LWのサイゼリヤ

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24/3/27 CROSS GEAR攻略(2/4):戦略解説(除去編)

前回の続きです。

saize-lw.hatenablog.com

  • 第一回:各キャラクター解説
  • 第二回:戦略解説(除去編) ←この記事
  • 第三回:戦略解説(バースト&ダンス編)
  • 第四回:各デッキ解説

になる予定です。当初は全三回予定だったのですが、書くことが多すぎて全四回に増えました。

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キャラクター画像・カード画像について

この記事で使用しているキャラクター画像・カード画像はDRIVE GAMES様の御厚意で提供して頂いたものであり、転載や再配布を禁止します。

対面対策の基本

どのカードゲームでも勝率を上げていくには対面に応じた切り返しの想定が必須だが、CROSS GEARで特にそれが重要な理由は二つある。

一つ目は、切り返しが異様に強いこと。このゲームは自ターンでの動きが非常に強力なデザインになっており、展開や攻撃や除去の効率が良いために一度ターンを返すと基本的にこちらの場は大きく荒らされて返ってくる。

一応、相手ターンでの介入手段にはブロックや死亡時効果があるが、いずれも最初から相手に筒抜けているため実質的な選択権は相手にある(罠のようにこちらから引っかける要素が特にないということ)。よって相手ターンに判断を温存できないため、自ターンの間に前もって返しを予測した盤面を作っておくことが切り返しへの唯一の対抗手段となる。

二つ目は、引きムラがかなり小さいこと。CROSS GEARではデッキ構築が6種類×5枚=30枚固定であり、他のカードゲームよりもカードの種類が少なく枚数が多いため、相手がある特定のカードを持っている確率は常にかなり高い。更にはゲーム開始前にリーダーを確認した時点で相手のデッキ内容は全てわかっているため、デッキに入っているカード全てを手札に持っている想定で切り返しをケアすることが望ましい。逆に言えば、「あのカードさえなければこの動きでいい」という割り切りが肯定されることは基本的にない。

また関連して、相手の手札の読み方についてもCROSS GEAR特有の事情がある。通常のカードゲームなら相手の手札を読む方法は主に「もう使ったカードは持っていない」か「使うべきシーンで使わなかったカードは持っていない」のいずれかだが、CROSS GEARで前者が機能することは多くない。

これは単純に枚数の問題である。CROSS GEARでは同じカードがデッキに5枚も入っているので、1枚消費したところで後続が切れている保証は全くない。具体的に言い換えると、「相手がもうアリア③を1枚使ったから」という理由でアリア③へのガードを下げることは肯定されない。ゲームスピードの速さに対して「持っているときは持っている」状態の期間が長い。

ただし、ゲームの最終盤や墓地肥やしが絡んで公開領域に見えているカードが多い場合はその限りではない(これは麻雀の感覚に近い)。例えば対面のシャロンが積極的に山札を削っていて、既に墓地にシャロン③が4枚落ちているならば、相手が手札に持っているシャロン③は最大でも1枚となる。よってシャロン③のドライブによる確定除去の線が消え、ブロックを全て突破されても③は1体分=9点しか走れない。こうなると少しガードを下げてターンを返してもリーサルに届く可能性は低くなる。

一方、「使うべきシーンで使わなかったカードは持っていない」というロジックでの読みは依然として肯定される。例えばシャルロット対面でこちらのタップした高パワーのアーツが殺されずにターンが返ってきた場合、相手はシャルロット②を持っていない可能性が高い(持っていれば使っているはずだから)。であれば、次のターンにもとりあえずシャルロット②は持っていない前提でそのままケアせずに殴り続ける判断が可能になる(ただしマナとドローを交換できるシステムの存在もあり、トップで引かれる確率がだいぶ高いことには注意)。この推測を行うためにも、対面が可能な切り返しを把握していることは常に重要になる。

上記を踏まえ、意識すべきポイントは主に除去とバーストの二点がある。それぞれ今回と次回に分けて記載する。

 

除去について

CROSS GEARは除去が強い。どの除去も殴ったりドライブしたりするついでに誘発し、1マナと1枚を支払って行った展開に対して1マナ未満と1枚未満で除去を打てるという除去側有利な構造になっている。よってお互いに切り返し合うのが基本的なゲーム展開だが、逆に言えば切り返されずに盤面を維持できるのであればそのリターンは大きい。

除去の早見表は以下の通り。

除去は性質に応じてざっくり三種類に色分けした。

  • 序盤除去:最序盤から機能するもの。先攻1ターン目から既に警戒必須。
  • 中盤除去:中盤以降から機能するもの。主に2ターン目以降から想定する。
  • 一応除去:警戒する意味が薄いもの。頭の片隅にあればよい。

対面のリーダーを確認した時点でこの表(の一部)を頭に浮かべながらゲームを進めることが望ましい。

また、表には記載していないが合計何マナあればどんな除去が飛んでくるのかは召喚や攻撃のコストも込みで把握しておこう。例えば対面シャルロットの場合、「シャルロット③の格闘除去でパワー3を一方で落とす場合に必要なマナ」は召喚1マナ+ドライブ1マナ+攻撃1マナ+GEALINK1マナで計4マナである。

よって返しに相手が3マナしか使えないならば立っているパワー3が一方で落とされることはないし、4マナ使えるとしてもシャルロット③が格闘除去で動くならば相手は他の行動は何もできないことになる。そもそも飛んでこない除去をケアしても仕方ないし、「これだけマナを使うのであれば他の行動はほとんどできなくなるから許容」として除去をケアしない判断もできる。

 

除去分類

序盤除去

6人中3人が持っている、単独で機能する攻撃除去。最速で後攻1ターン目から機能し始めるため、先攻1ターン目からの想定が必須になる。

これら全てに共通の対策として、いずれもパワー2による攻撃を要求するので、除去対象になるアーツの横にパワー3を立てておくことで自爆を強要できる。例えば対面シャロンの序盤ではパワー3を2体並べておけば、返しでシャロン②が走ってきて1体を落とされたとしても横のパワー3で有利ブロックできるため、除去の被害をかなり抑えられる。

 

中盤除去

長期戦志向のシャロンとルシア以外はそれぞれ主に中盤で機能する太い除去を持っている。

挙動が似通っていた序盤除去に比べると条件や範囲に様々な種類があるが、いずれも落とせる範囲に制約があって万能ではないため、綺麗に除去されないように意識して盤面を作っていくことが大切になる。具体的な対策方法はキャラ対策で詳述する。

 

一応除去

一応除去として機能するとはいえ、条件が厳しかったり大抵は事前に見えていたりするためにそれほど意識しなくてよいもの。余裕があれば頭の片隅に置いておくくらい。

 

キャラ対策

除去を踏まえた序盤から終盤までの攻防のコツをキャラごとに深堀りしていく。

 

アリア

最序盤ではアリア②が召喚と攻撃の計2マナで走ってきて盤面に2点火力を撃つことしかできない。つまりアリア対面の最序盤はパワー3を立てれば返されない。

中盤以降は②の召喚時GEARLINKから3マナ3点が飛んでくるようになるが、それだけならマナ効率はそれほど良くない(相手がまだ3マナしか使えないなら焼かせる選択もアリ)。アリア②は召喚時と攻撃時の火力が両面飛ばせるようになる4マナを超えた段階から本領を発揮し始めるカードで、そうなるとパワー3+パワー2の二面処理からパワー5以下の大型処理まで柔軟にこなせるようになる。

6マナ溜まってからはアリア③が走りながら飛ばす3点オールが脅威(アリア③の召喚1マナ+攻撃1マナ+GEARLINK4マナで計6マナ)。直撃するとこちらの盤面が更地になる+6点食らう+相手の場にはパワー3が残るという最悪の状況になるため、アリア対面では6マナ到達が意識しておくべき一つの指標になる。

ただし、アリア③の3点オールはあまりにも重すぎて他の動きに回せるマナがろくに残らないことが多い。よってこちらの盤面に前もってパワー4やリーリア②などを置いておくことで、3点オールを撃ちながら走ってきたアリア③を相打ちや死亡時効果で打ち取れる場合、逆に相手はダメージを入れられなかった上に更地でターンを返すことになってこちら有利になる。視点を逆にすると、アリア側としては一見すると③の3点オールで薙ぎ払いたい盤面でも②で細かく焼いた方が後の繋がりが良いことは割と多い。

なお除去からは少し脱線するが、アリアは①と③のGEARLINK値が4と非常に大きいため、②の召喚時3点を1度でも撃たせた時点で残りのマナではほぼ①のフルアンタップか③の3点オールのどちらかしか使えなくなると考えていい。これら全てを使うには表マナが2+4+4=10マナ必要だが、このゲームで10マナ溜まることはそもそも多くない上にアリアの相方のGEALINKまで考えるとフルに使えることは稀だからだ。その点でも、アリア側は貴重な表マナを消費して3点オールを放つのはそれなりのコストになる。

補足512:ちなみに①のドライブ除去もかなり限定的な1点火力ではある。ドライブしているアーツに限ってパワーを1減らせるからだ。とはいえパワー1のアーツを落としたりはできないし、アリア側も①を重ねる要求が微妙に高い割に打点も低いので気にすべき状況はあまりない。一応、大きくなったシャルロット③を構えている状況などではドライブするだけで一気にパワーを2落とされたりはする。

 

シャルロット

序盤から終盤まで②のタップキルが最大の脅威。点数を一切問わないので、シャルロット対面ではどんなアーツでも殴った返しに落とされる可能性がある。貴重なアタッカーで迂闊に殴ってチャンプされた挙句にシャルロット②に咎められるという最悪の展開は避けたいところ。対策としては、落とされたくないアーツは殴らずに立てておくか、タップキルは撃たせる前提で一方までは取らせないようにパワー3以上のブロッカーを横に添えるかの二択。

中盤以降は③の格闘除去も機能し始めるが、大抵は手札を揃えてのドライブを要求する上に除去としてはテンポが悪いので無理してケアする必要はそれほどない(他ゲームで言うと、軽い火力除去ではなく重い確定除去を撃たれる感覚に近い)。最低でも召喚+攻撃+GEARLINKで3マナ、ドライブして2打点引き上げるなら更に+1マナ、連続で除去するなら1回につき攻撃+GEARLINKで+2マナという計算になる。こちらが1マナで立てたパワー3の処理に4マナもかけてくれるならそれはそれで構わないことも多い。

 

リーリア

序盤から終盤までリーリア③の布告が脅威。こちらもシャルロット②同様に除去対象のパワーを問わず無警戒ではフィニッシャーさえも落とされるため、専用のケアが必要になる。

補足513:「布告」とは本来「相手自身に相手の場の生物を選んで破壊させる除去」を意味するスラングだが、実質的には「相手の一番弱いクリーチャーを破壊する除去」として機能しがちなことを踏まえて、一番弱いアーツを落とすリーリア③の除去も布告と呼んでいる。厳密には別に布告ではないため紛らわしいのだが、他に適当なカード用語が思い付かなかった。

リーリア③の布告にはドライブが必要だが、自らの墓地ドライブ効果で賄えるためシャルロット③やカノン③と違って手札での揃いを要求しない。しかし実は手札にリーリア③が2枚素引きで重なっていれば後攻1ターン目からでも起動でき、この手順によって最速で打たれる布告は基本的に強い。本来リーリアは後攻1ターン目の除去手段を持たないはずだが、リーリア③が素引きで重なっている場合に限って一転して先攻1ターン目に置かれたアーツを無条件に除去した上でドレインが走れるようになるからだ。ちなみに後攻1ターン目にリーリア③が少なくとも2枚重なっている確率は約18%あり、ほぼ起きないと割り切るには若干高い数値。

布告除去は本命の横にパワーの低いデコイを立てておくことで回避できる。ただし、デコイとチャンプブロッカーで役割が被りがちなことには注意が必要だ。例えば本命の横に適当なパワー1だけ立てた返しにリーリア③が布告を撃ちながら走ってきた場合、確かに布告除去はデコイが受けてくれるが、結局ブロッカーを落とされた挙句にリーリア③の攻撃が本体まで通る美味しくない展開になる。

よって、デコイとはまた別に走るリーリア③を止める手段があることが望ましい。特にシャルロット①は出たときに仕事を終えているのでデコイにしやすい上に撤退時に他のアーツを立たせてリーリア③の本体を止められるほか、ルシア①は撤退際にリーリア③を追放できて相性が良い。

なお「本命+布告避けデコイ」と並べた際に他の除去でデコイを消されたあとにリーリア③の布告が本命に直撃するとかなりキツく、その意味でリーリアの相方が持つ除去手段も強く考慮しておく必要がある。一番安直な対策としては、可能ならデコイを2体並べておくと綺麗に処理される確率は下がるが、終盤は三面処理を避けられないこともある。

リーリアの除去には②の退場時4点火力も一応あるが、それほど気にしなくてよい局面も多い。4点と数値が大きいので生半可な対策ではどうせ耐えられないことに加え、撤退ではなく退場なのでコンボしない限り能動的に打たれず、1ターンでの起動には手札もマナもそれなりに要求するため。これに限ったことでもないが、綺麗に除去されないのであれば除去を受けること自体は無理に避けなくてもいい(効率よく除去されるのが辛いだけで、除去自体を全回避するのはそもそも不可能)。

 

カノン

除去は③のドライブ時4点のみ。カノン側でも4点の受け先が必要だが、①が死んで大きくなった本体で受けてもいいし大体どうとでもなる。

4点除去は数値が大きいのでケアしにくいが、カノン③は重ねて引いている必要があることに加え、カノン視点では①が死んだ段階で③を使いたい事情で動き出しが遅いことも多く、余裕があればパワー5以上で構えてもいい。ただしカノン③の4点は攻撃を必要としないために他の軽い除去と組み合わせることが容易で、相方次第では結局一方を取られることも多い。

どちらかというと、カノン対面では除去そのものというよりは除去で空いた道をカノン③の大打点がそのまま走ってきてライフを削られることの方がキツい。よってカノン③に除去されないことよりはブロッカーを残しておくことの方が重要になる。また、そもそも単独で打点が高いカノン③をドライブで消費してくれるならそれはそれで盤面に残る総打点が減って御の字と考えることもできる。

 

シャロン

最序盤から終盤まで②の攻撃時3点火力が脅威となる。未強化ならば全てのアーツを無差別に殺せるという滅茶苦茶な性能を誇る、シャロンの攻防の要。

ただし、こちらの先攻1ターン目に立てたパワー3が後攻1ターン目のシャロン②に落とされるのは決して悪くない展開。何故なら、後攻1ターン目にシャロン②が殴る場合、それだけで2マナを消費するためにGEARLINKによる墓地肥やしを諦めなければならなくなるからだ。シャロンは③を活かすために②の墓地肥やしへの依存度が極めて大きく、せっかく②を引いたにも関わらず墓地を肥やせない損失は見た目以上に大きい。

つまり相手に綺麗に処理されていると見せかけて、実は処理されなければ盤面で有利、処理されればセットアップで有利という両有利な二択である。同じ理由で、中盤以降でも②の3点除去は実質的に3マナ要求と解釈できる(理想ムーブでは召喚+攻撃+GEARLINKで3マナかかるため)。言い換えると、シャロン②が2マナで走ってくる分には最終的に③の出力が上がりにくくなるので許容できるということ。

墓地が15枚以上ある場合に③がドライブしながら撃ってくる確定除去は避けようがないが、これも戦略単位で考えるならば撃たせてもいいシーンも多い。というのも、シャロン視点では貴重なフィニッシャーである③は墓地が20枚以上溜まった段階で1枚9打点として走らせるのが最も勝利に直結しやすい動きであり、別に勝たない状況で除去として交換する展開は後の勝ち筋を減らすことに繋がるからだ。

 

ルシア

ルシアの除去は①の撤退時3点のみ。召喚→撤退→GEARLINKの順に動くことで能動的な3マナ3点追放火力としても機能するが、ルシア側の負担が大きいのでそれほど気にする必要はない(それで除去されるなら御の字なことが多い)。

ただ一応は能動的にも打てる追放除去につき、ルシア対面ではリーリア②などの壁としての信頼度が少し下がることだけ注意。死亡時効果で2回受けられると思っていたらルシア①にズラされて予想外の打点を食らうことが稀によくある。

 

オマケ:マナ構えについて

CROSS GEARではルシア①のように死亡時にマナを支払って効果を発動するカードがいくつかあり、マナと共に立ててターンを返すことで「相手ターンにブロックするか除去を受けて死んでから能力を使う」という動きを狙える。

しかし、この動きを嫌うプレイヤーは多い。マナと共にブロッカーを立てる狙いは相手からも見え透いているため、こちらの狙い通りに効果を使われるくらいなら殴ったり除去を使ったりせずに展開やドローのみでターンを終えてくることも多いからだ。結局、相手に選択権を与えた挙句にこちらのマナだけが使い切れずに余る形になってしまい、マナを余らせるくらいならドローした方が得だったと感じるのも無理はない。

だが、「マナが余ったとしてもそれはそれでいい」という考え方がある。「相手に殴られずに立たせたマナを無駄にした」ではなく、「マナを立たせることで相手に殴らせなかった」と発想を転換するのだ。言い換えると、立たせたマナを使って実質的に攻撃の無力化を打ったものと考えたい。

今まで散々書いてきたように、CROSS GEARは基本的に攻撃側が大幅有利なゲームである。展開してすぐに殴れ、除去にも攻撃が絡む。裏を返せば、1ターン殴られない価値は非常に高いということでもある。よって「殴られない」というリターンにはマナを支払うだけの価値があり、ブロッカーとマナを立ててターンを返して殴られれば死亡時効果が使えて良し、殴られなければそれはそれで攻撃を無力化したので良しという両面有利の展開を作ることができる。

これは守勢時に強い発想であり、特にシャロンやルシアのように長期戦を望むデッキで攻撃されないことの旨味は大きい。ただしもちろん「攻撃を無力化する」という目的で支払うマナは少ないに越したことはなく、シャロン①でリーリア②を蘇生した上で効果を使おうと欲張って3マナ立ててターンを返した挙句に相手が殴らないと流石にマナ差が響いて厳しくなることもある。どれだけのマナを立てるかは都度都度考えたい。