LWのサイゼリヤ

ミラノ風ドリア300円

9/12 よるのないくに2

アイギスの続き

2章を半分進めたくらいでクリアできないステージに行き当たった。
単純にステータスの高い敵(特に黒い重装兵)にゴリ押されて死んでるからそいつに有効な魔法攻撃ユニットのステータスを上げればいいような気はするんだけど、ナナリー以外のレベルを上げる気が全く起きないのでひとまずここで畳む。

思ったんだけど、難しいステージに直面したとき、その攻略に特化させた汎用性の低いチームを作ってゲームをクリアすることを良しとする人としない人がいるよね。
例えば明らかに弓兵が強力なステージに行き当たったとき、素直に弓兵を大量搭載したチームを作るか、あくまでも現行チームに固執して各ユニットのレベルを上げることで正面突破を試みるかっていう選択があって、俺はどちらかというと後者に近い。
臨機応変に状況対応で動くのか、汎用性に固執して常に最強を作ろうとするか……っていう話になると、これは前に二式に書いた分裂病気質に繋がる話か。

問題を解決するために世界内の個別的事例を枚挙するのではなく、問題を一般化し、一般原理を導出し、問題を統合的全体における部分現象あるいは一逆説、つまり一般問題の特殊解として解こうとするのである。
(『分裂病の発病過程とその転導』より)

対人戦なら勝つことが唯一の目標だからインフェルニティが流行ってればメインにDDクロウを積むことに躊躇いはないんだけど、対CPUだと負けにリスクがないだけにある種の美学……「ただクリアするだけでは良くない」みたいな精神が頭をもたげてきて、一般解に固執する傾向が出現するのかもしれない。
そういえば、ハースストーンでも対ボスデッキみたいのあんま作りたくないからまだ全ヒーローでリッチキング倒してない(パラの新スキン別に欲しくないし……)。

よるのないくに2

1はかなり面白くなかったんだけど、2の「好きと好きと好きが交錯する」「美少女と美少女と美少女が惹かれあうRPG」っていうキャッチコピーが神?と思ったのでこのフレーズに免じてbuyした。

あれから延期延期で1年待った……



以下ネタバレ含

====
エンディングまでプレイ、期待を外さない面白くなさだった。
具体的にどこを失敗したとかじゃなくて、マクロなストーリーがかなりどうでもいい上にミクロなやりとりも面白くないのでそもそも見るところがない。

1の頃からそうなんだけど、基本的に人間関係が閉鎖的(ダンジョンに行く以外には拠点のホテル内から出られない)な割に世界の崩壊とか壮大な話題を扱おうとするからスケール感が破綻しがち。話の運びもうまくなく、身内としか会わないから伏線も張れてないうちに外部でのイベントのクライマックスに来て、「で?」「誰?」「何?」とか言ってるうちに終わってしまう。
ミクロなやり取りがどれだけ面白くなかったかというと、主人公が重度の難聴で、なんか小声で言う→「ん?なに?」→「何でもないw」コンボを10回は見る。特にルーエンハイド(金髪のレズ、だいたい皆レズだけど)が大した役割が無い割にトリプルヒロインの一角を務めないといけないせいで不自然な発言と立ち回りを一手に担っている感があり不憫。

アクション部分もまあって感じで、こういうアクションショボめの和製萌えアクションRPG的なものをやるたびに「ニーアオートマタは凄かったんだな」ということを何度も思う(古くより難題とされている女の子と戦闘の組み合わせにおいて、ニーアオートマタは多分一つの到達点だった)。
初めて2Bを動かしたときの衝撃はまだ覚えていて、あの最初の円形の場所で30分くらいただ2Bを走らせたりジャンプさせたり剣を振らせたりしていたものだ。アクションのクオリティが劣るのは恐らく現実的に有限の製作リソースに優先順位を付けた分配の結果というか、比べるような責めるようなことではないんだけど、まだ面白くなるであろう場所が便宜的な都合で面白くならないのはなんとかならんかい!?と思うくらいのことはしてもいいだろう。

でもキャッチコピーの通りとにかく美少女を大増殖させようというスタンスは一貫していて、それは評価できる(しばらく罵倒したのでしばらく褒める)。


2017-09-10_211053
(ここムカデ人間2

そこそこ男性キャラが存在した1と違って、本当に美少女しか出てこない。
1では男だった研究者や商人やホテルの管理人が全て排除されて美少女に置き換わり、誰とでも一緒に仲良くダンジョンに出かけられるようになった。
外見がいい女の子はだいたい皆友達システムによってストーリーを進めるうちにヒロインがどんどん増えていき、最終的に前作主人公まで動員して攻略可能ヒロインは7人まで増える(クリストフォロスが仲間にならないのは残念)。全員との好感度イベントが起きるだけでなく、全員が戦闘要員として一緒にダンジョンに出撃できるのはけっこう頑張って作ったと思う。1では戦闘するのは主人公1人だけだったので、2では主人公+ヒロイン7人で8倍。

ダンジョンに出てからも移動中とか戦闘中に主人公とヒロインズがとにかくベタベタする。
ダンジョン内の壊れた橋を渡るたびに主人公がヒロインを抱き抱えて渡るムービー、谷を結ぶ綱を滑車で下るたびにヒロインが横から主人公に抱き着いて渡るムービーが入り、「ドキドキしたね」的なことをいちいち言ってくる(スキップ不可)。
必殺技を使うと敵をしばいたあとに「大丈夫?」「お疲れ様」みたいな感じでお姫様抱っこをしたり肩を抱いたりするムービーがいちいち入る(スキップ不可)。

よるのないくに2 ~新月の花嫁~_20170910035443
よるのないくに2 ~新月の花嫁~_20170910052105
(普通に技を使うだけでこうなる)

キャッチコピーを評価して購入している以上、それをちゃんと実行しているというのはこのゲームを評価する強い理由にはなる。

腋が出ているキャラがやたら多いのも良かった。
よるのないくに2 ~新月の花嫁~_20170901204131
(主人公の服、腋が出ているというか胸と股間以外が概ねノーガード)

本当はエンディングがもう一つあるんだけど、周回しようとしたらレベルがリセットされてめちゃめちゃ萎えて別のゲームを始めてしまった。
一応引継ぎ要素と救済措置もないわけではないんだけど、サブクエストとか従魔育成とかレベル上げとかそれなりに頑張って進めてきた部分が全部リセットされてしまうのはがっかりしてしまう(ダンジョンが僅か7個しかないのでサブクエストを積みまくることで内容を水増ししており、サブクエストを消化するために同じダンジョンに何度も潜らされていたため)。

あといわゆるアーケード方式の時間進行を採用していて、スタートからエンディングまで有限の時間をやりくりすることになる(1では無限だったような記憶があるけど自信がない)。
時間の最大値が決まっているだけに、まだ余裕時間のあるうちに誤って次の章に進んでしまうことがないように進行度管理が丁寧で親切だった。今メインクエストが何分の何進んでいるのか常に教えてくれるだけではなく、章が進行するイベントが始まるときは「本当に始めてもいい?」的なことを毎回聞いてくれる。
不可逆な失敗をしないように一回目のプレイでも最善がわかるように教えてくれるゆとり進行の一種。



~総括~
かなり面白くないが心意気は評価する。
次作が出たら買うけど、買いたくないので出さないでほしい。


***


ヴェルーシュカというキャラについてちょっと書く。
過去に実験台にされて戦闘力は極めて高いけど感情が無いという浅さの極みみたいな設定(このゲームにおける全ての要素の深度がこのくらいだけど……)を持つヒロインで、「一定確率でランダムな敵を即死させる」というアビリティを持つのがかなり良かった。
コマンドRPGではなくアクションRPGなので普段は□ボタンとかを押して剣を振っているのだが、ヴェルーシュカと一緒に戦っているとたまにアビリティ発動ムービーが唐突に入る。このカットインは前兆も脈絡もなく発生して、全キャラの行動が強制キャンセルされて敵が一体即死したあとに戦闘が再開する。流石にボスには発動しないけど中ボスくらいなら有効、ステータスにも関係なく発動し、たぶん一定時間ごとに確率で判定されている。戦闘が長引くほど発動確率も上がり、硬い中ボスを一生懸命削っている間にカットインが入って中ボスが即死ということがよく起こる。

補足60:ヴェルーシュカは設定上もかなり強い方のキャラで、アスペ風即死能力は性格・能力共に適切。設定上の強さはアーナス>ヴェルーシュカ>アルーシェ>ミュベール>ルーエンハイド>カミラ>リリアーナくらい?

この即死能力を見たときにヴェルーシュカへの好感度が上がったことをよく覚えている。
即死能力というシステムがキャラの強さという魅力に繋がったのかな(戦闘能力が高い女の子が好きなので)と一瞬思ったが、これをただ「キャラの魅力」として安直に括ってしまうのはちょっと疑わしい。
即死能力が「ゲームステータス上の特殊スキル」と「物語設定上の戦闘能力」に分割されるのと同じように、キャラクターも「システムとしてのキャラクター」「物語上の登場人物としてのキャラクター」に分けて考えることはできる。
システムとしての即死能力によってキャラクターに魅力を感じたという現象での「キャラクター」とはどちらを指すのか、つまり、

・システム上の特殊スキルとしての即死能力を知る→(物語設定上でもキャラクターが高い戦闘能力を持つことを知り、)登場人物としてのキャラクターを魅力的に感じた
・システム上の特殊スキルとしての即死能力を知る→ゲームシステムとしてのキャラクターを魅力的に感じた

のどっちの経路を辿ったのかがよくわからない。
現象としてはどちらも普通に起きうると思うのだが、なまじ対象が萌えキャラであるだけに登場人物とシステムのどちらのウェイトが重いのか区別できない(ヴェルーシュカは一人だけ腋が出ないライダースーツみたいな服着てるし……)。
この「なまじ萌えキャラであるだけに」っていう部分も結構謎で、萌えキャラ(神性を持つキャラ)とそうでないキャラの間でシステム上の立ち位置は変わってくるのか的なことをいつかまた書くような気がする。