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ミラノ風ドリア300円

22/2/19 約2021年売却コンテンツまとめ その2

駿河屋への売却続き

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前回の続き、部屋から駿河屋に売却したコンテンツの思い出棚卸しです。

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詭弁学派、四谷先輩の怪談1~3

ハイキュー作者の前作。
ハイキューの連載が始まったときには「あの邪道漫画・四ツ谷先輩の作者が王道スポーツ漫画を描けるのか?」と要らぬ心配をしたものだが、作者的にはむしろバレーボール漫画の方が本命で四ツ谷先輩は練習枠みたいな感じだったらしい(wikipedia情報→)。長続きしないことを薄々感じつつ単行本を買う程度には好きだったが、案の定すぐ終わってしまった。「ジャンプ向きではないが他の雑誌なら……」みたいなことを当時の打ち切りレーススレに書き込んでいた記憶がある。

怪談をテーマとしているが、決して「怪異もの」ではないのがジャンプ漫画らしからぬポイントになっている。つまり怪談に出てくるような恐ろしい怪異と実際に戦うのではなく、取沙汰されるのはあくまでも怪談によって生まれてくる恐怖や物語化の力能の方だ。モンスター的なものはイメージとして仄めかされるだけで実在はしない。
今にして思えばこの漫画は推理ジャンルの類縁でもあり、「謎への決着の付け方がロジカルな語りである推理漫画と、それがナラティブな語りである怪談漫画の同異点とは」みたいな方向で語ることもできそうだ(が、もう売ってしまった上に売る前にも読み直さなかったのでそう語るほど記憶にない)。

 

やがて君になる1~3

1巻から面白いと思って買っていたが、3巻でそんなに面白くないことに気付いて買うのをやめてしまった(古参なので世間で流行るより先にハマって飽きた)。

俺が1巻の基本設定時点で注目していたのは主人公のアセクシャル寄りの恋愛感覚の設定で、それは実際かなり良かった。お互いに好き好き言ってるばかりで進展がない百合には辟易していたので、百合漫画というテーマであえてそういうの興味ないですよと逆に張ってくる主人公を造形したことを評価し、彼女をどのように取り扱っていくのかを楽しみにしていた。

補足411:正確に言えば、俺は萌え豚だから好き好き状態自体は全く構わないのだが、それだけで満足してしまって他の内容がスカスカな百合作品の粗製乱造に辟易していた。好き好きなだけなら一枚絵か読み切り漫画でよく、その二つが雑に消費できるTwitterという環境はかなりありがたいなあと思いながら日々そういうコンテンツをリツイートしている。

が、物語が進むにつれてなんか主人公も割と普通に恋愛体質で相手を弄びながら付き合うタイプの小悪魔系くらいのキャラであることがわかったため買うのをやめてしまった。まあこういうことはよくあり、テーマを読み違えて勝手に期待した俺が悪い。

ちなみに概ね同じ時期の百合漫画かつ同じ文脈でかなり良かったのが『青春過剰Sisters』で、こっちは最大の評価を与えているので売却しなかった。

主人公(美少女)が同級生の川崎さん(美少女)に告白して付き合おうとする話だが、川崎さんのキャラ造形がかなり優れている。「性的な意味で女の子が大好きで主人公のことも性的には好きだが、別に人間的に好きなわけではないので告白は保留する」というライン取りがきちんとできている。すぐ何もかも好き好き両想い状態にしてしまう百合漫画には見習ってほしい。

 

シャドウバース電撃コミックアンソロジー

シャドバ黎明期のアンソロ。配信当初はこんなものを買うほどシャドバにハマっていたという記憶の品。百合豚なのでアリサとルナが結婚しようとする話が良かった。

第三弾環境くらいまでは2pickをハチャメチャにやり込んでおり、100周以上で勝率7割程度をキープしていたと思う。今でも当時の環境はかなり正確に語る自身がある。配信当初はフェイスロイヤルが強かった話、第一弾では結局ネクロマンサー一強に収束した話、第二弾で現れたアドバンスブレーダーという黒船、第三弾以降のバハムートを含む高マナの捲りカードをケアするプレイ……
しかし当時はまだシャドバを競技的にやり込む風潮があまりなく、これで何者かになるみたいな感じもなく何となく飽きてフェードアウトしてしまった。シャドバは今でこそ競技DCG代表としての立ち位置を確立しているが、RAGEなどが開催され始めたのもちょうど俺が引退した頃の話で、配信から競技化までにはそこそこタイムラグがあったのだ。

 

貞操逆転世界1

相当面白い。
異種族レビュアーズが放送されていた頃にも取り上げたが、天原の高評価はこのコミックヴァルキリー版『貞操逆転世界』の存在によって担保されている節がある。これが無ければ俺は天原に肩入れしなかったが、これがあるから俺は天原の肩を持った。

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通常の『貞操逆転世界』では男性主人公が貞操逆転世界に行くのでヤりまくりで天国みたいな話だが、この外伝では女性が主人公になった途端にジェンダーギャップが気になるギャグコメディになるという構造も込みでよく出来ている。

ただ、これも無料最新話を追えてしまっているので書籍を購入するインセンティブが特になくなってしまった。Web掲載版は以下。

www.comic-valkyrie.com

 

もっとも美しい数学ゲーム理論

たまたま手持無沙汰だったときに新宿地下の古本市でパッと買ってしまったが、サイエンスライターが書いたペラペラな啓蒙書だと気付いたのはその後だった。著者は学術的な研究者なのか体系的な実践者なのか、それとも何もないペラいライターなのかという見極めをきちんとやらなければならないことを学んだ本としては思い出深い。

 

C言語ポインタ完全制覇

かつては俺も正しく情報系の人間として本当にC言語のポインタを完全制覇しようと思っていた時期があってこの本を入手した。しかしあれから時が経ち、捨てるために読み直す頃には名前と指示の問題がどうこうと意味不明な読み方をするばかりで人の関心の移ろいを感じる。

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ちなみに俺はエンジニアではないので実務でC言語ポインタの知識を使うことは一切ないが、非エンジニア向け言語ことVBASQLPythonはたまに使うので参照型の知識自体は稀に役立つ。
例えばVBAのオブジェクト型変数が参照型ということは最近知った。実は今までオブジェクト型変数は中身の情報量的に保持メモリもクソでかいだろうなと推測して無闇に代入や走査を行わないように若干配慮していたのだが、それは無駄な努力だったらしい。

 

テラフォーマーズ

内容的にはめちゃ面白いが、そろそろ5年目に突入しそうな休載の終わりが見えないこともありやむなしの売却。
2014年のアニメが、制作費が足りなかったのか時間が無かったのかはよくわからないが明らかに何かがおかしいレベルで低クオリティな内容で、全く盛り上がれなかったのも少し熱が冷めた要因の一つではある(その後も単行本を買い続けてはいたが、もし仮にアニメが例えば『進撃の巨人』並みのクオリティだったら今でも売らない可能性の方が高かった、そのくらいのポテンシャルはあった)。
あとずっと気になっていたこととして、キャラクターが最終的に意志決定する要因に恋愛を使いすぎだろというのがある。この世界には恋愛脳しかいないのか?

 

漢文力

河合塾で買わされたやつ。前にも「大した本ではなかった」という感想を書いた。

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ただ、内容がショボすぎるが故に却って勧めてきた予備校講師にとっては何か特別な思い入れのある一冊だったかもしれないことを伺わせる。著者が何かの恩師とかだったりしたのかもしれない。

予備校講師に関しては妙な推測を働かせてしまうのは、俺は予備校講師という人種に特別な思い入れがあるからだ。
予備校に通ったことがない人は彼らのことを教師の亜種と勘違いしていがちだが、それは深刻な認識の誤りである。予備校講師は全人格的な教育者ではない。その辺の大人がその辺の子供から金をとって学業の知識を教える職でしかなく、このために予備校講師は「取り繕わずに素の状態で子供に接する大人」という貴重な人種になることが多い。
だから予備校講師には変人が多い。「接点t」などの予備校講師ネタがネットで人気になるのも彼らが特別に変な人間だからではなく、予備校講師という職自体にそういうポテンシャルがあるのだ。

 

ミレニアル起業家の新モノづくり論

人生で親からもらった唯一の一般書で、「流動性の高い社会を意識して自分が快適に過ごせる価値観を見つけて働きましょう」みたいなことが書いてある。
あまりにも当たり前すぎてペラい論だなあと思って流し読みで売ってしまったが、今にして思えばそれは俺もまたミレニアル世代の典型であるが故に、ミレニアル世代の生存戦略を自明に内面化していたということなのかもしれない。逆に固定された年功序列の職場でもキツくても耐えるみたいな価値観が当然だった時代の人間からすると、価値観のアップデートとして一読の価値アリ!という判定になるのかも。

 

スタジオパルプ1

『かってに改造』や『絶望先生』をメタフィクションとして再解釈するという久米田漫画の中でもかなり重要なポジションにいる作品だが、掲載誌がマイナーなためにあまり知名度がない気がする(講談社でも小学館でもないが版権とかどうなってるんだろう?)。

アニメ『かくしごと』の感想を書いたときに触れた通り、それまで久米田作品の特徴だったメタでシニカルな視点が『スタジオパルプ』で極点に達して払拭され、『かくしごと』のような割とベタで泣ける話へと移行したような印象がある。

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『スタジオパルプ』の連載自体も『かくしごと』の連載開始に伴って完結はしていないが休載のような有耶無耶な状態になっているようだ。まだ未単行本分が残っているようではあるが、続刊として出るなら読みたいところ(だが掲載誌を入手するほどのモチベーションはない)。

 

ルフランの地下迷宮と魔女の旅団

ゲームの遊び方が下手すぎてラスボス戦前で挫折したゲーム。そのときの話は1年前くらいに書いた。

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これに関しては俺が100%悪かったし、このゲームを通じてゲームとの付き合い方を見つめ直す良いきっかけになった。が、それはそれとして今更クリアし直すモチベーションも湧かないのでとりあえず売却した。