LWのサイゼリヤ

ミラノ風ドリア300円

18/12/6 お題箱回

消化するタイミングを伺っているうちに溜まってしまった。
お題箱はPC用表示で右サイドバーにある「サイゼリヤ公式リンク→サイゼリヤの座席」から利用できます。

・お題箱44

70.胎界主読んで欲しいマンなんですけど、序盤だと見て欲しい内容にかすりもしないので(全部読めとは言えず)めちゃ勧めづらいです。
ジョジョ6部の一巡後の世界について見て欲しいのに、1部だと吸血鬼バトルしてるだけみたいなもどかしさがあります……

そうだったんですか。正直ちょっとうまぶったアングラ漫画くらいの印象で終わってました。ありがたい情報です。
ちょうどミスター味っ子の無料配信も終わったのでぼちぼち読んでみます。感想を書くかどうかはわかりませんが、読み終わったら読み終わったツイートくらいはしようと思います。

71.Vtuberの事はほとんど知らないので馬鹿げた質問をしていたら申し訳ありません
ごっこ遊び」というとなりきりチャットのようなものを連想するのですが、その類とは本質的に異なるものなのでしょうか

ごっこ遊びとしての虚構物語行為についてですね。物語行為のイメージについて説明不足でした。

一般に「物語」というと何かしらの登場人物やプロットを含んだ一つの商品パッケージ(本とかゲームとかアニメとか)を想像すると思うんですが、「物語行為」と言ったときはちょっとニュアンスが違います。行為としての「物語ること」を指し、「未開部族の人々が焚き火を囲んで座っていて首長が神話を語っている」とか、「学童で大人が子供たちに向けて桃太郎を語っている」ようなイメージが正しいです。直接対面した状態で声によって伝達される原始的なコミュニケーションを示しているわけですね。

このとき、伝達される内容がフィクションであったとしても、それによってただちに物語行為が破綻することはありません。というのは、「桃太郎って存在しないのにこの話する意味なくない?」と水を差すガキはあまりいません。それどころか、「桃太郎って身長高かった?」「鬼倒したし180くらいはあったんじゃん」と内容を拡充していくことができます。全員が桃太郎の出来事を実際にあったと思っているわけではないにも関わらず、それを信じているようなフリをして内容についての議論が可能なわけです。
よって、フィクションが物語られている状態というのは、「参加者全員がとりあえずフィクションの内容を真と信じるフリをしている状態」と言うことができて、この意味でごっこ遊びと考えられます。

なりきりチャットも、参加者がとりあえずフィクションの内容を真と信じるフリをしているので、確かに上に述べた意味でのごっこ遊びではあります。ただし、「参加者がフィクション内での役割を割り振られている」という更に強い条件が付け加えられています。一般的には、ごっこ遊びだからといって必ずしも全員がフィクション内でのロールを持つ必要はありません(桃太郎を聞いている子供は桃太郎でも鬼でも動物でもありません)。

よって、なりきりチャットは狭義のごっこ遊びということになりますが、Vtuberという現象を語るにあたっての拡張としては正しい方向性だと思います。
Vtuberのアクターが狭義のごっこ遊びに参加しているのは間違いないと思います(諸説ありそう)。一方で視聴者が参加するごっこ遊びは広義か狭義か、すなわち明確なロールを持つのか否かというのは一つの論点になりそうです。

72.サイゼリヤツイッターアカウントも更新してほしいです。

この投稿を受けて、本を読んでいてオモローと思ったページを貼ったり、いつか記事にしそうなことをツイートしたりし始めました。
事前知識を要求する内容とか、本アカウントの方でツイートしても意味がなさそうなことを呟いていこうと思います。サイゼリヤ公式アカウントはこちら→@saize_lw

73.完全初見の学問に触るときにどんな風に入れば良いのか(本の選び方とか?)がわからなくて困ってます(高校以来、専門外の学問の勉強をしたことがないため)。ノウハウとかあれば教えてください。

ちょうどいいタイミングで質問が来たので白状します。僕はゴジラ3を見た翌日、紀伊国屋に行って経済学の棚を探して資本主義の本(¥2500)を購入して、1日で全部読んで前回の記事を書きました。
そんな経緯で、先週末の僕もちょうど初見の学問に触る状況でした。そのときのことでも思い出しながら僕のやり方や考え方で良ければ書くことはできます。
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まず大前提としては、本を読むべきです。
Google検索でわかった気になるのはほぼ何もわかってないです。学問って目的性を伴って接続された知識の体系です。その一部の断片知識だけ抽出してもあまり意味がないし応用も効きません。
よって、本の選び方について書きます。ちなみに1と2があるのは二つ選択肢があるという意味ではなく、1→2の順に実行しろという意味です。

1.ネットで調べる

まずはネットで調べて検討を付けます。
「〇〇 入門 本」「〇〇 初心者」みたいな検索ワードをGoogleに入力すると、入門書を紹介している個人ブログや、そのまま「〇〇入門」「〇〇入門講義」みたいなタイトルの本が見つかります。もちろん分野のスケールにはよりますが、大抵5冊くらいはなんかそれっぽい本がもう見つかると思います。
タイトル以上のもう少し踏み込んだ評判が欲しいと思ったときは、Amazonレビューとか読書メーターを参考にします。所詮は無責任な素人評価ですが、中身のない自己啓発書とかはともかく、何らかの勉強に使うような本のレビューはそこまで疑ってかからなくてもそこそこ信頼できると思います。
いずれにせよ、この段階では購入・入手を確定するわけではないので、ふんわり数冊に目星を付けるくらいでいいです。面倒とか急ぎだったらこの段階を省いて2からスタートしてもいいです。

2.本屋か図書館にいく

目星を付けたら、なるべく大きい本屋か図書館に行きます。
規模は結構重要で、駅の横とかにちょっとあるようなやつではなくて、欲を言えば何フロアかある建物のやつが望ましいです。GEOとかの中古本屋は品揃えが厳しいのでやめた方がいいです。

本屋や図書館に着いたら、分野別に本のコーナーが分けられているはずなので、目的とする分野のコーナーに行きます。そこで目星を付けた本があるかどうか探して、見つけたら軽く目を通します。それだけではなく、その周りにある本も何冊かパラパラ開いて目を通します。目星を付けた本が無くてもせっかく来たので何冊か捲りましょう。
調べてきた本があるかどうかはあまり重要ではなく、その近辺の本をまとめてチェックして良さげなものを探すのが目的です。この情報化社会でも、金を出さずに中身に全部目を通せるのは本屋だけのメリットです。目当ての本が良い本ならそのまま買えばいいし、他に良さそうな本があればそっちを買えばいいのです。色々捲っているうち、どの本でも言及されている内容や、特定の本しか持っていない論点があることに気付いたりもします。

立ち読みでチェックするのは主に「まえがき」「著者情報」「雰囲気」の三点です。
巻頭にある「まえがき」は、その本の対象読者や達成したい目標がまとめてあります。買う前にこそ読むべき部分です。どうせ大した長さではないので全部立ち読みしても構いません。「目次」も似たような役割を果たすので、あわせて目を通すといいでしょう。
巻末にある「著者情報」は、本の内容が信頼できるかどうかの指標です。学術的な権威があればあるほど良く、大学教授や助教などの職業学者ならベストです。必ずしも現役の大学研究者である必要はありませんが、最低でも修士号以上を取得していないと信頼できません(諸説あり)。
「雰囲気」は、漠然とした合う合わないです。フィーリングですね。意味はわからんが面白そうな単語が目に入ってテンションが上がるとか、作品の列挙ばかりしててオタク感がウザいから読みたくないとか、明朝体のエッジがキツくて読む気がしないとか、そんな程度の話です。

僕が先週本屋に行ったときは最初は大澤真幸の『サブカルの想像力は資本主義を超えるか』を買う予定だったのですが、まえがきを読んで求めている内容ではないことがわかったので、現役の経済学者が書いたもう少しかっちりした本を買いました。
ちなみに僕は本を買うことは滅多にありません。本屋で良さげな本を見つけたら、行動圏内の公立図書館と大学図書館スマホで検索して、そっちにあればその場で借りる予約をして帰ります。本屋で買うのは図書館で借りられない場合か、図書館で取り寄せる手間が惜しい場合くらいですね(今回は後者)。あんまり良くない客なんですけど、本って高いしスペース取るしまあって感じです。

74.ゴジラの話に対して、話の飲み込みが早い眠さんからどういう反論があったんですか?

主にハルオ絡みの部分です。

最初に僕がノートに書いて解説したのは無限前進運動の概要とゴジラとギドラの位置づけまででした。ハルオについてはどこにどう位置付けるべきかよくわかっておらず、ハルオの言う人間性ってシステムの擁立とイコールじゃない?みたいなことは会話の中で発見されました。

あと反論があったのはハルオの玉砕についてですね。
僕は詰んでた人が詰んで死んだだけだと思ったんですが、大局的には発展の放棄を受け入れていたよねというようなことを言われて、確かにそうだなと納得しました。というのは、バルチャーと同時にハルコの死体を処分している意味って発展を阻止するためで、ゴジラに語りかける部分で発展が呪いであることを認めているからです。個人的には口と行動を突っ張ったけど、集団の長としては諦めを許容できる大人だったというのが話の飲み込みの早い眠さんが提示した正しいハルオ像です。

まあ、キャラクター解釈みたいな話って見た人がそれぞれ胸に秘めておけばいいタイプの情報で、発信するようなことでもないので前回書いてないですけどね。