GWの後半で九州の西側をちょっとだけ旅してきた。
AI時代には己の経験の価値が高いのと、去年の北海道に行った記録がいい感じなので今年も残しておく。
0日目:旅行前
GW前半は友達募集のお茶をはしごしたり、大学時代の後輩を家に泊めたり、都会にある実家に帰ったりしているうちに過ぎ去っていき、GW後半はどこかに行こうと思いつつも具体的な予定は決まらないうちに5月2日(土曜日)になっていた。
discordでゲッタ~が福岡へ出発しているのを目撃し、俺もyoutube shortでたまに見る長岡ラーメンを食いたかったことを思い出して急遽福岡へ行くことを決める。去年は北海道だったので今年は南で収まりもいい。

とりあえず新幹線の切符を買いに駅に向かうが、さすがにもう座席がかなり埋まっていて検索性能最悪の自動券売機ではいつどの車両なら空いているのかよくわからない。
こういうときはみどりの窓口に行って駅職員に直接聞くといい感じの座席を勝手に出してくれる。人間に聞くとウェットに解決してしまうことが多いので、人件費削減のために設置された自動案内を無視して窓口に突っ込んで工数を圧迫する人間が後を絶たない。
隣の窓口で東南アジア系のオッサンが定期券不正利用を詰められているっぽい不穏な空気を感じつつ(「この2枚が同じ名前なのは有り得ないんですよ」って3回くらい言われてた)、S-Workとかいうコワーキング用の座席(?)なら追加料金なしで乗れることが判明したのでそれを買う。
いったん足は確保できたので帰って九州のラーメンについて調べると、長浜・博多・久留米の三系統があるらしいので制覇することに決める。

1日目の宿を適当に予約して就寝。
1日目:東京~福岡
朝5時起きで東京駅へ向かう。
4時間くらいしか寝ていないのでクソ眠いが、新幹線が出るのは6時過ぎなので仕方ない。昼から博多で長浜ラーメンを食べようとするとそのくらい早く東京を出る必要がある。
今回に限ったことでもなく、旅行初日はシンプルに朝早いのと前日に寝ないといけないプレッシャーで逆に寝れないのでかなり眠いことが多い。道中で寝れるイベントが発生すると気持ちよく眠れるが、逆に眠れない場合はふつうに最悪になるのでハイリスクローリターンといったところ。
今回は当たりのパターンを引き、博多に着くまでの5時間だいぶよく寝ていたので体感時間は1時間くらいだった(たぶん4時間くらいは気絶していたと思われる)。
途中で皆が降りて車両がほぼ空になるタイミングがあり(大阪駅を過ぎたくらい?)、東京駅から5時間はるばる新幹線で博多まで行くやつは少数派なのかもしれない。途中からは目を覚まして『装いの心理学』を読んでいた。
博多に着いて生憎の雨の中、まずは三系統のうち長浜ラーメンを食うべく元祖長浜屋に向かうと、おそらく俺と同じモチベーションで来た老若男女が50人くらい並んでいた。
幸いにもそのくらいは東京で慣れているし横浜吉村家ほどではないので、矢部嵩『魔女の子供はやってこない』をkindle oasisで読みながら並ぶ。結局これが旅行中で最大の行列であり、最初に踏んでおいたのは良かったと言えるかもしれない。
1時間半くらいの待機を経て店内に入ると、やたら広い倉庫のような敷地で店員も7人くらいいる割に、テーブルが浮島のようにぽつんぽつんとしか置いていない異常レイアウトが目に飛び込んでくる。提供時間が早い割に行列の処理ペースが遅かったのは広さと店員数の割にはスループットが低いからと思われる。しかしなぜ?
福岡長浜系ラーメンズ#横浜家系ラーメンズ pic.twitter.com/D6tKY2wd2Z
— LW (@lw_ru) 2026年5月3日
長浜ラーメンはぼちぼち美味く、文化としての替え玉をとりあえず1回しておいた。
あっさりシャバシャバ系の豚骨ラーメンは東京ではあまり人気がなくて滅多に見ない印象があり、本場のはこんな感じかという認識を持てたのは大きい。
補足661:「元祖長浜屋」と「元祖ラーメン長浜家」が超近距離に存在しており、ラオタのnote(→■)によると前者(屋)の方が真の元祖、後者(家)が分家らしいため、今回は「屋」を食った。屋が50人くらい並んでいるのに対して家は5人くらいの並びだった。
続けて市内バスに乗って2つ目の博多ラーメン屋に向かう。
普段は3食のペースを守る方だが、旅行中は禁断の昼飯二度打ちが解禁されている。特に今回は宿が久留米にあるため、博多ラーメンの喫食は移動前に処理しなければならないのだ。
ネットで適当に調べた有名っぽい店の前にはやはり行列ができていたが、長浜屋に比べるとかなり短い。
しかし「傘差してても妙に濡れるな」と思ったら穴が空いていて最悪だった。

幸いにも行列中の読書はkindle oasisなので雨耐性の強みを感じながら、しばらく並んで入店。
博多豚骨ラーメンズ#横浜家系ラーメンズ pic.twitter.com/ni1K6x9tT5
— LW (@lw_ru) 2026年5月3日
これは明確に美味かった。豚骨の味が濃く、シャバシャバした長浜系とは対極に塊を砕いたような高い粘度の旨みが味わえる。東京でもあまり食べたことがない味。
2食で腹パンになりながら宿がある久留米(正確には柳川)に向かう。
博多と久留米って同じ福岡だし徒歩圏内かと思っていたのだが、意外と遠いことが判明。せいぜい新宿から渋谷くらいかと思っていたが、新宿から八王子くらいまであるらしい。

手持ちの本を読み終わってきたので博多の丸善で2冊追加し、よくわからん地下鉄で久留米に向かって南下。止まない雨の中、無事に柳川のルートインに着。


着いてから旅程を考えるライブ旅恒例の、現地で今後の計画を練るやつをホテルの一室で開始。
大雑把には北に向かって徐々に帰っていくか、南に向かって更に歩を進めるかの二択があるが、今回は鹿児島まで足を伸ばすことに決めた。
九州に来たら鳥刺しを食いたかったことを思い出したからだ。東京での鳥刺しは自己責任でカンピロバクターを引くロシアンルーレットだが、宮崎と鹿児島だけは文化保全のため独自の安全基準を持っているためかなり安全に食えることが知られている。
GWの終わり際ということもあってここで諸々を確保しておかないと物理的に帰れなくなる恐れがあるため、残りの新幹線と宿と飛行機も全て予約して旅程を確定する。

昼に2回食ってしまったため夕飯が食えずそのまま就寝(弱体化)。
移動:25000円くらい
宿泊:12000円くらい
食費:2000円くらい
2日目:福岡~鹿児島
予定通りに起床して三系統最後の久留米ラーメンを食いに向かう。道中で郊外特有の「全て」がある区画を通って感動。

柳川から西鉄久留米駅まで1本で移動し、九州出身のエトーがオススメしていた店へ。
ここもちょっとだけ並んでおり、有り得ないくらい声の掠れた女子高生?がずっと何か喋っているのを聞きながら読書して待つ。
久留米久留米系ラーメンズ#横浜家系ラーメンズ pic.twitter.com/zTVLMhGE3n
— LW (@lw_ru) 2026年5月4日
これは東京でもたまに食うようなラーメンだったが、こういうコッテリ系の豚骨ラーメンを久留米ラーメンと呼ぶことがわかった。東京で久留米系と名指されることはあんまりなくて、だいたい背脂豚骨ラーメンみたいな名前が付いている気がする。
食後はJR久留米駅まで歩いていき、予約しておいた新幹線に乗り換える。
九州のサイズ感がよくわからなかったのだが、概ね縦断しても新幹線で一時間くらいで済むのでそんなに大きくない気もする。

ネットで「北海道の広さを舐めるな」とはよく言われているが、「九州の広さを舐めるな」と言われているのを見たことはないし、前日に縦断を決めるような舐めたスケジュール感でも問題ない。
ただ、九州はやや縦長なので上下に走ればなんか制覇した気分になれるが、北海道は正方に近い菱形かつ各地に都市が点在しているため、二次元的な平面移動が要求されて制覇の実感を持つのが大変なのかもしれない。
地図を見ればわかるように、九州も山岳大国日本の一角ということでだいたいの領域は山が占めているようだ。
西側のみ福岡~熊本あたりでたまたま平地が続いているから交通の便がよいだけで、東側は基本山しかなくて空いた海沿いに都市がへばりつくという東北に近い構造をしている。恐らく西側と東側で移動の難易度は大きく異なるだろう。
手元の小説を読み終わったので、博多で買った『そろそろNISAをはじめようと思ったら知りたいことが全部のってる本』に持ち替えながら南下し、無事に鹿児島着。適当に観光しながらホテルに向かう。


ホテルは天文館とかいうエリアにあるらしく、名前の響きからして大正レトロの残滓が漂う雰囲気を勝手にイメージしていたが、ここ歌舞伎町やんけということに気付く。ラブホと無料相談所と風俗が立ち並ぶ歓楽街である。
その真ん中あたりにあるホテルなのでラブホかもしれんと思ったが(過去にもBooking.comで適当に予約した宿がラブホだったことはある)、意外にも天文館という名前が似合うちゃんとしたホテルだった。

一旦部屋に荷物を置いてから地元スーパー「タイヨー」に向かう。目当てはもちろん鳥刺し。
鹿児島では概ね安全と言われている鳥刺しだが、飲食店よりもスーパーに売っているものの方が更に安全(個人主体ではなく企業主体でバックヤード処理しているし、販売数が多いので保健所からしばかれていないことの価値が高いから)というネットの噂を鵜呑みにした。
確かにその辺のスーパーに鳥刺しが売っていて文化の違いを感じつつ、鳥刺し2つ(ササミとモモ)とビールを買ってその辺の公園で食う。シチュエーション的にビールが似合いすぎるから一応買っておいたが、別に烏龍茶で良かったとは思う。


味は上ブレしたカツオのタタキという感じでぼちぼち美味い。ノーリスクなら連打するがリスクテイクしてまで食うほどではないくらいの美味さ。
魚の刺身から魚の臭いがオミットされているのはわかるが、生の部分から肉の味がするかはちょっとよくわからなかった(焼いた肉しか食ったことがないため)。炙ったササミを刻んでカツオの刺身にかければジェネリック鳥刺しを作れる気がする。
あとはホテルで本を読んだりブログを投稿したりして時間を潰し、夕飯はホテルの正面にある味噌ラーメンを食ったが感想は特に生まれない味だった。

海沿いだし海鮮でも食おうかと思ったりもしたのだが、歓楽街すぎて煮詰まってそうな居酒屋しかなくて断念。
一人旅中に人と話したり酒を飲んだりしたいタイプではないのでBARや居酒屋は基本行動選択肢に上がらないのだが、もういい年齢なのでたまにはそういう動きを試してもいいのかもしれない。そういえば友達が適当にゲストハウスに泊まったら意外と楽しかったみたいなことを言っていた。
移動:10000円くらい
宿泊:8000円くらい
食費:2000円くらい
3日目:鹿児島滞在
鹿児島に滞在デイなのでゆっくり11時くらいに起床。
滞在する日のホテルは10時チェックアウトを迫られることもなく、清掃不要の札をドアに貼って無理に早起きしないのがコツ。
そろそろラーメンに飽きてきたのでその辺のベーカリーで適当にパンを買って公園で食いながら桜島に向かう。本当はパンを食いながら歩くつもりだったが、それをやるにはちょっと人通りが多すぎたので自粛した。
桜島へは20分間隔でフェリーが出ている上に250円で行けてやたらアクセスがよい。鹿児島に住んでいたら桜島に行くだけですぐデジタルデトックスできそうだ。
めっちゃキレとる桜島 pic.twitter.com/WLw98Vz8yT
— LW (@lw_ru) 2026年5月5日
貴重な適正フレーム pic.twitter.com/ILyRJx5pYJ
— LW (@lw_ru) 2026年5月5日
桜島は1周35kmくらいのほぼ円形で中央に山があるパターン化された小島で、かなりバトルロワイアル(高見広春)の舞台っぽい。

とはいえバトロワは開催されていなかったので基本的にはなんもなく、軽く歩いたあとは国民宿舎の温泉に入った。海と接している割には露天がなかったのが悲しい。

温泉から出るともうやることがなくなり、早くもフェリーでうどんを食いながら本島に戻る。
桜島フェリー系ウドンズ#横浜家系ラーメンズ pic.twitter.com/DvPbWtzJe1
— LW (@lw_ru) 2026年5月5日
微妙な時間だったので旅行時恒例のメダルゲームを遊びにゲーセンに行く。
やたら調整中の台が多くてドラクエにしか座れなかったのでやむを得ずプレイ。正直IP系の筐体にはあんまり良い印象がない(どうせIPのファンが遊ぶので報酬設計が厳し目になってそうという偏見がある)。
チャッカーに入った抽選を保留するほど当選確率が上昇することで消費を急かすギミックをあまり活かせず、結局あんまり当たらないまま撤退。たぶん10コインくらいしか排出されていないので写真を撮るタイミングすらなかった。
再び鹿児島の街を歩いていると、町並みが函館にかなり似ていることを感じる。Xで調べてみるとゆうしの日本列島爆走チャンネルも同じようなことを言っていた。
鹿児島の街並み。
— ゆうしの日本列島爆走チャンネル (@D2tSgCO2ViluW6g) 2025年9月3日
微妙に函館の街並みに似てるし。 pic.twitter.com/FRZZkI7ReZ
市電が走っているし、海沿いだし、観光に最適化されているし、市街地付近に適度すぎる自然があるし(函館山と桜島)、そこからの夜景を売りにしている。
そんな街を一望しようと城山公園に登ろうとしたが、思ったより坂が急だったのと展望露天温泉が思ったより高かったので途中で諦めて引き返す。
桜島でアクアがコスプレしてたのを思い出してシロクマを食いに行った。

シロクマ(レギュラーサイズ)がかなりでかくて身体が冷えたのでホテルでサウナに入り、あとあまりにも微妙な腹具合だったので下の売店で売っていたカップヌードルを食べる。

明日はチェックアウトの時間が決まっているため目覚ましをかけて就寝。
移動:1000円くらい
宿泊:8000円くらい
食費:3000円くらい
4日目:鹿児島~東京
無事に起床し、やや奮発して併設レストランで2000円の朝ビュッフェを食べる。
ホテルの格が思ったより高そうだったので期待したのだが、ビジホの無料ビュッフェに毛が生えたくらいのクオリティだったためこの賭けには負けたと言わざるを得ない。
飛行機に乗るまで時間があるのでかごしま水族館に行ってみたが、もともと魚にあんまり興味がないのでまあという感じだった。

海底って今はまだ地球に残された最後の謎みたいな雰囲気を出せているけど、100年も経つ頃には誰でも操作できる海底ウェブカメラみたいなものが投下されてて、インターネット越しに中継できるようになってるんだろうな。
他にやることもなくなったのでもうシャトルバスに乗って搭乗4時間前に鹿児島空港に着く。
飛行機は新幹線に比べると移動時間自体は短いが、だいたい騒音防止で市街地から遠いから移動時間とか手続きも必要になって、国内移動だと所要時間は結局そんなには変わらないがちである。
昼食は空港内で鹿児島黒豚のとんかつを食べたが、これは東京でも全然食えそうな感じだった。

エーリッヒ・フロム『愛するということ』を読みながら待合室と飛行機で時間を潰して無事に羽田に着き、何事もなく自宅へ帰る。
移動:40000円くらい
食費:5000円くらい
まとめ
移動:76000円くらい
宿泊:28000円くらい
食費:12000円くらい
そんなにちゃんとした物事にお金を払っていない割には3泊4日で10万以上かかっていてだいぶ高い(あとたぶん道中で充電器や飲み物や折りたたみ傘を買ったりした地味な出費が15000円くらいある)。東北はGWでも全然廃れていたが、九州はそれよりはかなり賑わっていてややリッチな感じがする。
帰りの飛行機が高すぎたことがかなり足を引っ張っているが、これでも座席確定までに一晩かかる訳わからん代理店を挟むことでだいぶ安くなっているはずで、GWダイナミックプライシングの恐ろしさを感じる。
目的感としては九州の有名ラーメン三種(長浜・博多・久留米)と鳥刺しをちゃんと食えたのはかなり良かった。
いまどき東京で大抵のものは食えてしまうのでわざわざ地方に出向いて食う必要はないことが多いが、例外的にそれぞれそれなりに意義深いものがあったと思う。
豚骨ラーメンは色々バリエーションがある割にはどれも似通っているので、本場での種類を把握しておくことで今後自信を持って何系とか言えるようになる知識への貢献が大きい。鳥刺しは東京で食べてロシアンルーレットを引くのはかなり嫌なので、実質的には遠征しなければ食せないものだった。
旅行後、試しに東京の適当な店で長浜ラーメンを食べてみた。

これは長浜屋のものほどシャバシャバしておらず、甘めの旨みを感じるので博多要素も含まれている……ということがわかるのは九州の実地で三系統を食べたおかげと言える。