LWのサイゼリヤ

ミラノ風ドリア300円

3/27 ゲームのディレイ・遅延について

・続き/自作ゲーム

昨日話した自作ゲームの動画を、無事スマホからアップできた。念のために言っておくと、画面に映っているコントローラや手も含めてゲーム画面である。

このゲームについて言いたいことは昨日のブログとレポートに全部書いてあるのだが、素材について補足すると、使っている3Dモデルは全てネットの海から拾ってきた(無料)。最近は2Dイラストと同じようなノリで3Dモデリングがネット上に転がっており(質はピンキリ)、個人製作の範囲なら不自由しない。ただ、著作権的にはかなり怪しく、ゲーム本体を公開できないのはそういう事情による。

 

・続き/ディレイについて

ディレイの話の続き。

YouTubeならPCからそのまま貼れるらしいので、テストがてら適当な参考動画を貼ってみた。0:50あたりの攻撃をするところで画面が一瞬スローになるのがディレイエフェクト。

このディレイが果たす効果について、

 

1.静的な評価

2.主観的な時間

 

という二つの仮説を考えてみる。

 

1.静的な評価について

瞬間瞬間を切り取った静的な場面について最も評価が高いシーンを、ディレイで時間を遅らせることでプレイヤーに長く見せているのではないか?という説。

ある動作の開始~終了のうちで、「格好良さ」は時間ごとに増えたり減ったりし、ある地点で最高の瞬間が来るだろう。漫画であればこの瞬間が見開きになるわけだが、ゲームにおいても同様にディレイを用いることでそれを切り取る効果があるのかもしれない。

 

2.主観的な時間について

物理的に世界に流れている時間は誰にも平等であるが、人間がそれぞれに感じる時間にはかなりの濃淡がある。少し前に言及した質的な時間と量的な時間(=カイロス時間とクロノス時間)の違いにも繋がることだが、集中しているときは周りがスローモーションに感じる(主観時間の密度が高くなる)というのはよくある話だ。
戦闘中も時間の密度は高くなるわけで、BLEACHでマユリ隊長が言っていたような時間をゆっくり感じる現象を再現したのがディレイであるという説。ディレイを導入した方が人間の本能的な感じ方に沿うということであれば、ゲーム体験のリアリティが増すことにも納得でき、1よりも有力な気がする。
 
ところで、四女神オンラインはオンラインプレイにも対応していることを今日初めて知った。
オンラインに対応しているのならば、ディレイを導入できないのは道理である。一人のプレイヤーの時間を遅らせている間、他のプレイヤーを巻き込まないならばプレイヤーごとの時間がズレてしまうし、巻き込んでしまえばそれはそれで何でもないシーンにディレイがかかってストレスになる。

四女神オンラインにはダンジョンでメニューを開いてもゲームが一時停止しないなどリアルタイム性を再現したシステムがいくつかあり、「架空のオンラインゲームを再現するために頑張っているじゃないか」と思っていたのだが(当然ながらオンラインゲームにはリアルタイム性が要求されるため)、そもそもオンラインプレイに対応しているのであれば、ビールかと思ったホップがビールだったというくらいしょうもない話だ。

 
ちなみに、オンライン要素があるゲームではディレイのような主観的かつ時間的なエフェクトは絶対に付けられないのか?というと、別にそんなことはない。
例えば、カードゲームでは戦っているプレイヤー同士でそこまで厳密に時間が合っている必要はない。精々3秒ごとくらいにお互いのプレイヤーの盤面が一致していれば、マージン時間をエフェクトに使っても快適な対戦は可能だろう。これはアクションゲームではイベントが連続時間上で起きるのに対して、ボードゲーム・カードゲーム等では離散的にしか起きないという違いに起因している。
 
ついでに遅延絡みの余談をもう一つすると、単にプレイヤーごとに時間が合わないという意味での遅延は物理的に避けられない。
相対性理論の公理によればいかなる情報も光より高速では伝わらないのだが、光は一秒に地球を七周半しかできない。逆算すると光が地球を一周するのにかかる時間は1/7.5=0.1333...秒であるから、地球の裏側と通信する場合は更にその半分で0.065秒、1秒=60Fとすれば最低でも4Fの遅れが生じてしまう。4Fも違えば中段が上段になってしまうのだが、これは物理的な要請から発生する遅延であるため、人間の力では何をどうやっても軽減できない。
ここをどう克服しているのか……ということについては昔読んだこの辺の本のどっかに書いてあったような気がする(書いてないかもしれない)。

 

俺はもう忘れてしまったし、わざわざ借りて読み直すほどは気にならないので知っている人がいたら教えてほしい。