LWのサイゼリヤ

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4/26 デモンズチェーンは過大評価されてる

遊戯王ドラフトの一般論

全ての遊戯王ドラフトファンに捧げられるような汎用的なドラフト記事を書きたいと思ったのだが、ドラフトプールによって戦略が違うので、一般的に適用できるのはどんな内容かを考えている。
例えば、

・リクルーターの殴り方
・魔法、罠の評価方法
・細かいケア、古代の狡いテク

あたりは一般論に含められる一方、

・ピック方針
・デッキを組むときの考え方

となってくると、これはプールの中身によるところが大きい。

ドラフト攻略については「『ドラフトの定石』(マジック界では超有名なバイブル的な記事)を読め」と言われることも多いんだけど、遊戯王のゲームシステムはTCG全体でもかなり独特なために、それでは不十分な部分も多い。
どうなるかわからないけど、とりあえずこんな話をする予定ということで「魔法・罠の評価方法」の話をする。

・ドラフトでの魔法・罠の評価方法

遊戯王にはマジックやDMと違って色やマナコストが無く、どんなカードであろうと「コストの問題でカードのプレイ自体ができない」ということはまずない。そのため、どんなピックをしてもそれなりにゲームが出来てしまい、デッキが致命的に弱いことに気付きにくい傾向がある。
特に、モンスターと違って他のカードとコンボすることが少ない除去系の魔法・罠については「どういう状況で最も力を発揮するのか」ということがあまり検討されていないように感じる(最近は魔法・罠は尖った環境に合わせて尖った性能のものを選定することが多いが、それはそれでドラフトとは事情が異なっている)。

例えば、《デモンズ・チェーン》は単体でどんなモンスターでも足止めできる上にバウンス系とのコンボが可能ということでよくドラフトの罠枠にいるカードだが、大抵の場合アンプレイアブル(使う余地がないカード)に近い。
構築では対応幅の広い丸めの枠としてよく使われたカードなのだが、ドラフトでは全然丸くない。

何が違うのかというと、ドラフトでは

1.《デモンズ・チェーン》で止めるモンスターがデカい
2.《デモンズ・チェーン》発動後に殴り返すモンスターが小さい

ことが多い。
構築では《デモンズ・チェーン》は《神秘の代行者 アース》や《甲虫装機 ダンセル》のような効果が強力な割にサイズが小さいモンスターを止めることが多いため、返しに適当なクリーチャーで殴り返すことができた。もし《マスター・ヒュペリオン》のような大型を止めて、返しには殺せないとしても、《月の書》と違って落ち着いて戦線を立て直してからゆっくり殴ればそれで間に合うのだ。
しかし、構築よりもローパワーなドラフト環境ではデッキを全て掘り返しても2800打点を殴れるモンスターがいないということが普通に起こってくる。いつまでも《デモンズ・チェーン》で縛られたモンスターを放置していてはダメージが通らないので、《デモンズ・チェーン》で足止めしたモンスターに除去を使わざるをえなくなり、結局1:2交換になってしまう。
《デモンズ・チェーン》が刷られたのは遊戯王エクストラデッキを活用するゲームへの移行を終えた時期だったので、メインモンスター同士で殴り合うゲームでの使用があまりされていないという時代的なギャップもあるかもしれない。

同じように、《地砕き》《地割れ》などの単体除去通常魔法も大抵のドラフトでは弱い部類に入る。1:1交換保証のような見た目をしているがそれは嘘で、実際のところはディスアドバンテージを生むことが多い。

《地砕き》《地割れ》が最も強く使えるのはいつかを考えてみると、

1.自分ターン中(通常魔法なので当然)
2.相手の場に高打点シンクロモンスターのような「脅威になるモンスター」がいる
3.それを上から殴れるモンスターが自分の場に存在しない(殴って処理できるなら、除去を打たずにそうすればよいので)

こういう盤面だ。ざっくり言って相手の場に強いモンスターがいて、こっちの場は空か弱いモンスターしかいない状況である。
さて、この盤面が作られる状況を遡って考えると、前のターンに相手が「脅威になるモンスター」を出し、しかも自分はそのターン中にはその「脅威」を処理できなかったのだろう。「脅威」が出たターンに対応されていないということは、「脅威」は既にこちらのモンスターを戦闘破壊しているか、ライフを大きく削った可能性が高い(遊戯王には召喚酔いが無いため、強力モンスターが場に出てターンを返す頃には、もうそいつは殴り終わっている)。

となると、今更そのモンスターを《地砕き》で処理したところで、前のターンで戦闘破壊されたモンスターや削られたライフは帰ってこない。通常魔法という遅さ故にディスアドバンテージを背負いがちなわけだ。

なお、これは殴られることでアドバンテージを失うということが前提にあるので、組み合わせるカード次第では十分強く使うこともできる。例えば、自分の場にいるのがリクルーターやガジェットならば「脅威」の攻撃をほぼ無料で受け止めてくれるので、返しに《地砕き》《地割れ》で道を開いて殴りに行くという使い方が強い。

サクラクエスト三話

サクラクエストの話する頻度ヤバくないか?
e180c022[1]
演説シーンが上手くできていると思った。

誰かが大衆の前でクライマックス的に演説して自らの意志を表明するのって、喋っている彼自身や脚本家としては彼の内的な葛藤が解決されたことを示す手頃な手段なんだろうけど、(消費者はともかく)聴衆には他人の独りよがりな自白を聞いて喜ぶ趣味はないわけで、「演台じゃなくて家でシコれよ」という気持ちになるところがある(その最悪なケースが穂乃果ちゃんの独唱だが、現実でもそういう温度差を感じて冷めることは結構ある)。

由乃ちゃんの演説もオナニー型演説の典型的な例で、終始自分の話に終始し、その場のテーマになっているはずのヌルキャラのことは一切喋らない。
雰囲気的に作品としてはいい感じになったんだろうなあ~(オナニーでいいっていうスタンスなんだろうなあ)と思って見てたけど、その後の他のキャラからの評価が「あのスピーチはもうちょっとなんとかならなかったの?」「就活30社落ちるのも頷ける」「由乃ちゃんらしくて良かった(←褒めてない)」と、かなり辛辣。作品内で客観的に見たら全然良くないのを自覚的にやってるっていうのがよかった。
前回喋ったようなフィクションの吸収力にも繋がってくるんだけど、作中で価値観を散らすっていうのは基本的に難しくて、それをうまくやれる可能性を見た。

補足8:作中で価値観を散らすのが難しいのは、身も蓋も無いことを言えば我々と作品内部で評価の基準を共有していないからというのが最大の理由だけど、集中線のような演出を組み込めば(プロパガンダ的な?)操作が容易だからというのもある。

カプコン製ゲームのワンセッション性

010[1]
カプコンという会社、コンシューマーゲームでも未だにコイン制アーケードゲームファイナルファイトのような)の精神を受け継いだゲームを作ることが多い。
というのは、ゲームの構造として

・ステージを一方向にしか進めない
・無限のレベル上げを認めていない
・最強のデータではなく、最強の周回を要求する

などの特徴を持っていることを指す。
これだけでは何が言いたいのかわかりにくいと思うが、今回のテーマはレベリング(ゲームキャラのレベルを上げるためのプレイ)なので、まずは一般的なコンシューマーゲームでのレベリングの特徴から入る。

何でもいいのだが、FFでレベル上げをするときのことを思い出してほしい。
適当に平野をうろうろして、敵が現れたら倒す。一度行ったことのある街に戻ったりしながら、同じ場所に留まってそれを繰り返す(同じ場所に留まるのは、新天地に進んだらレベル上げではなくストーリープレイになってしまうため。レベルを上げることだけをプレイの目的にしている場合、新たな場所には行かない)。
レベルは理論上キャラの上限まで上がり(FF1はLv99だっけ?)、プレイヤーは望めば望むだけ強いデータを作り出すことができる。

・ステージが一方通行でない(同じ場所に留まったり、前に通った場所を再び通ったりできる)
・無限のレベル上げを認めている
・最強のデータを作れる

という特徴が抽出でき、裏返せば冒頭に上げたアーケードゲームの特徴になることがわかる。

具体的にはアーケードゲームではどのようなレベリングが行われるのか、これら二つのシステムを折衷したレベリングシステムとは何か……という話は次回に続く。

・コメントとお題箱

今気付いたので次回に処理します。