LWのサイゼリヤ

ミラノ風ドリア300円

3/22

・昨日の続き/ベルの定理

昨日の続きだが、日を跨いでまでA・Bという記号を使い続けるのは煩雑なので、Aを「統計的な確率」、Bを「試行的な確率」と呼ぶことにしよう。これは言葉のまんま解釈してもらえればよく、Aが何回か実験をして結果を見るという統計的な処理に由来すること、Bが1回の試行が持つステータスであることを意味する。
このとき、実証できるのは統計的な確率のみで、試行的な確率は便宜的に創りだされたものに過ぎないというのが昨日の内容だった。
 

本の感想を書くだけのつもりが気付けばいつもみたいに講義をしているので、むりやり普通のブログっぽい切り口で本題に入っていく。

その日は今から一ヶ月前くらいで、ドロシーを出す前に知恵の光を打つか打たないかという話でTwitterが盛り上がっていた。俺は事象と確率について昨日書いたような内容をなんとなく考えながら、時間が空いたので新宿西口のブックオフをぶらぶらしていた。
中高生の頃はブックオフに入ると漫画の立ち読みばかりしていたものだが、今はいい年をしてそんな乞食みたいな真似をするのはどうだろうと思って一般書コーナーに行くことが多い。単に年をとって一般書の方が面白く感じているだけかもしれない(どうしても気になる漫画があるときは立ち読みすることもある)。
最近は頭が錆び付かないように定期的に理系っぽい一般書(とはいっても、図解雑学シリーズみたいな本当に一般向けに書かれたふわふわした本を読んでも仕方ないので、マクスウェル方程式程度のレベルのものは普通に出てくるくらいが望ましい)を読むことにしているので、俺はとりあえずサイエンスコーナーに向かった。
サイエンスコーナーで俺は量子力学の反常識と素粒子の自由意志という本を発見し、昔量子論の講義を受けたことを思い出した。この辺のことをちゃんと話すとまた三日くらいは講義をしないといけないので省略するが、量子的世界では本質的に試行的な確率による振る舞いが存在することが証明されているのである(※誤解を防ぐため、既に量子力学について造詣が深い人は後ろの補足を読んでほしい)。
その本の中身を見ると、思い出したところのベルの定理についての解説が載っていることがわかった。そのまま買おうかとも思ったのだが、値札を見ると950円で高すぎたので、俺はスマホを取り出して地元の図書館のHPから資料を検索した。無かった。別の区から取り寄せることもできなくはないが、面倒な上に時間がかかるので泣く泣く購入した。
で、読んで考えたのだが、結局、ベルの定理によって証明されたところの試行的な確率による振る舞いというものの実証には、統計的な確率の考え方が使われているような気がする。
なんというか、同じような単語を使ってはいるが、指しているものが違う。ベルの定理が「事象が統計的な意味ではなく試行ごとに確率的な振る舞いをすることを示す定理である」という言葉尻だけを捉えると、俺の話と関連があるような雰囲気があるが、よくよく考えると、俺が名付けたところの試行的確率と統計的確率の区別をしているわけではない。ベルの定理で言う「確率」の対義語は「設計図」「完全対応」であって、二つの確率は峻別されているわけではなく、依然として同じ岸に位置しているような気がする。
この話がよくわからない理由は二つあって、ちゃんとした解説をしようとするとまたしばらくこの話題を続けないといけないから適当にしか解説をしないことにしようと思っているのに、話を要約できるほど俺がよくわかってないので、相乗効果でよくわからなくなっている。
よくわからんし、この話はこの辺で切り上げることにする。
普段ならなんとか考え抜くのだが、ここはサイゼリヤなのでドリンクバーに行って戻ってきたらアニメの話をしているくらいでいい。
 
※補足
えー勘違いしないでほしいのだが、昨日から話しているようなデッキトップや天気の話に量子力学的な世界観を適用しようと考えたわけではない。マクロ系を量子力学で語るのはチェーンソーで料理をするようなもので、ナンセンスな上に意味がないからだ。昨日も今日も、対象とする系については古典力学的な世界観でよい。
量子力学を持ち出したのは、単にベルの定理がどのように試行的な確率に言及したのかを知りたかっただけで、それ以上でも以下でもない。言い換えれば、思考の枠組みを流用できるのではないかと考えただけで、物理系としての性質を適用しようと思ったわけではない。念のため。
 

・猥雑

↑の一行目の煩雑って書くところでこれって猥雑でもいいのかな?って調べたらよかったっぽい。猥雑って「下品でみだら」の意だと思っていたんだけど、煩雑と同じ意味=「ごちゃごちゃしてわかりづらいこと」でも使えるらしい。

 

・次回予告

初っ端だし本のレビューをしようと思ったら全然まとまらない意味不明な話をしてしまったので、次回はなんかアニメの話をしようと思います。