LWのサイゼリヤ

ミラノ風ドリア300円

18/1/14 俺はポプピ面白いと思うけどね俺は……

スロウスタート二話

6181281c[1]

このポジションにいません?
シオンチャンが出てくるところ以外は面白くなかったけど、一話で明らかなコミュニケーション不全とその理由を提示しておいたおかげで、これからどんなに面白くないことをやっても「コミュニケーションが失敗している以上面白いべきではないから」という言い訳が立ってしまう。
前回は主人公がコミュ障過ぎて終わっていた関係はAパート冒頭でタマチャンと一週遅れて名前トークをしたことで部分的に回復された一方、湿布の要求がアイス自販機発見にそのまま握り潰されたり(普通にひどいぞ)安定しない。このまま微妙な関係を続けてほしさはあるが必須ではない。

・ポプピ二話

de4a1e58[1]
前回の感想に入れる場所が無くて書き残したことなんだけど、不条理の懐の広さについて、二重否定を噛ませると全ての命題を否定形に回収できるという性質がある。
例えば「Aである」って一見肯定文だけど、論理的に「『Aでない』でない」と同値だから結局否定文として不条理の射程内に入ってしまう。ここまで極端に不条理が全てを回収する段階に来ると、全ての評価が同じ直線上に乗ってしまう。どれを採用するかが気まぐれな匙加減でしかなくなり、条理が何回裏返ったのか(もしくは裏返ってないのか)に根拠を付けて喋ることができない。「特に理由はないけど私はn回だと思います」という無邪気な発言以外は封印され、ポジショニングが混入しているようにも見える(どうとでも感想を言えるし「ポプピ評価してるやつはうまぶりたいだけやろ?」と邪推されたりする原因)。
まあでも実際のところはサブタイトルを含めて有限化に成功しているためにそこまで極端な事態にはなってなくて、俺は二話も一話と同じ理由で面白かった。

・超次元大戦セガハードガールズ

ogp[1]
クリア

==== キャラゲーとしての開き直り、キャラ全振り精神が相変わらず凄い。キャラだけそれっぽく使えればいいやろ!という割り切りが一貫している。

キャラしか見てないからキャラ以外の全ての設定にこだわる必要がない。
シリーズを通しての世界ではなく今作のためだけに作られた世界で話が展開するし、それに伴って今まで一緒に冒険していたキャラたちも全て初対面扱いになる(それについては最後まで何の説明もない)。ただし、「世界設定としての人間関係」は引き継がない一方で「キャラ設定としての人間関係」は引き継いでいるので、初対面という体裁で一言二言会話したあとは今まで通りの人間関係が完全に復旧する。

特にネプテューヌとネプギアの姉妹設定が一番面白かった。
そもそもこのシリーズの姉妹設定はmk2で初登場したときから若干異常だ。彼女たちには設定上で両親がいないため(女神だから自然にスポーンしたような存在)、姉妹関係は家族構成のバックグラウンドに由来していない。類推的に設定として主張されているだけに過ぎず、辞書的な意味は放棄されてそれっぽいキャラクター設定=萌え要素としての意味だけが独り歩きしている状態に近い。ただでさえ曖昧なバックグラウンドを全く引き継いでいない今作でも萌え要素だけは生きているから、初対面で「私たちは姉妹だったような気がする」というアクロバティックな合意を取るのに笑ってしまった。

キャラクターの単一性にもあまり興味がないようで、割と平気で電子データ的・パラレルワールド的な複製を行う点も今までと同じだ。
今作ではストーリー上ではまだ仲間にならないキャラを使わせるための方策として、「キャラのデータ」なるものを用いて「キャラのコピー(いーすんが用意するのでデジタルデータ的なもの?)」をプレイアブルキャラクターとしてパーティーに入れられる。コピーキャラの能力に多少の制約はあるものの、戦闘中にはキャラとして普通にセリフを喋って動いてくれる。戦闘機能どころではなくキャラクターそのものをコピーできるという感覚、多分ソシャゲとも共通しているがそれでいいのか。

その他
DTe9y0WVwAAwt6W[1]
・ストーリーは一応ループもので、ラスボスが倒せるようになるまでステータスを引継ぎながら何度でも最初に戻ってきてセッションをやり直せる。デッドライジング的なプレイ体験に近い。グルグルしていればいつかは必ず倒せるし、動機も設定も曖昧なのでキャラたちにそこまでモチベがない脱力感は良かった。

・アイエフちゃんを主人公に据えたのはかなり良かった。
しっかりしててカッコいいタイプの女の子だから女性主人公に向いてる。暴走タイプの副主人公であるセガミとの相性もよくてニコニコしながらプレイできた。
セガミ参入に伴って、今までアイエフちゃんとの固定カップリングだったコンパちゃんを切ったのは英断。申し訳ないけど、コンパちゃんって「女性が考えた男性ウケのするキャラ」って感じであまり魅力がない。これも開き直りの妙技か?

・フィーバーシステムは要らなかった。
敵も味方も火力が高くゲームオーバーになるときは基本ターンが回ってこない。シンボルエンカウントでフィールドアタックに成功した方が先に2ターン動けるシステムがあり、敵に先手を取られるとこちらが全滅するまで一息で殴ってくるからだ。よほど格上と戦うときでも無ければフィーバーシステムを使うターンがない。フィーバーゲージが溜まると戦闘開始時にいちいち出現アニメーション(スキップ不可)を見なければならないのが鬱陶しく、フィーバーシステム自体要らなかった。

・ラスボスを倒す最後の周回以外ではラスボスに負けて時を遡る負けイベントが必要になるのだが、ラスボスが超火力タイプではなく超耐久タイプなのはどうにかしてほしい。こっちが1ターンで10000削った返しに相手が30000回復するので絶対に倒せないものの、相手の攻撃もヌルいので回復しながら真面目に戦っていると3時間くらいかけて全てのリソースを使い果たして餓死しなければならない。「これは無理だな」と思ったとき回復を捨てて死ぬのを待つのがタルかった。

・スキルの説明が不親切。
スキル(奥義や常在効果)を習得しただけでは機能せずスロットにセットしなければならない。「おしえていーすん」というチュートリアルコーナーがあるにも関わらずその説明が無い。俺は「スキルっていつ増えるのかな?」などと思いながら初期スキルだけでクリア直前までプレイしてしまった。

・アクション部分が貧弱すぎてキャラが思い通りに動かない。
ダッシュから止まるだけで何故かスライディングモーションがいちいち入るせいで足場から転落したり、足場の淵に近付くだけで勝手にジャンプしてやはり転落したりする。最初はダッシュダッシュジャンプが実装されたことに感動していたが、今はPS2の時代ではない。アイエフちゃんが梯子を昇るときにムカデの生まれ変わりみたいな気持ち悪いモーションで動くのは少し面白かった。

・大戦要素も合体要素もなくない?