LWのサイゼリヤ

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11/4 ドラクエズとアズレンの感想

ドラゴンクエストライバルズ

M8cngv78[1]
今ソロプレイのトレーニングで戦士と魔法使いだけクリアして、ルールはわかったくらいの段階。
まあだいたいハースストーンのパクりなんだけど、盤面に前衛・後衛という概念を作って1列から2×3にしたのがなかなかうまく機能していると思った。

というのは、DTCGが挙動を簡単にするために戦闘を一方的にした(罠のようなインタラクティブな部分を廃した)弊害として、「戦闘の主導権が全て攻撃側にあるためマウントが取りやすい」という問題があり、一度相手に盤面を作られると

・有利トレードを繰り返される(アドバンテージ不利)
・盤面を作り直している隙にライフを詰められる(ライフ不利)

と言う二点でボコボコにされてしまいやすい。
シャドウバースはマウント状態を返すためのシステム単位の解決策として進化を導入したが、ライバルズでも同様に前衛・後衛システムを使って独自の解決策が導入されている。

・行に関するルール(ブロック)
NKSl-QiG[1]
同じ行にモンスターを2体置くと、相手は前衛しか殴れなくなる。画像の場合だと、相手(右)は2/2を倒さないと3/3に攻撃できないので、3/2は2/2とのトレードしかできない(本当は3/3とトレードした方が得だけどできない)。
これによって相手が殴る先をある程度コントロールできるし、弱いモンスターやシステムモンスターを後ろに隠して有利トレードを阻止できる(アドバンテージマウントの解決)。

・列に関するルール(ウォール)
Z09eot5f[1]
同じ列にモンスターを3体置くと、相手はヒーローを殴れなくなる。画像ではウォールが成立しているので自分のヒーローは殴られない。
終盤にライフが詰められて死にそうなとき、とりあえず雑魚を並べて急造のウォールで削り切りを阻止できる(ライフマウントの解決)。

どっちのルールも直感的にわかりやすく、なかなかうまいこと考えたなと感心した。
ただ、盤面を二重にしたために自分と相手で合計四層の厚みが必要になり、対戦画面が横になってしまった悪影響もある。攻撃選択方法はハースストーンと同じスワイプなので、最長で横向きの画面の上で端から端までズーーーーーッと指を動かさなければならない。他のDTCGと比べて若干操作しにくく、掃除中とかに片手だけでやるのは難しい。先行入力にも対応してるけど、入力が長すぎて操作してる間にアニメーションが終わってしまいがちなのでまだそんなにありがたみを感じない。iPadとかだと更に大変なことになりそう。

あと、ヒーローパワーがあるのは凄く嬉しい。
ちょっと対抗策を講じたところでやっぱりどうしてもマウントを取りやすいのがDTCGなので、うまくマナを使い切れなかったときやターンをスキップしたときの不利が大きい。何か救済措置が欲しいのだ。
ドラクエのヒロパは1ターンに1度だけ1マナ払うことでテンションを1つ溜め、テンション3つを使って何かしらの効果を得る(最速でも3ターンに1度しか使えない)。テンション3つを使って発揮する効果は概ね2~3マナ相当で、手札を使わないのを実質キャントリップとみなすと普通に換算しても若干強いくらいだと思う。
ターンを分割して支払わせることで、余りマナへの救済措置でありながらインパクトの強い効果を持たせられている。ハースのヒロパは効果がささやかすぎて盤面を返す力はほとんどなく、マウント続行補助にしかならないところがあるが、だからといって強力にしすぎるとヒロパが使い得になってしまうというジレンマもあり、これに対して時間も込みで縛りをかけることで一つの回答としたんだろう。

ただ、後攻が2テンション溜めた状態でスタートできるのは強力すぎるような気もする。
書いたようにヒロパが普通にマナ相応の効果を持つので、2テンション増加は純粋に2マナ+2ターン分の先行行動になっている感がある。特に除去ヒロパ持ちのヒーローが相手だと、1マナ払うだけで3マナ分の除去を放たれることが確定している状態からゲームが始まるから結構萎えてしまう。

そんなにやり込むつもりはないけど、チュートリアル終了して闘技場までは触る予定。

アズールレーン

DNo1-C-UMAAao_Z[1]
全然面白くないけどとりあえずイベントをクリアしてみよう!ということで、無事A1をクリア。開始当初と比べればそれなりに「なるほどね」感も得られて、ソシャゲ研究も進展した。

元々、グラブルとかやってる脳細胞を破壊された者たちを見たときの最大の疑問が「対人ゲームじゃないのに何でそんなに頑張れるのか」だった。
対人ゲームなら頑張るのはわかるんだよ。単に相手が人間だとコミュニケーションとして熱中できるっていうのもあるけど、ゲームとして条件が対等であるために、お互いに勝つためには常に相手を超えなければならないフィードバックループが発生するというのが大きい。つまり相手が10やり込んでたらこっちは11やり込まないといけないし、それを見た相手はまた12やり込むっていう、頑張ろうスパイラルが出来て無限に頑張るのはわかる。
しかし、いわゆるソシャゲの相手は人間ではないから、こっちが11頑張ったのを見て12頑張りをしてくることは無いはずなのだ。まさか最初から無限に頑張っている人しかクリアできない難易度ということは無いだろうし、一度設定難易度を超えてしまえばあとは「もう頑張らなくてもいいじゃん」になるのが自然だと思うのだが、皆が無限に金と時間を投資する原動力はなんだろう!?という疑問があった。

補足80:イトマキ先生に聞いたところによると、グラブルの場合はチームでどれだけ多くのダメージを敵に与えたかをプレイヤー間で競う「マルチバトル」が主流である他、対人ゲーム寄りのシステムが多く採用されているらしい。


アズールレーンのイベントをプレイした感想としては、やはりソシャゲは基本的には作業の快感を搾取するツールというところからは出ない。制御可能ステータスを大量に盛り込むことでRPGで言うレベリングの快感を突き詰めさせることが基本原理ではある。この効果はだいぶ強く、あるステージをクリアするという目的を達成したところで惰性に背中を押されて作業は止められないというのが恐らく一つの真相ではある(俺はやめたけど)。

加えて、プレイヤーの頑張りをモチベートする技術として周回という概念が強力に機能しているのを感じた。「かなり強い敵を倒してください」という目標を、「程々の敵を倒すのを○○回やってください」に置き換えるのである。
難易度の代わりに回数で目標を設けるメリットは三つあって、一つはバカみたいに難しいものを見せなくて済むので誰でも簡単に参入できる。二つには、目標達成のタイミングを運営側がかなりのレベルで制御できる(元々強いからといってすぐに終われるわけではない)。三つには、「周回の効率を上げさせる」という目的で終わりなきステータス上昇を迫れる(目標が敵の強さという閾値ではなく時間という連続量なので、理論上は最強に辿り着くまで終われない)。

で、
ojfCEo55[1]
今の艦隊はこんな感じ。
俺はクリアさえすればいいやというモチベーションなので見た目だけで適当に選んでいるのだが(本当は腋を出している艦隊を組みたいけど前後合わせて6人がまだ揃わないので調整中)、反空さんから「本当に見た目だけで性格は気にしてない?」みたいなことを言われて確かにと思った。ちょっと前に話した「キャラクターの外見は内面に先行する」という働きがソシャゲは異常に強く、見た目だけで全てが決定している。
sFPJzjsG[1]
LW的にこの艦隊で中心にいるのはレパルス(↑)である。
他の誰よりも明確に女性主人公の顔をしているので主人公枠として旗艦にいる。好き嫌いとかじゃなくて(好きだけど)、彼女は確実に女性主人公として生まれてきている。
妹は何人いても困らないからとりあえずラフィーとユニコーンを置いていて、本当は汎用型ブリを置くと引っ込み・クール・馬鹿みたいなトリオになるからバランスが良いんだけど、流石に弱すぎるので泣く泣く外している。
お姉ちゃん枠には翔鶴がいて、高雄はキャラが被るから外したい(主人公がお姉ちゃん寄りなので、妹は何人いてもいいけど追加の姉は一人でいい)。プリンツオイゲンは見た目的にはお姉ちゃんっぽいけど不思議ちゃん感があるから友人枠で納得できそうな気がしている。

……みたいな気持ち悪い艦隊の作り方をしてるんだけど、この辺の「キャラ」は全て見た目から勝手に連想されたもので、本当はどういうキャラなのか俺はよく知らない。プリンツオイゲンが喋ってるところなんて戦闘後になんか喘いでるやつくらいしか聞いたことがなくて、常に指を咥えているのでこいつガイジか?みたいな感じで不思議キャラを適当に考えたんだろう。

この現象は「本来コンテンツが備えているプロット・ワールド・キャラクターという三権分立の中で、ソシャゲではキャラクターだけが異常に膨張している」という説明で片付けられるのだが、ついでに言えば「ソシャゲのファンアートに百合寄りのものが多いこと」「アズールレーンが一瞬で艦これを食ったこと」の二つもこれで説明が付く。

一つ目に関しては、プロットとワールドを禁止してキャラクターだけを使ってアートをしようとするなら、もうやることが百合くらいしかないんだと思う。何らかの事件に言及してはならず、何らかの背景に言及してもならず、それ自体として独立して存在できるキャラクターが絡むとなったら適当にベタベタするくらいしか道がない。やっていることは腐女子やおいと全く同じで、キャラが肥大化したことによる消極路線としての百合の流行は、キャラだけを切り取るアートが肯定されるという意味でTwitterの普及とも無関係ではないはずだ。

二つ目に関しては、アズールレーンのキャラは別にアズールレーンのキャラではなく、いわば「艦これ外伝」のキャラだということ。「アズールレーン世界」と「艦これ世界」を厳密に分けているプレイヤーはあまりいない気がする。今やコンテンツの中でワールドが持つ権限はほとんどなく、世界から独立したキャラクターだけが歩き回るという状況であるため、作品名が異なることは大した問題ではない。似たようなデザインコンセプトのキャラクターがいるということの意味は、ただちに世界を(勝手に)共有できるというところまで拡張される。

あともう一つ別の話題として、細部のセンスについて言いたい。
DNE7p-wVQAAF6rU[1]
この画面すごくない?

このダイアログが伝えたいのは「オート戦闘では被弾確率が上がるかもしれないから気を付けてね」っていうことなんだけど、イラストのチョイスが凄まじい。女の子が蝶々を追ってフラフラしてる足元に魚雷が迫ってきている、その「三秒後に死にます!」感がアニメで言う次週へのヒキっぽいからついでにジョジョのパロディで矢印を付ける、警告画面の割に情報量が多すぎるというギャグとして成立している。

前に中国産の「崩壊学園」をプレイしたときにも、こういう稀なセンスを見た記憶がある。
伝達そのものに関心が無いかのような独特のセリフ回し、ストーリーへの無頓着さが共通していて、うまく言えないのだが、これは個々人のセンスではなく根底にある優先順位の問題というか、何か見ているものが違うことに由来しているという印象を受けた。中国産ソシャゲはこの二例しかプレイしたことが無いので安易に国民性に帰すことはできないが、印象として多分そのくらいの深度にある差異のような気がする。謎。