -】
一巻はめちゃめちゃ良かった! 手元に残しておきたいラノベ。
社会システムが崩壊したアナーキーな世界を旅する中で血生臭い戦闘シーンが頻繁に発生し、保護者役のお姉さんがいちいち小学生を防衛するあたりで「おねロリっていいよね」という原始的な感情を思い出せる。のっぺりと旅するだけではなく、元凶の戦争が絡んだ各人の出自も上手く物語に組み込まれてバディ描写に貢献している。
が、二巻以降はかなりイマイチだった。世界に二人しかいない感じが良かったのだが、二巻から集落や学校のようなコミュニティとか割とどうでもいい感じの新キャラがワラワラ出てきてしまう。元凶の戦争に関してもかなりの設定的な労力を割いて収拾を付けるのだが、当初の導入で期待していたのは終わった世界で生きているキャラたちの局所的な生き様であり、大局的な世界の顛末にはそれほど関心が無い。
なんか一巻が人気過ぎて急遽続刊を書いたという噂もあり、真偽不明だが読んだ限りは真っぽく感じる。別に一巻だけ読んでも全然いいと思う。
一巻では美少女二人旅をしておきながら二巻以降はそれぞれがヘテロ恋愛に巻き込まれていくのは現代百合ラノベ市場ではなかなか無さそうな展開ではあり、百合概念が商業的に確立していなかった当時の時代感を感じる。たぶん作者的には最初から百合というか少女二人で話を回すことにはあまりこだわりがなく、順当な流れとして人間関係を拡張しただけで路線変更のつもりもないのだろう。
義務による生成物
架空のゲーム機をヒロインに見立て、ゲイムギョウ界を舞台に女神たちの友情と絆を描くアニメ「超次元ゲイム ネプテューヌ」のノベライズ第1弾! マハリク☆メッセにて各国のゲームを披露する式典「TGS」を開催するネプテューヌたち。お祭り騒ぎの会場とは裏腹に、着々と進行する良からぬ企てとは……?!
最新ゲーム機のテストプレイでベールに呼ばれた、ネプテューヌ一行。季節を逆転させたり、超リアルなゾンビを投影できるゲーム機に夢中になるが、誤操作による暴走で世界に異変が現れ始める……。
【評価: 1】【百合: -】【ヘテロ: -】
女性主人公ゲームシリーズの女性主人公ノベライズなので女性主人公フェチとして一応買っておいた……というわけではなく、普通にネプテューヌシリーズのファンだったので一応買ったがめちゃめちゃつまらなかった。
多分メディアミックスとして小説くらい出しておくかという義務感によって生み出されてしまった虚無のドタバタコメディ。大勢のキャラを総出演させて喋るノルマを消化するためのテキストであって物語の面白さがどうこうという次元ではない。元のゲームの時点で異常な多さのキャラを何とか出し切ろうと頑張っていたとは思う(メイン四人、その変身態が四人、妹が四人、その変身態も四人、その他関係者が十人以上)。
ちなみに今回読んだ中で作者のあとがきが存在しない唯一のライトノベルだった。敗戦処理を引き受けただけで書くことが何もなかったのだろうか?
活躍予定だったキャラの輝き
ドジッ娘属性の花村祭は、喋る猿のぬいぐるみサンジュと暮らす女子高生。しかし消えた同級生を捜しに街に出た祭は、突然の怪異に襲われる! 絶体絶命のなかサンジュに宿る大妖怪《火猿》が、祭を覚醒に導く――!
【評価: 2】【百合: -】【ヘテロ: +】
ちゃんと読めるが面白くはない。
オーソドックスな巻き込まれ系怪異ものではあって、世界設定はしっかりしているし、キャラ同士の縁も関係もちゃんと作っているし、展開にもきちんと起承転結があるはずだが、「そうなんだ」という以上の感情が特に湧いてこない。固有の魅力が無いために、それなりに考慮された各構成パーツを組み上げる地点がこの作品である必要を感じない。友達が書いていれば「よく書けている」とコメントするが、そういう外的な動機付け無しで消費する理由が見付からない。
二巻の表紙がめちゃめちゃ面白く、大きく描かれているクール系美少女は実はメインの事件に全く絡んでいない。二巻は明らかに「さとり」というキャラのためにある話で、さとりちゃんが衝撃的な登場をしてその出自を巡って諸々の戦いが発生して最後には死んでしまうという主役級の立ち回りをしている。が、何故か全てのドラマを担ったさとりではなくちょっとコンビニで買い物してただけのサブキャラに表紙を奪われている。
ビジュアル的に一番強いのと今後活躍予定ということで表紙に回したのだろうが、二巻で打ち切られて続刊が出なかったため本当に意味のわからない表紙になってしまった。これもまた歴史か。
軍事系戦闘美少女アニメの一番面白い話数のところ
霊獣を封印した破魔の鎧 ── 獣装戦闘服(BUD)。またの名を聖衣(シュラウド)。それをまとう少女たちは獣装巫兵と呼ばれ、謎の妖獣“禍憑妃(マガツヒ)”から日本を守るために、日夜、戦い続けていた。本州最西端にある赤間関市を舞台に、民間軍事会社“極東自衛機構”所属の少女兵士たちの活躍と、コミカルな日々の生活を描いた新感覚・日常系戦場ファンタジー。 『ストライク・ザ・ブラッド』 の三雲岳斗が贈る 『電撃文庫MAGAZINE』 の人気連載作品、文庫化スタート!
【評価: 3】【百合: -】【ヘテロ: -】
これだいぶ好きです。
『ストライクウィッチーズ』みたいな軍事系戦闘美少女アニメの3~5話くらいによくある、キャラとか世界とか設定の紹介を兼ねた単発コメディ回を集めた感じの短編集。「アバンでちょっとした事件が起きる→全員がワチャワチャするAパート→CM入りくらいで敵キャラ襲撃警報→Bパートで出撃して撃破して何となく事件が収拾される」みたいな流れの話をやってる回って安定して面白くていいよね(こういう中盤までの単発回に比べて終盤のシリアスロング回が面白くなくて失速の誹りを受けるアニメは少なくない)。
固有名詞と設定が多い割には作者が書きなれていて読みやすいし、キャラがそこそこ尖ってて全員キレてヤバいことするポテンシャルがあるのが良かった。かなりの頻度でフレンドリーファイヤーしてくるし、ちょっとしたことで暴走して皆殺しにしかけたり、一番ヤバいやつは普通に裏切って敵兵器で攻撃してくる。女の子はキレてるくらいがいい。
機動系の武装による空中戦がメインにつき、かなり映像映えしそうなのでアニメで見たかった作品。
邪道魔法少女と特撮の合いの子
あたしは望月瑠奈。魔法少女のアニメを観てる以外は普通の女の子。憧れの先輩もいたりして、それはもう完全完璧に普通の女子高生! だったはず……。「ボクと一緒に戦ってください」そう、神族に追われてるなんて宣う馬(魔族)に会うまでは。「瑠奈さん、今日から『慟哭屍叫セレンディアナ』です!!」こんな魔法少女かわいくねー! 神魔の諍いなんてカンケーないっ。あたしの日常を返せ~~!! 第12回えんため大賞特別賞のチョイ邪悪系マジカル・デス・コメディ!!
【評価: 2】【百合: +】【ヘテロ: -】
「魔法少女になった主人公が実は正義サイドではなく魔族サイド」という、いまやもうかなりベタな設定のギャグバトルコメディ。ギャグの根幹を成す魔族とのやり取りはかなりオーバーでやや寒めだが、概ね面白く読める。
ただ全体のストーリーは情報量が多すぎ、要らないキャラと要らないアイテムがこれでもかと出てきて認知に負荷をかける割にはそれに見合う話が展開されない。二巻では更に破滅的な内容になり、キャラと設定が無限増殖していく割には直近のプロット上ですらどう活かすのかが練られておらず、回収を考えずに配置している印象を受ける。
作者があとがきで特撮について少し触れており、「ああこの感じって特撮由来だったのか」と腑に落ちた。確かに特撮では販促義務として脈絡なくパワーアップアイテムが登場されることがよくあるし、話を最後までガチガチに決めずに撮影しているためライブ感でよくわからんキャラや設定が挿入されることが少なくない。特撮オタク的には勢いがあって面白いという評価もありかもしれない。
禁断の恋愛のその後
数十年に渡る大戦と歴史に残る疫病の流行で男性が極端に減った世界。
連邦国の主軸をなすアガパンサス王国は「連邦国における国民繁栄のための婚姻促進法」を制定、子孫を残す営みを伴わない恋愛を一切禁止した。
王宮に仕えるメードのジョーゼットは、アガパンサス王に嫁いできた隣国の王女・デェリアナの世話をするうちに、彼女の深い闇に触れることになり…。
自由恋愛が禁止された世界で、少女たちはいかに恋を育んでいくのか…!?
【評価: 3】【百合: +】【ヘテロ: -】
一迅社アイリスらしい正統な少女小説百合ラノベ。「同性愛が禁止された世界」「王女と侍女の身分違い」「結婚式中にお姫様を攫う計画」など、これでもかとばかりに詰め込まれた「禁断の恋愛」要素が乙女心をビンビンに刺激してくる。
一番良かったポイントは二巻がちゃんと出ていることだ。一巻では「侍女が王女と駆け落ちする」という略奪愛と脱出劇がメインだが、しかしただ若気の至りで駆け落ちするだけなら単に浅はかな話ではあって、その後どうやって逃避行を継続してできるのかというところに真の困難があるだろう。二巻では別のカップルに焦点が当たりつつも主人公とヒロインが頑張って二人でそれなりに生きている様子が描かれ、一巻が夢小説全開な内容だっただけに「続き」を放り出さずにきちんとやっているところで凄く好感度が高い。
最高のバッドエンド
あたしの「力」って何ですか!?
積野辺。天を衝く巨大な「塔」が建ち、大気に満ちた「歪気」により、独自の機械が動いている不可思議な場所。そんな町で、西条なごみは親友の皆口華多那とふたり、楽しい高校生活を送っていた。しかしなごみの父、放浪の画家西条久沖の未発表スケッチとの邂逅から、彼女は自らの「血筋」に秘められた「力」に向き合わざる得なくなるのだった−−。えんため出身作家が描く、異形の町に生きる少女のドラマチックファンタジー!
【評価: 5】【百合: +】【ヘテロ: -】
これ良すぎた、神。こういうラノベに出会うことがあるからラノベを読むのはやめられない(やめられなくはない)。
不思議な力で駆動するファンタジックな街の裏側には微妙なパワーゲームの綱引きがあるという基本線はありがちと言えばありがちだが、キャラの造形と配置と描写が巧み。街の存続を左右する能力を持つが故に自由を抑圧されている主人公、街を管理する責任を一手に引き受けている最強生徒会長、そして主人公の幼馴染でありながら街を管理する家系の末裔で板挟みになるヒロインが綺麗に配置され、ちょっとした日常や事件の裏で微妙な緊張関係がいちいち走っていることが丁寧に示される。
続刊を放棄したことで生み出された二巻の結末がめちゃめちゃ良かった。結局ジレンマがどうにもならずにヒロインが死亡したことで主人公が切れ、生徒会長を殺害し舞台である「塔の町」を破壊して幕切れとなる。殺害時の「先輩こんなに弱かったんですね」という台詞が良すぎた。この立て付けで碇シンジ側が完全勝利するパターンあるんだ……
「陸の孤島での殺戮サイコホラー」の怪物側
ユーフロジーヌお嬢さまと可憐すぎる侍女、わたくしアルマ・Vが百年の眠りから目覚めたのは、日本なる異国の大学構内でした。愚かな学生たちに盗まれた“秘石”を取りもどすため、彼ら全員を抹殺しなくてはなりません。なのにまったくお嬢さまのやる気のなさ、臆病さと来たら……“不死身の怪物”らしく、さっさと人間たちを殺してしまってください! わたくし? わたくしは危険な肉体労働はいたしません。脇役ですし。
【評価: 4】【百合: +】【ヘテロ: -】
かなり面白かった! 相当上質なエンタメラノベで読んで損しない枠。
百年の眠りから蘇った美少女ゾンビ主人公が哀れな大学生たちを陸の孤島に封鎖して皆殺しを試みる、敵と味方が裏返ったサイコホラー。人体改造に裏打ちされた超暴力が主人公サイドの主な武器だが、人間サイドも現代通信機器や拳銃を駆使して対抗してくる。人間側のスキルが絶妙にラノベチックで良く、通信教育で拳法の達人になっている女子大生とか、修羅場を潜ってきて覚悟が完了しているヤクザとか、ファンタジーではないけどリアルでもないギリギリのライン取りによってコメディとスプラッターが両立している。
特に罪のない一般人をサクサク殺していく主人公とその侍女を筆頭に倫理観が終わっているキャラたちが魅力的だし、ポップな割にはいちいち生首や内臓が飛びがちなゴア寄りの挿絵も楽しく、萌えの映えを意識しているラスボス戦も非常に良かった。
美少女尊厳凌辱だぜ!
ここにロボットの残骸がある。『彼女』 の名は、アイリス。正式登録名称:アイリス・レイン・アンヴレラ。ロボット研究者・アンヴレラ博士の元にいた家政婦ロボットであった。主人から家族同然に愛され、不自由なく暮らしていたはずの彼女が、何故このような姿になってしまったのか。これは彼女の精神回路(マインド・サーキット)から取り出したデータを再構築した情報 ── 彼女が見、聴き、感じたことの……そして願っていたことの、全てである。
【評価: 4】【百合: -】【ヘテロ: -】
激鬱ラノベ!
鬱すぎて今回読んだ中で頭いくつか抜けてキツかった。Amazonレビューでは「愛と感動と希望」「感動の名作」みたいな扱いされてるけど、俺の中では『ファニーゲーム』とか『ミスト』と同じようなところにカテゴライズされている。
博士と百合百合楽しく暮らしていた僕っ娘ロボ美少女主人公がいきなり人権を失って入念に解体されて汚いロボに魂だけ移されて強制労働させられる流れ、美少女キャラに対してやっていい攻撃のラインを何本も踏み超えている。よく凌辱もので美少女キャラが性奴隷になったり拷問されたり殺されたりしているが、それは容姿までは奪われていないから最終ラインまでは超えてないんだなということを理解した。
美少女から美少女の容姿を奪ってはいけないって学校で教わりませんでしたか? 尊厳凌辱だぜ!
能力がクソエグい割に百合がクソ軽い
五月最後の月曜日、高校生の美倉清香はクラスにやってきた美人な転校生・彩原舞子に一目ぼれしてしまう。運動神経抜群な清香にはない、清楚で可憐で上品な雰囲気への憧れもあったのかもしれない。放課後、いけないとは思いつつ舞子を尾行する清香。風格のあるお屋敷といった風情の舞子の自宅に感嘆していると、あっさり舞子に見つかってしまった。清香があわてながらもがんばって偶然を装いつつ声をかけると、舞子はすんなり応じ――清香の頭にアンテナを刺した!? 『Slave & Master』って一体!? その瞬間から奇妙な事件に巻き込まれていく、清香のアクティブ学園ストーリー!
【評価: 3】【百合: +】【ヘテロ: -】
なんだか惜しい。設定は独特でポテンシャルを感じるが、あまり活かされずにあっさり終わってしまった。
鍵になっている『Slave & Master』は名前通りの完全支配アイテム。「Masterの人間がSlaveの頭にアンテナを刺すことでSlaveの肉体を自由に操作すると共にSlaveの思考も全て盗聴できる(Slave側の意識はそのまま)」という能力バトルでもかなりエグい方の武器だが、主人公が能天気だしヒロインもお嬢様なので「これで肉体労働と頭脳労働を分担協力して街のちょっとした事件を解決しましょう」という緩い話になる。地味なのが良いという意見もあろうが、個人的にはもうちょっとグッと何かやってほしかった気持ちがある。
なお2007年のラノベにしてはかなり珍しいことに、何の留保もなく主人公とヒロインが両片思いであるのが先進的(女性同士であることについてのツッコミが特に入らないということ)。だが、『Slave & Master』で百合的にもなんかいい感じに美味しい展開が作れそうかと思いきや、その方面にも割と淡白ではある。
さすがに一時代
君には夢があるかい?残念ながら、ぼくにはそんなものはない。でもこの物語に出てくる少年少女達は、みんなそれなりに願いを持って、それが叶えられずウジウジしたり、あるいは完全に開き直って目標に突き進んだり、また自分の望みというのがなんなのかわからなかったり、叶うはずのない願いと知っていたり、その姿勢の無意識の前向きさで知らずに他人に勇気を与えたりしている。 これはバラバラな話だ。かなり不気味で、少し悲しい話だ。――え? ぼくかい? ぼくの名は"ブギーポップ"――。 第4回ゲーム小説大賞〈大賞〉受賞。上遠野浩平が書き下ろす、一つの奇怪な事件と、五つの奇妙な物語。
【評価: 4】【百合: -】【ヘテロ: -】
昔一度読んだが、まとめて積まれていたのでついでに一応再読した(一応女性主人公ラノベ扱い)。今読んでもやはりよく書かれており、白眉は視点運用にあるように感じた。
中心人物にとっての事件の真相を明かすことより、周囲の色々な一般人から見て「この事件はどんな出来事として観測されたのか」という影響や経験を描写することに軸足を置いている。よって通常の群像劇が様々な視点からピースを集めて真相を明らかにするのに対して、これは最後まで読んでも繋がらない断片がうっすらと散らばるだけで真相が知れることはない。限られた紙面の中で真相を切って表層を拾ったことにより、ファンタジーをミステリーではなくジュブナイルとして描くことに成功している。
辛うじて日常と異常の間に接点を生むキーパーソンは人間でありながら異形に協力する異常な感性を持つ一般人であり、それを象徴する「今やあなたは僕らの敵だ」という台詞がかなり良い。昔は別に敵じゃなかったけど、今は敵なんだよな。それも僕らの。
お嬢様二人でバディ組んでもいいんだ
とってもミステリーで、ちょっぴり百合。これぞ上遠野ミステリー!
原因不明の難病で病室にこもりきりの“深窓の美少女”しずるさんは、好奇心旺盛な“わけありお嬢様”よーちゃんが持ち込む難事件を病床にいながらにして次々と解明していく。唐傘小僧(からかさこぞう)に宇宙人、幽霊犬に吊られた男……これは奇怪で不気味な、最初の事件簿。
【評価: 3】【百合: +】【ヘテロ: -】
元は2003年に出たシリーズだが、星海社から復刻されたのでとりあえず積んだのが2013年で、今読んだら10年周期が2周してしまった。
サクサク読めるものの、あまり記憶には残らない。典型的な安楽椅子探偵ものだが、「怪奇な事件が起きるものの前提がおかしくて全く普通の成り行きだった」という梯子外しに終始することが多い、というかそのパターンしかない割には「言うほどそれ起きるか?」という納得感が無い回もけっこうある。ブギーポップが背景に巨大な世界を感じさせるものであるのとは対極に、こちらは世界を浅薄に解明していくような手振りだ(ブギーポップシリーズとリンクしているらしいので伏線なのかもしれない)。
「入院中美少女探偵」と「お見舞い美少女助手」のバディといういかにも「お嬢様と庶民」みたいな立て付けであるにも関わらず、二人ともお嬢様で中途半端にお嬢様口調なので微妙にキャラが混ざっているのが若干面白くはある。メインが二人しかいないのに二人の属性が近い。
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