今「明日ステラソラの分析にアサインされても戦えるレポート」という記事を書いているのだが、前置きが長くなりすぎたのでこの記事にパージした。あとで「詳細はこちら」みたいな形で本体から参照する予定。
ステラソラを始めた
女性主人公が萌えすぎたのでステラソラのプレイを開始した。

その詳細はあとでステラソラの記事に書くが、珍しく新作をプレイしているのでソシャゲとのうまい付き合い方を掴む機会にしたいと思っている。
ソシャゲの最大の長所にして短所は終わりがないことだ。
真面目に全てのコンテンツに取り組んでいるとサ終しない限り莫大な時間を吸われ続けてしまう。もちろん気に入ればプレイし続けてもいいのだが、それほどでもない場合も含めて「ここまで達成すればヨシ」と区切りを付けるポイントがほしい。
暫定結論としては「システムを完全に理解すること」を達成ラインとしたい。
つまり様々な仕様について理解した上で、プランナーが設計した導線やサイクルの意図を把握できたらクリアということにしたい。
もともとソシャゲ全般に対して俺が興味を持っているのは、ゲームとしての攻略というよりはシステム全般の設計だ。その辺りをゲームごとに記事にまとめるくらいがちょうどいいのではないかと思っている。
一応、将来的にソシャゲを分析するポジションに戻る可能性がなくはないので勘を鈍らせないという目的もある。
当面は転職する気はないし一番あり得るのは副業だが、何にせよ趣味でもやれるだけの分析はやっておいて損はない。とりあえず明日いきなりステラソラの分析にアサインされても一定戦える程度のレポートを書こうとしているのもそういう文脈がある。
把握したいこと:課金導線とゲームサイクル
ソシャゲの分析で主に見たいのは「課金導線」と「ゲームサイクル」の二点になる。
つまり「ユーザーはきちんとゲームに課金してくれているか」と「ユーザーはきちんとゲームを継続してくれているか」を見ることになる。
というのも、サービスとしてのソシャゲにおいてKGIになる「総収益(円)」は「ユーザー平均収益(円/人)」と「(アクティブ)ユーザー数(人)」の積に分解できるからだ。前者を実現するために課金導線があり、後者を実現するためにゲームサイクルがある。
補足607:いわゆるRevenue=ARPU×AUの式。
よって大まかな指針としては、まず形式的な仕様を理解した上で、意図された課金導線及びゲームサイクルを把握し、それらが機能しているか知る方法を考え、懸念を塞ぐ施策の候補にはどのようなものがあるか検討したい。
こうした分析では物の見方が大なり小なり変わってくる。
例えばこれはフォロワーと話していて初めて気付いたが、俺はPUキャラを引く際の課金額を平均回転数で概算していたのに対し、フォロワーは最大回転数(天井)で概算していた。サービス全体を見渡すとガチャ運はどうせ均されるので計算には期待値を用いることが多いが、一人のユーザーからすると最も考慮すべきワーストケースは天井になる。
扱わないこと①:面白さ
「ゲームを分析する」と言ったとき、期待されそうだが原則として今回のスコープ外になることが二つある。
まず一点目として、「ゲームの面白さ」については分析しない。
最近はゲーム開発者が語るコンテンツがネットに多く流通するようになり(桜井政博を見よ)、それらにおいては「面白さの追求」のようなクリエイティブで楽しげな話が語られることが多い。
だからゲームクリエイターの仕事は面白さを追求することだと思っている人も多いような気もするが、運営型のサービス事業であるソシャゲにおいてはその限りではない。もちろん面白いに越したことはないが、一度運営フェイズに入ってしまったら面白さの評価は結局「ユーザーが課金及び継続してくれるかどうか」に帰着されるところが大きい。
なぜなら、課金・継続されないソシャゲはどんなに面白くてもどうせ長続きしないからだ。
ソシャゲの運営費は皆が思っているよりも遥かに高く、未だにソシャゲを札束を刷るビジネスだと思っている人はもっと自転車操業みたいなイメージにアップデートしておいてほしい(ダウングレードでもある!)。ソシャゲの運営には多くの人やサーバーを動かす莫大なランニングコストが常にかかっている。高騰した開発費の回収まで含めるならなおさらだ。
ユーザーにとってもゲームは長く続く方が嬉しく、ユーザーが課金してくれるようなゲームを作ることはお互いにとってウィンウィンでもある。
また、ソシャゲにおいては「面白さ」を定義するのがけっこう難しいという事情もある。
売り切りのリッチなコンシューマーゲームならユーザーも気合を入れてプレイするので迫真の面白さを求めているだろうが、通勤電車やベッドの中で惰性でプレイするソシャゲが常に面白い必要は実はない。
日課としてなんとなく続けてなんとなく金を入れてしまうゲームを面白いと表現するかどうかは諸説だが、どうせ最終的には課金と継続を気にするのであれば、少なくとも定量的な分析においては最初からクリエイティブの語彙ではなくマーケティングの語彙で語ってしまった方が認識に齟齬が生まれない。
補足608:一般的にエンタメに必要な素養にはクリエイターのそれとマーケターのそれがあるが、コンシューマーゲームはクリエイター寄りでソシャゲはマーケター寄りというのは俺は真実だと思う。
扱わないこと②:攻略情報
二点目として、いわゆる攻略情報も基本扱わない。
つまり「このキャラを育てるべきか」とか「このパーティーには何凸が必須」みたいな話題は原則扱わない。個人的にあまり興味がないし、サービスとして分析する上ではそれほど重要ではないからだ。
全体のシステムを掴むには、玄人ユーザーの挙動よりもまずは平均的なユーザーのそれを把握することの方が遥かに重要だ。ソシャゲを触る大多数は暇つぶし程度の熱意しかなくネット攻略もあんまり読まないユーザーであり、そのような層を平均的にコントロールするにあたって極まった攻略情報はそこまで必要ない。
もちろん玄人向けのエンドコンテンツや施策を考える必要は常にあるにせよ、それはゲーム全体の基本的なシステム設計とはまた少し別の話になってくる。
そんなポリシーの下で実際にステラソラを分析する記事をあとで投稿する予定です。