LWのサイゼリヤ

ミラノ風ドリア300円

24/3/27 CROSS GEAR攻略(2/4):戦略解説(除去編)

前回の続きです。

saize-lw.hatenablog.com

  • 第一回:各キャラクター解説
  • 第二回:戦略解説(除去編) ←この記事
  • 第三回:戦略解説(バースト&ダンス編)
  • 第四回:各デッキ解説

になる予定です。当初は全三回予定だったのですが、書くことが多すぎて全四回に増えました。

購入リンク(ノンアフィ)↓

キャラクター画像・カード画像について

この記事で使用しているキャラクター画像・カード画像はDRIVE GAMES様の御厚意で提供して頂いたものであり、転載や再配布を禁止します。

対面対策の基本

どのカードゲームでも勝率を上げていくには対面に応じた切り返しの想定が必須だが、CROSS GEARで特にそれが重要な理由は二つある。

一つ目は、切り返しが異様に強いこと。このゲームは自ターンでの動きが非常に強力なデザインになっており、展開や攻撃や除去の効率が良いために一度ターンを返すと基本的にこちらの場は大きく荒らされて返ってくる。

一応、相手ターンでの介入手段にはブロックや死亡時効果があるが、いずれも最初から相手に筒抜けているため実質的な選択権は相手にある(罠のようにこちらから引っかける要素が特にないということ)。よって相手ターンに判断を温存できないため、自ターンの間に前もって返しを予測した盤面を作っておくことが切り返しへの唯一の対抗手段となる。

二つ目は、引きムラがかなり小さいこと。CROSS GEARではデッキ構築が6種類×5枚=30枚固定であり、他のカードゲームよりもカードの種類が少なく枚数が多いため、相手がある特定のカードを持っている確率は常にかなり高い。更にはゲーム開始前にリーダーを確認した時点で相手のデッキ内容は全てわかっているため、デッキに入っているカード全てを手札に持っている想定で切り返しをケアすることが望ましい。逆に言えば、「あのカードさえなければこの動きでいい」という割り切りが肯定されることは基本的にない。

また関連して、相手の手札の読み方についてもCROSS GEAR特有の事情がある。通常のカードゲームなら相手の手札を読む方法は主に「もう使ったカードは持っていない」か「使うべきシーンで使わなかったカードは持っていない」のいずれかだが、CROSS GEARで前者が機能することは多くない。

これは単純に枚数の問題である。CROSS GEARでは同じカードがデッキに5枚も入っているので、1枚消費したところで後続が切れている保証は全くない。具体的に言い換えると、「相手がもうアリア③を1枚使ったから」という理由でアリア③へのガードを下げることは肯定されない。ゲームスピードの速さに対して「持っているときは持っている」状態の期間が長い。

ただし、ゲームの最終盤や墓地肥やしが絡んで公開領域に見えているカードが多い場合はその限りではない(これは麻雀の感覚に近い)。例えば対面のシャロンが積極的に山札を削っていて、既に墓地にシャロン③が4枚落ちているならば、相手が手札に持っているシャロン③は最大でも1枚となる。よってシャロン③のドライブによる確定除去の線が消え、ブロックを全て突破されても③は1体分=9点しか走れない。こうなると少しガードを下げてターンを返してもリーサルに届く可能性は低くなる。

一方、「使うべきシーンで使わなかったカードは持っていない」というロジックでの読みは依然として肯定される。例えばシャルロット対面でこちらのタップした高パワーのアーツが殺されずにターンが返ってきた場合、相手はシャルロット②を持っていない可能性が高い(持っていれば使っているはずだから)。であれば、次のターンにもとりあえずシャルロット②は持っていない前提でそのままケアせずに殴り続ける判断が可能になる(ただしマナとドローを交換できるシステムの存在もあり、トップで引かれる確率がだいぶ高いことには注意)。この推測を行うためにも、対面が可能な切り返しを把握していることは常に重要になる。

上記を踏まえ、意識すべきポイントは主に除去とバーストの二点がある。それぞれ今回と次回に分けて記載する。

 

除去について

CROSS GEARは除去が強い。どの除去も殴ったりドライブしたりするついでに誘発し、1マナと1枚を支払って行った展開に対して1マナ未満と1枚未満で除去を打てるという除去側有利な構造になっている。よってお互いに切り返し合うのが基本的なゲーム展開だが、逆に言えば切り返されずに盤面を維持できるのであればそのリターンは大きい。

除去の早見表は以下の通り。

除去は性質に応じてざっくり三種類に色分けした。

  • 序盤除去:最序盤から機能するもの。先攻1ターン目から既に警戒必須。
  • 中盤除去:中盤以降から機能するもの。主に2ターン目以降から想定する。
  • 一応除去:警戒する意味が薄いもの。頭の片隅にあればよい。

対面のリーダーを確認した時点でこの表(の一部)を頭に浮かべながらゲームを進めることが望ましい。

また、表には記載していないが合計何マナあればどんな除去が飛んでくるのかは召喚や攻撃のコストも込みで把握しておこう。例えば対面シャルロットの場合、「シャルロット③の格闘除去でパワー3を一方で落とす場合に必要なマナ」は召喚1マナ+ドライブ1マナ+攻撃1マナ+GEALINK1マナで計4マナである。

よって返しに相手が3マナしか使えないならば立っているパワー3が一方で落とされることはないし、4マナ使えるとしてもシャルロット③が格闘除去で動くならば相手は他の行動は何もできないことになる。そもそも飛んでこない除去をケアしても仕方ないし、「これだけマナを使うのであれば他の行動はほとんどできなくなるから許容」として除去をケアしない判断もできる。

 

除去分類

序盤除去

6人中3人が持っている、単独で機能する攻撃除去。最速で後攻1ターン目から機能し始めるため、先攻1ターン目からの想定が必須になる。

これら全てに共通の対策として、いずれもパワー2による攻撃を要求するので、除去対象になるアーツの横にパワー3を立てておくことで自爆を強要できる。例えば対面シャロンの序盤ではパワー3を2体並べておけば、返しでシャロン②が走ってきて1体を落とされたとしても横のパワー3で有利ブロックできるため、除去の被害をかなり抑えられる。

 

中盤除去

長期戦志向のシャロンとルシア以外はそれぞれ主に中盤で機能する太い除去を持っている。

挙動が似通っていた序盤除去に比べると条件や範囲に様々な種類があるが、いずれも落とせる範囲に制約があって万能ではないため、綺麗に除去されないように意識して盤面を作っていくことが大切になる。具体的な対策方法はキャラ対策で詳述する。

 

一応除去

一応除去として機能するとはいえ、条件が厳しかったり大抵は事前に見えていたりするためにそれほど意識しなくてよいもの。余裕があれば頭の片隅に置いておくくらい。

 

キャラ対策

除去を踏まえた序盤から終盤までの攻防のコツをキャラごとに深堀りしていく。

 

アリア

最序盤ではアリア②が召喚と攻撃の計2マナで走ってきて盤面に2点火力を撃つことしかできない。つまりアリア対面の最序盤はパワー3を立てれば返されない。

中盤以降は②の召喚時GEARLINKから3マナ3点が飛んでくるようになるが、それだけならマナ効率はそれほど良くない(相手がまだ3マナしか使えないなら焼かせる選択もアリ)。アリア②は召喚時と攻撃時の火力が両面飛ばせるようになる4マナを超えた段階から本領を発揮し始めるカードで、そうなるとパワー3+パワー2の二面処理からパワー5以下の大型処理まで柔軟にこなせるようになる。

6マナ溜まってからはアリア③が走りながら飛ばす3点オールが脅威(アリア③の召喚1マナ+攻撃1マナ+GEARLINK4マナで計6マナ)。直撃するとこちらの盤面が更地になる+6点食らう+相手の場にはパワー3が残るという最悪の状況になるため、アリア対面では6マナ到達が意識しておくべき一つの指標になる。

ただし、アリア③の3点オールはあまりにも重すぎて他の動きに回せるマナがろくに残らないことが多い。よってこちらの盤面に前もってパワー4やリーリア②などを置いておくことで、3点オールを撃ちながら走ってきたアリア③を相打ちや死亡時効果で打ち取れる場合、逆に相手はダメージを入れられなかった上に更地でターンを返すことになってこちら有利になる。視点を逆にすると、アリア側としては一見すると③の3点オールで薙ぎ払いたい盤面でも②で細かく焼いた方が後の繋がりが良いことは割と多い。

なお除去からは少し脱線するが、アリアは①と③のGEARLINK値が4と非常に大きいため、②の召喚時3点を1度でも撃たせた時点で残りのマナではほぼ①のフルアンタップか③の3点オールのどちらかしか使えなくなると考えていい。これら全てを使うには表マナが2+4+4=10マナ必要だが、このゲームで10マナ溜まることはそもそも多くない上にアリアの相方のGEALINKまで考えるとフルに使えることは稀だからだ。その点でも、アリア側は貴重な表マナを消費して3点オールを放つのはそれなりのコストになる。

補足512:ちなみに①のドライブ除去もかなり限定的な1点火力ではある。ドライブしているアーツに限ってパワーを1減らせるからだ。とはいえパワー1のアーツを落としたりはできないし、アリア側も①を重ねる要求が微妙に高い割に打点も低いので気にすべき状況はあまりない。一応、大きくなったシャルロット③を構えている状況などではドライブするだけで一気にパワーを2落とされたりはする。

 

シャルロット

序盤から終盤まで②のタップキルが最大の脅威。点数を一切問わないので、シャルロット対面ではどんなアーツでも殴った返しに落とされる可能性がある。貴重なアタッカーで迂闊に殴ってチャンプされた挙句にシャルロット②に咎められるという最悪の展開は避けたいところ。対策としては、落とされたくないアーツは殴らずに立てておくか、タップキルは撃たせる前提で一方までは取らせないようにパワー3以上のブロッカーを横に添えるかの二択。

中盤以降は③の格闘除去も機能し始めるが、大抵は手札を揃えてのドライブを要求する上に除去としてはテンポが悪いので無理してケアする必要はそれほどない(他ゲームで言うと、軽い火力除去ではなく重い確定除去を撃たれる感覚に近い)。最低でも召喚+攻撃+GEARLINKで3マナ、ドライブして2打点引き上げるなら更に+1マナ、連続で除去するなら1回につき攻撃+GEARLINKで+2マナという計算になる。こちらが1マナで立てたパワー3の処理に4マナもかけてくれるならそれはそれで構わないことも多い。

 

リーリア

序盤から終盤までリーリア③の布告が脅威。こちらもシャルロット②同様に除去対象のパワーを問わず無警戒ではフィニッシャーさえも落とされるため、専用のケアが必要になる。

補足513:「布告」とは本来「相手自身に相手の場の生物を選んで破壊させる除去」を意味するスラングだが、実質的には「相手の一番弱いクリーチャーを破壊する除去」として機能しがちなことを踏まえて、一番弱いアーツを落とすリーリア③の除去も布告と呼んでいる。厳密には別に布告ではないため紛らわしいのだが、他に適当なカード用語が思い付かなかった。

リーリア③の布告にはドライブが必要だが、自らの墓地ドライブ効果で賄えるためシャルロット③やカノン③と違って手札での揃いを要求しない。しかし実は手札にリーリア③が2枚素引きで重なっていれば後攻1ターン目からでも起動でき、この手順によって最速で打たれる布告は基本的に強い。本来リーリアは後攻1ターン目の除去手段を持たないはずだが、リーリア③が素引きで重なっている場合に限って一転して先攻1ターン目に置かれたアーツを無条件に除去した上でドレインが走れるようになるからだ。ちなみに後攻1ターン目にリーリア③が少なくとも2枚重なっている確率は約18%あり、ほぼ起きないと割り切るには若干高い数値。

布告除去は本命の横にパワーの低いデコイを立てておくことで回避できる。ただし、デコイとチャンプブロッカーで役割が被りがちなことには注意が必要だ。例えば本命の横に適当なパワー1だけ立てた返しにリーリア③が布告を撃ちながら走ってきた場合、確かに布告除去はデコイが受けてくれるが、結局ブロッカーを落とされた挙句にリーリア③の攻撃が本体まで通る美味しくない展開になる。

よって、デコイとはまた別に走るリーリア③を止める手段があることが望ましい。特にシャルロット①は出たときに仕事を終えているのでデコイにしやすい上に撤退時に他のアーツを立たせてリーリア③の本体を止められるほか、ルシア①は撤退際にリーリア③を追放できて相性が良い。

なお「本命+布告避けデコイ」と並べた際に他の除去でデコイを消されたあとにリーリア③の布告が本命に直撃するとかなりキツく、その意味でリーリアの相方が持つ除去手段も強く考慮しておく必要がある。一番安直な対策としては、可能ならデコイを2体並べておくと綺麗に処理される確率は下がるが、終盤は三面処理を避けられないこともある。

リーリアの除去には②の退場時4点火力も一応あるが、それほど気にしなくてよい局面も多い。4点と数値が大きいので生半可な対策ではどうせ耐えられないことに加え、撤退ではなく退場なのでコンボしない限り能動的に打たれず、1ターンでの起動には手札もマナもそれなりに要求するため。これに限ったことでもないが、綺麗に除去されないのであれば除去を受けること自体は無理に避けなくてもいい(効率よく除去されるのが辛いだけで、除去自体を全回避するのはそもそも不可能)。

 

カノン

除去は③のドライブ時4点のみ。カノン側でも4点の受け先が必要だが、①が死んで大きくなった本体で受けてもいいし大体どうとでもなる。

4点除去は数値が大きいのでケアしにくいが、カノン③は重ねて引いている必要があることに加え、カノン視点では①が死んだ段階で③を使いたい事情で動き出しが遅いことも多く、余裕があればパワー5以上で構えてもいい。ただしカノン③の4点は攻撃を必要としないために他の軽い除去と組み合わせることが容易で、相方次第では結局一方を取られることも多い。

どちらかというと、カノン対面では除去そのものというよりは除去で空いた道をカノン③の大打点がそのまま走ってきてライフを削られることの方がキツい。よってカノン③に除去されないことよりはブロッカーを残しておくことの方が重要になる。また、そもそも単独で打点が高いカノン③をドライブで消費してくれるならそれはそれで盤面に残る総打点が減って御の字と考えることもできる。

 

シャロン

最序盤から終盤まで②の攻撃時3点火力が脅威となる。未強化ならば全てのアーツを無差別に殺せるという滅茶苦茶な性能を誇る、シャロンの攻防の要。

ただし、こちらの先攻1ターン目に立てたパワー3が後攻1ターン目のシャロン②に落とされるのは決して悪くない展開。何故なら、後攻1ターン目にシャロン②が殴る場合、それだけで2マナを消費するためにGEARLINKによる墓地肥やしを諦めなければならなくなるからだ。シャロンは③を活かすために②の墓地肥やしへの依存度が極めて大きく、せっかく②を引いたにも関わらず墓地を肥やせない損失は見た目以上に大きい。

つまり相手に綺麗に処理されていると見せかけて、実は処理されなければ盤面で有利、処理されればセットアップで有利という両有利な二択である。同じ理由で、中盤以降でも②の3点除去は実質的に3マナ要求と解釈できる(理想ムーブでは召喚+攻撃+GEARLINKで3マナかかるため)。言い換えると、シャロン②が2マナで走ってくる分には最終的に③の出力が上がりにくくなるので許容できるということ。

墓地が15枚以上ある場合に③がドライブしながら撃ってくる確定除去は避けようがないが、これも戦略単位で考えるならば撃たせてもいいシーンも多い。というのも、シャロン視点では貴重なフィニッシャーである③は墓地が20枚以上溜まった段階で1枚9打点として走らせるのが最も勝利に直結しやすい動きであり、別に勝たない状況で除去として交換する展開は後の勝ち筋を減らすことに繋がるからだ。

 

ルシア

ルシアの除去は①の撤退時3点のみ。召喚→撤退→GEARLINKの順に動くことで能動的な3マナ3点追放火力としても機能するが、ルシア側の負担が大きいのでそれほど気にする必要はない(それで除去されるなら御の字なことが多い)。

ただ一応は能動的にも打てる追放除去につき、ルシア対面ではリーリア②などの壁としての信頼度が少し下がることだけ注意。死亡時効果で2回受けられると思っていたらルシア①にズラされて予想外の打点を食らうことが稀によくある。

 

オマケ:マナ構えについて

CROSS GEARではルシア①のように死亡時にマナを支払って効果を発動するカードがいくつかあり、マナと共に立ててターンを返すことで「相手ターンにブロックするか除去を受けて死んでから能力を使う」という動きを狙える。

しかし、この動きを嫌うプレイヤーは多い。マナと共にブロッカーを立てる狙いは相手からも見え透いているため、こちらの狙い通りに効果を使われるくらいなら殴ったり除去を使ったりせずに展開やドローのみでターンを終えてくることも多いからだ。結局、相手に選択権を与えた挙句にこちらのマナだけが使い切れずに余る形になってしまい、マナを余らせるくらいならドローした方が得だったと感じるのも無理はない。

だが、「マナが余ったとしてもそれはそれでいい」という考え方がある。「相手に殴られずに立たせたマナを無駄にした」ではなく、「マナを立たせることで相手に殴らせなかった」と発想を転換するのだ。言い換えると、立たせたマナを使って実質的に攻撃の無力化を打ったものと考えたい。

今まで散々書いてきたように、CROSS GEARは基本的に攻撃側が大幅有利なゲームである。展開してすぐに殴れ、除去にも攻撃が絡む。裏を返せば、1ターン殴られない価値は非常に高いということでもある。よって「殴られない」というリターンにはマナを支払うだけの価値があり、ブロッカーとマナを立ててターンを返して殴られれば死亡時効果が使えて良し、殴られなければそれはそれで攻撃を無力化したので良しという両面有利の展開を作ることができる。

これは守勢時に強い発想であり、特にシャロンやルシアのように長期戦を望むデッキで攻撃されないことの旨味は大きい。ただしもちろん「攻撃を無力化する」という目的で支払うマナは少ないに越したことはなく、シャロン①でリーリア②を蘇生した上で効果を使おうと欲張って3マナ立ててターンを返した挙句に相手が殴らないと流石にマナ差が響いて厳しくなることもある。どれだけのマナを立てるかは都度都度考えたい。

24/3/26 お題箱回150:カードゲーマーの臭い、試験の運etc

お題箱回150

916.カードゲーマーって本当に臭い人が多いんですか?
またそれはどれくらいの臭さですか?
夏場の同人ショップくらいしか臭いのを体験していないので知りたいです。

カードゲーマー全体かどうかはわかりませんが、少なくともカードショップが臭い傾向くらいはあると思います。

客層自体は一般オタクショップとそう大きく変わらないとしても、カードショップは長く滞在して遊ぶ人が多いことに加え、雑居ビルの上階など狭くて換気も悪い場所に店を構えていることも多い都合で空気が滞留しやすいという環境的な事情もあります。ただあくまでも日常的に訪れうる場所の中では比較的臭いというだけで、夏コミの東西連絡通路のような異常空間に比べれば平均的にそこまで酷いわけでもありません。

また、近頃はポケカの参入とかでカードゲーマー層も変わってきていますし、オタク自体がマイルド化していたり店舗もクリーンになっていたりと昔よりはだいぶマシになっているような印象はあります。僕はもうカードショップで遊ぶのがしんどくなってきて、最近はカードゲームをするときも人の家やレンタルスペースを借りていることの方が多いので、最新の環境についてはそれほど詳しくありません。

 

917.スヌーピーの「配られた手札で勝負するしか無いのさ」ってマジの真実ですよね?

そうですね。どんな粒度でどういう比喩として読むかにもよりますが、普通に考えて配られていない手札は使用できないので真実だと思います(そもそも手札の定義を「勝負に使用できるカード」と考えるならばトートロジーのような気もします)。

 

918.格ゲー、カードゲームの上位層って大体何やらせても上位層に行けそうな気がするんですか、LWさんの経験則からどう思いますか。

仰る通り、概ねゲームの強さと他の領域での優秀さは正の相関があると思います。

現代対戦ゲームってそもそも基本的なレベルが高い上にネットでの情報共有が当たり前なので地道にロジカルにPDCAを回して勝つしかなくて、それができるやつはどこでも勝てます。

ただゲームは楽しくて遊んでいる趣味ではあるので、それと同じ熱量で他のことにも取り組めるとは限りません。特にゲームで強いやつはなまじ自分の強みとか勝ちパターンをはっきり掴んでいるが故に好みは割と激しい印象があります。「この環境は俺は苦手だ」とか「このカードゲーム面白いとは思うけど俺には合わない」みたいなことはむしろエンジョイ勢よりガチ勢の方がはっきり言う人が多い気がしていて、能力はあれど実際にやるかどうかはまた別の問題です。

 

919.努力できるのも才能だと思いますか?
才能と努力の境目はどこだと思いますか?

「努力の一部は才能だが、全てが才能というわけでもない」「才能と努力の境目ははっきり分かれているわけではない」くらいがふつうに常識的な結論だと思いますし、僕もそれを支持します。

特にエビデンスがあるわけでもないですが、半分くらいは不可知な領域や言語運用に足を踏み込んでいる話でもあるので、これ以上掘り下げる必要もあまりないと思います。

 

920.現役で受かった東大生と比較して、東大ギリ落ちの人にはどういう評価をしますか?

まず思うのは「運が悪かった」です。ちゃんと反省するならもっと真面目な話が色々あるにせよ、まず最初に頭に走るのは不運についてです。

これは頭脳系のゲームを本当にガチって上位ランク帯にいる人からは割と同意してもらえるのですが(下位ランク帯の人にはあまり伝わないのですが)、受験や将棋などの一見するとランダム要素のない対戦にも本質的な運要素は明確にあります。例えばたまたま正着を思い付いたとか、たまたま思考順序が正解に近かったとか、たまたま答えにアクセスできるアイデアが浮かんできたとか、そういう偶然が支配する領域が思考の極北に存在しています(ただもちろん共通テストのようなレベルの低い試験なら別に運は絡まないので、東大の二次試験のように誰も満点は取れない程度には難しい試験を想定してください)。

これは比喩ではなく、「ダイスを振って偶数が出るかどうか」と同じ意味での運です。もちろん鍛錬によって運要素を減らしていくことはできますが、それは下ブレの範囲を減じたり平均出力を上げたりできるというだけで、運そのものを追放することはほとんど不可能です。僕は全く同じ状態で全く同じ試験を受けたとしても運によって点数は5%くらいは変動すると考えている派閥で、言い換えると「点数には常に100%実力が反映される」という見方には反対です。

だから受験で「ほぼ確実に受かる層」と「ほぼ確実に落ちる層」の間には「ほぼ賽の目で合否が決まるギャンブルゾーン」があって、合格ラインが300点だとしたら±20点くらいはその領域です。1点差とかで落ちた人は100回受験すれば70回は受かるのにたまたま30を引いた回が本番になってしまったのかもしれず、その不運は勝ち濃厚のオールインをたまたま外した人と全く同じで天からの被弾としか言いようがありません。

 

921.何の分野でも上位に行く為に努力は欠かせません。
ただ「努力と思っている時点で楽しんでるやつには勝てない」という言葉があり、私は割と真実だと思っています。
(楽しんでるやつというのはエンジョイ勢という意味では無く、努力してるやつが努力だと思っている事を日常的にこなすやつという意味です。)
LWさんは東大卒なので、勉強の上位勢と言っていいと思うのですが、その時の勉強は努力と思っていましたか?
また勉強以外の事(カードゲーム、小説など)についても同様のことを聞きたいです。

僕も「努力と思っている時点で楽しんでるやつには勝てない」というのは真実だと思います。

これは一般人も多く参戦している資格試験などでは特によく感じます。「今月の目標:毎日一日一時間は統計の勉強!」とかbioに書いて必死に頑張っている人に、何の気合も入れずに暇潰しで一日六時間くらい数学書を読める人が負けることは有り得ません。

だから頑張って努力する前に努力せずに勝てる領域を探す方がよいことが多いです。学生時代にあんま勉強してなかったけど社会人になっていきなり勉強を始めて上手くいかない人などは、学力そのものの問題ももちろんありますが、自分の勝ちパターンをわかっていないからそこにハマれないという自己理解の問題が相当あるように感じます。

最近はやる勉強を選り好みできるのと加齢の影響でだいたいどの勉強も全部楽しいですが、受験勉強などはそういう意味ではそれほど楽しくはありませんでした。もともとマゾ気質なのと試験で他の人を轢くのは好きなのでその辺で何とかなったという要因の方が大きい気がします。他の人があまり知らないことをプラスアルファで知っていく勉強はモチベーションが湧きますが、義務教育で誰でも知っているべきことを誰でも知っている水準まで持っていくだけの勉強はあまり楽しくありません(マウント理論)。

一方、カードゲームや小説は100%趣味でやっているので全部楽しいと思っています。ただ小説は一度書き始めると「今日1日書けば1日早く完成する」という強迫観念も相まって休みを取らずに書き続ける羽目になることが多く、それもそれで多分あまり良い状態ではないので適度に離れる管理の方もなんとか習得したいと思っているところではあります(数日程度の過集中なら良いが、数ヶ月単位で強迫観念に拘束されると流石に悪い影響が大きい)。

 

922.楽しく記事を拝読しております。
クロスギアやゲートルーラーの記事を読む限り、「桜降る代に決闘を」というボードゲームはかなり好みに合うのではないかと思うのですが、プレイされたことはありますでしょうか。

ありがとうございます。

名前はよく聞くタイトルではあって、たぶん周りの誰かは持っているし別に避けているわけではないけど何となく触れる機会を逃し続けている感じです。機会があったら遊びます。

 

923.世間一般では音楽そのものには大して興味がなく演者や歌詞を目当てに音楽を消費してる人が多いと思うんですけど、なぜ音楽をオミットした何らかの媒体ではなく音楽が消費されるんでしょうか?
音楽そのものには興味がないLWさんが代表して語ってほしいです。

音楽そのものにそこまで興味ないわけではなくて、関心というよりは娯楽の形式とか語彙の問題であるような気がします。

絵画とか音楽とか料理は言葉を経由せずに享受できるタイプの娯楽なので(逆に会話や小説や学問で言葉を経由しないことは難しい)、別に用語とか体系知識を何一つ知らなくても楽しめる懐の広さがある一方で、却って言語化して語るハードルが高いという短所もあります。

僕もある程度は音楽そのものも好きなつもりですが、演者や歌詞に比べて分析的にちゃんと語る語彙を身につけるほどには興味が無いので、外からは語っていないということは興味ないように見える(しかし語るほどではないというだけで興味そのものは一定ある)という状態のように思います。たぶん僕以外の人もだいたい同じだと思います。

 

924.「にはりが」を楽しく読ませていただき、他の作品にも興味が湧いた者です。
小説を発表する場としてアルファポリスを利用している理由が「一番表示がいい」以外にあればお聞きしたいです。
また新人賞などにも応募されていますが、小説の更新を続ける上で設定している具体的な目標などはありますか?

ありがとうございます。楽しく読めるにはりがをよろしくお願いいたします。

www.alphapolis.co.jp

アルファポリスを利用している理由は「イラストを載せられる」ただ一点のみです。利用者が特別に多いわけではないし投稿アプリは微妙な出来だし書籍化作品は面白くないし他にいいところはありませんが、美少女ラノベにはどうしても美少女イラストを付けたい派閥なのでそのためだけに選択しています。

具体的な目標は特にありません。せっかく書いたからどうせなら送るかくらいの感じで、ワナビ的なモチベーションは薄いです。今のところは今後も趣味として続けるつもりですが、それはただ楽しいから続くだろうと思っているだけで、そうしなければならない外的な理由はありません。

 

 

何か買ってもらえると嬉しいです。

www.amazon.jp

24/3/25 お題箱回149:ランダムアクセス、作業への集中etc

お題箱回149

906.他人に嫉妬とかしますか?

しないことは無いと思いますが、パッと思い出せません。本当にやりたいことはだいたい出来るのと、現実にはできないことも潜在的には出来たと思っているからだと思います。

 

907.「ランダムアクセス」がクソワードだという話
当該質問者ではないですが

そういえばそうだなあと思って、それについてネットサーフィンしだしたのですが、回答内に書かれていた「直接アクセス」っていうのはIBMが黎明期に言い出したりしてたみたいです。
ほかにもいろいろと勉強になりました。

例にはあげられてなかったところで、かつ現在も「ランダムアクセス」とほぼ同じような意味で使われている言葉に、映像編集での「ノンリニア」っていうのがあるんですが、それも結局映像業界の方言が強い気がしてきました。
ノンリニアという言葉自体はちょっとところ変われば「非線形」っぽさがメインになってくるように思うので、うーんといったところです。
そもそも「非線形っぽさ」もどれのことだかわからん。

「ノンリニアアクセス」けっこうイケるんじゃないかなと思ったところから始めてみたんですが、結局「ダイレクトアクセス」とか「一発アクセス」のほうがわかりよいような気がしてきたので困ってます。
「一発アクセス」を英語で言ったら「ノンリニアアクセス」になったりしませんかね。


今回の私の主張は以上で終了なので、このような文章は勝手にツイートしとけば済む話だとわかっているのですが、なんとなくLWさんにお届けしたいという気持ちが高まったので送り付けることにしました。

一つ質問するとすれば、このような思考の過程を知人に公開したときに「勝手に一人で異常な連想ゲームを始めるのをやめてください」と言われたことがあり、またツイートか何かで「異常な連想ゲームはある種の障害の特徴」みたいなことを見聞きしたような覚えもあり、なにか世間一般では受け入れられ難いものを持ち合わせているような不安が多少あるので、この文章、ひいてはこの文章を書いて送りつけてくる人間に対する印象をお聞きしたいです。

確かにノンリニアアクセスというワードを用いると勝手に対がリニアアクセスになってしまい、先頭から線形時間で探索していくリニアアクセスに対して、先頭から進むにつれて指数時間的に効率が良くなるノンリニアアクセス(ハードかソフトにそういう挙動が仕込まれている?)みたいな想像を招きそうではあります。あと「一発アクセス」だと衝突のないハッシュのように本当に一発で本命に辿り着くアルゴリズムなどに限られそうなので、やはり「直接アクセス」が妥当な気がします。

この思考の過程を読んだ限りでは異常な連想ゲームであるとは特に感じませんでした。むしろ順序としては極めて妥当なので、たぶん過程が異常なのではなくて、端折って喋った結果として他人からは繋がりが把握できずに異常に聞こえているくらいのことではないでしょうか。

また、一般に長文を他人に送り付けるのはそれ自体怪しい挙動ではありますが(大抵の人にとって長文を読むのはコストなので他人への要求が高い)、僕は数秒で読めるしこのブログではよくあることなので所変われば品変わるという感じで特に異様な印象ではありません。

 

908.「頭脳に秀でたもののない、人並みだった場合の自分の人生」を想像したことはありますか?
もし想像してみると、それはどのようなものですか?

特にありません。知的能力は価値判断まで規定するので、そもそも想像するのがほとんど不可能であるような気がします。

例えば「生まれつき片足がなかった場合の自分の人生」のように身体的に大きな差分のある人生を想像することはある程度は可能です。そちらの人生においても価値判断は温存されていると想定されるため(もっと正確に言えば「温存されない」と想定する理由がないため)、今の自分が持っているそれらを用いて身体的な事態の変容について思いを巡らせれば済むからです。一方、頭脳的に大きな差分がある場合は人生を決定する判断自体が別物となるため、ほぼ別人の人生として想像せざるを得ないように感じます。

だから仮に想像してみても自分と紐づいたものというよりは、高校を出てトラックでも運転して……という聞いた話を再現するくらいのものにしかならないような気がします。

 

909.4年間で筋トレメニューがどう推移したのか気になります。また、2年前のお題箱300のメニューと比べて、扱う負荷はどれくらい増えたのでしょうか。

saize-lw.hatenablog.com

これですね。あまり変わっておらず、基本的に限界の繰り返しを3セットくらいやっているのみです。負荷は多少は増えましたが、その時々で可能な重量でやっているのみであまり意識していませんし、そこまで劇的には変わっていないと思います。

筋トレメニューは時期によってもまちまちで、今は筋トレをしたあとにだいたい有酸素運動もするようにしています(めっちゃ食うかわりにめっちゃ運動もすることを試みている)。例えば胸トレだとダンベルプレスを20kgずつから始めて、少しずつ減らしながらのべ50回くらい上げたあと、30分ほどエアロバイクを漕ぎます。

 

910.「そろそろみんな思想ではなく人生について考えたほうがいい」みたいなツイートが理解できなかったので解説してほしいです。

自分の発言を検索しても出てこなかったのでどのツイートの話なのかわかりませんでした。いま読んだ感覚としては「みんな」は主語が大きすぎるのでそういう言い方はしない気がします(特に学生以下の年齢なら人生ではなく思想について考えた方がいいと思っています)。

言ってない発言なのでフワッと答えますが、主に草の根政治的な他人とのコミュニケーションにあたっては思想ではなく人生の話をした方がいいことが多いくらいのことであれば同意できます。大抵の人は大局的に見て思想として正しいからではなく、局所的に自分の人生において正しいからという理由で行動を選ぶからです。

 

911.lwさんは作業に集中するために何か工夫されてることとかありますか?自分は一回集中が切れたらその日1日二度と集中して作業できないので、長時間作業が苦ではないlwさんすげ〜と思ってます。東大生は大体そんな感じなのでしょうか?

912.作業に集中できない時はありますか?
そのときはどのように対処してますか?
回答よろしくお願いします。

やれる作業を複数まとめてリストアップしておいて、一つの作業で集中が切れたら別の作業に移るのがよいです。

ずっと同じ作業をしていて集中力が切れたと思っても、別の作業に移行することでまた集中力が復活することはよくあります。つまり作業そのものに飽きたのではなく実は作業Aに飽きただけで作業Bをやる集中力はある状態というのがかなりあって、最初から作業Aと作業Bを準備しておくことで対応できます。どの段階でどういうタスクがこなせるのかには個人差もあるので、色々試してみて把握するとよいと思います。

いよいよ集中力が全て切れてきてどの作業も難しくなってきたら、昼寝とか入浴とかジョギングとか作業しない時間を設けて回復する選択肢があります。これも個人差があると思いますが、僕はそういうことをしている最中も中断している作業のことを考えていた方が元の作業に復帰しやすい方です。

また、東大生・東大卒一般について細かいことはわかりませんが、平均よりは遥かに総作業時間を確保しやすい傾向くらいは流石にあると思います(学業でも単純投下時間は普通に重要なので)。ただそれは必ずしも生まれついての才能だけではなくて、自分でどうすればどんな作業を継続できるのかを色々試した末、自分なりのルーティンやトリガーを発見している人の方が多いのではないかと思います(ソースなし)。

 

913.いつもブログ楽しく拝見してます!当方女ですが、ポップコーンのやつ、女がかなり気を遣ってる構図に見え、男側が滑ってるのに気づかず面白いと思って喋り続けてるのがキツいな〜という感じです
〇〇さんと打ち解けてなさを感じさせる呼び方からしてもマチアプで知り合って日が浅いとかそのくらいの距離感を想起させ、おもんなとも言えずノッていけるほど相手を好きでもない感じがかなり生々しいなと思いました。まあまあこのアポの後振られてるだろうなという雰囲気もあり厳しいです。

ありがとうございます。これの話ですね。

仰っていることはよくわかるのですが、僕視点ではやはり会話内容そのものというよりは会話のシチュエーションに違和感があるという話になってしまいます(そしてその肝心のシチュエーションが全部筆者の妄想なので、このページを面白くなくしているのはカップルじゃなくて筆者だし、筆者が一番ヤバくない?という方向に着地してしまう)。

それは単に経験から来る実感の問題ではあります。例えば「デスゲーム会場では面白くない会話」を読んだとき、デスゲームに参加したことがない大抵の人は「それは会話内容自体に問題があるというよりは、デスゲーム会場っていう特異なシチュエーションの方が本質じゃない?」と感じるのと同じで、僕にとっては「マチアプで知り合って間もない男女の間では面白くない会話」もそのように解釈されるというだけです。

 

914.好きな歌詞ありますか?

好きなボカロ曲はだいたい歌詞も好きなので無限にありますが、いまパッと思い出したものだとワルキューレは裏切らないのサビとか好きです(1:02~)。

www.youtube.com

青い空が 澄んだ風が
たとえ星が 裏切っても
私たちだけは 絶対裏切らない 裏切らない

まず「青い空が 澄んだ風が たとえ星が」でJPOPらしくいかにも綺麗なイメージが並んだ無難なサビだなと思って聞いていたら、いきなり「裏切っても」が来てそいつら全部裏切るのかよと愕然とさせておいて、ようやく来る「私たちだけは絶対裏切らない」という本当の主張がその落差で極限まで強調されます。

サビの入りという一番強いところで提示した「空」と「風」と「星」を全部踏み台にしてタイトル回収していく流れに非常にインパクトがあって、別にマクロス見てないけど一度聞いてから忘れられない歌詞になっています。

 

915.失礼を重々承知なのですが、加齢で発言や記事が無難で以前のような尖りがないような感じがします。個人的には昔の方が面白かったと思うのですが、ご自身では自覚はありますか?また、大学時代の自分が今の自分をみたら、どう思いますか?

インテリ大学生の間でよく流通しているような基準では面白くなくなったという自覚はしているし、大学時代の自分が今の自分を見たら面白くなくなったと思うだろうとも思います。

とはいえ、別に面白さを取り戻す気も特に起きないというのが行動基準そのものの変化ではあります。原材料の高騰でやむなく値上げしてしまった商品を当初は元の価格に戻そうとする向きもありましたが、物価の基準自体が変わったという認識が共有されてからは古い価格はリアルな参考点ではなくセピア色の思い出でしかなくなったのと同じです。

基準そのものが変わったことによってかつて「こうはなるまい」と思っていたような存在に漸近していくような事態を僕は「初代レイス王の不戦の誓いみたいなやつ」とよく表現しますが、これは伝わっているかどうか微妙なところです。

 

 

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24/3/22 お題箱回148:運命の巻戻士、中途面接etc

お題箱回148

898.すごくお大箱の回答頻度が高く助かってます!
就職前のバーゲンセールでしょうか?
なので自分もこの先質問したいです

常々学習における最も重要なスキルはメタ認知なのではないかと思ってます
自分の進捗状況と目標とのギャップをチェックできる能力が必須なのでは!
以前の回答でlwさんは予定表を事後的に書かれているとのことでしたが、そもそもADHD気質があり自分が何の作業をしていたのか思い出せない、この時間はこれをしていたという記録そのものが難しいし億劫な性格を私はしています
どうしたら継続的に自分の行動を記録できるようになりますか?

そうですね。まだ就職先は決まってはいませんが内定がいくつか出たりしているので、就職前に一定答えきってしまおうと思ってお題箱を清算しています。処理スピードに比例して質問スピードも上がっておりテトリスの終盤みたいな状態になっていますが、それはそれで良いです。

学習におけるもっとも重要なスキルはメタ認知だろうということには同意します。いま自分が何をどこまでわかっていて今から何をすればわからないことがわかるようになるのかわかっているのが理想的な状態です。僕にそれが身に付いてきたのは大学院に入ってからくらいのような気もしていて、やり方には個人差も大きいので意外と難しい話ではあります。

予定表が面倒な話については対症療法はいくつか思い付くものの、結局どれも何かをやる話なので難しい気はします。僕はやるべきことができないタイプのADHD特性は持っていないのであまり実感が湧かず、本気でどうにかしたければ医療の助けを借りるのが無難だとは思います。

 

899.最近更新頻度高くて嬉しいです!書き溜めしてたのでしょうか。

いえ、書き溜め等は特にしていません。毎日更新していたりするのは、単に記事を一つ書くのにかかる時間が一日未満だからというだけです。

 

900.オタクの自虐ツイとかスポーツ嫌悪ツイとかに段々辟易するようになってきたんですけどそういうの無いですか。

昔は若干ありましたが今はもうありません。そもそもそういうツイートを全く観測しなくなったからです。たぶんそういうのは大学生くらいまでしか言わない一過性のもので、もう数年も経てば加齢の影響で誰も言わなくなっていると思います。

ただ周囲を辟易させるツイート自体は世代を跨いでも消えないという説もあり、例えば昼行燈気取りツイなどが代わりにその枠に入ってくる気もします。「いつもおちゃらけているが仕事や研究で詳しい分野では凄い人」「飄々とした口調で誰よりも本質を突く人」みたいなキャラを狙って作りたがるやつが自虐ツイとかのジジイバージョンです。

 

901.運命の巻戻士の面白さとは

今週頭くらいまで無料公開されていたので最新話まで全話読みました。全話無料はもう終わっていますが、一話を読むだけでも「こういう感じの作品か」とわかるので貼っておきます。

www.corocoro.jp

最先端のループものとしてかなり面白かったですが、「面白さはどこか」と聞かれれば正直なところリゼロのように全く新しい乗り越えやアンサーを提示しているとはあまり思わなくて、要点をしっかり抑えながら色々な工夫をしたシンプルに質が高い作品という印象です。全体的に「ループものがループしているだけで面白い時代はもう終わっている」という前提で設定や展開がアップデートされていると思います。

例えば、まずループそのものを専門家によってシステマチックに遂行される職業行為としてパッケージングしている基本設定が秀逸です。もう作品全体でループを描いたところで全然新しくないので、いわゆる普通のループ作品がやるループの一塊を一話完結で展開できるくらいのサイズにまとめてしまって、それにプラスアルファでループの背後にあるドラマを描く構造になっています。『レビュースタァライト』や『東京卍リベンジャーズ』などもそうでしたが、もうループだけで作品を一個作れる時代ではないため、むしろループをガジェットとして有効活用していく一歩先の作り方が必要です。

それを踏まえて、最初に与えられたミッションに対してループによる解決を目指す中で更なる障害やクリア要件が次々に更新されていく畳みかけの展開が上手くできています。(最初期の導入的な単発回を除けば)本格的に話が展開し始める中盤以降はどのミッションでもただループで最適解を見つける話では済まなくなっていて、「予想外の敵の出現」「仲間の裏切り」といった新しい問題に対してループや開眼によるアドリブでの対処が求められます。繰り返しになりますが、これもやはりただ一つの目標を一生懸命クリアするだけのプリミティブなループ構造ではもう古いからで、代わりに新たな真実をどんどん発覚させてループの目的そのものを滑らかに上書きしていくことで最初から最後まで飽きさせないエキサイティングな展開に仕上がっています。

あとコロコロという掲載誌特有の事情として、欄外に子供たちの応援の声が掲載されているのはかなりいいなと思いました。

僕はループものをある程度通ってきてしまっているので「根本的に新しいわけではない」という感想になってしまいますが、まだループものを見たことがない子供は巻戻士で初めてループを知るわけで、コロコロがそういう入り口を提供するというのはなんか健全で良いことだなと思います。最近コロコロがウマ娘とかNIKKEを取り込んでオタク化してきているという説もありますが、オタクと一般の垣根がとうの昔に曖昧になった時代ではコロコロはそういうポジションを担っていくのかもしれません。

 

902.創作をしているのですが、ストーリーで行き詰ってしまいます。どのようにストーリーを考えておられますか?

作家でもないのに答えるのも気が引けますが、本当に書きたいことから逆算でストーリーを書けばいいと思います。なんか僕が今日起きてスーパー行って芋買って帰っただけの話が別に面白くないのと同じで、ストーリーの存在そのものは特に面白くなくて、もっと別のことを達成するための手段に過ぎないように感じます。

だから結局絶対書きたいシーンとかキャラの動きは何なのかをまずクリアにしてからそれを達成するストーリーを逆算した方がよくて、最初から「ストーリーを考えよう」みたいな気概でいると「まあ読んで理解できるけど別に面白くはない」みたいなものが出力されそうな懸念があります。その上で何を目標に見定めるかは趣味の問題で、例えば僕はエンタメ志向なので一番面白いであろうシーンとかを目指してストーリーを作っていくことになります。

 

903.劇場版レヴュースタァライトの感想で初週に見に行って号泣したと書いてありましたが、創作物(そうでなくてもいい)で泣く事はよくあるんですか?
LWさんは淡々とコンテンツを享受しているイメージだったので少し意外でした。

それはオタクの盛りですね。実際には泣いていませんし、泣くことも有り得ないとまでは言いませんが極めて稀だと思います。

別にそこまで淡々とはしておらず内面的には普通に興奮したり感動したりしていますが、外向きに出すことはあまりないという派閥です。

 

904.いつも楽しくブログを拝読しています。

相談、というよりも質問です。現在転職を検討しています。転職活動というのは、自分がどのように応募企業に貢献できるか、企業にとってコストに見合う活躍を見込めるか、といったことをアピールするゲームと理解していますが、各企業によってどういった人材を求めているか、応募者の能力をどうやって測るかというのは少しずつ違ってくると思います。こういった会社ごとの対策に対するLWさんの思考をお聞きしたいです。

ありがとうございます。謎に転職の相談が来ているので一応答えますが、別に人事ではないし無職なので差っ引いて読んでください。

それで早速前提を覆すことになりますが、新卒ならともかく中途では個別対策は僕はそこまで重要ではない気がします。確かに会社によって求める能力に差分はあれど、そうは言っても大雑把な職種が同じであれば必要な能力がそこまで根底から異なることもないはずで、一般に必要な能力とその理由は社会人にとってはある程度までは共有認識のはずです。

例えばよく言われる「仲間と協働できる」というのが「忙しい人がいたら手伝う」とかいう文化祭みたいな話じゃなくて、「全体目標の達成効率を最大にするために個々のタスク割とその意義を把握して全体最適を目指して連携して動ける」ということを指すのは一度働けば誰でもわかりますよね。そしてそれは程度の大小こそあれど、人が集まる組織である時点で常に求められる能力ではあります。

まだ働いたことがない新卒はそういう基本的な仕事の考え方とその理由がわからないので個別対策みたいな形でかなり具体的に詰めて準備しなければ戦えないのですが、逆にしばらく社会に出て働いたあとの中途であればもう色々わかっているのでそこで神経質にならなくても大丈夫だと思います。

それよりもっと大事なのは自分の様々な職歴がどういう一般的な業務上の長所を示すものかを整理しておくことです。そうやって揃えた手札のうちでどれを切る確率が高そうかということだけ確認すればよくて、それは事前にホームページや求人ページを見るなり、可能ならカジュアル面談を打診するなり、一次面接などの初期段階で逆質問で聞いておくなり、それでも不安ならエージェントを利用するなりで十分だと思います(よほど採用活動が下手な会社でなければ求めている人物像は求人ページにはっきり書いてあると思います)。

あと必ずしも個別対策みたいな形で事前に準備しておかなくても、その会社が重視していることを知るのは面接が始まったあとからでも間に合うケースが多いです。例えば「前職で困難な状況の中で他人と協調して問題を解決した経験はありますか?」と聞かれれば「この会社は困難な状況下での協調による解決能力を重視していてそれを面接で確認したいんだな」ということがわかるので、その時点でそういう経験を頭からサルベージして答えればよくて、そういう意味で手札さえ事前に揃えていれば現場対応が可能です。むしろ面接はその場で聞かれたことに正しく答えることが最も重要なので、変に「この会社は一人でもやり抜く力を重視しているはずだ」みたいな情報を事前に仕入れた挙句に関係ない質問にも歪んだ答えを返す方が怖いです。

もちろん「あなたの長所は何ですか?」みたいな答えの選択肢が多いオープンな質問が来ることもあるので、その段階になって初めてHPとかに書いてあった「求めている人物像」などを思い出してそれに寄せて答えてもいいですし、あと面接って別に一問一答のクイズ大会ではなくて会話が可能なので、コミュニケーションしながら回答をクリアにしていく方法もあります。

具体的に言うと、抽象度が高い質問が来たら「色々な答え方がある質問だと思いますので、とりあえずは前職でも大切にしていた〇〇の観点からお話ししようと思いますが~」みたいに話し始めて、軽く喋ったあたりで「一旦〇〇の観点から話しましたが、もっと別の角度や粒度ということがあれば改めて補足いたします」と締めればいいです。つまり(全く的外れなことを言っていない限りは)多少ズレていても面接官からのレスポンスで軌道修正できるようなコミュニケーションを取ればよくて、そうやってその場でアジャストしていく手もあるということです。それでも万が一なんかもう絶望的に想定外のことを聞かれて何を答えればいいのか糸口も掴めないみたいな場合は普通にマッチしていないのでそこへの就職は諦めればいい気がします。

 

905.LWさんは一人暮らしはしないのですか?

現状で予定は特にありません。実家暮らしで「一人暮らししたいなあ」と思うことが全くないのと、親サイドも「早く独立してくれ」みたいなことを一言も言わないので、お互いに特に一人暮らしをするインセンティブがないという状況です。

 

 

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24/3/21 CROSS GEAR攻略(1/4):各キャラクター解説

前回の続きです。

saize-lw.hatenablog.com

前回は未プレイヤー向けの紹介記事でしたが、今回以降は完全にルールがわかっているプレイヤー向けです。第一回(この記事)が各キャラクター解説、第二回が戦略解説、第三回が各デッキ解説になる予定です。思ったより書きたいこと多くて三分割になってしまった。

購入リンク(ノンアフィ)↓

キャラクター画像・カード画像について

この記事で使用しているキャラクター画像・カード画像はDRIVE GAMES様の御厚意で提供して頂いたものであり、転載や再配布を禁止します。

各キャラクター

各キャラクターの基本的な強みと弱み、攻めと守りでの動き方について書いていく。

その前にまず攻めと守りの概念について説明する。このゲームでは攻めと守りが概ねトレードオフになっており、中盤のプレイ選択はだいたいこの二択に帰着されてくる。序盤からのライフレースを差し切る方針ならガードを下げて相手ライフを削りに行くし(攻め)、逆にライフレースに参加せずに終盤のコンボやバーストで勝つ方針であればガードを上げてライフを守ることになる(守り)。

この二択は主にはどのキャラを組み合わせるかで決まってくる。例えば同じリーリア絡みのデッキでも、アリア×リーリアであれば本体火力を組み合わせて短期決戦で削り切るデッキになる一方、リーリア×シャロンであれば墓地が溜まり切るまで回復や濾過を優先して防御寄りに動く方針が肯定される。

攻めるべきか守るべきかはペア選択以外にも相手の動きや配牌に応じて可変だが、いずれにせよ大抵のカードやキャラやデッキはどちらにも動けるようになっている。今のところ、この攻めと守りのギアチェンジを極めるのがCROSS GEARというゲームの本質のような気がしている(タイトル回収)。

 

アリア

常軌を逸した本体火力を誇るバースト美少女。

どのカードもダメージ効率が凄まじく、③が走れば2マナ6点、②が走っても4マナ7点、ここに①が絡めばフルアンタップから更に押し込める。対面がアリアの場合はバーストを警戒してブロッカーを立てたいところだが、②の分割3点+2点が細かく盤面を焼いてきたり③の3点オールが飛んできたりと生半可なブロックはすぐ突破されてしまう。

反面、マナの使い方が大味で小回りが利かないことが弱点。特にマナが少ない最序盤では②の攻撃時2点くらいしか盤面に触る手段がなく、③の全体火力が使えるのは6マナ以降、①のフルアンタップがまともに機能するのはだいたい8マナ以降とかなり遅い。

更には①と③のGEARLINK値が4と非常に大きく、それぞれを1回ずつ使っただけでも使える表マナはほとんど残らなくなってしまうため、ゲームの詰め方まで見据えた表マナの管理が要求される。例えば③の3点オールで相手の盤面を更地に出来る状況でも、よくよく考えると表マナを温存しつつ展開を優先した方が後への繋がりが良い場合も多い。

攻めに回る場合は序盤から積極的に本体を削っていきたいところ。余裕があれば②の火力を本体に撃ち、盤面が空いたら③のアタックをねじ込み、最後には①のアンタップからの多段攻撃を通す。特にリーリアやカノンと組んだ場合には追加のバースト手段が充実するため、序盤からガードを下げて削りに回る動きが肯定されやすい。

一方で、実は中盤以降なら盤面処理性能もそれなりにあるため、しばらく守りに回って捌いてから終盤に潤沢になったマナを使って爆発する動きも可能。この場合はパーツを集めながらブロックに回れる①のルーティングが地味に嬉しいものとなり、②で処理できるところは処理しつつ、だいたい6マナ以上までマナが伸びてから盤面処理と本体火力で押し切っていく展開になる。

 

シャルロット

色々器用にこなせるグッドスタッフ美少女。

①サーチ、②除去、③打点と必要な動きを手広くこなせるユーティリティパーツが並ぶ。序盤から終盤まで手堅い動きができるためにどの相方とも組みやすく、コンボ寄りの相方に対応してパーツを探したり、後半でギアが上がるまで時間を稼いだりサポート役としても万能。

反面、相手を崩していく手段には乏しく、こちらから圧力をかけにくいことが弱点。②のタップキルはプレイでのケアが容易だし、③の強制格闘もとりあえずで小粒を踏むのは得意だが大型を相手にすると手札とマナの要求が高めになる。複数回ドライブしないと本領を発揮しないために同名カードを集める手間がかかり、本体にダメージが蓄積する都合で複数突破にも上限があったりとやや癖が強い(例えばアリア②の3+2点火力がパワー3とパワー2を同時に焼けるのに比べて、シャルロット③を1回ドライブしてパワー3とパワー2を踏む場合は累積ダメージで相打ちになってしまう)。

よって、攻めに回りたい場合でもシャルロット自体はサポート寄りのパーツとして動くことが多い。①のアンタップを連続攻撃に使ったり、②のタップキルで差し返してライフレースを有利に運んだり、③で盤面を空けながら打点を通したりしつつ相方のライフ削り性能を最大限に活かせると嬉しい。

しかし本領を発揮するのはやはり守勢時。①のアンタップ能力は構えた状態でターンを回せばチャンプブロックしながら攻撃済みの味方に疑似警戒を与えて防御に回すことができるし、②のライフ回復は中盤を生き延びる要になる。③は2回ほどドライブして適当に除去したあとにそのまま立てておけば、点数除去しか突破手段を持たない相手を抑え込める。そうやって時間を稼ぎながら①でコンボパーツを集めて終盤のフルコンボに繋げていく試合運びが理想的。

 

リーリア

自傷しながら相手も削るスーサイド美少女。

まず何よりも莫大な自傷と引き換えにドロー・除去・クロック・回復の全てをこなす③の性能が突出している。③が走るたびにお互いのライフ水準を同時に押し下げるのが基本的な攻撃展開で、リーリアを象徴する「1ターン目蠱惑ダッシュ」が通ると実質的に初期ライフ17からゲームがスタートする。

①②は大筋ではコンボしながら③をサポートするカードではあるが、単独で使ってもかなり優秀。①の回復は1マナ4点回復として使い捨てても最高クラスの回復効率を誇り、②はそのまま立てておいても除去を受けながら敵を道連れにしたり、ブロックと4点火力を合わせてアタックを2回捌けたりする高機能なブロッカーになる。更にはそれぞれが他キャラクターのサポートとしても優れ、①の自壊によって他キャラの死亡時能力を能動的に使ったり、②でコンボパーツ探しを引き受けることもできる。

動きの幅が広い割には出力も高い反面、②と③がいちいち大量のライフを要求するピーキーさが最大の弱み。ライフが凹み始めた途端にできる動きが少なくなってしまい、ライフレースを先行されると①を引き込んで回復しない限りほとんど動けない詰み状態に陥ってしまうことも珍しくない。特に唯一の継続回復手段である③が上手く戦闘できずに抑え込まれる展開が続くと辛い。

基本的には攻めの方が得意ではあり、素直に①②でサポートしながら③の強さを押し付け続ければよい。①で回収した③を出し直すたびにお互いのライフが削れるが、ついでのように除去とドローを打てる分だけこちらのアドバンテージとボードが先行して圧し潰していく流れが理想。

しかし短期決戦兵器に見えて実は守りもそれなりにこなせるのがリーリアの偉いところ。①の4点ゲインモードがとにかく優秀で、全て回復に使えば実質初期ライフ40点という凄まじいライフ水準でロングレンジのゲームにも対応できる(逆に①を③回収モードで使ってしまうと短期決戦が不可避になるのでなるべく避けたい)。②や③もライフを減らしすぎない範囲で盤面処理に使っていくことで終盤まで生存できるが、リーリア自身は終盤の勝ち手段に乏しいため、その役割はシャロンやルシアのような相方がこなす分担が望ましい。

 

カノン

盤面での打点形成に長けるパワー美少女。

グッドスタッフな動きを得意とするところはシャルロットにも似ているが、若干動きが大振りでコンボ要素が強めな代わりに盤面性能を上げたような差分になっている。動き出しを手堅く固めるというよりはフィニッシュまでを大胆にサポートするイメージで、どのカードも単独での使い道が多いのでそれぞれ詳説する。

①について。ロード能力は地味に見えてコストも不要で非常に便利。特にパワー3の横に置くことで気軽にパワー4を製造する使い方が優秀で、それだけで相手は除去かドライブを切らなければ突破できない打点を用意できる。そのように並べて構えた場合はカノン①から除去されることも多いが、それはそれで避雷針として機能している。つまり、相手視点ではカノン①に除去を打たされた分だけ他への対処が後手に回っている。幸いにもCROSS GEARには(他のゲームにはよくある)「効率の良い1点火力」の裏目が存在していないため、きっちりカード1枚分の除去をカノン①で受けられる旨味は意外と大きい。

攻撃時のGEARLINKは決して弱くはないが、やや取り回しが難しい。除去が絡まない2打点での単独アタックはそもそも通らないことも多いし、盤面にカノン①が2体並んでお互いに強化し合ってもパワー2止まりなのでそれほど大きな圧力にはならず、中盤以降は盤面を埋めるデメリットの方が響くこともあり、暇なときに使えるなら使っておくくらいの立ち位置。ちなみに重ね引いた場合はとりあえずドライブしておくと効率よく墓地に送れるため③への布石として見通しが良くなることが多い。

②について。ゲーム内唯一のマナ加速はギアがアンタップで供給されるため差し引きで1マナとなり、全ての行動が1マナであるこのゲームではランプした先のマナも確実に使えるのが非常に便利。アンブロ付与と打点向上は最後の押し込みとして強力そうに見えて、実はマナ効率自体は大して良くないことに注意。カノン②の本体を含めて強化には3マナを要求するが、このゲームでは元々2マナもあればどの③でも走れるため、総打点は別に増えていないことが多い。中盤に攻撃トリガーの能力を安全に使えるようにしたり、アンブロ付与するならカノン③のような大型を走らせるなどのプチシナジーがあることが望ましい。

③について。明確に強いカノンの終着点であり、死んだ①を糧にして7点近い打点を簡単に形成するだけでなく、ドライブ能力が見た目よりもかなり強い。4点という素でドライブ済のアーツを射程に入れた高火力に加え、発動に攻撃が必要ないために他の除去と組み合わせればパワー5以上の敵アーツも一方で落としやすく、盤面を空けたあとに高打点を本体まで走らせる動きの再現性が高い。デメリットとして設定されている自軍への4点も自身を対象にして無料で打てることも多いし、相方の死亡時効果を能動的に使うサポートとしても機能する。ただしなまじパワーが高いだけに、並べる場合に比べてドライブする場合の総打点が大抵かなり落ちてしまうため、脳死で重ねずに横に広げる選択肢は常に検討した方がいい。

理想的に動けば序盤から終盤まで強力な盤面を作れる反面、逆に言えば盤面を作るだけで直接勝たない割には嚙み合わせの要求値が高い器用貧乏という見方もできる。つまりカノンを最大限活かすためには序盤から①を積極的に動かしてから③を重ね引くというセットアップが必要になるが、シャロンやルシアならセットアップを終えればもう自動的に勝っているはずという比較になってしまうと分が悪い。

攻めに回る場合は①のロード能力を盾にしながら盤面を構築し、大型かつ除去持ちの③で圧力をかけた上で②で押し込むのが理想ムーブになる。先述の通り、②のフィニッシュ能力もマナに対する打点の増加効率自体はそこまで良いわけではないことに注意。例えばパワー3のアタックにアンブロを付けたところで5マナも支払って3点を通しているだけで火力としてはむしろ安い。よってフィニッシュの真価を発揮するためには序盤からライフをなるべく削っておいたり、アリアのようなアンブロ付与の価値が高い相方と組んだりする一工夫が欲しいところ。

守りに回る場合も攻撃がやや消極的になるくらいで大枠の動きはそう変わらないが、②のランプ能力が持つ有用性は特筆に値する。このゲームにおいて守りに回る目的は結局はマナの蓄積であることが多く、マナを増やすことで防衛ターン自体を0.5ターン短縮できるからだ(特に爆発のために大量のマナを要求するルシアやアリアで顕著)。また、守る状況では③はドライブするよりも横に広げた方がいいことが多くなる。相手場を突破する需要が低く、それより巨大な防壁を構えて相手を抑え込む方が有効なため。

 

シャロン

墓地を肥やして超必殺技を放つドレッジ美少女。白髪赤目で胸がでかいので一番好きです。

動きがわかりやすくデザインされており、②で墓地肥やし、①でリアニメイト、③でフィニッシュ。②の繋ぎ性能が極めて高く、大量に墓地を肥やしつつ3点火力で盤面を整理して③が出るまでの花道を敷ける。墓地が15枚以上溜まり始めたあたりから③がまともに戦えるようになってきて、20枚以上になるといよいよフィニッシャーとして速やかにゲームを終わらせてくれる。

墓地さえ肥えればゲーム最強のフィニッシャーで蹂躙できる代わり、引きへの依存度が高いところが弱点となる。墓地のセットアップと盤面維持を一手に引き受ける②の重要度があまりにも高すぎるため、②を中盤までに複数引き込めないと手が進まずに一気に苦しくなってくる。また、フィニッシャーの③は墓地が肥えるまではバニラである割にはセットアップが終わる頃には手札に複数抱えておきたいという難しさもある。

全キャラの中でも積極的に攻める動機が最も薄いキャラ。③をまともに使うためにはどうしても墓地を肥やす手間が必要だが、③が動き出せばどうせ勝つのでそちらにオールインした方が合理的だからだ。しかし高速でもライフを削れる相方と組んでおり、かつ、ゲーム展開がスピーディーで決着が速そうな場合など、展開次第ではドレッジ達成を保留して差し切りを狙う選択肢もある(攻めきれなかった場合の保険としてドレッジ戦略を使うということ)。その際には①の1点砲が地味に効いてきて、放置していると5点以上は削ってくるが、除去すると蘇生されるという両面有利の二択に相手を追い込むのが理想。

とはいえ、やはり守りに回ってロングゲームを制するのが真骨頂。25枚以上溜めての特殊勝利は最後の手段であり、20枚をとりあえずの達成ラインとすることが多い(パワー9が2体も走ればそれで概ね勝つため)。墓地肥やしやパーツ集めを相方にも手伝ってもらって最速で進めるにあたり、素直にドレッジ効果を使う以外にもドライブしたキャラクターを撤退させたりオーバードローしてターン終了時の手札調整で墓地を肥やしたりする手も覚えておきたい。

 

ルシア

ビッグターンで踊り出すダンス美少女。

一人だけ別のゲームをやっているキャラで、キーカードが③ではなく②であるあたりも異質。試合のどこかで一度だけ②にドライブしまくるチェインコンボを走ることができ、マナを無視して超展開した上で相手のライフを消し飛ばすか最強の盤面を作って返すビッグターンが発生する(通称:ダンス)。序盤は①を立てて凌ぎながら積極的にドローして手札とマナを限界まで溜め込み、ラストターンに踊り始めるのが基本的なプレイ方針になる。

ダンスには必ず途中のドローが絡む上に一度踊り始めたらもう止まれず(ターンを返したら②が除去されて勝ち手段が無くなるため)、最後までアドリブで踊り続ける必要がある。故にプレイが難解なため、ダンスの細かい手順や目的は別の記事で詳述する。要点だけ先に言っておけば、②がほぼマナ消費無しでオーバードライブ込みの5+6=11打点を出すのが一つのゴールとなり、あとは余ったマナで除去やドローや横のアタックを行う展開になる。

②と③がコンボパーツにつき無駄遣い出来ない都合で(③は相方のドライブ能力補助などに何枚か使ってもいいが②は道中で一枚も消費できない)、基本的には①と相方でダンスまでの時間を稼ぐことになる。

①の死亡時効果は【撤退】表記なのでマナを払って能動的に使うこともできるし、相方の何かで自壊させても良し、1マナ構えて立ててブロッカーにしても良しと見た目よりも遥かに融通が効く。相手の盤面が混んでいれば3点追放火力を打っても良いが、相方が代わりに盤面を処理できるケースなどではハンデスがとにかく強い。

このゲームではマナを捻ればカードを引けるのでアドバンテージ的には実質ランデスでもあるが、2マナ拘束できるのは遅延としては十分。更に濾過やドローを用いて同名カードなどを揃えてシナジーを組むことが多いため、ランダムハンデスは額面以上に活躍する。例えば2枚重なっているシャルロットやカノンの③を1枚落とせば出力はぐんと落ちるし、相手がシャロンやルシアのようにキーカードを溜め込むデッキの場合は勝ち手段自体を大きく削れる。

シャロン同様に基本的には守りのキャラクターではあるが、攻めで動くパターンも一応はある。つまり②でフルに踊ることを諦めて一時的なマナバックアップとして使う選択肢がある。②は1回ドライブすれば差し引きマナが1枚返ってくるので3枚ほど重なった時点で使うだけでも一時的なマナ回復としては十分(そしてそのままパワー4くらいで場に残れる)。アリアなど表マナ消費が激しい相方の場合はマナを表に戻せるところもかなり嬉しい。

何にせよ群を抜いて難しいキャラクターであり、まだ研究を進めている最中ではある。

 

オマケ:【撤退】と【退場】の違いについて

オマケとして周りでけっこう勘違いされていたポイントについて共有する。

CROSS GEARにはざっくり死亡時効果を持っているカードが多いが、よく見ると実は【退場】と【撤退】が使い分けられており、ゲーム上の挙動も異なる。

【退場】と【撤退】の使い分け

【退場】と【撤退】について、ルールブックでは以下のように定義されている。

【退場】…このアーツにパワー以上のダメージが蓄積された時やアーツの効果により、そのカードが場から捨札に置かれること。

【撤退】…このアーツが場から捨札に置かれた時。

 

(9ページ目から引用)

つまり【退場】は戦闘や効果で場から捨札に置かれたときにのみ発動できるが、【撤退】は場から捨札に置かれたときならいつでも発動できる。要するに1マナ払って自分の場にあるカードを捨てるとき、【撤退】は発動できるが【退場】は発動できない。つまり【撤退】表記の能力は能動的に使えるが、【退場】表記の能力は能動的には使えない。

ラフに言えば、【撤退】は【退場】よりちょっと強いということだ。プレイ上でこの差はだいぶ響いてくる。リーリア②は自ら捨札にしても【退場】効果を使えないため、単独で4点火力を飛ばすことができないが、シャルロット①は自ら捨札にして【撤退】効果を使えるので、単独で連続攻撃に使用できる。

 

 

次回はこちら↓

saize-lw.hatenablog.com

24/3/20 お題箱回147:コンテンツの選び方、ネットでの応答etc

お題箱回147

892.ちょうど今本当にどうしようもない側の人間なんじゃないかと思ってる者です。LWさんが社会に出たら意外とそうでもなかったということを聞いて元気が出ました。もちろん、私が本当にどうしようもない可能性はありますが感謝を伝えたくてお題箱に投稿しました。
話は変わりますがLWさんの今一押しの萌えキャラは居ますか?
私個人はスタレのホタルちゃんが熱いと思っています。

良かったですね。就職してからもどうしようもない人はリアルに居場所がないのでネットでその話をし続けますが、就職したら意外と大丈夫だった人はその話をわざわざあまりしないので出回っている情報が偏重しています(負の生存バイアス)。しばらく働いてみてダメそうだったら転職したり色々試してみればよいと思います。

一押しの萌えキャラは常に数十人以上いますが、ずっと熱いのはアークナイツのマドロック、スタレだと銀狼とか鏡流が好きです。ホタルやなのかは星とのカップリングに限って好きです。

 

893.摂取するコンテンツ(本、映画、マンガ、アニメ、ゲーム)をどのように探し、選んでいますか?現状は好みが同じ人間を探し、タイムライン監視とブログ巡回を行っていますが、供給が全然足りないです。アドバイスを頂けませんか。

特に事情がないときはランダムです。単に流行っている作品を見たり、「アベンジャーズ全部見る」とか言ってリストを作って走っていたりしていることもありますが、そういう特別な事情がない場合は流れに任せて適当に摂取しているということです。

例えばこの前『亜人』を読んだのはたまたま近くのGEOまで散歩したらレンタルコーナーに全巻揃っていたからですし、書籍も本屋なりブックオフなり図書館なりをブラブラして目に付いたものを手に取ったり、映画もアマプラの一覧画面を適当にサーフィンして目に入ったサムネをタップしたりします。アニメとゲームだけは一度手を付けたら拘束時間が長いのでもう少し真面目に吟味しますが、そう大きくは変わりません。

どんなにショボい作品でも見ていないよりは見ていた方が絶対によく、「次やることがない」と停滞している時間があったらランダムに手を伸ばしてたまたまタッチしたものを摂取した方がいいと考える派閥です。何の期待もせずに読み始めた漫画が面白すぎて人生に残るという出会いは意外とよくありますし(『亜人』もそうです)、逆にクソみたいな作品をいくつ引いてもそれはそれで学びなので出会いの価値は減殺されません。大抵のコンテンツは摂取し得です。

補足508:個人的には好みが同じ人が好む同じようなコンテンツに絞って摂取していると感性が先細りするのであまり良くない気がしますが、Z世代にありがちなコスパドリブンなら安牌だけ拾っていく方が効率は良いのでスタンス次第ではあります。

コツとしては、ネットで探すと情報が偏りがちだし一度に目に入るリストも小さいので、物理空間でコンテンツが並んでいる場所に出向いた方がいいです。どうも今までそういう経験がなさそうなので具体的な行動を書くと、まず「今日は未知のコンテンツを最低三個入手する」とノルマを決めて、家から一番近い紀伊國屋なりブックオフなりゲオなりヤマダデンキなりアニメイトなり図書館なりに行ってブラブラして、名前を聞いたこともない作品から面白そうなものを選びます。どうしても決まらなければ棚の前で目を瞑って手を伸ばして触れたものを買ってください。

補足509:ただこの手が使えるのは文化的な代謝が機能している地域に限るという説があります。例えば地方によくある古いカストリ雑誌と謎の写真集しか置いてない死にかけのジジイの体内みたいな中古本屋に出向いたところで全部外れのくじを引くのと同じで、なんかもう流石にこれは絶対意味ないでしょと思ったらまともなコンテンツ屋がある地域に遠征した方がいいです。さっきは「クソみたいな作品をいくつ引いてもよい」と書きましたが、限度というものはあります。

世の中にあるコンテンツの総量はもう既に人の一生で消費できる量よりも多いので、そうしていけば供給が足りなくなることは今後なくなると思います。

 

894.私はお題箱851本人ではないのですが、暇つぶしに過去記事を読んでいておそらくお題箱851の方がイメージしているのはこういう部分だろうと思った対応がありました、おそらくはリコリコ大反省会のコメント欄で「そうですね」としか返さないコメントと意見として受け取ってまともに応対しているコメントを仕分けしている振る舞いのことではないでしょうか。
加えて言えば、ああいうポイントのずれたコメントを相手取って伝わらなさそうなマジレスを延々してしまうのがご本人の悩み?な気がします。

なるほど、そういうことであればだいたいわかりました。確かに「そこは適当に流せばいいだろ」というシーンでめちゃめちゃ応答して泥沼になっている人はたまに見ます。

こういうとき「スルースキルを上げましょう」みたいな話になるのはあまり良くないと思っていて、「無理に自分のアイデアを押し付けるのは良くない」という方が僕の実感に合います。人の関心や能力は様々なので、誰しもがあなたのアイデアを理解しなければいけないということはまずありません。お互いに有益で建設的な未来に繋がる場合に限って応答を行えばいいということです。

大雑把な方針として、応答しようとしたときに「全く同じことの繰り返し」か逆に「元とは全く違う話」をすることになる場合はそもそも応答しなくていいケースがほとんどです。

例えばたまたま結論が被っているだけで過程の論点が全く違うケースや、単なる好みなどのそもそも議論できないことを吹っ掛けられているケースなどがそうです。こちらがバナナの味の話をしているときにバナナの形についてレスポンスされたとして、こちらからの応答は味の話の繰り返しか、形の話という全く別のトピックに乗り換えるかになります。そういうシーンではそもそも関心が違うと思われるので無理に合わせなくても流せばいいということです。

もうちょっと微妙なケースとして、関心は一致しているかもしれないが相手の言語能力的にやり取りがヘビーであることが予想されるケースなどもよくあります。例えば相手が結論だけ書いて過程の論点を何も書いていないケース、傾向論に対して個別論を語られているケース、こちらの主張をなぞっているだけのケース、既に反論が済んでいるケースなどがそうです。こちらの説明に不足があると思ったら補足すればよいですが、これ以上補足しようがないと思ったら応答を諦めてもよいです。

こういう応答を絞る感じはネットに特有の事情でもあります。対面の会話であれば話題がズレていくことは一つの生産性でもあって、そこまで厳密に関心や能力を合わせなくても面白い結果になることが多いのですが、それはリアルタイムの会話によって高速でフィードバックが回る条件に支えられています。

一方でインターネットでの見知らぬ相手とのテキストコミュニケーションは基本的に非同期かつクロックが遅く情報も落ちるのでなかなかそうはいかないことが多いです。また、そもそもインターネットのやり取りがコミュニケーションを志向しているとは全く限りません。「相手と意思疎通するために書き込む」というメールみたいな用途がある一方で、「単に自分がいま書きたいことを書き込む」という掲示板みたいな用途もあって、それはブログのコメント欄やTwitterのリプライ欄ですらはっきり峻別できるものではありません。

ちなみにこのブログ記事はあらゆる投稿に対して全レスしていますが、この状況はかなり例外的なものです。記事にする場合は応答が単なるレスポンスのみならず第三者に向けたパフォーマンスとしての側面もあるため、言ってしまえば投稿者とのコミュニケーションが厳密には成立していなくてもコンテンツとしては成立するという事情があります。相手が思ってるだけのことを書いたのに対応して僕も思ってるだけのことを書いてもそれなりに生産性があるというかなり特殊な環境です。

補足510:元々は「サイゼリヤで俺がダベってるようなことをネットでやる」という理念があってブログタイトルを「LWのサイゼリヤ」にしたのですが、基本的に会話が一往復しかしないというのが明らかにファミレスの状況とは異なる点にはメディアの限界が出ています。

 

895.一次創作を絡めた自分語りが恥ずかしいとおっしゃっていましたが、
他に恥ずかしいと思うことは何か聞きたいです。

本当に恥ずかしいと思うことは本当に恥ずかしいので書きませんが、カジュアルなものなら言い間違いとか勘違いの類は人並み以上に恥ずかしいと思う方です(何でも知ってますみたいな顔をしたいので)。

ただ勘違いを流す方向で対処していると誤りを指摘してもらえなくなったり相手が混乱したりと被害がけっこう大きいことにも気付いてきているので、「ありゃ、勘違いしてました」という一言をはっきり言えるのがいいですね。

 

896.スマホやpcのメモ帳ではなくアナログのメモを使っているのはどういった理由からですか。

まずタイピングに比べて書く速度が遅いので書いているうちに考えが色々湧いてくることとか、図を気軽に書き込めることがあります。これだけならペン付きのタブレットでも良いのですが、あまり語られない紙媒体の重要な長所として「ランダムアクセスが柔軟かつ高速」というものがあります。

補足511:ちなみに「ランダムアクセス」とは「ランダムなページへのアクセス」という意味ではなく、「任意のページへのアクセス」という意味です(適当に開いてランダムな情報が拾えるということではなく、今この瞬間に欲しい情報が何でもすぐにパッと拾えるということ)。情報用語として既に定着してしまっていますがかなりのクソワードで、「直接アクセス(ダイレクトアクセス)」とか「一発アクセス」と言った方が日本語としてはわかりやすいです。

物理的な厚さを利用して一回捲るだけで見たいページに辿り着いたり、中途半端にページを開いて一部だけ見ることができたり、違うページに指を挟んで同時に目を通したりと、いちいちページ全体を完全にリフレッシュしないといけない電子媒体よりもページを跨ぐアクセスの取り回しが良いです。

一方、大きな弱点として「一度書いた内容を消すのが困難」というものがあります(僕がボールペンを使っているからというのもありますが、シャーペンやフリクションペンを使っても結局消すのは手間ですし今度は不慮の事故で消える懸念が生じます)。何度も書いたり消したりして文章を洗練させていく推敲のような作業には全く向いていないため、決定版みたいな資料を作るための整理などはPCに移行して行うことが多いです。

これらのメリットデメリットを折衷するため、PCでメモした情報を印刷してノートに貼った上で更に書き加えるというような合わせ技を使っていることもたまにあります。

 

897.しげすぎちゃんに質問です。同人音声を沢山買ってらっしゃるようですが、買った作品はすぐ全部聴いているのでしょうか?同じ作品を何度もリピする事ってあるのでしょうか?
そもそも同人音声って例えばアニメとか小説とかそういう感覚で消費するコンテンツなのでしょうか?
同人音声の世界を知らなさすぎるので、どういう物かが知りたいです。

なぜしげすぎちゃんへの質問がこのブログのお題箱に入っているのか不明ですが(なぜ?)、一応しげすぎちゃんに聞いてきました。全て原文ママです。

 

Q1:買った作品をすぐに全部聴いているのですか?

A1:昔はその日に聴けるだけ買っていましたがコロナくらいから同時に3本以上買うとさらに安くなるというセールが頻発されてその日に聴いていないこともあります。今は買った日にどれか一つの1トラックから聴きはじめます。その聴き始めた作品を最後まで聴くかについてはタマタマさんが決めています。その日聴かなかった分については翌日以降か時間を空けてハースストーンやマスターデュエルをやりながら聴いています。寝ながら聴くことを推奨されているものは寝ながら聴いています。寝落ち配信を想像してもらえれば問題ないです。 

 

Q2:同じ作品を何度もリピすることってあるのでしょうか?

A2:あります。直前に寝ながら聴いているときもあると回答したように寝ながら聴けるものや、NTR報告はリピートがしやすいですね。

 

Q3:そもそも同人音声ってアニメや小説とかそういう感覚で消費するコンテンツなのでしょうか?

A3:稀にしかポルノコンテンツにお金を出さない人や時間を割かな人にとっては別の感覚なのでしょうが、自分にとってはあるいはTL上のポルノ中毒のフォロワーさんたちにとってはアニメや小説という感覚よりももっと身近なコンテンツです。好きな音楽を聴いてテンションを上げるような感覚に近い気はします。車で移動中は事故の危険から聴いていませんが電車で移動中であればほぼ聴いています。喫煙はしませんが、タバコに近いかもしれません。 

 

Q4:同人音声の世界について

A4:音声作品というのは音だけというこの超高速通信が当たり前の時代において本当にシンプルなポルノですが、それだけにイヤホンヘッドホン一つでどこからでも楽しむことができます。質問者さんの性別や性的な嗜好はわかりませんが、巷のポルノコンテンツの中で最も手頃に気軽に楽しめるものだと思いますので、一度DLsiteやFANZAで人気作品を2,3本買ってみてはいかがでしょうか。 

 

 

何か買ってもらえると嬉しいです。

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24/3/16 お題箱回146:マルチタスク、同性婚etc

お題箱回146

882.就職と同時に一人暮らしを始めたのですが、勉強時間・運動時間をなかなか取れなくなってしまいました。LWさんは働いていた頃、どう時間を確保していましたか?

僕は実家暮らしなので一人暮らしより時間の余裕がありがちという前提はありますが、一日の時間そのものは増やせないので「無駄な行動を消す or 行動を並行する」の二択が基本です。一般的な裏技はあまりなく、やりたいことに応じてケースバイケースです。

例えば運動は仕事前の朝にするのがいいですが、朝の時間は限られているので目が覚めた30秒後にはエアロバイクを漕ぎ始めていたいです。ただその前に最低限の栄養補給は必要で、いちいちキッチンに取りに行って何を食うか考えたりしていると時間を食うので、寝る前に枕元にバナナなりカロリーメイトなりを置いておけばその手間が省けて最速で動けます。

あと何度か書いていますが、勉強は食事と並行するのが手頃です。左手でおにぎりを食べて右手でペンを持てばよくて、両腕が塞がる麺類とかは最初から食べないことに決めておきます。他にも書見台を利用すると読書に使う腕の需要がかなり減るので、何かを食べながら本を読むのが容易になります。

一つの行動を最適化すると暮らし全部を最適化しないといけないように感じる人が多いっぽいのですが、別にそんなことはなくて、RTAみたいなムーブをする日は週三くらいに留めて他の日はゆっくり動くのでも全然いいと思います。それでも全部の日でゆっくり動くよりも相対的にバリューが出ているし、RTAみたいなムーブをする選択肢があることが大事だからです。

 

883.アニメや映画を視聴する際の意識に割合について知りたいです。


ストーリー 7割
作画 2割
キャラの見た目 1割

最も意識している点がストーリーだった場合、
さらにその中での割合についても知りたいです。

アニメとか映画を見るときはいちいち意識配分しておらずもっと漠然と見ていますが、強いて言えば90%くらいはストーリーだと思います。他の要素は受動的に何となく「おお」とか思っているだけでわざわざ意識していることはたぶんあまりないです。

ストーリーにしても見ているときにそんなにわざわざ考えることはなくて、序盤ならこれがどういう世界観でどういう展開になるのかとか、話が佳境に入ってきたら今は何が問題でどう解決するんだろうくらいの普通に誰でも考えるようなことだと思います(何も考えていないことも多い)。

 

884.浪人時代のタイムスケジュールを大まかでよいので知りたいです。
よろしくお願いします。

もう10年以上前なのであまり覚えていませんが、普通に朝起きて予備校行って授業終わったら自習して帰って軽く勉強して寝るような感じだったと思います。休祝日もだいたい近所の自習室に行っていたのと、ジョギングはよくしていたし息抜きでゲームとかもたまにやっていました。

幸いにも実家暮らしなら浪人生は勉強だけしていればいいので集中力が保つ限りずっと勉強していればそれで別に裏目なくて、生活のタイムスケジュールをしっかり固める意義はそれほど大きくないような気はします。考えるのであれば生活全体のスケジュールというよりはもっと具体的な科目ごとのウェイト配分とかで、そっちは目標から逆算してけっこうちゃんとやる必要があります。

 

885.LWさんの昔のブログと今のを見比べると文体から丸くなったのが結構わかる気がします。
ご自身で丸くなったと良くおっしゃっていますが、一番丸くなったのを感じたエピソードはなんですか。

エピソードはあまり思いつきません。

基本的に丸くなるというのは動きが鈍くなることで、今までだったらわざわざ言ってたことを言わなくなるとか噛み付いてたところを噛み付かなくなるみたいな変化なので、それで何か劇的なイベントが起きることは基本ないです。

漠然とした態度の話であれば考え方の主語が小さくなったというのは明確にあります。大義とか思想とか信条みたいな次元で物事を考えることが減っていて、もっと目の前にある利害とか快楽とか生活の次元でやるようになっています。

 

886.LWさんの質問解答ペアをAI学習用のデータセットとして公開してもいいですか?
質の高い質問応答データセットになっていると思います。

データセットとして公開するのはダメです。

AIの学習に利用されること自体は構わないですが、データセットとして公開するとブログじゃなくてそっちで読む人が現れそうで、アクセス数とか言及リンクが把握できなくなって嫌だからという理由です。

モデルを作るための学習データに使う分には構いません。というかそっちは法律的に僕に拒否権がないので自動的にオーケーになるはずです。

 

887.質問箱がボカロな流れなので気になってたことを聞いてみます。
ヰ世界情緒さんが自身をベースにしたボカロ"星界"とデュエットしている動画については、LW氏のキャラソン消費ではどんな評価なんでしょうか。

www.youtube.com

萌え~と思っています。

コメント欄だとなんかエモい解釈を語っている詳しい人が大勢いますが、僕は好きな萌えキャラが二人になって距離が近くて百合っぽい感じのサムネに「お~ええやん👍」とか言ってるだけです。サムネを見るにおとなしい本体に対してやんちゃな同位体みたいな性格差分があるようであり、あえて逆に崩している感じが萌えのツボをおさえていてわかってるなと思います。

ちなみにもともとボカロの歌唱はあまり得意ではないですが、最近かなり性能が良くて人の声に近付いたものも増えてきたので、特にデュエットなどであれば問題なく聞けるようになってきています。

 

888.同性婚は賛成ですか?反対ですか?

理念的には賛成ですが、制度的には反対です。仮に政策選挙みたいなものがあれば反対票を投じるので、まあ要するに反対ではあります。

同性愛そのものは祝福されるべきだと思いますが、その関係を国家が体制として担保する必要はないと考える派閥です。つまりローカルな条例や形式的な手続きとして同性婚を公認するところまではやってもよいと思いますが、税制や社会保険のような金銭的な制度上で現在の異性婚と同じ扱いを付与することには反対しています。

それは国家が結婚をサポートする理由は「子供を作って国家の維持に貢献するから」に限ってほしいからです。子供を作るのは個々人にとっての負担が大きい一方、未来の発展可能性を担保して遡及的に現在の繁栄を維持する上では不可欠な営みであり、国家がサポートすべき事柄に属します。一方、子供を作らない友好関係は国家の利害というよりは個々人の人生に属する事柄であり、国家が介入すべき理由を見出せません。

保守的な考えによって新しい家族の形を認めないのではなく、むしろ逆にリベラルすぎて古い制度としての家族そのものに大した意義を見ていないため、国家がそれを公に支援するのは人口維持というやむを得ない事情がある場合に限るべきだと考えていて、同性婚はその例外に該当しないということです。

補足507:この立場だと絶対聞かれそうなこと二つについて先に答えておきます。

Q1:税制や社会保障上の優遇を含む同性婚を認めたとしても、全体からすると同性愛者の割合は少ないので現実的な影響は無視できる程度ではないか。

A1:色々な答え方がありますが、影響が小さいことは考えそのものを変える理由にはならないという答えが一つあります。例えば「苗字が『綾小路宮』である人の税金を一律10%減らす」という法案があったとして、綾小路宮さんは極めて少ないので実質的な影響はほとんどないと思われますが、だとしてもそういう意義のわからない法律に賛成する気にはならないのと同じです。

Q2:異性婚であっても、不妊や思想上の理由で子供を作らないケースもあるのではないか。

A2:仰る通りなので、理想的には結婚への支援を撤廃して代わりに子育てのみを支援対象にすべきだと思っています。とはいえ「今はまだ子供を作っていなくても、異性婚をしていることで将来的に子供を作る可能性が高くなる」ということは明確にあるでしょうし、そういう潜在的な影響まで想定して妥協で異性婚から支援するのもやむを得ないと思っています。また、(養子縁組制度などを改良する前提で)実子でない子を育てる同性婚カップルを異性婚家庭と同等に支援することには賛成です。

 

889.2024/3/14のお題箱回144で「学生時代から根強く持っていたテーマの一つを完璧に完成させた漫画」の話をしているのを読んで思ったのですが、うるユニの御息って本当にどうしようもない人枠だったりしますか?

僕はうるユニの感想フォームに「深夜のコンビニでヤンキーシバくエピソードで御息の人間性に問題提起がなされたわりには特に解決してなくて残念だったかも」みたいなのを送ったのですが、御息の正義性がどうしようもない性質ならそれを指摘したうえで仲間と海に行ける程度には受け入れられてるというのも結構誠実寄りな結論なのかなと思いました。

主人公にはこういう属性をつけなくなったからサブキャラに落とし込まれた的な……。創作語りを原作者に聞くのはあんまかなという説も割とあると思ってるのですが、結構自分から色々と話されているので聞いてみたくなりました。

いえ、僕としては御息は本当にどうしようもない人枠ではないです。

僕は御息がコンビニでヤンキーしばいたエピソードはそこまで問題行動だとは思って書いていませんでした。まあラノベの高校生だしこのくらいの街角喧嘩はあるだろうくらいの温度感です。ちなみに投げ飛ばしたときにわざわざコンビニ入口のマットに落としているのはちゃんと手加減しているからです(アスファルトに頭から落としたら殺してしまうので)。

どちらかというと、御息より綺羅の方がどうしようもない寄りのつもりでした。御息がたまにおかしくなる善人だとしたら綺羅はたまにまともになる悪人くらいのイメージですが、どちらにしても白花や彼方のような本当にどうしようもない連中に比べると全然取り返しのつく人たちです。二人とも尖った性質が最後まで温存されているのは本当にどうしようもないからというよりはむしろ逆で、僕の認識では一般に許容される人間性の範疇だからです。

ただ作者が思っていない解釈が無限に発生していくのが読みの面白さなので、これは作者が勝手に言っているだけで実際のところ御息はそういうキャラではないと思っていてもらって全然大丈夫です。作者側が持っている解釈を聞かれれば何でも答えます。

 

890.Lwさんのいるヒフミさんのdiscordサーバーに興味があるので参加してみたいのですが可能でしょうか?

そのdiscordサーバーは完全にひふみの管轄なので彼次第です。基本的には知り合いのみ入れる方針とのことですが、場合によるらしいのでとりあえず彼にDMでも送ってみてください。

 

891.LWさんが時間をかけてもこれはできないだろうなって分野とかありますか?

今から将棋で竜王になったり孫正義みたいな富豪になったりするのは厳しいと思いますし、現実的にはいくらでもあります。

ただ現実的にはできないということはポテンシャル的にはできたということと矛盾しないので、それらを含めた大抵のことについて「昔からガチっていたら能力的には出来ただろう」という舐めたことを内心では思っています。その多くは勘違いかもしれませんが、別にそれで誰かに迷惑をかけるわけでもないので無理に是正する必要もないだろうとも思います。

 

 

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