LWのサイゼリヤ

ミラノ風ドリア300円

4/12 例の伸びたツイートとか続き

意志薄弱者のツイート

 

眠さんも言ってたけど、こんな文章ばかりの添付画像が伸びるのはちょっと驚き。

リプライで補足した書名は多分間違えていて、

やさしい精神医学
西丸 四方
南山堂
1997-05


これではなく、

精神医学入門
西丸 四方
南山堂
1996-03


こっちだと思う。

両方とも東大医学部図書館から借りて読んだもので、今手元には無いのではっきりとは言えないものの、当時のメモを見る限り、多分こっちだ。同作者・同時期で同じような内容なので大した問題ではないのだが、今のところ有識者から引用RTかリプライで指摘が入る気配はない(俺が二重に記憶違いしている可能性もある)。

あと、伸びるにつれて増えてきた引用RT・リプライの内容として、「こんな幸せな人間を病気扱いするのはおかしい」というものがある。
こんなことは言うまでもないかもしれないが、診断に価値観を混入させるのは科学として適切ではないわけで、医学にできるのは症状一覧に照らし合わせて正常か異常かを判断することだけだ(とはいえ、この辺は(身体医学と比べて)精神医学ではデリケートな話題であることは間違いなく、これらの本にも「正常」の基準は恣意的にならざるをえないという注意が書いてあったはずだ)。

こうした意識を象徴するものとして、「尋常ではないという意味で、聖人と死刑囚は等しく異常者である」というフレーズが両方の本にあり、俺としてはツイートが伸びた症例部分よりもこっちの方が記憶に残っている。

フレームアームズガール二話


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一話から100点だったが、早くも年内トップが見えている。
キスシーンがあって嬉しかったとか、人のポエムをゲラゲラ笑うクズっぷりが良かったというのもかなりあるが、全体的にセリフ回しとテンポが職人芸で、普通にコメディとしてのレベルが高い。
特にバーゼラルドvs轟雷の導入で、「ルンバを壊した→修理代が必要→バトルでモニター代ゲット」という若干説明が必要な流れを、バーゼラルドの唐突な発言から始めることで退屈な時間を削ってみせたのは上手いな~!とかなり感心した。

・続き/作品内の自由意志

昨日予告した通り、四女神オンラインのネタバレをガッツリ含むので追記に回します。

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前にも言ったが、PS4ソフト「四女神オンライン」はシリーズおなじみのキャラクターたちが架空のオンラインゲーム上で遊んでいるという設定のゲームである。
ちなみに「架空のオンラインゲーム」のタイトルも「四女神オンライン」であり、単に「四女神オンライン」と言ったとき、「PS4のソフト現物」と「架空のオンラインゲーム」のどっちを指しているのかわからなくなってしまうので、後者は一貫して「架空のオンラインゲーム」と表記することにする。

ざっくりしたストーリーは「側近の黒騎士とミノタウロスを倒す→ラスボスの魔王を倒す」というものだが、これは全て「架空のオンラインゲーム」上で実装されたイベントであって、ゲーム内の架空の運営会社の手を出ていない(ラストまでプレイしても特に超常的な現象は起こらず、キャラクターたちは本当に既成のゲームを遊んでいるだけである)。

側近の黒騎士とミノタウロスは結構いいキャラをしていて、サイドイベントで彼らの悲しい過去を垣間見ることができる。彼らは元々は善良なキャラだったが、黒騎士は部下との決闘に負けて自暴自棄になり、ミノタウロスは見た目から村人に迫害されたことで魔王に取り込まれてしまったという。
まあ、陳腐と言えば陳腐なお話だが、このシリーズにしては珍しく萌えキャラが絡まないサイドイベントで進行することもあって、俺はぼちぼち感情移入してプレイしていた。

黒騎士とミノタウロスを倒したあと、彼らはちょっといい人になり、ラスボスの魔王と対峙するときに出てきて助けてくれるのだが、魔王の力には及ばず殺されてしまう。

その直後、(「架空のオンラインゲーム」のキャラクターではなく)シリーズキャラクターのノワールちゃんが発するセリフがこれだ。
四女神オンライン CYBER DIMENSION NEPTUNE_20170403014127
「色んなNPCが開いてくれた道……無駄にはできないでしょ?」

NPCて。ノワールちゃん、冷めすぎでは?
確かに、黒騎士とミノタウロスは架空の運営会社が配置したオブジェクトであって、「架空のオンラインゲーム」ではただ決められた動作をするというだけのNPCではある。
vs魔王戦は「架空のオンラインゲーム」上のラスボス戦であると同時にPS4ソフトとしてもラスボス戦であり、正真正銘のクライマックスなのだが、これはロールプレイに過ぎないことをこのタイミングで思い出させてくれるのだ。ノワールちゃんは自らの身を犠牲にした彼らの散り様をNPCイベントと即断し、プレイヤーとしてはそれなりに感情移入していた黒騎士たちを切り捨てていく。

この辺から昨日の続きになってくるのだが、この時点でプレイヤーとノワールちゃんの間では黒騎士とミノタウルスの認識にズレがあり、作品外からは自由意志があるが、作品内からは自由意志がないと言える。

とはいえ、「架空のオンラインゲーム」をプレイしているノワールちゃんがNPCNPCと断定するのは設定に忠実な言動で、どちらかといえば、作品内ですら「架空のオンラインゲーム」上のNPCであることはわかっていたはずの黒騎士たちを、自由意志を持つものとみなしていた俺サイドの方に問題がある。
そうなってしまった理由は簡単で、我々の次元から見れば、「ノワールちゃん」のいる次元と「黒騎士たち」のいる次元には大した違いが無いからだ。少し入れ子になっていたところで両方ともゲームのキャラクターなわけで、フィクションを消費する以上、頭の中に形成するイメージには変わりがない。
もちろん、ノワールちゃんにとっては我々にとって「現実の友人」と「ゲームキャラ」が違うのと同じくらい「ノワールちゃん」と「黒騎士たち」が違うわけで、そこを峻別する姿勢を見せてきたのは結構面白かった。


四女神オンラインについてトピックがもう一つと、この話題自体の拡張がまだいくつかあるので、それはまた次回。