LWのサイゼリヤ

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24/3/26 お題箱回150:カードゲーマーの臭い、試験の運etc

お題箱回150

916.カードゲーマーって本当に臭い人が多いんですか?
またそれはどれくらいの臭さですか?
夏場の同人ショップくらいしか臭いのを体験していないので知りたいです。

カードゲーマー全体かどうかはわかりませんが、少なくともカードショップが臭い傾向くらいはあると思います。

客層自体は一般オタクショップとそう大きく変わらないとしても、カードショップは長く滞在して遊ぶ人が多いことに加え、雑居ビルの上階など狭くて換気も悪い場所に店を構えていることも多い都合で空気が滞留しやすいという環境的な事情もあります。ただあくまでも日常的に訪れうる場所の中では比較的臭いというだけで、夏コミの東西連絡通路のような異常空間に比べれば平均的にそこまで酷いわけでもありません。

また、近頃はポケカの参入とかでカードゲーマー層も変わってきていますし、オタク自体がマイルド化していたり店舗もクリーンになっていたりと昔よりはだいぶマシになっているような印象はあります。僕はもうカードショップで遊ぶのがしんどくなってきて、最近はカードゲームをするときも人の家やレンタルスペースを借りていることの方が多いので、最新の環境についてはそれほど詳しくありません。

 

917.スヌーピーの「配られた手札で勝負するしか無いのさ」ってマジの真実ですよね?

そうですね。どんな粒度でどういう比喩として読むかにもよりますが、普通に考えて配られていない手札は使用できないので真実だと思います(そもそも手札の定義を「勝負に使用できるカード」と考えるならばトートロジーのような気もします)。

 

918.格ゲー、カードゲームの上位層って大体何やらせても上位層に行けそうな気がするんですか、LWさんの経験則からどう思いますか。

仰る通り、概ねゲームの強さと他の領域での優秀さは正の相関があると思います。

現代対戦ゲームってそもそも基本的なレベルが高い上にネットでの情報共有が当たり前なので地道にロジカルにPDCAを回して勝つしかなくて、それができるやつはどこでも勝てます。

ただゲームは楽しくて遊んでいる趣味ではあるので、それと同じ熱量で他のことにも取り組めるとは限りません。特にゲームで強いやつはなまじ自分の強みとか勝ちパターンをはっきり掴んでいるが故に好みは割と激しい印象があります。「この環境は俺は苦手だ」とか「このカードゲーム面白いとは思うけど俺には合わない」みたいなことはむしろエンジョイ勢よりガチ勢の方がはっきり言う人が多い気がしていて、能力はあれど実際にやるかどうかはまた別の問題です。

 

919.努力できるのも才能だと思いますか?
才能と努力の境目はどこだと思いますか?

「努力の一部は才能だが、全てが才能というわけでもない」「才能と努力の境目ははっきり分かれているわけではない」くらいがふつうに常識的な結論だと思いますし、僕もそれを支持します。

特にエビデンスがあるわけでもないですが、半分くらいは不可知な領域や言語運用に足を踏み込んでいる話でもあるので、これ以上掘り下げる必要もあまりないと思います。

 

920.現役で受かった東大生と比較して、東大ギリ落ちの人にはどういう評価をしますか?

まず思うのは「運が悪かった」です。ちゃんと反省するならもっと真面目な話が色々あるにせよ、まず最初に頭に走るのは不運についてです。

これは頭脳系のゲームを本当にガチって上位ランク帯にいる人からは割と同意してもらえるのですが(下位ランク帯の人にはあまり伝わないのですが)、受験や将棋などの一見するとランダム要素のない対戦にも本質的な運要素は明確にあります。例えばたまたま正着を思い付いたとか、たまたま思考順序が正解に近かったとか、たまたま答えにアクセスできるアイデアが浮かんできたとか、そういう偶然が支配する領域が思考の極北に存在しています(ただもちろん共通テストのようなレベルの低い試験なら別に運は絡まないので、東大の二次試験のように誰も満点は取れない程度には難しい試験を想定してください)。

これは比喩ではなく、「ダイスを振って偶数が出るかどうか」と同じ意味での運です。もちろん鍛錬によって運要素を減らしていくことはできますが、それは下ブレの範囲を減じたり平均出力を上げたりできるというだけで、運そのものを追放することはほとんど不可能です。僕は全く同じ状態で全く同じ試験を受けたとしても運によって点数は5%くらいは変動すると考えている派閥で、言い換えると「点数には常に100%実力が反映される」という見方には反対です。

だから受験で「ほぼ確実に受かる層」と「ほぼ確実に落ちる層」の間には「ほぼ賽の目で合否が決まるギャンブルゾーン」があって、合格ラインが300点だとしたら±20点くらいはその領域です。1点差とかで落ちた人は100回受験すれば70回は受かるのにたまたま30を引いた回が本番になってしまったのかもしれず、その不運は勝ち濃厚のオールインをたまたま外した人と全く同じで天からの被弾としか言いようがありません。

 

921.何の分野でも上位に行く為に努力は欠かせません。
ただ「努力と思っている時点で楽しんでるやつには勝てない」という言葉があり、私は割と真実だと思っています。
(楽しんでるやつというのはエンジョイ勢という意味では無く、努力してるやつが努力だと思っている事を日常的にこなすやつという意味です。)
LWさんは東大卒なので、勉強の上位勢と言っていいと思うのですが、その時の勉強は努力と思っていましたか?
また勉強以外の事(カードゲーム、小説など)についても同様のことを聞きたいです。

僕も「努力と思っている時点で楽しんでるやつには勝てない」というのは真実だと思います。

これは一般人も多く参戦している資格試験などでは特によく感じます。「今月の目標:毎日一日一時間は統計の勉強!」とかbioに書いて必死に頑張っている人に、何の気合も入れずに暇潰しで一日六時間くらい数学書を読める人が負けることは有り得ません。

だから頑張って努力する前に努力せずに勝てる領域を探す方がよいことが多いです。学生時代にあんま勉強してなかったけど社会人になっていきなり勉強を始めて上手くいかない人などは、学力そのものの問題ももちろんありますが、自分の勝ちパターンをわかっていないからそこにハマれないという自己理解の問題が相当あるように感じます。

最近はやる勉強を選り好みできるのと加齢の影響でだいたいどの勉強も全部楽しいですが、受験勉強などはそういう意味ではそれほど楽しくはありませんでした。もともとマゾ気質なのと試験で他の人を轢くのは好きなのでその辺で何とかなったという要因の方が大きい気がします。他の人があまり知らないことをプラスアルファで知っていく勉強はモチベーションが湧きますが、義務教育で誰でも知っているべきことを誰でも知っている水準まで持っていくだけの勉強はあまり楽しくありません(マウント理論)。

一方、カードゲームや小説は100%趣味でやっているので全部楽しいと思っています。ただ小説は一度書き始めると「今日1日書けば1日早く完成する」という強迫観念も相まって休みを取らずに書き続ける羽目になることが多く、それもそれで多分あまり良い状態ではないので適度に離れる管理の方もなんとか習得したいと思っているところではあります(数日程度の過集中なら良いが、数ヶ月単位で強迫観念に拘束されると流石に悪い影響が大きい)。

 

922.楽しく記事を拝読しております。
クロスギアやゲートルーラーの記事を読む限り、「桜降る代に決闘を」というボードゲームはかなり好みに合うのではないかと思うのですが、プレイされたことはありますでしょうか。

ありがとうございます。

名前はよく聞くタイトルではあって、たぶん周りの誰かは持っているし別に避けているわけではないけど何となく触れる機会を逃し続けている感じです。機会があったら遊びます。

 

923.世間一般では音楽そのものには大して興味がなく演者や歌詞を目当てに音楽を消費してる人が多いと思うんですけど、なぜ音楽をオミットした何らかの媒体ではなく音楽が消費されるんでしょうか?
音楽そのものには興味がないLWさんが代表して語ってほしいです。

音楽そのものにそこまで興味ないわけではなくて、関心というよりは娯楽の形式とか語彙の問題であるような気がします。

絵画とか音楽とか料理は言葉を経由せずに享受できるタイプの娯楽なので(逆に会話や小説や学問で言葉を経由しないことは難しい)、別に用語とか体系知識を何一つ知らなくても楽しめる懐の広さがある一方で、却って言語化して語るハードルが高いという短所もあります。

僕もある程度は音楽そのものも好きなつもりですが、演者や歌詞に比べて分析的にちゃんと語る語彙を身につけるほどには興味が無いので、外からは語っていないということは興味ないように見える(しかし語るほどではないというだけで興味そのものは一定ある)という状態のように思います。たぶん僕以外の人もだいたい同じだと思います。

 

924.「にはりが」を楽しく読ませていただき、他の作品にも興味が湧いた者です。
小説を発表する場としてアルファポリスを利用している理由が「一番表示がいい」以外にあればお聞きしたいです。
また新人賞などにも応募されていますが、小説の更新を続ける上で設定している具体的な目標などはありますか?

ありがとうございます。楽しく読めるにはりがをよろしくお願いいたします。

www.alphapolis.co.jp

アルファポリスを利用している理由は「イラストを載せられる」ただ一点のみです。利用者が特別に多いわけではないし投稿アプリは微妙な出来だし書籍化作品は面白くないし他にいいところはありませんが、美少女ラノベにはどうしても美少女イラストを付けたい派閥なのでそのためだけに選択しています。

具体的な目標は特にありません。せっかく書いたからどうせなら送るかくらいの感じで、ワナビ的なモチベーションは薄いです。今のところは今後も趣味として続けるつもりですが、それはただ楽しいから続くだろうと思っているだけで、そうしなければならない外的な理由はありません。

 

 

何か買ってもらえると嬉しいです。

www.amazon.jp