LWのサイゼリヤ

ミラノ風ドリア300円

4/2 発見システムとサーバルちゃんの涙

・二式の補足

http://lwlwlwlwlw2.seesaa.net/article/448496792.html

この第二節で書いた高知能者のオタクへの転導とその末路は、「新興宗教が社会的弱者の寄り合いとして機能するのはわかるが、社会的強者のはずのエリートがのめり込むのはどうしてなのか?」という話題に対しての回答の一つでもあった。そういうのを持ち出すと話が胡散臭くなるから省いたけど。

あんまり関係ないけど、最近宗教(新興じゃなくて、何千年前からもあるちゃんとしたやつ)に詳しい人に「キリスト教とかの信者になるとどういうメリットがあるの?」って聞いたら「基本的には終末や来世での救済であって、現世での実利を目指すのは新興宗教的である」という回答だった。そらそうか。

 

・ハースストーンの発見システム

ハースストーンには「発見」というシステムがあって、それがランダム性とプレイング性を高いレベルで折衷していて凄いアイデアだという話をする。

 

少し複雑なのだが、ハースストーンを知らん人のためにまず内容を説明する。

「発見」システムは「<何らかの条件>のカードを発見する」という形で表記され、それが実行されると、カードプールに存在する条件を満たすカードの中から3枚がランダムに選択されて提示され、その中から1枚をプレイヤーが選んで手札に加える。

遊戯王で例を挙げてみると、「通常魔法カードを1枚発見する」という効果を持つモンスターを召喚すると、全カードプールからランダムに3枚、例えば「増援」「死者蘇生」「大嵐」が提示されて、プレイヤーはその中から今一番欲しいカードを選択し、選んだ1枚だけが手札に加わって処理が終わる。

 

さて、「発見」システムが持つランダム性とは、言うまでもなく提示のランダム性である。「全カードプールから3枚」という選び方は膨大なので、同じ組み合わせの提示を見ることは無いに等しい。当然ながらカードの質はピンキリで、使えないカードだらけのことがあれば、一線級のパワーカードが選び放題ということもあるが、3枚提示されるおかげである程度は均されるようになっている。

プレイング性については2つあって、まず「どれを選ぶのか」という選択。現在の状況を鑑みて、軽くてそこそこのカードを選ぶのか重いフィニッシャーを選ぶのか、汎用性の高いカードで受けに回るのか状況へのピンポイントな有効札を取るのかなどの様々な判断が要求される。システム自体が常に選択分岐を含んでいるので、手なりではプレイできない(明らかに強いカードが見えたら一秒で取ることはあるけど)。第二にカードの使い方の知識。「発見」で提示されるカードは全カードプール中からランダムなので、たまたま出てきたカードの使い方がわかっていなければ適切な判断ができない。カードをアドリブでうまく使えるかどうかで明暗が分かれてくる。

 

「発見」システムの良さをわかってもらうには、「通常魔法カードをランダムに1枚手札に加える」という単純な効果と比較するとわかりやすい(「発見」システムがハースストーンに実装されたのは比較的最近であり、それより前のプールではこの効果のカードもちらほらある)。

似てはいるが、使用感は全く違う。全く使いようのないカードが手札によく加わるし(戦士族が入っていないデッキで手札に増援が加わるようなもの)、プレイングもほとんど問われず、運ゲーを味わって終わりだった。

提示カードを1枚から3枚に増やすことでランダム性を下げると同時にプレイング性が引き上がっているし、何より発見カードはプレイしているととても楽しい。気付いた人もいるかもしれないが、「発見」の挙動はドラフトに似ている。試合中に盤面を鑑みて、即興ドラフトをするのだ。面白くないわけがない。

 

ただ、「カードプール中からランダムに選ぶ」という処理が必要になる都合で、現実的にデジタルカードゲームでしか実装できない。

またしてもハースストーンがデジタルカードゲームのパイオニアになってしまったか……と思っていたのだが、昨日MtGにも「発見」システムが存在していたことを発見してしまった。

 

Jhoira of the Ghitu Avatar
ヴァンガード
手札 +1/ライフ +0
(3),カードを1枚捨てる:無作為に選ばれたインスタント・カード3枚をコピーする。あなたはそれらのコピーのうちの1つをマナ・コストを支払わずに唱えてもよい。
(3),カードを1枚捨てる:無作為に選ばれたソーサリー・カード3枚をコピーする。あなたはそれらのコピーのうちの1つをマナ・コストを支払わずに唱えてもよい。この能力は、あなたがソーサリーを唱えられるときにのみ起動できる。

 

この効果、完全に発見である。登場は2007年であり、「発見」システムはおろかハースストーンが生まれるよりも遥かに早い。

MtGのカードで「無作為に選ぶ」という処理が可能なのは、これがMO(MtGのオンライン版)専用カードだからだ。「ヴァンガード」というドドドドマイナーな変形ルール、全MtGプレイヤーの中でも遊んだ人はほとんどいないのではないかというほどのマニアックな遊び方(しかもオンライン専用)でのみ使えるカードなのだが、存在してしまっている以上仕方ない。

 

サーバルちゃんの涙

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前回書き忘れたけど、ロッジでのサーバルちゃんの涙って伏線なの?

「見たこともないけれど、自分と同じような同胞がいた、そして今はいない」っていう同胞の痕跡を発見しただけで、会ったこともない彼女への一期一会(零期零会?)というか、時空間を超えた原始的な寂しさみたいなやつがあるでしょう。それをグダグダと語らせずに明るいサーバルちゃんを訳も分からずに泣かせて表現するのは「粋だねェ!!!」って俺は思ったんだけど、最終話を見たらかばんちゃんの手の再生とかやるあたり、製作側も設定にはかなり意識的っぽいので、普通に伏線(か、裏設定も込みの演出)なのかもしれない。

まあ、見たときの感想をメモしといたというだけで、けものフレンズ考察は基本的に意味がないというか、俺の仕事ではないので、真相はなんでもいい。

「#けものフレンズ考察班」みたいな使われ方をする「考察」っていう単語がたまにアホっぽいのは、暗黙のうちに客観的絶対的な真実を仮定しているからなのか、他にも見ればわかることを考察とか呼ぶなよみたいな話もあるけど、なんだかネガティブな方向にしか進まないので畳む。